カマキリについて小池さんからの申し出  


もやさんの自然おもしろクイズに採用されたカマキリの色が生まれたときから決まってるというやつですが、最近バッタの研究をしてる方から、やはり色は変わるのでは?という事を聞きました。昆虫で冬ごしする物は色を緑から茶色に変える物が多いので(バッタやカメムシなんかは同じ固体で色が変わる)カマキリだけが違う方式なのか?ということは疑問だそうです。生まれたときから決まっていてというのは、話としては面白いけどね。ということです。
どうも決まってるというのは、確実ではなく、そういう説もあるというレベルの事らしいです。

バッタで羽の色や足の色身体の色が、身体と足は緑で羽は茶色全部緑、身体は茶色で羽は緑、などに分かれるのも、事前のプログラムではなくその固体の生息環境の影響ともいえるわけで、どの環境がどう違ったら羽が茶色になってどうなったら緑になるか?温度なのか周辺色なのかそれとももっと違ったものなのか?

温室飼育の花カマキリでも一定の割合で白が発生するというのも、周囲の環境で説明が付くのか?という部分もありますのでまだ良く分からないというのが、ほんとのとこかもしれません。
というわけで、確実な情報という自信が無くなったので、あの部分は削除をお願いしたいのですが

という申し出がありましたので、削除しました。
もともと掲載していた問題と解答は以下の通りでした。

()同じ種類のカマキリの体色が、個体によって、緑、茶、と違う物がいるのはどういうわけか?
a.同じ種類のカマキリの中に、亜種として、緑のものと茶のものがいる
b.食べる餌によって、緑になったり茶色になったりする
c.周囲の葉や枯れ草の色にあわせて変色する
d.同じ親の卵のうから、緑のものと茶のものが生まれる
e.生まれた時期によって変わる
解答:d.同じ親の卵から、緑のものと茶のものが生まれる
解説:オオカマカマキリは、緑と茶色のまだらの個体がいますが、それ以外の日本産カマキリは、おおむね緑または茶色(枯れ草色)のどちらかの色一色の個体になります。生まれたばかりの個体はクリーム色で脱皮ごとに、緑になり最終令の幼虫ぐらいで緑または茶色になるようです。

同じ親が産んだ一つの卵のうから出てきた、カマキリを人工的に飼育すると親になった時に、緑の個体と、茶色の個体が、半分ずつになるそうです。人工的な虫かごの中で、周囲の色や、食べ物の傾向を変えてみても、この割合は、変わらないそうです。環境の変化や親の体色も影響しない事になります。

熱帯の花カマキリでも白い個体とピンクの個体について割合こそ違いますが(白が少ない)いつも同じ割合で発生するようです。

カマキリの戦略としては、たった数ヶ月生きるだけの小さな体に、周囲の色に合わせて色を変えていくような複雑なしくみを搭載するというコストを抱える事は、不利になる、しかし天敵の鳥に見つからない為や、自身の狩りの為に、周囲の色と同じ
体色を持つと言う事は、重要な事ですので沢山の子どもを残し、茶色、緑の体を半分ずつ残せば、どれかの個体は周囲の色に合って生き残るだろう、という方法を取ったのです。親が卵かいを産む秋に、その周囲の来年の夏の状況を、知る事は出来ませんので、来年秋が早く来て草が枯れれば、茶色の個体が、青い草が、多く残っていれば、緑の個体が有利になるわけです。
でも茶色の親でも来年はどうなるか判りませんので、残すタマゴには、ちゃんと緑の子どもと茶色の子どもを半分ずつ入れるのです。

競馬で単賞馬券を、全部の枠買っていれば、1個は絶対当たる。というのと同じです。


()周囲の色に合った色のカマキリが多く見つかるのは、どういう事か?
a.カメレオンのように周囲の色にあわせて変色できる
b.最終脱皮の時、周囲の色に合わせる
c.カムフラージュの効用で、うまく鳥などからうまく隠れて、食べられなかったものが残る
d.自分の色に合わせて同じ色の場所に移動する
解答:c.カムフラージュの効用で、うまく鳥などからうまく隠れて、食べられなかったものが残る
解説:(7)の解説で分かったと思いますが、カマキリの最大の天敵である鳥は、目で物を見て獲物を探します。緑の草にいる茶色の個体や、茶色の枯れ草にとまった緑の個体は、朝食として朝のうちにちに食べられてしまうので、私たちが昆虫採集に行くころには、みんないなくなってしまうのです。人間は昼間にカモフラージュしているカマキリを一生懸命探す羽目になるのです。
自分の色に合わせて同じ色の場所に移動するというのもありましたが、それだと狩りが充分できずに、飢え死にしそうです。
移動は獲物のいそうな場所に向かって、その場所が、体色に合っていなかったら、食べられちゃう事もある。という行動パターンでしょう。


この件に関する、興味深いHPがありました。
Kamakiri web Atmantis

の 前翅 保護色 に
http://homepage3.nifty.com/mantis/jp/forewing.htm
かなり詳しい解説です。実際にカマキリの飼育をされている方ですので、しっかりと観察されています。かなり、信憑性が高い内容だと思います。