自然のおもしろクイズ
回答編
問題や解答に疑問や助言や感想がある人、
新しい問題の提案がある人(できれば、解答と解説付きで)
okiomoya☆fuchu.or.jp にメールください。
迷惑メールに苦慮しています。の部分をに換えて発信してください。
おもしろクイズの解答と解説について
内容については私なりに様々な書籍やネット上の資料を調べて書いています。しかし、本にしろネット上の資料にしろ必ずしも科学的に正しいとは限りません。また、書かれた時点では通説とされていても、その後より妥当性のある説が発表されいている可能性があります。
私が調べた時点でも、異なる説が見つかる場合が多いです。その場合、私の判断で確からしい内容を正解として書かせてもらっています。私自身は専門家ではないので、所詮素人判断といえます。
このクイズを参考して色々と判断されることはかまいませんが、それぞれの判断と責任でご利用ください。


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QUIZ5 カマキリさんの恐怖 解答

(1)カマキリさんが獲物を捕まえる時の射程距離は
解答:d.目を中心に肩から触覚の先の範囲の円の中に入ると捕まえる
解説:もちろんもっと離れた位置から獲物は確認しているのでしょうが、獲物が射程距離にはいるまでは動きません。しかし、触覚の先の範囲に獲物が入ってくると、瞬時に動いて捕らえます。蠅を使った実験によると、その捕獲率は80パーセントにものぼったといいます。恐るべしカマキリ。

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(2)カマキリさんは飛べるのか
解答:c.成長して大人になると羽ができて飛べる
解説:幼虫は1令虫から7令まで脱皮しながら大きくなって行きますが、7令幼虫になると背中に羽の鞘を持っていて、8令で成虫になると羽が生えて飛べるようになりますが、基本的にカマキリのような動物は、羽を折り畳み式にして、普段の生活にはじゃまにならないようにしています。
これは、飛ぶことをある程度犠牲にして身体を作っていると言えます。だから、彼らは羽があっても自由自在に飛ぶことは得意ではありません。飛んで逃げるとか、飛んで獲物を捕まえるとかしないのでそれでも良いのでしょう。ちなみに、おなかの大きな雌は飛ぶのはさらに苦手で、雄は匂いで呼び寄せるようです。恋人を捜してヒラヒラ飛び回るのは雄専門というわけです。
雌の羽の使い道は、高いところから飛び降りるのと、敵におそわれたときにばっと広げて相手を脅かしながら、あとすざりをして逃げて行くときに使うくらい。これは、役立つ。

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(3)雌カマキリが雄カマキリさんを食べるわけは
解答:a.単に雄を餌と間違えて食べてしまう
解説:カマキリは獲物を正確に補足するという意味での目はいいのですが、それがどんなものかを識別して捕まえているわけではないようです。だから、雄が不用意に近づくと、動くものは餌と判断しますから、反射的に食べてしまうのです。雄の方も食べられるのはいやですから、雌の背後から少しずつ近づいて交尾しようとします。交尾に成功すると、又別の雌を探して自己のDNAを残す努力を続けます。
 ちなみに、自然界では雌に食べられてしまう雄はそんなに多くはないようです。飼育環境下(限られた空間)においてよく雄が食べられてしまうのできるので、誤解が生じたようです。

You Tubeの画像です
実験室内ですが、雄カマキリは食べられることなく、交尾をつづけていす。


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(4)カマキリさんの雌は卵を産んだらどうなるの
解答:d.また、餌をとって産卵の準備ができると産卵を繰り返す
解説:大きな卵のうを産み終えると、まるまるとしていた雌のおなかは平べったくなります。でも、卵巣にはまだまだたくさんの卵があります。また餌をとって次の産卵の準備をします。死ぬまでに3〜4回、卵のうを産み残すのです。
なんと、20個の卵のうができるだけの卵を保存しているそうです。どれだけ卵のうを残せるかは、餌の量で決まるのです。

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(5)カマキリさんの卵のうからはどんな幼虫が出てくるの
解答:b.エビのような姿をした前幼虫
解説:卵のうから這い出すのは、這い出しやすいようにエビのような姿をした前幼虫として出てきます。この小虫は、お尻から糸を引いてぶら下がります。ぶら下がった状態で、前幼虫の殻を脱ぎます。垂れ下がった糸が脱皮のための足場になるのです。空中なので、幼虫をねらうアリなども近づけないのです。
こうして生まれた1令幼虫は、体調10mmくらい、親と同じような体つきをしています。

オオカマキリの羽化の様子です。
You Tubeの画像です


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(6)子どものカマキリさんの食べ物は
解答:d.子どもの時から、それなりに餌を捕まえて食べる
解説:カマキリは子どもの時から、自分で虫などを捕まえて食べます。もちろん生まれたばかりのカマキリはとても小さく、捕まえられるのは小さなハエや花アブやアリマキなどを食べて育ちます。動く物なら兄弟でもおそいます。共食いにならないように、広い野原に散らばって行きます。もっとも逆にクモなど他の肉食系の敵に食べられてしまうことの方が多く、大人になれるのは数百の兄弟の内数匹だけです。カマキリのカモフラージュは身を守るためでもあるのです。

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(7)カマキリをつぶすと腹から出てくる黒くてほそ長ものは何?
a.ハリガネムシという寄生虫
b.カマキリの幼虫
c.カマキリに食べられた虫
d.カマキリの腸

解答:a.ハリガネムシという寄生虫
解説:  カマキリのおなかの中から出てくる虫は、「ハリガネムシ」といいます。このハリガネムシは、袋形動物門 ハリガネムシ(線形虫)綱 ハリガネムシ目 に属し、体は針金のように非常に細長く、体長数cmから1mに達するものもあるそうです。
成虫は池や沼や流れのゆるやかな川などで水中生活をしていて、交尾・産卵します。
水中に産卵された卵は孵化し、その幼虫は水生昆虫に寄生します。その宿主である水生昆虫をカマキリが食べると、今度はそのカマキリ等の体内に寄生して成虫になるのです。
カマキリのお腹をつぶしてみるとかなりの確率でハリガネムシを見つけることができますから、カマキリはかなり水生昆虫を食べているのでしょう。
 ところで、カマキリの中で大きくなった成虫はどうも宿主であるカマキリの体から抜け出しているようで、このときには宿主は死んでしまうことになるようですが、どうやって水の中に戻るのでしょうか?謎です。どなたか戻り方をご存じの方はおられませんか。
これに答えるいくつかの情報をもらいました。↓
一部の地域では、ハリガネムシが人間の指の爪の間から入って、寄生された人間は死んでしまうという話がありますが、これは俗信です。ハリガネムシはそんなことはしません。ただし、ハリガネムシは通常は人間に寄生することはほとんど無いようですが、日本では人間への寄生例が数例あるようです。ハリガネムシの種類は幾つかあって、カマキリのほかにカマドウマやバッタに寄生することもありますし、昆虫ではなく岩魚などの魚の内臓に寄生したりする場合ものあるそうですから、ハリガネムシが寄生した水生昆虫か川魚を食べて起こるのでしょうか?めったに無いことなのでしょうが、川魚を生で食べるのはやめておきましょう。

画像が見たい人は「昆虫エクスプロラー」の
こちらへ
http://www.insects.jp/kon-gallery24-1.htm

カマキリさんクイズ問題8へ

(8)カマキリさんは耳があるの
a.大きな複眼の外側
b.複眼の間
c.翼の付け根
d.後肢の付け根
e.カマキリに耳はない

解答:d.後肢の付け根
解説:総てのカマキリというわけではないのですが、後脚の付け根の所に耳(鼓膜器官)があります。オオカマキリではは中胸・後胸部の腹側の窪みの中にあります。

カマキリに聴覚器官が発見されたのは、比較的最近(1980年代?)の事のようです。コールル大学の研究者がウスバカマキリの後肢の付け根に発見したのです。体の色々な部分をワックスで覆って、音に反応しなくなる場所を探していったら、後肢の付け根だったというわけです。聞こえるのは25〜45キロヘルツの音だけ。これは超音波です。この音域はコウモリの超音波と重なりますから、他の昆虫と同じようにコウモリを察知し、逃げるための適応ではないかと推測できます。ただ、ガ等の多くの昆虫と違って、カマキリは通常ほとんど空を飛びませんし、動きません。その状態でもコウモリに見つかる事を注意しなければなら無いのでしょうか?あるいは、コウモリを感じたら、安全のためにエサが近づいても動かないという作戦でも採るのでしょうか。
 コーネル大学の研究者は、雄カマキリが求愛の際に相手をなだめるのに使っている可能性を憶測しているようです。しかし、カマキリから超音波等の発生器官は見つかっていないようで、確証は有りません。

聴覚器官が発達しているのは、昆虫と脊椎動物です。
「昆虫の聴覚器官―その進化―」(西野 浩史: 北海道大学電子科学研究所 )
の論文を読むことができます(PDF)
http://www.jstage.jst.go.jp/article/hikakuseiriseika/23/2/26/_pdf/-char/ja/


カマキリさんクイズ問題9へ

(9)カマキリさんの黒い瞳はなぜいつもこっちを見てるの?
a.動くものを常に見ているので、動きます。
b.気になるものに常に視線を合わせています
c.黒い点は、見る側の視点が動くと移動しているように見えるだけ
d.カマキリの目は飾りです実は何も見えていません

解答:c.黒い点は、見る側の視点が動くと移動しているように見えるだけ
解説:カマキリの目には表情があります。カマキリをどこから見ても、複眼の中の黒い点が動いて、こちらを見ているように感じます。黒い点は、まるで瞳のようです。でも、カマキリの目は複眼ですから瞳は存在しません。実は、この黒点を、偽瞳孔(pseudopupil)といいます。この偽瞳孔は、見る側の視点の移動に関連して動くように見えているだけです。
人間の場合、瞳孔の動きは眼球の動きとも連動していて、ほぼ注視している方向を意味します。私たちは無意識に、目の奥に感情を読み取ります。そのことが、カマキリの黒点の移動を表情として認識させるのだろうと思います。

偽瞳孔が動く訳について↓

カマキリさんクイズ問題10へ


10)カマキリさんを夜見たら、目が黒くなっていました
a.夜は見えないので、目を閉じている
b.色素が目の表面に集まってきているから
c.眼底の色が夜には濃くなる
d.暗いから、黒く見えるだけ
e.目の黒い種類です

解答:b.色素が目の表面に集まってきているから

解説:カマキリの複眼は、重複像眼という仕組みで、暗くなると個眼の間を仕切る網膜色素細胞が角膜付近(目の表面)に集まってきます。このためサングラスをかけたように青黒くなるのだと考えられているようです。
 また、私見ですが、網膜色素細胞による遮光がされなくなるため、より多くの光が光り受容体に届くということは、光そのものがそこで吸収されると言うことでしょうから、その意味でも黒くなるのだろうと考えます。

重複像眼と連立像眼については


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成体になったハリガネムシに戻ることの考察

ハリガネムシは、水を感じるとカマキリの外に出てくるようになっているようです。
そして、やはり水辺へ誘導するようです。
水を感じてハリガネムシが出てくるシーンです。
動物行動のデーターベースの中に
西浩孝(Nishi Hirotaka)提供のMovieがこのページへ
http://zoo2.zool.kyoto-u.ac.jp/ethol/showdetail.php?movieid=momo041015ns01b&embed=on
こいつはすごいですよ・・・・・
本当に、水につけると出てきます・・・。
リアルだ!!!

県立桐生青少年野外活動センターのHPの中に
ハリガネムシの解説が有ります。
http://www.city.kiryu.gunma.jp/web/home.nsf/10721ebeb31f439e492568f9002e676c/
2eccd5663a8070549256b180020c9f5?OpenDocument


You Tubeの画像です。
野外で、実際にハリガネムシが水の中へ出てきています。カマキリは死ななかったようです。
http://jp.youtube.com/watch?v=xi4V3dVMcuI


「水辺へ誘導する方法の説」
成体になったハリガネムシは宿主の脳に働きかけて、水を探してその中に飛び込むようにする。
その方法の説です・・・
フランスOPMグループの研究者によると
「ハリガネムシが寄生しているバッタの脳からは、寄生されていないバッタにはないタンパク質が見つかった。
そのうちいくつかは神経伝達物質の活動に関係するもので、そのほか重力走性に関係するタンパク質があった」とのことです。
ハリガネムシは、バッタの中枢神経系に作用するタンパク質を作り出すことによってバッタを操るわけです。
当然、カマキリにも同じようなことをしているのでしょう。ということで、上記の説を映像付きで、解説しているフランス語のHPがあります。
当然フランス語なので、私にはさっぱりですが、映像はなかなか具体的です。ご覧下さい。
http://www.canal.ird.fr/programmes/recherches/grillons/index.htm
英語バージョンも有りました
http://www.canal.ird.fr/programmes/recherches/grillons_us/index.htm
成体になったハリガネムシが、水生環境に達するために、宿主が水へ飛び込む、
すなわち「自殺をさせる」操作することを示しています。
これもなかなかの内容です(!o!)オオ!

偽瞳孔が動く訳について

 複眼は沢山の個眼が集まったものです。それぞれの個眼がパイプ状になっているとイメージしてみましょう。これを、斜めから見るとパイプの壁面を見ることになります。それが、カマキリの場合は緑に見えるわけです。パイプの方向と視線が合うと、その部分は眼底を見ることになります。眼底にある光受容細胞(感桿といいます)は、光を吸収しますから黒く見えるというわけです。そして、個眼は球面状に並んでいるわけですから、複眼全体のどこかは見ている人の視線の方向に並ぶ部分があります。ですから、どこから見ても、複眼の球面状の中で、こちらを向いている部分が黒く見えます。こちらが移動すると、黒点の位置も追いかけるように移動することになります。イメージとして瞳孔が目標物(見ている者)をおっているように感じるというわけです。

図入りで説明してあるHPです
http://musi.s6.xrea.com/nikki18.htm

 ただ、この説明だけでは納得できない事があります。
(1)複眼の昆虫は多い訳ですが、大きな複眼を持つトンボとかバッタでは、カマキリのようには感じません。
 →これは、トンボの偽瞳孔は少し大きすぎて、印象が薄かったり、方向性を感じにくいのかも知れません。また、トンボの場合頭ごと複眼をしきりに移動させるから、その目の動きの方がインパクトが強いせいもあるでしょう。
(2)こちらを見ているように見える、カマキリの写真のアップをよく見てみると、どうも真正面に黒目があるわけでもない。中心から微妙にずれています。写真をよく見ると、球面の正面は、白く光っている部分のような気がします。
 →上記の説明だけでは、このことは説明できそうにありません。よく分かりませんが、あるいは個眼にあるレンズの影響によるのかも知れません。
 本当のところはどうなのでしょうか。
複眼には大きく分けて二つの種類がありま。

○連立像眼
 個眼の境目が網膜色素細胞によって明確に仕切られています。これだと、隣の個眼が受け入れた光情報の影響を受けないので、比較的シャープな画像を得ることができます。しかし、光量が不足しがちですから、昼間活動する昆虫に適しています。

○重複像眼
 明るいときは隣の個眼の影響を受けないようにしていますが、暗くなって光量が不足すると、個眼を仕切る網膜色素細胞が、角膜近く(表面)に向けて移動してきます。こうすることで、仕切りが短くなります。こうすると、個眼に斜めに入ってきた光は、隣の個眼の光受容体が感じることになります。当然、画像のシャープさは犠牲になりますが、少ない光量でも外界の情報を得ることができるわけです。夜間も行動する昆虫に適しています。




埼玉の小池さんよりいただいた情報をもとにした(カマキリの体色の)問題を載せていましたが、
その後情報源の小池さんから訂正の申し出がありましたので、削除しました。

真相については不明ですが、とても興味深い内容です
もとの、内容と今回の申し出の内容、その後分かったことについてはこちら

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QUIZ6 お米さんの一生 解答

(1)早朝の稲の葉に水玉がついていますどうしたのでしょう。

解答:a.夜の間に、稲にとって余分な水を押し出した。
解説:葉の縁に小さな穴があいていて、そこから夜間余分な水分を外へ押し出しています。スギナの葉先についている水玉も同じようにしてできます。

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(2)種(もみ)からでてくる稲の子葉はどんな形?
解答:a.一枚だけの葉
解説:先がとがった一枚だけの葉がでてきます 。稲の子葉はさやのようになっていて、その中にすっぽりとほん葉をつつみこんでいます。さらに2〜3日するうちに子葉の上の方から突き出るようにして、ほん葉が次々に現れます。このような植物を単子葉植物といいます。トウモロコシなども単子葉植物です。葉脈(ようみゃく)とよばれる管が、平行に走っているのが特徴です。一方、アサガオやヒマワリの子葉は双葉です。双子葉植物の葉脈は、網の目のように連絡しあっています。

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(3)1粒の種(もみ)からでる穂の数はどれくらい?
解答:b.5から10本
解説:稲は他の植物が枝を増やして大きくなるように、根元から次々に茎を増やして大きくなっていきます。稲の枝分かれを分けつ(株わかれ)といいます。それぞれに栄養を蓄え、夏の終わり頃、蓄えられた養分をもとに、茎の上の方に穂になる芽ができます。こうして、一粒の種から、普通5〜10本の穂ができるのです。

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)一つの穂にいくつの花(籾の数)がつきますか?
解答:d.約100個
解説:穂は稲の花です。一粒の籾の仲には、雌しべと雄しべがあります。1本の穂には普通百くらいの花ができます。従って、一つの種(籾)から五百以上もの新しい種(籾ができることになります。

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(5)稲の花の受粉はどうなるの?
解答:c.風が花粉を運ぶ
解説:籾(もみ)が二つにわれて、稲の花が咲くと中から雄しべが飛び出してきます。雄しべの頭の花粉は風に飛ばされて雌しべの先につきます。受粉の終わった花はすぐに閉じてしまい、もう二度と開きません。花は、必ず上の方から順番に咲き、6〜7日かかって咲き終わります。

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(6)もち米とうるち米はヨード反応で違いはでるか?
解答:a.もち米は紫で、うるち米は青
解説:もち米とうるち米では、デンプンの質が違うので、ヨード反応も異なるそうです。
(※ところで、この色の違いの意味するところを、どなたか教えてもらえませんか。)

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(7)稲は暖かいのが好き?寒いのが好き?
解答:c.穂のでる頃に17度以下になると、なかなか実ができない。
解説:稲と麦は同じ仲間の植物ですが、いろいろな性質の違いが見られるようです。稲は熱帯性の植物ですから、温度が高く、湿度とたくさんの水分を必要とします。稲は、普通9度以上の温度がないと発芽しません。また、穂のでる頃に、気温が17度以下になると、なかなか実ができないという性質を持っているのです。
 ところが、麦は、ある一定の低温の時期を過ごさないと、穂ができないという性質があります。種は、0度でも発芽します。そのために、普通は秋に種をまき、冬越しをさせて、春に取り入れをするのです。

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(8)稲は多年生植物・一年生植物?
解答:c.穂や葉が枯れても、根は生き残って、何回も芽を出す。
解説:稲はもともと多年生植物であるために、穂や葉が枯れても根は生き残って、何回も芽を出します。その芽からまた穂がでて育つことも珍しくありません。しかし、日本では冬、寒さのために枯れてしまいます。ちなみに、麦は一年生の植物で穂や葉と同じように、根もすっかり枯れてしまいます。
竹もイネ科の植物ですが、稲は竹のように木質になることはありません。

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QUIZ7 ドングリさんの○か×か
この問題は○×クイズです。
岡山の田中 康敬さんより提供いただいた資料を基に少し改変して作りました。

(1)日本産のドングリは10種類・・・・○or×
解答;×
解説:コナラ、アベマキ、アラカシ、シラカシ、ウバメガシなど日本産のドングリは18種(研究者によっては19種)、うち岡山県内には16種が自生しています。(世界では約300種あります。)

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(2)ドングリの木はどれも冬になると葉が落ちる。…○or×
解答:×
解説:ドングリには、葉っぱの堅いドングリと柔らかいドングリがあります。葉っぱの柔らかいコナラなどは秋になると落ちます。つまり夏の間だけ使えればいい使い捨ての葉っぱ。一方、ごつい葉のシラカシなどは冬が来ても落ちない。2〜3年は使います。だから丈夫なわけ。どっちが得か考えてみて下さい。

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(3)モモ・クリ3年、カキ8年。ドングリは10年で実がなります…○or×
解答;×(○という考えもできます赤字参照
解説→植樹に使う小さな苗で3年生。10年なんてとんでもない。20〜30年以上かかります。一人前になるのは子どもがおじいさんになる頃。さらに立派なドングリの森になるにはもう100年じゃ足らないくらい、すごい時間がかかります。森を育てるためには、とても長い時間が必要なわけです。
という答えでしたが、20〜30年とうのはあまりにも長いのではないかとの指摘がありました。そもそも、桃や栗や柿といった、果樹類は基本的に接ぎ木で増やします。(実生の場合にはほとんど果樹としての品種が悪くなってしまいます。実生は新品種開発の場合だけです)従って、モモやクリの数字は苗木を植えてからの年数だと考えられます。
千葉の山口さんが千葉県立中央博物館の学芸員さんに聞いてくださったところ、以下のような資料をもらいました。
コナラ  6−7年 2年苗を定植して、5年で実がなったそうです。
アラカシ 6−7年
アカガシ 10年くらい
スダジイ これ以上
ただし、この数字は野外での数字より、小さいと思われます。

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(4)ドングリの木は重いので水に沈む。・・・・○or×
解答;○
解説→ドングリの木(コナラ族)はどれも重く、生木の状態では沈みます。完全に乾いた状態でやっと浮きます(絶対乾燥状態のウバメガシで比重0.98)。そして堅くて丈夫な木です。昔は外国へ行く船、特に軍艦はドングリの木で作っていました(幕末の軍艦「開場」は28cmの厚さのオーク材で作られていました。)。また100年生のドングリの木で作ったイスや机は100年使えるという人(オークビレッジ代表:稲本正)もいます

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(5)ドングリを食べる鳥がいる。・・・・・○or×
解答:○
解説→カケス、ネズミによる種子散布(カケスの写真(本)、肩の羽を見せる。)ケスやオシドリ、ヤマガラなんていう鳥はドングリを餌にしています。特にカケスやネズミは冬がくる前にドングリを土に埋めてかくしておいて、あとで取り出して食べます。ところが、中には埋められたまんま忘れられ(あるいは、隠した本人が死んでしまったり)ているドングリもあります(1割程度)。当然次の春がくると芽が生えます。ドングリにしてみれば自分では転がっていけない遠くまで運んでもらい、さらに植えてもらえるというありがたいお話になります。

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(6)人間もドングリを食べている。・・・・○or×
解答;○
解説→現在、日本ではほとんど食べていませんが、稲作が伝来する以前は盛んに食べられていました。(岡山市の津島遺跡(水田用水跡)で縄文後期〜弥生初期の炭化したドングリが大量に出土したこともあります。)
またお隣の国、韓国ではドングリを粉にしてお豆腐とかソバにして沢山たべています。またお菓子もできます。食べてみたい人は下記の所へお問い合わせください。
※ドングリ製品間い合わせ先
株式会社白鳳 鳥取県西伯郡淀江町福岡1548−1
TEL 0859−56−6798 
Fax 0859−56−6895

ドングリクイズ問題7へ



(7)シイタケはドングリの木に生えるキノコです。…○or×
解答:○
解説→みんなが食へでる椎茸はクヌギやコナラの木に椎茸の菌を植えて作ります。とっても丈夫なドングリの木ですが、キノコの力で数年の内にボロボロになり、土に帰っていきます。森の中でキノコは分解者の役割をしているのですね。

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(8)ドングリの木は、切り倒されても切り株が生きていれば復活する。…○or×
解答:○
解説→根が生きていれば、切り株から新しい芽がたくさん生えてきます。そしてその中の中の1本〜数本が新しい幹になります。根本から大きく枝分かれしている木は、かつてそこで切り倒された可能性があります。これを萌芽更新といいます。椎茸のほだ木や炭を作るための木はこの習性を生かして何年かおきに繰り返し利用しています。

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(9)ドングリの葉は、雨に濡れるのが嫌い。・…○or×
解答:○
解説→ドングリに限らず、ほとんどすべての地上にある葉は水に濡れにくいようにできています。葉の先が尖っているのも排水を良くするためといわれています。特に葉の裏側には水分を蒸散させるための気孔がたくさんあるので、濡れにくいように細かい毛が生えていたり(クヌギなど)、ロウでコーティングされていたりします(コナラ、シラカシなど)。

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(10)ドングリの根は、ゴボウのように長くのびていく。・…○or×
解答:○
解説→ドングリは芽生えるとまずアンカーとよばれる根を下ろして転がるのを止めます。この根はそのまま深くまっすぐに伸びていき、やがてゴボウのような根になります。自生しているドングリの木を、根から全部掘り起こすのは大変な作業です。(要重機)

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(11)森の中は外よりも涼しい。・・・・・○or×
解答:○
解説→樹木は水を吸い上げるために、葉の裏にある小さな穴(気孔)から少しずつ水を蒸発させています。ちょうど塗れたタオルが冷たいように、木の葉もさわると冷たく感じます。都市内の公園でも、樹木の多いところでは若干気温が下がる現象が確認されています。

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(12)森はダムのように水を溜める働きがある。・…○or×
解答:○
解説→森に降った雨のうち、地表流として流れ出すのは25%、残り75%は森が受け止めています。そして時間をかけて地中に浸透していきます。裸地の場合、降水量の50〜80%が地表流として流出します。

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QUIZ8 セミさんのアングラ生活

(1)セミさんはどんなところに卵を産むの?
解答:b.枯れ枝に産み付けます。
解説:セミの幼虫は土の中で育つことは有名ですが、卵は枯れ枝に産み付けるそうです。セミの卵は約2ミリ、乳白色でつやがあります。

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(2)セミさんの卵が幼虫にかえるのにはどのくらいの期間がかかりますか?
解答:b.50日くらい、c.2ヶ月くらい、d.約1年くらい のどれも正解
解説:実は、セミの種類によって違います。ニイニイゼミは50日ほど、ヒグラシは2ヶ月足らず、アブラゼミやツクツクボウシやミンミンゼミなどは卵のままで冬を越し翌年かえります。ちなみに、2週間という短期や7年なんて長期のものはないようです。
孵(ふ)化には水分が必要なので、雨の日にかえることが多いそうです。枯れ枝の穴からでるときには、前幼(ぜんよう)といって、薄い皮をかぶったオットセイのような姿をした小虫ですが、穴の口で皮を脱いで第1令の幼虫になります。
卵からかえった幼虫は、地面に落ちてからやわらかそうなところから土の中にもぐりこんでいきます。1令幼虫はしばらく地面を歩かなければならないので、触角と足がはったつしていて、明暗を感じる眼点(がんてん)という器官もそなえています。

セミの問題3へ

(3)セミさんの幼虫は土の中で何を食べているの?
解答:c.木の根から樹液を吸いだしている
解説:幼虫は、管のような口を根にさし、樹液を吸って成長します。
ちなみに、セミが何年土の中にいるのかはよくわかっていません。アメリカには17年間も土の中で幼虫生活をするセミがいることがわかっています。
日本のセミの中では、アブラゼミは、孵化後2ヶ月ほどで2令になり、2,3令の期間はいずれも約1年間、4令の期間は約2年間かかるといわれます。3令くらいまでは、わりに細い根のそばで生活していますが、最後の皮ぬぎが近づくと、太い根のそばに真上に伸びる坑道を掘り、その底で皮ぬぎをして終令(5令)になるそうです。
この他、ツクツクボウシが2,3年。ミンミンゼミやアブラゼミが満5年。

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(4)セミさんの幼虫の足の説明で間違っているのはどれ?
解答:d.後ろ足は、ほとんど退化している
解説:セミの幼虫の足は地中生活に適応しています。身体にも足にも長い毛が生えていますが、これは土の中の真っ暗な生活で、身体の周りの様子を調べるのに役立つ感覚毛なのです。土の中を移動するのには、トンネルを掘らなければなりません、前足は土を掘るのに便利なようにできています。地中生活をしている幼虫の中足は背中のほうをむいています。これは、土の中を移動するとき、(中足で背中の壁を押しつけて)身体を支えるのに都合がいいからだと考えられています。

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(5)セミさんの羽は何枚?
解答:c.左右に2対(4枚)
解説:前羽と後羽が一対づつあります。前羽のうしろべりと、後羽のまえべりの一部はまくれあがっています。飛ぶときには互いにひっかかりあって離れないようになっています。この部分を切り取ってしまうとうまく飛べなくなってしまいます。

セミの問題6へ

(6)セミさんの口はどうなっているの?
解答:a.ストローのような口を胸の前におさめてあります
解説:頭を前から見ると、横筋のたくさんついた部分が目に付きます。これを、「額(がく)」とよんでいます。この額のしたからのびている管がセミの口です。この管は一本のように見えますが、実はこれは鞘(さや)だそうです。中に毛のように細い二重の管が入っているのです。この管は、どちらも雨どいが合わさったようにできていて、内側の管(毛細管)はなかなか離れませんが、外側の管はそれを左右から支えているだけだそうです。

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(7)セミさんの鳴き声でないのはどれですか?
a.カナカナカナ・・・・
b.ミーンミンミンミーン
c.ギーー
d.ジーー
e.ツクツクホーシ、ツクツクホーシ
f.カラ・・・ギーッギーッギーッ
g.ゲーキョーゲー
h.テッぺンカケタカ
解答:h.テッぺンカケタカ
解説:hは、ホトトギス(鳥)の鳴き声のききなしです。ちなみにaは、ヒグラシ(体長3.8センチ)の鳴き声、朝夕美しい声でなきます。bは、ミンミンゼミ(体長3.6センチ)。cは、エゾゼミ(体長4.2センチ)山で太い声でないています。dは、コエゾゼミ(体長3.5センチ)です。エゾゼミより少し高い山にいます。eは、ツクツクボウシ(体長3センチ)です。fは、ハルゼミ(体長3.2センチ))

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