自然のおもしろクイズ
回答編
問題や解答に疑問や助言や感想がある人、
新しい問題の提案がある人(できれば、解答と解説付きで)
okiomoya☆fuchu.or.jp にメールください。
迷惑メールに苦慮しています。の部分をに換えて発信してください。
おもしろクイズの解答と解説について
内容については私なりに様々な書籍やネット上の資料を調べて書いています。しかし、本にしろネット上の資料にしろ必ずしも科学的に正しいとは限りません。また、書かれた時点では通説とされていても、その後より妥当性のある説が発表されいている可能性があります。
私が調べた時点でも、異なる説が見つかる場合が多いです。その場合、私の判断で確からしい内容を正解として書かせてもらっています。私自身は専門家ではないので、所詮素人判断といえます。
このクイズを参考して色々と判断されることはかまいませんが、それぞれの判断と責任でご利用ください。


QUIZ19スズメバチさん刺さないで

(1)スズメバチさんはなぜ人を刺すの
a.人間が嫌いだから刺す
b.巣を守るため刺す
c.餌と勘違いして刺す
d.攻撃されて防御のために刺す
e.血を吸うために刺す
解答:b.巣を守るため、d.攻撃されて防御のため
解説:スズメバチは本来、刺すことはめったにありません。(近年、その危険性が強調されるあまり、自然に近づけなくなったり過剰な反応があるように思います)
ただし、その巣や自分たちの仲間がなにか異常な事態になったと判断すると、集団でものすごい攻撃を仕掛けてきます。正しい対応が必要です。

 スズメバチやミツバチなどの社会性のハチは、個々の命より全体として命をつないでゆく道を選んでいますから、巣が襲われてしまうと一大事です。哺乳類の一部はハチの巣を栄養源と考え食べに来るので、それに対する防御システムとして、巣に近づく哺乳類(人も含みます)を刺すわけです。

 そもそも、ハチの仲間(膜翅目に属する昆虫)は、日本では約4,500種(世界には推定30万種!)が記録されていますが、その中で人を刺して問題となるのはごく一部の種類にすぎません。(捕まえて握るなどすればおとなしいハチでも刺してきますよ。)

※参考 膜翅目は広腰亜目と細腰亜目に大別されます。広腰亜目に属するハチ(ハバチ,キバチ類)は胸部と腹部が連続した「ずんどう型」をしていて、 幼虫はいわゆる「イモムシ」で、植物を食べて育ちます。その生活はチョウやガに近いものです。・・・人を刺しません(植物用産卵管なので、刺せない)。
 細腰亜目に属するハチの成虫は、胸部と腹部の間がくびれています。さらに、有錐類(大部分が寄生バチ・・・寄生主に卵を産み付けます。一部刺す能力はありますが、握りでもしない限り人を刺しません)と有剣類に分けられます。
有剣類の中に社会性のハチであるミツバチの仲間やスズメバチの仲間がいて、人を刺します。有剣類の大部分は狩りバチや花バチと呼ばれています。単独生の狩りバチ(ドロバチやトックリバチなど)や花バチ(クマバチやオオハキリバチ)は人を刺しません。クマバチなどは、大きいですから見ると恐怖感を持ちますが、人を攻撃することはないのです。
 さらに、巣を作り始めた時期のスズメバチの女王バチも自分が死んでしまっては、意味がないので、追い払うと闘うことなく別の場所に移動するそうです。ですから、巣の作り始め(まだ子どもが育つ前→春先)なら、追い払っても大丈夫、巣を落とすと別のところで営巣をはじめます・・・・ただし、見分けがつく人にだけお勧めです・・・
ハチとアリの仲間の分類のことやからだの仕組みに興味のある人は、
兵庫県立人と自然の博物館
ハチとアリの博物館http://hitohaku.jp/insect-museum/
とてもわかりやすくできています。また、「常木勝次博士膜翅目昆虫タイプ標本目録」の原画ギャラリーでは素晴らしい絵が見られます。

スズメバチ問題(2)へ

(2)スズメバチさんは何を食べるの?
a.ハチの食べ物は花の蜜です
b.樹液をなめます
c.虫を食べちゃいます
d.スズメを食べるからスズメバチ
e.甘いジュース
解答:a.ハチの食べ物は花の蜜です、b.樹液をなめます、c.虫を食べちゃいます、e.甘いジュース
解説:肉食のイメージの強いスズメバチですが、とってくる虫などの動物質のものは原則として幼虫の餌です。成虫の栄養源は炭水化物です。蜜や樹液や果樹などをとっています。空き缶の中に残っているジュースも食べます。
ただ、ミツバチと違って、蜜を吸うのには適していない口(舌が短い)をしているので、蜜腺が露出している、小さな花がたくさん集まったような花が中心です。(ヤブガラシとかヤツデなど)
 ちなみに、クロスズメバチなどの地蜂(ヘボとかスガレというそうです)を食べる人たちは、巣を見つけるのに魚の肉などを餌に蜂を呼び寄せて、綿などの印を持たして後をつけるそうですから、スズメも死がいがあれば食べるかも知れません。

スズメバチ問題(3)へ

(3)スズメバチさんの巣は何でできているの?
a.土
b.藁(わら)
c.蜜蝋(みつろう)
d.樹皮とだ液
e.パルプ
解答:d.樹皮とだ液(e.パルプも正解)
解説:スズメバチの巣は樹皮をかじり取ったものをだ液と混ぜて作ります。最初は女王バチが作り始めるが、働きバチが羽化すると、それぞれがあちこちで巣材を集めてくるにで、材料の違いから、外皮の表面には特徴のある貝殻状の模様ができます。なかなかきれいです。飾り物にしたりします。
 ですから、スズメバチの巣はいわゆるパルプでできた巣なのです。比較的もろいのですが、水をよくはじくので風雨から巣の内部を守ることができます。
 ちなみに、ミツバチの巣は、働き蜂が体の中でハチミツを蝋に換えた蜜蝋(みつろう)を使って作っています。この蝋は、食べることもできますし、ロウソクにもなります。

スズメバチ問題(4)へ

(4)スズメバチさんの巣はどんなところにあるの?
a.木の洞
b.家の軒下
c.水の中
d.土の中
e.屋根裏
f.樹の枝
解答:a.木の洞、b.家の軒下、d.土の中、e.屋根裏、f.樹の枝、 いずれの場合もあります。
解説:スズメバチは自然の中だけでなく人の家の中や軒下でも営巣します。種類によってそれぞれ異なっています。地上の開けた場所に営巣する種、地上または地下の閉ざされた場所に営巣する種、そのどちらにも営巣する種の3つに大別されます。身近に営巣されると恐いですね。

スズメバチ問題(5)へ

(5)スズメバチさんに刺されると死ぬの?
a.頭を刺されれてしまうとまず死ぬ
b.死亡率50%前後
c.体質によってショックで死ぬ人もいる
d.ハチにいくら刺されても死にまではしない
解答:c.体質によってショックで死ぬ人もいる
解説:日本で、一年間にハチによる死亡は、近年16人〜72人で、約50人前後にもなります。
一方、マムシにより年間3、000人が受傷し、約10人が死亡しています(その他、ハブにより年間300人が受傷しています)。ですから、格段にハチの方が危険だと言えます。ただし、マムシやハブに咬まれると、ほとんどの場合入院を要するのに比べて、ハチの場合、普通の人はそこまでのことはありません。刺されて免疫ができる人もいるのです。
 米国ではハチ毒アレルギーの人が全人口の1〜3%ほどいると推定されているそうです、日本でもこれと余り違わないと思います。ハチ毒のアレルギーの人は充分に気をつけましょう。

スズメバチ問題(6)へ

(6)スズメバチさんに何度も刺されると死ぬの?
a.刺されるたびに、免疫が強化されるのでだんだん大丈夫になる
b.一度刺されると、抗体ができてアレルギー反応が起こりやすくなり危険
c.何回目でも危険性は同じ
d.一度にどれくらいの毒が入ったかで変わる
解答:ほとんどの人はa.刺されるたびに、免疫が強化されるのでだんだん大丈夫になる
ただし、体質によれば
b.一度刺されると、抗体ができてアレルギー反応が起こりやすくなり危険。
それから
d.一度にどれくらいの毒が入ったかで変わる、も大切な要素です
解説:ハチ毒のアレルギーを持つ人は、実はごく一部です。通常の体質(ハチ毒のアレルギー体質ではない)人にとっては、aが該当して、刺されるほど症状が軽くなる面すらあります。某スズメバチ研究者は,シーズンはじめにわざと刺されて,「免疫をつけ」ていたそうですが、危険ですからよい子はまねをしないでください。
 ハチ毒自体に溶血その他の生理作用があるのは確かですが、1,2か所刺されたくらいの毒量では(たいへん痛いのですが)命に別状ありません。
 又毒の量は、アレルギー体質のあるなしにかかわらず、症状に比例しますから、一度に刺される回数は少ない方がより安全です。

ところが、ハチ毒アレルギー体質の人では、過去に刺されたときに体内にできたハチ毒に対する抗体が、2度目に入ったハチ毒に過敏に反応して血圧低下その他の症状を起こします。本来は、私達の体を守るはずの免疫機能が、過敏に働いてしまうのです。
また、アレルギー反応は局所アレルギー反応と、全身性アナフィラキシーショック反応に分けられます。局所アレルギー反応は、刺された部分の腫れが広範囲に数日続くもので、例えば指先を刺され、ひじまで腫れてしまうことがあります。
全身性アナフィラキシーショックは刺されたあと、数分から15分程度で起きますが、重症であるほど出現時間は短くなります。
全身にジンマシンが出現し、悪心、嘔吐、寒気、動悸、血管浮腫、声門浮腫、呼吸困難、血圧低下、意識消失を示し、重症になると、気道閉塞、循環虚脱、不整脈等で死亡に至ります。
なお、死亡症例の大部分は40歳以上の中高年層に多いのが特徴的で、男性死亡者数は女性の3倍だそうです。

《参考》(都市のスズメバチより)
■ 抗 体 検 査 に つ い て ■
 スズメバチ,アシナガバチ,ミツバチの3種のハチ毒について,血液中のIgE抗体価を検査することができます. ハチに刺される危険性の高い人や,以前刺された時に症状が重かった人は,一度検査をして自分の抗体価を知っておくと良いでしょう.かかりつけのお医者さんか最寄りの病院などで相談して下さい.

 過去に刺されたことのある人の方が抗体価が陽性になる割合は高くなっていますが,刺された経験がが無くても抗体価が高い人もあるので注意が必要です. この場合は時間が経過しても抗体価はあまり低下しません.このように抗体価が低下しない人は血液中の総IgE値(アレルギー体質の目安になる)が高い傾向が見られます.
 スズメバチとアシナガバチの毒には交差性があり,スズメバチに刺されてもアシナガバチの抗体価が上昇する例や, この逆もあるのでアシナガバチにも刺されないように注意する必要があります.またミツバチについてもスズメバチやアシナガバチと交差性がみられることがあります.
検査には保険がききません、1500円くらいのようです。

スズメバチ問題(7)へ

(7)怒っているスズメバチさんと出会ったらどうすればいいの
a.刺されないように見つけしだい殺す
b.とにかく走って逃げる
c.後向きにゆっくり離れる
解答:c.後向きにゆっくり離れる
解説:特別の準備のないまま殺しにかかるのは、反撃を受ける危険性を考えると、絶対にしてはいけません。ちなみに、カチカチと音を出して威嚇している時は、近くに巣があってそれ以上近づくなと警告しているのです。警告を無視してこちらから攻撃すれば、警戒フェロモンを出して仲間を呼びます、目の前の一匹だけが相手ではないのです。
 走って逃げるのも危険です。スズメバチは黒く動くものに強く反応しますから、後から頭部などを刺される危険性が高まります。怖くてもゆっくり動くことが大切です。
 ちなみに、巣の位置がわかっていれば、巣から離れる方向に動けば良いのですが、巣の位置がわからないときにはどうすればいいでしょう。ハチは巣に近づけまいとして威嚇しているのですから、巣との間に入って威嚇すると思います。ですから、ハチを見ながら後方に下がれば、巣から遠ざかることになるはずです。
 万一刺されてしまった時には、その時点で仲間を呼ぶフェロモンを出していますので、巣の方に向かうなんてことは絶対しないで、急いで離れてください。その場にいると、無数のハチに攻撃されることになります。巣から離れるほど安全です。

スズメバチ問題(8)へ

(8)スズメバチさんに刺されてしまったらどうすればいいの
a.アンモニアを塗る
b.毒を吸い出す、絞り出す
c.小便をかける
d.つばをつける
e.傷口を水で洗う
f.抗ヒスタミン軟膏・副腎皮質ホルモンを塗る
g.病院へ行く
解答:応急処置としては、b.毒を吸い出す、絞り出す。e.傷口を水で洗う。f.抗ヒスタミン軟膏・副腎皮質ホルモンを塗る。のいずれも効果があります。
その上で、g.病院へ行く。
解説:「ハチに刺されたらアンモニアをつけろ、小便をつけろ」というのは完全に迷信です。ブユとかアブなどの毒は酸性が多いので、アンモニアで分解するので効果がありますが、スズメバチの毒はタンパク質ですから、アンモニアでは分解することができませんから、無意味です。ただし、水溶性の毒なので、素早く洗うのは意味があります。それよりなにより、一刻も早く毒液を吸い出すか絞り出すと良いです。口で吸い出すのも良いですが、ポイズンリムーバーという注射器の逆さまの原理の道具で吸い出すとかなり有効です。その上で、アレルギー反応が心配ですので、病院へ行きましょう。
(※ポイズンリムーバーの商品紹介・使用方法等については↓)
http://www.nnland.co.jp/pal/shopping/poisonremover.html
(購入については、お近くのアウトドアショップあるいはネイチャーゲーム研究所でもあつかっています)

アレルギー体質の人やアレルギー反応がでている場合には、一刻を争います(数十分から数時間で致死も)。救急車を呼ぶことも考えましょう。
※刺された、場所にいるのも危険です。まず巣から離れて、新たに刺されないところまで逃げて(種類によりますが10m〜50m離れるとまず大丈夫)、処置をしましょう。

スズメバチ問題(9)へ

(9)スズメバチさんは害虫?益虫?
a.人を刺して多大な被害を与えるので害虫
b.スズメバチの巣(幼虫)は、おいしくて栄養豊富なので、益虫
c.青虫や色んな昆虫を食べてくれて、農作物を守から益虫
d.たくさんの虫を食べて、生態系のバランスを保っているから益虫
解答:????
解説:実は、全部本当ですからどちらとも言いかねます。そもそも、益虫か害虫というのは、極めて人間のご都合主義の分類です。
 かって(今でも)、農山村では倉の軒下など人間の手の届かないところにスズメバチが巣を作ると、農作物への良い影響や人の側が危害を加えなければ共存できることを知っていて、むしろ大切にしていたものです。
 今でも、巣箱を作って養殖(?)されている人もあります。
 c.やd.のことがあるわけですから、これからも賢くつき合って、共存してゆきたいものです。

スズメバチさんに刺されない方法○×クイズ問題へ


スズメバチさんに刺されない方法○×クイズ解答

(1)スズメバチは動きが早いので、まっすぐ逃げても駄目、ジグザグに逃げましょう
×  
 スズメバチは横への動きに反応しやすいので、ハチを手で払ったり、急に向きを変えるなどの動きは危険です。 もし巣を見つけた場合は静かに後ずさりして巣から離れるようにします。.

スズメバチ○×問題(2)へ

(2)スズメバチは黒い色に反応するから、黒い髪より茶髪が安全
でしょう、でも白ぽい帽子をかぶる方が良いでしょう
 スズメバチはいずれの種も黒色に対して激しく攻撃します。白色や黄色・銀色に対しては反応は弱く、 ほとんど攻撃しません。ただし、たとえ白色であっても、いったん攻撃がはじまると、安全とは言えません。
 黒い着衣、ひらひらするものなどは巣の近くでは攻撃を受けやすいので注意しましょう。 その他カメラや長靴など黒くて動くものも危険です。

スズメバチ○×問題(3)へ

(3)スズメバチは強い臭いが嫌いなので、整髪料や香水を付けていると安全
×
 匂いもハチを刺激します。ヘアスプレーや香水などの化粧品、汗の臭いなどにも敏感に対応します。
虫除けスプレーのたぐいも、スズメバチには効果を期待できません。

スズメバチ○×問題(4)へ

(4)見つけた巣を取り除くのは、春先の単独の営巣期が比較的安全

巣を見つけたら早めに取り除くことが大切です。春先の単独営巣期には、危険性がほとんどないので駆除も容易です。
でも、危険なので、専門家に頼んだ方がより安全。

スズメバチ○×問題(5)へ

(5)巣を見つけたら、刺されないように遠くから石などを投げて落としましょう
×
巣があることに気づいたら、不用意に近づいたりいたずらをしてハチを刺激しないようにしましょう。巣に直接触れたり、 棒や石などで刺激を加えることは絶対してはいけません。その他、枝を揺らしたり、近くで作業をしてハチを刺激しないようにしましょう。
 一般におとなしいとされている種でも、巣に刺激を与えると激しく攻撃してきます。

スズメバチ○×問題(6)へ

(6)スズメバチの針は長く強いので、服を着ていてもムダ
×
確かに、衣服を貫くくらいの威力はありますが、着ていると安全性が高まります。巣の近くで作業をする時は、ハチを刺激しないように、長袖で白色や黄色の服装をしましょう。
 また頭部は攻撃を受けやすいので帽子をかぶり、軍手などをはめて露出部分を少なくしましょう。

スズメバチ○×問題(7)へ

(7)オオスズメバチは、餌場でもおそってくることがある

オオスズメバチに限っては餌場においても縄張り意識が強く働くために、攻撃をしてくることがあります。 樹液などハチが餌を採っているところでは、ハチを刺激しないように注意します。静かに見ている分には、大丈夫です。

スズメバチ○×問題(8)へ

(8)車の中にスズメバチが入ってきたときは、箒や棒タオルなどを振り回して早めに車外に追い出しましょう
×
室内や車内にハチが入ってきた場合は、窓を開けて出ていくのを待ちます。ハチは明るい方へ向かう性質があるので、そっとしておけば自然に外へ出て行きます。たたいたり追いかけ回さない限り決して人を刺すことはありません。


スズメバチについてのおすすめサイト
都市のスズメバチ
http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/
スズメバチの駆除の体験に基づいて、具体的でまた精密な内容で、解説編では多く引用させてもらっています。

便利屋サンデス
http://www.geocities.jp/benriya_minoyan3/hachi/1.html
茨城県の便利屋さん。巣の駆除や、それぞれのスズメバチの性格などにも詳しいです。

問題や解答に疑問や助言がある人、メール下さい。
新しい問題の提案がある人(できれば、解答と解説付きで)メール下さい。
もちろん提案者は明らかにします(匿名希望・ニックネーム希望はお望み通りに)

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QUIZ20ヘビさんの長〜〜い話

(1)ヘビさんの足は何本
a.ヘビに足は無いのこれ常識
b.シッポのように見えるけどあれが足で1本
c.後ろ足が2本
d.は虫類です4本
e.実は、10本以上もあるんです
解答:a.ヘビに足は無いのこれ常識 ですが・・・ちょっと例外も
解説: 基本は、ヘビには足がありません。ところが、ヘビはは虫類の仲間、ご先祖様はトカゲなどと一緒、ということは昔は足があったわけです。ですから、ヘビの中には後ろ足の痕跡が残っているのもあります。(ただし、前肢はあとかたもありません)具体的には、ニシキヘビやボアには、肛門(総排泄腔)に一対の蹴爪(けづめ)が見られるのだそうです。この蹴爪の内部には円柱型の大腿骨があって小さな骨盤に繋(つな)がっているのです。筋肉もついているので、蹴爪を動かすことも出来るのだそうです。「蛇足」のことわざも修正しなくては・・・・(^_^;)ゞ
 ちなみに、足の退化したトカゲ(アシナシトカゲ)などというものもいるのです。足が無いからヘビということにもならないわけで、ヘビとトカゲの分類は簡単じゃ無いみたいです。(普通には、足がなかったらヘビで良いですよ) 
トカゲとヘビの分類の基準は

ヘビ問題(2)へ

(2)ヘビさんのシッポってどこから
a.ヘビにシッポなんかありません全部胴です
b.形を見れば分かります、首から下が全部シッポです
c.体の半分くらい、胃が終わるところから先がシッポです
d.肛門から先がシッポ
解答:d.肛門から先がシッポ
解説:自然に細くなるので、どこからか分かりにくいのですが、トカゲでいえば足から先がシッポでしょうから、後ろ足の痕跡のあるところから先がシッポでしょう。でも、一部のヘビにしか後ろ足の痕跡はありません。でも、肛門(総排泄腔)のあたりに後ろ足があったわけですから、その先がシッポになります。ちなみに、ヘビの胃はとても長く、体の半分以上あります。その後に腸が続き肛門(総排泄腔)に続くわけです。

ヘビ問題(3)へ

(3)ヘビさんは音が聞こえるの?
a.耳が無いので聞こえません
b.高い音なら聞こえます
c.低い音なら聞こえます
d.とても良く聞こえます
解答:c.低い音なら聞こえます
解説:確かにヘビには外耳にあたるものがありません。音を聞くための穴すら無いのです。このため、ヘビは音が聞こえないと思っている人もいるようです。実は鼓膜もないのですが、音の受容器官(中耳・内耳)は持っているのです。低い音は、皮膚から筋肉に伝わってさらに骨に振動がこの器官に伝わって、聞こえているのです。この仕組みでは、高い音は聞こえません。インドなどの蛇遣いが笛でコブラを操っているように見えるのは、一種の演出です。ヘビは笛の音ではなく笛の動きにつられているようです。

ヘビ問題(4)へ

(4)ヘビさんはどうやって生まれるの
a.は虫類のヘビは卵生これ常識
b.母体の中で卵から孵って、赤ちゃんとして生まれる
c.母体の中で卵から孵って、胎盤で育って赤ちゃんで生まれる
解答:a.は虫類のヘビは卵生これ常識 、ですがb.母体の中で卵から孵って、赤ちゃんとして生まれるのやc.母体の中で卵から孵って、胎盤で育って赤ちゃんで生まれるヘビもいるのです。だから、どれも間違いではないことになります。
解説:ヘビは、は虫類ですから卵で生まれます。これは常識です。でも、安全のために卵の中で仔ヘビになる直前まで待って産卵するヘビもいます。これでも卵で生まれることに変わりありません。ところが、マムシなどは、母胎の中で仔ヘビになってから、赤ちゃんで生まれるのです。これを、卵胎生と呼びます。母胎の中にいますが、栄養は卵胎からではなく卵から得ています。これを卵生の変形と見るのか、胎生と見るのかは、意見が分かれるところです(胎生だとする学者も多い)。ところが、中には母胎内で卵から孵った後に、胎盤とつながって栄養を得るヘビもいるのです。これなら完全に胎生ですね。・・・この種のヘビにはへそがあるのかなあ?(どなたかご存じの方は情報ください)

ヘビ問題(5)へ

(5)とぐろを巻いて卵を抱いているヘビさんは何しているの?
a.生まれた卵を、外敵から守っている
b.卵を暖めている
c.鳥の卵をすぐ食べずに将来の餌として確保している
d.そんなヘビはいない、人間の想像・空想。
解答:b.卵を暖めているのです。でも同時にa.生まれた卵を、外敵から守っている
解説:ほとんどの卵生のヘビは、産んだ卵のそばにいません。ところが、中にはいるのです。暖めているのが。ニシキヘビの仲間とかです。でも、ヘビは変温(冷血)動物で、日光や水、空気や地面など外部からの熱源で体熱を得ています。ですから、ヘビの体温は基本的に環境の温度と一緒で、暖める効果はないはずです。ところが、動くと筋肉を使うので、体温があがります。卵を暖めているヘビは、外気温が下がると震えて(筋肉を細かく収縮させて)熱を出しているのです。暖めている間は、母ヘビは食事ができません。(オスは抱かないようです)。ヘビは長期間の絶食にも強いんですね。

ヘビ問題(6)へ

(6)ヘビさんはどうやって長い抜け殻を脱ぐの?
a.ズボンを脱ぐように、シッポの方へ寄せていって
b.セーターを脱ぐように、頭の方へ寄せていって
c.背中の側に割れ目ができて
d.お腹の側に割れ目ができて
e.タイツを無造作に脱ぐように裏返して
解答:e.タイツを無造作に脱ぐように裏返して
解説:ヘビは体が大きくなって来たり、皮が傷ついたりすると脱皮します。もとからの皮膚の内側に新しい皮膚ができます。古い皮膚の表面をのぞいて細胞が液化して吸収され、ぺらぺらになります。これで脱皮の準備完了です。まず口先の部分をざらざらしたところにこすりつけて、めくります。先っぽを木の枝とかに引っかけておいて、どんどん前進します。タイツをはいたまま裏返しに脱ぐ感じで脱皮します。だから、生け垣などに脱ぎ捨ててある抜け殻は、裏返しになっているのです。少々お行儀が悪いようですが、次ぎに着ることは無いわけですから・・(^_^;)

ヘビ問題(7)へ

(7)ヘビさんがペロペロ舌を出しているのは何故?
a.ごちそうを前にして舌なめずりをしている
b.温度を測っている
c.空気の味見をしている
d.臭(にお)いをかいでいる
解答:d.臭(にお)いをかいでいる
解説:ヘビは丸呑みするせいか、味は余り感じないようです(口の中に感じる器官があるにはあるのですが、舌ではないようです)。鼻の穴もあって臭いも少しは感じるのですが、臭いより呼吸に使うことが主で、急いで情報判断が必要なときなどは舌を出し入れし、空気中の臭(にお)いの粒子を舌に付けて、口の中の上顎(うわあご)にある「ヤコプソン器官」に臭いの成分をに付けるというわけです。ちなみに、ヘビの舌は二つに分かれています。臭いの成分が右に多いか左に多いかを分析して、臭いは(獲物は)どちらの方向にいるかをさぐることもできるというのです。なかなかすごい能力ですね。

ヘビ問題(8)へ

(8)ヘビさんの肺はどうなっているの?
a.獲物を飲み込むとき窒息するので、肺呼吸はしない。
b.細い体なので、左肺を小さくして、右肺を細長くしてる
c.細い体に、2つの肺は邪魔なので右肺だけ
d.つぶれないように、シッポの方に肺がある
解答:b.細い体なので、左肺を小さくして、右肺を細長くしてるというヘビとc.細い体に、2つの肺は邪魔なので右肺だけというヘビも
解説:ヘビは器官の総てを長くて細い体の中に詰め込んでいます。それぞれの器官も細長くなったり、対をなす器官は一方が小さくなるか、なくなってしまう傾向があります。左の肺は右の肺より必ず小さいか無いのです。右肺の長さは体の半分以上にもなります。
 ところで、ヘビには横隔膜がありません、どうやってこきゅうするのでしょう。なんと肺を囲んでいる肋骨を膨らましたり縮めたりすることで呼吸するのです。
 それにしても、大ききな獲物を丸呑みするときに窒息しないのは、は虫類は長時間の無呼吸にも絶えられる上に、口一杯にほおばっていても呼吸できる仕組みまであるのです。

ヘビ問題(9)へ

(9)ヘビさんは暗闇でも獲物が分かるの?
a.光が完全に無くても分かります
b.月明かりくらいでも光があれば分かります
c.さすがに暗闇では分かりません
解答:a.光が完全に無くても分かります
解説:暗闇対する対応は非常に良くできています。舌の先を使う臭いでも獲物の方向が分かります。低い音なら感知できます。でもこれらは、獲物の正確な位置を特定できません。ところが、「熱(赤外線)の目」とも言える器官を持っているのです。この器官をピット器官と言います。
 この感覚器官は、一対の小さなくぼみです。マムシでは目と鼻の穴の間にあります。放射熱を小さな穴を通してくぼみの中の薄い膜にあたります。この膜は目の網膜が光を感じるように熱を感じます。ほ乳類や鳥類のような温血(定温)動物が発する熱に反応します。夜行性のマムシではかなり強力で、ヘビから15cm離れた所に小さなネズミがいたとすると、この膜の上ではわずか0.005度の違いとして感じ取れるのです。左右の「熱の目」が同じように熱源をさぐり当てたとき、ヘビの頭は獲物に向かっているというわけです。
 TVの実験番組で、目かくしをされたマムシが、お湯を入れたゴム風船をみごとに攻撃するのを見ました。

※《参考》
総排泄腔(そうはいせつこう)
鳥類や爬虫類等では、糞も尿も卵も同じ穴から出てきます。そこから卵を生み、排泄物もそこから出ます。外からは見えませんが、中で消化管と生殖器と泌尿器の3つに分かれています。

トカゲとヘビの分類の基準(まあ、歩いてればヘビでないことは確かですが)
・左肺が無いか機能していない
・気管肺を持っている
・特殊な網膜を持っている
・下顎が真ん中で左右に分かれる
・腹側鱗が大きくて体軸に沿って縦に並んでいる
・動かすことが出来るまぶたが無い
・眼が透明な眼鏡板で覆われている
・内耳と中耳を持っているけど体表に耳の開口部が無い
・前肢・肩帯や胸骨の痕跡すらない(これはアシナシトカゲも同じ)
・後肢を構成する部品や腰帯がない(ニシキヘビ類なんかは痕跡あり)

定温(恒温・温血)動物
定温動物は、外界の温度変化にかかわりなく常にほぼ一定の体温を保っている動物の総称。哺乳類や鳥類がこれに属する。温血動物。恒温動物。
変温(冷血)動物
外界の温度変化によって体温が著しく変わる動物の総称。鳥類および哺乳類を除くすべての動物がこれにあたる。冷血動物。

ヘビさんの長〜〜い話問題


QUIZ21走れ!ダンゴムシさん

(1)ダンゴムシさんがどんなとき丸くなるの
a.眠るとき
b.転がって進むとき
c.危険を感じたとき
d.乾燥に耐えるとき

解答:c.危険を感じたとき、が基本ですが・・a.眠るとき・d.乾燥に耐えるときにも丸くなっています
解説:
「ダンゴムシの観察」(小学生の観察日記です)には・・
・手で触る・・・丸くなった。
・竹串で触る  
 背中・・・丸くならない。  
 おなか・・・丸くなった。
・ゆする・・・ちょっと丸くなった。
・水をかける・・・丸くなった。
・光を当てる・・・丸くならない。

という実験をしていて
「ダンゴムシはおなかや足に触ったり、水にぬれたりすると丸く固くなってしまいます。これは自分の体を守るためです。」
と結論していました。

ただし、越冬中に集団でいるダンゴムシさんも丸くかたまっているようですし、乾燥したところでも丸くなっているようですから、寒さや乾燥から身を守るときにも丸くなっているようです。ついでに、湿り気はいいのですが水滴も嫌います。

走れダンゴムシさんの問題(2)へ

(2)ダンゴムシさんの足は何本?
a.ムシだから3対で6本
b.いやもっとある5対で10本
c.数えてみれば分かる7対で14本
d.なんのなんの14対28本
e.なんと18対36本

解答:c.数えてみれば分かる7対で14本
解説:脚は7節ある胸節に1対づつ14本あります。

詳しくは
体は、頭部・胸部・腹部・尾部からできています。頭部には2対の触角がありますが、第1触角が退化して1対しか認められない場合が多い。眼は1対の複眼を備えていますが、無いものも多い。
体長は約14mm。体は固い甲羅で覆われています。甲羅の数は全部で14節。頭が1節、胸が2〜8節、腹が9〜13節、尾が14節。それぞれが離れていて危険なときは球状に丸くなります。暑い夏や乾燥する冬にも落ち葉や石の下でじっと丸くなっています。これは体の水分が蒸発するのを防ぐためです。非常に乾燥に弱い。
 胸部は大きく、外観の大部分を占めています。8節からできているのですが、実際は7節のように見えます。腹部は6節から構成されていて、足はありません。尾部は1節で、1対の尾肢があります。
もっと詳しく
富山市科学文化センターの「今月の話題:No.277」
ワラジムシ(ダンゴムシも広くはこの仲間です)を見てください、絵入りでわかりやすいです)
http://www.tsm.toyama.toyama.jp/public/wadai/nendo2001/wadai277/wadai277.html

 
 等脚目の多くは水棲の種で、淡水・海水中に多くの種が生息しています。一部のものが陸棲で、分類学上ワラジムシ亜目およびハマダンゴムシ亜目に属し,日本に約100種を産します。

 ところで、ダンゴムシさんは、エビやカニと同じ甲殻類で,等脚目(ワラジムシ目)に属します。たくさん集めて、調理したらエビのような味がするとの話を聞いたことがありますが、まだためしたことはありません。本当に食べたことある人、情報ください

走れダンゴムシさんの問題(3)へ

(3)ダンゴムシさんは何を食べるの
a.団子
b.ジュース
c.土
d.落ち葉
e.虫の死骸

解答:d.落ち葉
解説:大好きな食べものは、落ち葉や野菜のくずなどです。植物専門に食べています。 落ち葉を分解する仕事の一段階を担っているのです。自然の循環の中で重要な役割を果たしているのです。
ワラジムシは昆虫の死骸なども食べる雑食性で、ダンゴムシは草食性ということだったのですが、どうもダンゴムシさんも死骸などを食べることがあるようです。自分の脱皮した殻を食べてカルシウム分の補給をするくらいですから、ダンゴムシさんも食べることは食べるようです。となるもe.虫の死骸正解になるのかな。

走れダンゴムシさんの問題(4)へ


(4)ダンゴムシさんが好きな場所はどこ?
a.明るくて乾いた地面
b.縁の下のように暗くて乾いた所
c.屋根の上
d.落ち葉や鉢の下などしめったところ

解答:d.落ち葉や鉢の下などしめったところ
解説:高いところより低いところ、明るいところより暗いところ、乾いたところよりしめった所が好きです。ちなみに、乾燥に弱いので、飼うときには湿り気を絶やさないようにしましょう。

走れダンゴムシさんの問題(5)へ

(5)ダンゴムシさんのオスとメスは区別が付くの?
a.ダンゴムシさんは雌雄同体で、雄と雌の区別はありません
b.背中に黄色い模様があるのがメス
c.大きいのがオス
d.大きいのがメス

解答:b.背中に黄色い模様があるのがメス
解説:メスは背中にクリーム色の斑点(黄色の模様)があります。オスは真っ黒くて斑点がないものが多いようです。一番確実なのはダンゴムシのお腹をみると、オスは下のほうに2本の針のようなものが出ています。これはオスの生殖器です。

走れダンゴムシさんの問題(6)へ

(6)ダンゴムシさんの脱皮はどうするの
a.頭の方からセーターを脱ぐように
b.まず脚の殻をを脱いでから他を脱ぐ
c.背中を脱いでからお腹を脱ぐ
d.下半身を先に脱いでから、上半身を脱ぐ

解答:d.下半身を先に脱いでから、上半身を脱ぐ
解説:ダンゴムシさんは硬い殻に包まれているので、脱皮しながら成長します。その脱ぎ方が,なかなかユニーク。まず、脱皮前には、皮膚がちょっと白っぽく浮き上がって来ます。そして、下半身だけ先に脱いでしまいます。しばらくして、上半身も脱ぎます。
 全部終わるのに1週間から10日位かかりますから、上半身だけ白いダンゴムシさんを見付けたら、それは,脱皮の途中のダンゴムシさんです。

ところで、ダンゴムシさんの脱皮した抜け殻を見たことがありますか?
 実はダンゴムシさんは、抜け殻を食べてしまうのです。陸上生活しているダンゴムシさんは、カルシウムが不足しやすいので、抜け殻も大切なカルシウム源として利用するのです。

脱皮について研究した人がいます。(ちょっと専門的だけど・・)
「オカダンゴムシの脱皮について」
http://members.tripod.co.jp/KEM/960827.html

走れダンゴムシさんの問題(7)へ

(7)ダンゴムシさんは子どもをどうやって育てるの
a.お母さんがお腹に抱いて育てます
b.お母さんが背中に背負って育てます
c.巣の中に育児室を作って育てます
d.石の下などに卵を産み付けて、後は自力で大きくなります

解答:a.お母さんがお腹に抱いて育てます
解説:ダンゴムシさんは、交尾後3週間もするとメスの腹の下に育房(いくぼう)と呼ばれる保育室ができます。分泌液で乾燥から守りながら持ち歩きます。その中で卵からかえった幼体は皮膚が薄く柔らかいので、しばらくは脱皮を繰り返し大きくなります。外骨格が硬くなると育房の袋が破れ薄黄色をした子供が現れます。

走れダンゴムシさんの問題(8)へ

(8)丸くならないダンゴムシさんを見つけた?
a.ダンゴムシさんにも柔軟体操の苦手なのがいるのです
b.それはダンゴムシではなくてゾウリムシ
c.違う違う、それはワラジムシ
d.丸くならないのはゲタムシ

解答:c.違う違う、それはワラジムシ
解説:丸くならないダンゴムシの正体は、ワラジムシです。体長10mm前後で土色から黒褐色、湿ったところが好きで同じようなところに住んでいて、とてもよく似ています。ただし、ダンゴムシが落ち葉や植物を食べる(草食性)のに対し、ワラジムシは雑食性で落ち葉や草の根はもちろん虫の死骸や残飯なども食べます。そして丸くなれません。
ちなみに、ダンゴムシさん以上にしめったところが好きなので、昔の便所の近くにはワラジムシが多かったようで、ベンジョムシとも呼ばれています。
ちなみに、ゾウリムシはプランクトン。ゲタムシは????

走れダンゴムシさんの問題(9)へ

(9)ダンゴムシさんは外国から来たの?
a.明治時代に日本に持ち込まれました
b.鎌倉時代に日本に持ち込まれました
c.遣隋使の時代に日本に持ち込まれました
d.卑弥呼の時代に日本に持ち込まれました
e.人間より古くから日本にいます

解答:a.明治時代に日本に持ち込まれました
解説:昔から日本にいたように思われがちですが、ダンゴムシに関する記録は、江戸時代以前にはありません。実はもともとユーラシア大陸が原産で明治時代に他のものといっしょに運ばれて来たと思われます。
 だから、街の中では,公園の落ち葉をはき寄せたところや、花壇の周辺、街路樹の根元などにいて。雑木林や民家の周辺に多くみつかるのに、人里離れた深い森には、ダンゴムシはいないようです。近年までは北海道にもいなかったようですが、最近は町中を中心に北海道にもいるそうです。

なお、ワラジムシも外国からやって来たようですが、日本在来のワラジムシ(フイリワラジムシなど)もいます。普通見る外来のワラジムシ(ホソワラジムシなど)が10mmくらいののに対して6mm前後で、森の中を主なすみかとしています。

 埼玉の小池さんから、「ダンゴムシにも日本原産のものがいるよ」という情報が入ったので、調べてみました。
 一般に良く目にするダンゴムシは「オカダンゴムシ」で、これは外国から来ました。このことは間違いなかったのですが・・・
 実は日本にも在来のダンゴムシがいて、「セグロコシビロダンゴムシ(Venezillo dorsalis=Armadillo dorsalis)の仲間です。オカダンゴムシの体重が最大250 mg(1gの1/4)になるのに、この方はせいぜい50 mg(1gの1/20)しかないのです。ダンゴムシですからく、さわるとまん丸くなりますが、すぐに起きあがって動く。オカダンゴムシはオカダンゴムシ科(Armadillididae)に、セグロコシビロダンゴムシはコシビロダンゴムシ科(Armadillidae)に分類されるのです。
 この、日本固有種の「セグロコシビロダンゴムシ」は一定規模以上の安定した森林の落ち葉が自然堆積した場所に生息しているのですが、その生態は、まだ、よくわかっていないようです。オカダンゴムシはどこにでもみられるので指標性はありませんが、質のよい樹林を生息条件とするセグロダンゴムシと組み合わせることによって、都市緑地のような孤立した環境の自然度をあらわす指標になっています。
 どうです、日本固有種の「セグロコシビロダンゴムシ」を見てみたいと思いませんか?
そんな方は、とりあえず、
「土の中に住む生き物を飼(か)ってみよう」で違いを確認して、森へ行きましょう。
http://www.biwa.ne.jp/~kita-jhs/kankyo/aminal/ani_032.htm

尚、
 この日本産の小さなコシビロダンゴムシ、富山市科学文化センターの布村昇さんの研究で、地域ごとで大きく種分化をとげていることがわかってきているそうです。たとえば、西表島、石垣島、与那国島、大東島ものでも、それぞれ別種だというのです。先に述べた「セグロコシビロダンゴムシ」の分布はどうも近畿・中部・関東に限られ、中国・四国・九州などのものはタテジマコシビロダンゴムシ(V. russoi)だとされるが、よく似ていて簡単には区別できないそうです。(^_^;)
そもそも、オカダンゴムシとセグロコシビロダンゴムシですら、上記HPを詳細に見て、「ふ〜〜〜ん」といった気分ですから、まあ広島で見つけたらもう黙ってタテジマコシビロダンゴムシなんでしょう。とにかく、見つけてみたい。(頑張るぞ)
このコシビロダンゴムシ仲間だけでも、すでに約30種が記載されていて、まだまだ増えるらしいのです。


走れダンゴムシさんの問題(10)へ

(10)ダンゴムシレースってどんなレース
a.丸まったダンゴムシさんを転がして遊ぶ
b.誰がたくさんダンゴムシを食べられるかの早食い競争
c.一枚の葉っぱを最初に食べきるダンゴムシさんを当てる
d.マイ「ダンゴムシさん」を使って行う競走
解答:d.マイ「ダンゴムシさん」を使って行う競走
解説:はじまった当初は、直線勝負にしていたようですが、なかなかまっすぐには歩かない、ダンゴムシさんの性格にあわせて、円の中心から円の外へ出るまでを競うようになったようです。大きな紙の中央にスタートの小円を書き(もしくは小さな枠を置く)、外側に円を書く。外側の円は楕円でもうねった線でもOK。紙がなければ、地面の上にチョークや木で書いてもOK。
レースを始める前に、自分が出場させるダンゴムシさんをよく観察して、他のダンゴムシさんと区別が付くようになっておきましょう。脚が一本白いとか、2番目の節に模様があるとか、大きさとか一匹一匹違います。※個体識別に自信がないときには、修正ペンなどで背中にちょっとだけ印をしておきましょう。
 
詳しくは、
日本ダンゴムシ協会のHPへ
http://homepage2.nifty.com/e-mon/dango/index.html

走れダンゴムシさんの問題(11)へ

(11)ダンゴムシさんとワラジムシさんはどちらが早い?
a.転がって行くことのできるダンゴムシが早い
b.ワラジムシが早い
c.どちらも動かない

解答:b.ワラジムシが早い
解説:ダンゴムシさんのように丸くなるという特技が無い所は、逃げ足の早さで補っているようです。ですから、ダンゴムシレースにワラジムシが混じるとダントツで勝ってしまうことがおおいので、混ざらないように注意しましょう。

ダンゴムシさんのリンク集
日本ダンゴムシ協会のHP
http://homepage2.nifty.com/e-mon/dango/index.html

ダンゴムシ大研究
http://www.asahi-net.or.jp/~EP3N-KIZM/asobo/dango.htm

◎はじめの半歩のHPの「チャレンジ9 ダンゴムシのにせ物?」
http://www1.fctv.ne.jp/~syys1643/dango/dango.html

ダンゴムシ・ワラジムシで研究発表です
◎ダンゴムシの観察(小学生の観察日記です、可愛い!)
http://www.asahi-net.or.jp/~CQ6H-HGS/dango.htm

◎「ダンゴムシとワラジムシ その生態とかくされた能力」(小学生の研究論文です!!すごい!!)
http://www.shizecon.net/sakuhin/42/es_1.htm

◎「ワラジムシの歩き方について」(高校生の研究論文です!さすがです)
http://www.kokagakuen.ac.jp/waraji02/waraji01.htm

走れ!ダンゴムシさんの問題へ

自然のおもしろクイズ目次へ  


QUIZ22 飛べ!ムササビくん


(1)ムササビくんとモモンガくんはどこが違うの
        
a.ムササビくんの方が目玉が大きい
b.ムササビくんの方が体が大きい
c.ムササビくんの方がしっぽがひらべったい
d.皮膜はモモンガくんの方が発達している。
e.ムササビくんは深山、モモンガくんは里山に住んでいる
解答:b.ムササビくんの方が体が大きい
解説:a〜eまですべてモモンガとの違いになりますが、b以外は反対です。
ムササビは体長35〜48cmしっぽの長さが28〜39cmに対して、モモンガは体長15〜20cmぐらいです。ところが顔を見ると、モモンガの目はとても大きいですね。皮膜の大きさもムササビの方が格段に大きいのですが、その上モモンガが体側にしか皮膜が無いのに対してムササビは体側から後肢をへて尾の基部までありよく発達しています。したがって、滑空距離も長くなります。(モモンガはせいぜい20〜30mくらい、100mとんだという記録もあるそうです)。
ちなみに、しっぽはモモンガの方がひらべったいようです。モモンガは山の中にしかいないので、大きさも含めてみることは難しいのです。

それと、モモンガは昼間活動することもあるそうです。

ムササビ君のクイズ問題2へ



(2)ムササビくんはどれくらい飛べるの
a.10mくらいが限界
b.30mくらいが限界
c.50mくらいが限界
d.百数十mくらいが限界
e.何kmでも自由自在
解答:d.百数十mくらいが限界
解説:ムササビは飛ぶといっても、前足と後ろ脚の間の皮膜が有りこれを使っグライダーのように滑空しています。飛び立つ場所の高さの2〜3倍程度の距離を滑空できるのです。普通の滑空は20〜30mで、条件がそろえば最高200mもの距離を一気にとぶこともあります(公式滑空距離160m、非公式記録200m以上)。
鳥やコウモリのように皮膜のある手をうちふって自由に飛び回ることはできません。

ムササビ君のクイズ問題3へ



(3)ムササビくんは滑空の途中で方向を変えたり上昇することができるの?
a.飛びだしたら、方向転換も上昇も無理。
b.飛びだした後でも、方向転換は可能、上昇は無理。
c.飛びだした後でも、方向転換は不可能、上昇は可能。
d.飛びだした後でも、方向転換も上昇も可能。
解答:d.飛びだした後でも、方向転換も上昇も可能。
解説:ムササビくんの滑空は、グライダーのように高いところから低いところに滑空します。ところが、滑空しながら太くて長い尾でバランスを取りながら、皮膜の角度を調整することで、自由に方向を変え、木の間を巧みにくぐり抜けてとぶことができます。飛び出した木に帰るUターンすら可能です。また、皮膜の角度を調整することで、急上昇や急下降も可能です。

着地(着木?)のやり方:いざ目的の樹木に近づくと、思い切り前足を前に出し、揚力の中心を前に移動し、頭を上げて、ほぼ垂直に近い姿勢で着地(着木?)します。このときの飛膜はパラシュートのように丸く広がり、空気をいっぱいに受け見事に急減速しています。

ちょと専門的ですが「アスペクト比(縦横比)」について
ムササビの飛ぶ形は縦長です。鳥やコウモリや飛行機は翼が横長です。翼の横の長さを、縦方向の長さで割った数値を、「アスペクト比(縦横比)」と言います。鳥や飛行機は高く、ムササビは低くなります。アスペクト比が低いと、乱流が起こる可能性が高いので、長距離をとぶのには向いていません。
このような「アスペクト比(縦横比)」が小さい翼のメリットとしては、相当な頭上げの姿勢になっても失速をしないのです。失速しにくいので、木へ飛び移るときに腕(うで)としっぽを使って体を十分に引き起こして垂直に立っている木の幹に着地(着木?)することができます。もしムササビの翼が横長だったら、失速してうまく木の幹に着陸できないでしょう。
旋回のやり方について
一般に、尻尾(しっぽ)で左右の旋回のコントロールをしていると思われていますが、尻尾の役割は重量のバランスと方向安定だと思われます。急旋回をしても、横にころがらないようにしているのです。いわば、凧(たこ)の尻尾のような役割です。
尻尾で方向の転換すると、たいへん不安定となり、とりわけ横に短い翼で、かつ上半角が無いため、瞬間的に「きりもみ状態(スピン)」に入ることになってしまいまいます。
旋回の際には体全体、特に前足や頭部が重要な役割を果たしているのです。
すなわち、両前足を進行方向に前進させることで揚力の中心が前に移動し、さらに、翼面積が増加して揚力も高まり頭上げの姿勢となり、減速します。 逆に前足を後に少し引くと、やや頭下げの姿勢となり、速度が増し、滑空飛行に適する体勢となります。 さらに、頭部を左に向け、右の前足を前進させる姿勢をとれば右側の揚力が高まり、左旋回の姿勢となるわけです。 さらに、頭上げの操作をして、高度の低下を防げば、相当シャープな左旋回をすることができます。 右旋回の場合も同様で、この様にして、出発した梢の下の幹に戻るような急旋回も可能となっていると推測できます。 
航空機に例えれば、可変後退角、可変翼面積、機首に可動翼を持つ高運動性の実験機の様なものなのです。
船や飛行機を操縦するのに尾翼や翼の後縁の舵を使うのは、人工物の堅い機体や翼であるためのやむを得ない方法であり、ムササビは、はるかに効率的で柔軟な様々な方法がとられているのです。


ムササビ君のクイズ問題4へ



(4)ムササビくんの手首にある「針状軟骨(しんじょうなんこつ)」は何に使うの
a.皮膜をコントロールするため
b.天敵と戦うため
c.ライバルの雄と闘うため
d.木につかまるため
解答:a.皮膜をコントロールするため
解説:針状軟骨は皮膜をつながった骨で、動かすことができます。指が変化したものだと考えられます。普段は折りたたんでいて、滑空する時にはピーンと張り出して、翼面積を拡大します。そして、滑空しながらもこの針状軟骨つきの手首を動かして、横風を逃がして墜落を防ぎ、カーブやUターンもできるようになっています。(詳しくは上記解説を見てね)飛行機の翼についているフラップや昇降舵等を組み合わせたような高度なしくみです。
ちなみに、着地(着木?)の時のショックに耐えるために、手首と足首の骨は太くて丈夫にできています。ただ、そのために地面を歩くのはとても苦手になってしまいました。

ムササビ君のクイズ問題5へ



(5)夜行性のムササビくんは、滑空の時目標をどうやって決めるの
a.コウモリやイルカのように超音波を使って距離と方向を測っている。
b.ギャーと鳴いてその音の跳ね返りで距離と方向を測っている
c.頭を上下左右に降り、背伸びをして距離と方向を測る
d.明るいうちになわばりの森の距離を全部覚えている
解答:c.頭を上下左右に降り、背伸びをして距離と方向を測る
解説:ムササビの目は人間の何十倍もの感光度を持っています。ですから、月あかりの内夜でも、わずかな星あかりでもよく見えて、くらい森の中を飛び回るのに都合良くできています。(その代わり、昼の光りは強すぎて、巣穴の中に入って、眠っています)
飛ぶ前には、枝の上で、頭を上下左右に振り回して、しきりに背伸びをしながら飛びつく木までの距離を測ります。そして、ゆっくりと重心を後にかけてから、枝をけり上げてふわーっと舞い上がります。

※この様子は、熊谷さとしさんのHP
http://www.kumagai-satoshi.com/
の野生動物図鑑の中のムササビの所に素敵なアニメーションがあります。

ムササビ君のクイズ問題6へ



(6)ムササビくんはどんなものを食べるの
a.ドングリや柿やアケビの木の実
b.サクラやツバキの花
c.木の芽や木の葉っぱ
d.木の皮
e.昆虫
f.魚
解答:a.ドングリや柿やアケビの木の実 b.サクラやツバキの花 c.木の芽や木の葉っぱ d.木の皮 (e.昆虫)

解説:ムササビは、地上に降りると歩くのがとても下手ですから、敵にねらわれやすくなる地上にはよほどのことがなければおりません。ですから、魚は食べられません。ムササビは基本的に草食ですが、昆虫も食べます。
(※追加情報 熊谷さとしさんからの情報で、昆虫を食べることはほとんど無いとのことです。食べないという確証ではないのですが、食べているところを見たことがないとのことです。近い仲間のリスは、昆虫を食べる頻度はそれなりにあるようです)
ということで、魚以外は総て食べるのですが、好みがあるようです。「所さんの目がテン」だったかでモモンガを使って実験していましたが、木の実と花と木の芽と葉っぱをやって何が好きかを見ると、実を捨て置いて、葉や木の芽でした。自然界で木の実を食べるといっても、必ず木の上に有るもので、腹が減っても地面に落ちた木の実には手を出しません。
冬の森では、ヤマツバキの花をしきりに食べているムササビが観察されています。冬の間の一番のごちそうのようです。まだつぼみが小さく青いうちから、しきりにやってきては食べているそうです。花びらはむしって食べているようですから、花びらが好きなわけではなさそうです。

ムササビ君のクイズ問題7へ



(7)ムササビくんの歯はどうなっているの
a.犬歯が発達している
b.臼歯が発達している
c.門歯が発達している
解答:c.門歯が発達している
解説:ムササビは齧歯類(げっしるい)の仲間です。齧歯類といえば、リスやネズミなどがいます。いずれも、上下に2本ずつのびる、のみ状のするどい門歯が発達しています。門歯は一生伸び続けるので、硬いものを囓(かじ)り、のびすぎないようにすり減らしています。

ムササビ君のクイズ問題8へ



(8)ムササビくんが葉っぱを食べると
a.食べあとの葉っぱは、丸い穴が空いている
b.食べあとの葉っぱは、左右対称になっている。
c.食べたあとの葉っぱは、四角になっている
d.きれいに食べてしまうので、食べあとがほとんど残らない
解答:b.食べあとの葉っぱは、左右対称になっている。
解説:ムササビは前足を手のように使って、葉っぱを2つ折りとか4つ折りにして囓(かじ)るので、食べあとの葉っぱは、きれいな左右対称になっているのです。
ちなみに、木の実を食べるときも2〜3口食べただけで下に落としてしまいます。落ちた木の実をムササビが食べることはありませんが、木に登らないほかの動物たちが食べます。)

ムササビ君のクイズ問題9へ



(9)ムササビくんの糞(ふん)は
a.ピンポン玉のような糞
b.楕円形のポロポロの糞
c.細長いくねくねの糞
d.正露丸(せいろがん)のような、つぶつぶ状の糞
e.仁丹(じんたん)のような、つぶつぶ状の糞
解答:d.正露丸(せいろがん)のような、つぶつぶ状の糞
解説:つぶつぶ状のフンです。新しいものは表面がヌルヌルしているので区別できます。ちなみに,新しいものはくさい。

映像で確認したい人は「フンコレ」を見てみましょう
http://www3.justnet.ne.jp/~bandori/sub8.htm
いろんな動物の糞が見られます。ただし、同じ動物でも季節や食べたものや体調によって随分形が変わります。あまり固定的に思いこまない方が良いでしょう。

ムササビ君のクイズ問題10へ



(10)ムササビくんの名前の由来は
a.笹がない→無ササ→ムササビ
b.身が細い→身細びぃ(みささびぃ)→ムササビ
c.草の錆(さび)→草錆(くささび)→ムササビ
d.武蔵の寂(さび)→武蔵寂(むさしさび)→ムササビ
解答:b.身が細い→身細びぃ(みささびぃ)→ムササビ
解説:「身が細い」→「身細びぃ(みささびぃ)」からきていると言われています。空をと滑空するために体重を減らし(丸々と猫くらいの大きさなのに約1kg)皮膜(ひまく)の面積を広げたので体が細くなってしまったのでしょう。(1200gの体重のムササビで、肉は400gくらいしかついていないです。
広げた皮膜はとても大きいのに、たたむと、大人の手の、親指と人差し指をくっつけてつくった輪の中に、すっぽりとおさまってしまうくらい細いんです。

ムササビのことを「バンドリ(晩に飛ぶトリの意味)」と呼ぶ地方もあるようです。また、「オオバン(大きなバンドリ=ムササビ)」と「コバン(小さなバンドリ=モモンガ)」区別する言い方もあるとか。

ムササビ君のクイズ問題11へ



(11)ムササビくんが見られなくなる主な原因は?
a.狩猟が激しいから
b.大きな木が無くなるから
c.森と森との間だの木が無くなるから
d.天敵が増えた
解答:b.大きな木が無くなるから  c.森と森との間だの木が無くなるから
解説:ムササビの巣は大木の穴に作られるので、ムササビの巣が作られるくらいの穴を持つ木(どうしてもかなりの大木になります)が、無いと繁殖が難しくなります。どうしても、適当な穴がないと、屋根裏などに巣を作ったり、人間の作った巣箱(ムササビ用はもとより鳥用の巣箱を失敬したりすることもあります。そんなものも無いときには、杉の皮などを大量に集めて、ラグビーボール大の巣を樹上に作りますが、どうしても条件が悪くなってしまいます。ですから、大きな木が無くなると、いなくなってしまいます。
 年間を通じて餌が必要ですが、その場所に生きられるだけの餌が有ったとしても、滑空できる距離に他の森とつながる木がないと、地上を歩くのは極めて危険なので、余所に行きませんし、余所から他のムササビがやって来ません。ということは、繁殖ができなくなって、いずれそこにはムササビがいなくなってしまうのです。
ムササビが生活できる森・繁殖できる広がりが未来に向けても守られるといいですね。

狩猟ですが・・・。現在はそれほど狩猟対象になっていません。縄文時代の遺跡(三内丸山遺跡など)の調査から、野ウサギと並んでムササビは非常にたくさん食べられていたようですが、それでも絶滅はしませんでした。戦争中には、毛皮目的でかなり集中的にねらわれたようです。しかし、現在では毛皮の需要が減っていることと、スポーツハンティング向きでない(飛んでいるところを下から撃つとあまりにも簡単にあたるので、おもしろくないらしい)ので、ねらわれなくなりました。ただ、広範囲な針葉樹の人工林では巣材として樹皮をはいだり、冬季の食料として樹皮の甘皮部分を食べたりするので、林業家にとってうれしくない存在で、有害鳥獣として駆除されることが有るようです。実際には、ネズミや鹿などに比べると小さな被害なので、里山のシンボルとして許してもらっている例も多いです。
天敵の存在は、ムササビの絶滅や減少には、悪影響は無いと考えられます。ということことで、天敵よりも狩猟よりも、生息域の減少こそが問題です。

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