自然のおもしろクイズ
回答編]T
問題や解答に疑問や助言や感想がある人、
新しい問題の提案がある人(できれば、解答と解説付きで)
okiomoya☆fuchu.or.jp にメールください。
迷惑メールに苦慮しています。の部分をに換えて発信してください。
おもしろクイズの解答と解説について
内容については私なりに様々な書籍やネット上の資料を調べて書いています。しかし、本にしろネット上の資料にしろ必ずしも科学的に正しいとは限りません。また、書かれた時点では通説とされていても、その後より妥当性のある説が発表されいている可能性があります。
私が調べた時点でも、異なる説が見つかる場合が多いです。その場合、私の判断で確からしい内容を正解として書かせてもらっています。私自身は専門家ではないので、所詮素人判断といえます。
このクイズを参考して色々と判断されることはかまいませんが、それぞれの判断と責任でご利用ください。



QUIZ33 ミツバチさんの働き者

(1)ミツバチは何を食べるの?〔複数回答〕
a.蜂蜜
b.花粉
c.ロイヤルゼリー
d.昆虫

解答:a.蜂蜜、b.花粉、c.ロイヤルゼリー
解説:ミツバチは、子どもの時も大人になっても植物質のものを食べています(草食)。ミツバチですから、主食は花の蜜をたくさん集めてきてそれを蓄えて食料にします。花の蜜を働き蜂の中で作り替えたものが蜂蜜です。でも、蜜には炭水化物はあってもタンパク質等はありません。タンパク質などは、花粉から得ているのです。
ロイヤルゼリーは、その花粉を働き蜂の体内で加工した、特別食というわけです。

 ちなみにスズメバチの子どもは、虫などを囓って団子状にしたものを与えられている(肉食)ようですが、大人は花蜜や樹液専門の植物食になります。

ミツバチさんの働き者問題2へ

(2)花の蜜と蜂蜜は同じもの?
a.花の蜜と蜂蜜は全く同じもの
b.花の蜜から水分を取り除いて濃くしたら蜂蜜
c.花の蜜を蜂(ハチ)の体内に取り込んで変化させたもの

解答:d.花の蜜を蜂(ハチ)の体内に取り込んで変化させたもの
解説:花蜜は水分が多く糖の含有量は、30〜40%程度しかありません(水分70〜60%)。蜂蜜では水分は21%以下です。働き蜂たちは、羽で風を起こして水分を飛ばして濃縮しているのです。実際には水分が21%以上の事もあるようですが、23%を超すと耐糖性の酵母が働いて発酵してしまうのです。販売されている蜂蜜は水分21%以下の品質であることが義務づけられています。これは、働き蜂が採集してきたばかりで充分に水分をとばしていないものを採集してしまうと、水分が多すぎることになってしまうようです。ミツバチの巣の中では、濃度が充分上がってから、働き蜂は蓋をしているようです。
 濃度だけではありません、花蜜の糖は、半分以上がショ糖です。ところが、蜂蜜の糖の79%はブドウ糖、果糖です。糖の種類が変化しているのです。働き蜂が、体の中でショ糖を分解して、果糖とブドウ糖にしているのです。そのほか有機酸もたくさん含まれていて、phも約3.8とかなり酸性が高いのです。ビタミンやアミノ酸(18種類)それに多種類の香気成分(50種類!)それに酵素・・。それにしても糖類しかないはずの花蜜にビタミンやアミノ酸??・・これは花蜜の中に混入した花粉の成分が変化したものです。
 花蜜と蜂蜜ではその内容がかなり異なっているのです。養蜂家は、越冬や越夏のために砂糖水を与えますが、これを働き蜂が吸引し、蓄えたときには、これも性質の異なったものになっているのです。(蜂自身の消費用でこれは売り物にしないのですが)

ミツバチさんの働き者問題3へ

(3)ミツバチの巣の中にひときわ大きなハチがいます。これは何
a.他のハチを奴隷のように使っている王様蜂
b.そこにいる全てのハチを生んだ、お母さん蜂
c.そこにいる全てのハチのお父さん蜂
d.ミツバチとは別の種類の蜂で、ミツバチに寄生している
e.一番よく蜜を集めてくる蜂

解答:b.そこにいる全てのハチを生んだ、お母さん蜂
解説:一般には、女王蜂と呼ばれています。毎日1000匹以上の蜂を生み続けます。多いときには3000匹以上になることもあるといいます。そのほとんどが、雌です。娘たちに取り囲まれ、世話をしてもらいながら、ひたすらに卵を産み続けているわけです。
 周りの蜂については、しもべというより娘蜂ということになります。(厳密には分封直後などでは前の女王蜂が生んだいわば姉妹の蜂に囲まれていることもありますが・・・)
 ギリシャの哲学アリストテレスは、精密な自然観察をしていたことで有名です。ミツバチの巣の中にひときわ大きな蜂がいることも、しっかり観察しています。ただし、彼はこの蜂を「王蜂」と呼んでいます。ずっと観察していれば卵を産むので「王(雄)」ではないことがわかったと思うのですが。そこまでの観察はできなかったようです。
 考えてみれば、自然状態でそこまで観察するのは困難です。大きな蜂が、お母さんであるとの事実を証明したのは、17世紀のオランダの動物学者スワルメルダムという人だそうで、女王蜂の卵巣を解剖することで、産卵者であることを証明したのだそうです。なるほど(@_@)!

ミツバチさんの働き者問題4へ

(4)ミツバチは良い餌場をどのように仲間に伝えるの?
a.フェロモン
b.ダンス
c.つれてゆく
d.いいミツを運んできた仲間をつけてゆく

解答:b.ダンス
解説: ミツバチは 巣の上を歩き回るパターン(ダンス)で自分の見つけた「蜜のありか」を仲間に教えます。
 このことを発見した学者カール・フォン・フリッシュ(1886〜1973ドイツ)は、1973年、ノーベル生理学医学賞を受賞しています。

ミツバチは蜜や花粉を闇雲に探しているわけではありません。まず、ベテランの働き蜂が、斥候としてあちこちに飛んでゆきます。そして、採蜜を終えた働き蜂は巣に帰ってくると、ダンスでその情報を伝えます。
ダンスについての解説は

ミツバチさんの働き者問題5へ

(5)スズメバチが巣を襲ってきたとき、ミツバチはどう対処するの
a.決死隊が出て、次々にスズメバチをさしてついには殺してしまう。
b.集団でスズメバチを押し包み、体温を上げて殺す。
c.相手が強すぎて、対抗策が無く、滅ぼされてします。
d.対抗策が無いので、スズメバチに襲われた巣は集団で逃げ出す。

解答:b.集団でスズメバチを押し包み、体温を上げて殺す。
 (このように対抗しても、相手が強すぎて、滅ぼされてしまうこともあるのですが。)
解説:キイロスズメバチなどはミツバチの巣の前で待っていて、帰ってきたミツバチを捕まえて肉団子にして、自分の巣に持ち帰ります(幼虫の餌にします)。オオスズメバチに至っては巣ごと襲って蜜も幼虫も根こそぎ持ってゆこうとします。
 これに対して、養蜂に使うセイヨウミツバチは、なすすべがありません。場合によれば、巣ごと全滅させられてしまいます。実は、セイヨウミツバチのふるさとにはオオスズメバチがいないのです。(オオスズメバチはアジアにだけ生息する)ですから、対抗手段を持ち合わせていないというわけです。これに対して、在来種であるニホンミツバチは、スズメバチを押し包んで、自らの体温を上げて、蒸し殺してしまう作戦をとることができるのです。それでも、相手がオオスズメバチの場合には、負けて逃げ出すことも有るのですが、とりあえず有効な対抗策は持っているわけです。
 ちなみに、セイヨウミツバチの場合は自身が温度の上昇に弱いので、ニホンミツバチの方法を「学習」するという可能性もなさそうです。
 養蜂業のため明治になって(1877年・明治10年)セイヨウミツバチが持ち込まれました。当然、自然界に逃げてしまう蜂群がたくさんあるのに、日本の自然界ではニホンミツバチが優勢です。これは、自然状態のセイヨウミツバチはスズメバチが淘汰してしまっているからだと考えられます。天敵の存在が、ニホンミツバチの絶滅を防いでいることになります。自然界の仕組みは面白いですね。
(同じく養蜂業のためにセイヨウミツバチが持ち込まれたアメリカ大陸では、オオスズメバチがいないので、しっかり野生化しているようです)

ニホンミツバチの蜂球作戦についてより詳しくはここを

ミツバチさんの働き者問題6へ

(6)ミツバチの巣は何でできているの?
a.樹皮の靭皮繊維と唾液
b.枯れ木の木部繊維と唾液
c.蜜から作った蝋(ろう)と唾液

解答:c.蜜から作った蝋(ろう)
解説:ミツバチは蜜を体の中で蝋(ろう)に変えることができます。この蜜蝋(みつろう/ビーズワックス)をかみ砕いて唾液を混ぜたもので巣を作るのです。
 ちなみに蜂蜜10に対して1の蜜蝋ができます。大変なんです。おいしくありませんが食べることもできます。

 a.はアシナガバチ、b.はスズメバチの仲間の巣材です。どちらもいわばパルプ製で紙のようなものです。アシナガバチのものは強靱で和紙に、スズメバチの巣は幾分もろく洋紙にたとえられています。

ミツバチさんの働き者問題7へ

(7)毒針で刺したハチはどうなるの?
a.約1週間で、毒が再生産されて刺すことができるようになる
b.一度刺すともう毒は作られない
c.一度刺したハチは死んでしまう。

解答:c.一度刺したハチは死んでしまう
解説:ハチの毒針は、産卵管が変化したものです。そして、ミツバチの場合にはその針には返し棘があります。皮膚に刺さると抜けなくなります。無理に抜いても針の根元にある毒腺ごと抜けて、付随する筋肉が自動的に働いて毒液を注入し続けることになります。そして、ミツバチは確実に死ぬことになります。(ちなみに、他のハチの毒針には返しがついていないので、死にませんし何度でも刺すことができます)

 ミツバチのこの見事なまでの自己犠牲についての解説をしました

ミツバチさんの働き者問題8へ

(8)養蜂家の人は、巣箱を開けても襲われないように蜂を落ち着かさせます。どうやって?
a.コールドスプレーで冷やす
b.霧吹きで湿気を与える
c.煙を吹きかける
d.熱を加えて蜂をぐったりさせる

解答:c.煙を吹きかける
解説:ミツバチの巣に燻煙器を使って煙を吹きかけてやると、見事におとなしくなってしまいます。何故、おとなしくなるのでしょうか。山火事を連想させて、おとなしくなるのだとの説明を受けましたが、もし山火事ならそれこそ「お家の一大事」ですから。大あわてで、避難活動をしなければならないように思うのですが???
 以前、山形で養蜂家の人(ハチ蜜の森キャンドル)から、蜜蝋を使ったロウソク作りを指導してもらったときに、蜜蜂の巣箱も見させてもらいましたが・・・。燻煙器に新聞紙をつめて火をつけるという至ってシンプルな方法で煙を作り・・吹き付けると。確かにおとなしくなるのです。蜜蜂の様子は別に焦った風もありません。どうして、煙を浴びると静かになるのでしょうか?
 どうも、二酸化炭素に鎮静作用なり麻酔作用が有ると言うことのようなのですが・・・。(確認中です)


燻煙器
ミツバチに煙をかけることによって、おとなしくさせる道具。
銅(もしくはステンレスやトタン)製の燻煙部に皮製のフイゴが接続されています。




ミツバチさんの働き者○×問題へ


ミツバチ○×クイズ

(×)ミツバチの羽の数は2枚である。
 止まっている蜂を見ると、2枚羽根の用に見えます。ところが、前翅と後翅があるのです。前後の羽がファスナーのような構造でつながっているのです。注意深く見ると4枚の羽を持っています。

(○)働き蜂は全部雌である
 ミツバチはほとんど全部、雌です。巣の中にはごく一部雄蜂がいますが、全然働きません。働いているのは、全て雌です。

(×)女王蜂と働き蜂は違う卵で生まれる
 生まれたときは全く同じ卵です。王台という特別な場所に生み付けられた蜂には、餌としてロイヤルゼリーを与え続けられます。すると、どんどん大きく生長して女王蜂になります。働き蜂になるはずの卵を産後2日以内に王台に移すか人為的にロイヤルゼリーをあたえると、女王蜂を作ることができます。
 近年では、遺伝子レベルでも確認されて全く同じであることが確認されているようです。

(○)女王蜂は、雄と雌を生み分けることができる。
 ミツバチの場合、受精卵は雌に未受精卵は雄になります。女王蜂はそれを生み分けることができるようです。 

(○)雄蜂に父親は存在しない
 前問にあるように、雄蜂は未受精卵です。遺伝子が雌の半分しかありません。女王蜂の遺伝子だけを引き継いでいるのです。
 ただし、例外的に受精卵から雄が生まれることがあるようです。ところがその幼虫は特別のフェロモンを出すようです。そのフェロモンを感じた働き蜂は、その雄蜂を食べてしまいます。ですから、自然状態では受精卵(父親のいる)雄蜂は存在できません。
※ミツバチは生涯草食(植物食)のはずですが・・・肉食にもなるのかな??

(×)働き蜂はどんな場合でも卵を産むことはできない
 働き蜂は全部雌ですから、卵を産むことができます。ただ、女王蜂は特別のフェロモンを出していて、働き蜂が卵を産まないようにしているのです。それでも、卵を産んでしまう働き蜂がいるようです。通常こうした卵は,他の働き蜂によって除去されてしまいます。
また、何らかの原因で女王蜂がいなくなって産卵を抑制するフェロモンがなくなると、複数の働き蜂がほぼ同時に産卵を始めます。ただし、精子を持っていないので全て未受精卵になります。未受精卵は雄蜂になりますから、生長しても働きません!!


(×)どのようなタイミングでどれくらい雄を生むかは、女王蜂が判断する。
 体が一番大きな、女王蜂ですが。脳の大きさは他の蜂に比べると小さいのです。(当然判断力も劣ると思われます)女王蜂はひたすら卵を産む役目なのです。従って、判断も世話をしている働き蜂が行います。
働き蜂が、作る産卵用の巣の形に合わせて、女王蜂は生み分けるだけのようです。雄蜂を作ろうと思ったら、働き蜂はそれ用に通常より大きい巣房を作るようです。女王蜂は、通常の巣房には受精卵を生み大きな巣房には未受精卵を生み付けるようです。生み分けることはできるけれども、その判断は働き蜂がしていることになります。
 ただ・・・働き蜂はどのように協議し決定しているのでしょうか?これは謎です。

 前門の解説にも書きましたが、未受精卵なら(雌蜂である)働き蜂も生むことが可能です。実際に働き蜂が雄蜂を生んでしまうこともあるようです。このことについて、玉川大学ミツバチ研究施設に問い合わせたところ、丁寧なお返事をいただきました。参考にしてください。 
 玉川大学とのやりとりはこちら。


(○)新しい女王蜂を誰にするかを決めるのは、働き蜂。
王台に産み付けられロイヤルゼリーを与えられると女王蜂になることができるのですが・・・。実を言うと女王蜂候補になるだけです。複数の女王蜂候補の中からどのハチを新女王にするかを決めるのも働き蜂なのです。 



参考HP

玉川大学ミツバチ研究施設
http://www.tamagawa.ac.jp/hsrc/contents/beenote.htm

オオスズメバチの警戒フェロモンについて
http://eco.goo.ne.jp/business/csr/ecologue/wave35.html

ニホンミツバチ(Japanese Honeybee)
http://homepage3.nifty.com/jhb/index.htm

ミツバチ科学(ミツバチに関するたくさんの論文が紹介されています)
http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/college/college/tamagawa-mitsubachi.html

ミツバチについてより詳しい解説


ミツバチのダンスについて
 蜜源が近くにある場合には、体を振るわせながら左右に交互に円形を描く「円形ダンス」をおこなうのですが・・・。蜜源が遠方に有る場合には、「尻を振りながら直進→ 右回りして元の位置へ→ 尻を振りながら直進→ 左回りして元の位置へ」という「8の字ダンス」を繰り返し踊ります。
 (ミツバチの巣は垂直方向に作られていますが)上を太陽の方向と考え、上記ダンスの際の「尻を振りながら直進するライン」の角度で太陽と蜜源のなす角度を示しているのです。たとえば、右手水平方向に直進しながら尻を振る8の字を描いた場合には、「太陽を左90°に見ながら飛べ」という合図になるというわけです。
 ただ、ほとんど真っ暗な巣の中で踊られるのですから、仲間のハチはこの踊りを見ることができません。実は尻降りの際に発生する音を聴いて上記情報を得ていることになります。尻振りは伊達ではないのです。
 ちなみに、蜜源との距離も伝達しています。尻を振りながら直進してる時間の長さが、蜜源までの距離情報になるのです。



ニホンミツバチの蜂球(ほうきゅう)作戦
 日本の在来種であるニホンミツバチは、スズメバチの襲来を見張りの働き蜂がキャッチするとスクランブルがかかります。次々と見張りの蜂が突進していって、スズメバチを取り囲んで瞬く間(数秒後)に「蜂球(ピンポン球状にびっしりとミツバチがスクラムを組んでいます)」を構成します。数十分後・・・蜂球が解消されるとそこにはスズメバチが倒れていて、二度と再び起きあがれないのです。
 蜂玉の中で何が行われているのか・・・玉川大学の小野正人先生は、その蜂球を手に取ってみたそうです。何と熱いのです。さすが科学者、数十の蜂球に特殊な温度計を差し込んで蜂球内部の温度を時間経過と共に記録したのです。すると・・・外気温が25度くらいの時に、蜂球の中の温度は急上昇、4分後には46度にも達したのです。ミツバチの育児圏の温度は常時35度くらいに保たれているのですが、蜂球の中は45度。蜂球を手に持てば、熱い訳です。その後20分くらいこの温度が持続します。そして、次第に温度が下がってきて(スズメバチの死骸を残して)、蜜蜂たちは解散するというのです。
 さらに、ミツバチとスズメバチをフラスコに入れてじわじわと温度を上げる実験もされています。すると、スズメバチは39度で挙動不審になり、43度で失禁するものがあらわれだし、45度〜47度で動きが止まってしまうというのです。そして10分後温度を下げても蘇生できない。
 一方ミツバチは、やはり39度で挙動不審になるのですが、歩行困難になるのは47.5度から、動きが止まるのは48度になってから。50度に達すると完全に動きが止まる。それでも、室温にもどすと10%は蘇生するのです。
 以上のことから、スズメバチとミツバチでは温度に対する耐性が違うわけです。ミツバチはこの差を利用しているわけです。自らは耐えられるぎりぎりの温度である45。6度に蜂球の中の温度を上げ、熱殺していたのです。
『ミツバチの話』より
このことについて環境gooのこのページにおもしろい記事が有りました
http://eco.goo.ne.jp/business/csr/ecologue/wave35.html



 ミツバチの自己犠牲について

ミツバチの針にかえしがついているということは、刺す時点で死ぬことを運命づけられています。巣を守るためとはいえ、完全に利他的な行動であり、完全な自己犠牲です。この自己犠牲は、、「自らのコピーを残しやすい遺伝子ほど後世に残る(利己的な遺伝子)」という仮説で説明されます。
 私たち、人間で考えると親から子で遺伝子1/2相続されますから。兄弟姉妹では1/4が相同であると考えられます。親がこのため、さらには兄弟のために自己犠牲なり利他的な行動も遺伝子的には無意味ではないということになるわけです。
 これが、ミツバチの場合にはおもしろいことになります。
 ミツバチの雄蜂は未受精卵から生まれるということは、父親がいないことになります。女王蜂は、結婚飛行で他の巣の雄蜂と交尾して、一生分の精子をため込みます。この条件ですと、女王蜂にとって、生む働き蜂の遺伝子の1/2引き継いでくれる跡継ぎです。これは人間の場合と同じと考えていいですね。では娘蜂(働き蜂)同士ではどうでしょうか。人間の場合は1/4が同じでしたが・・・。娘蜂にとって父親由来の遺伝子は全く同じですから、なんと3/4が同じだと言うことになります。なんと、親子の1/2より兄弟間の方が近いのです。すると、親が自己犠牲をしてまでも我が子を守る以上に、兄弟のために自己犠牲をする方が「利己的遺伝子」の仮説では、より説明しやすくなるというわけです。

利己的な遺伝子についての解説
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%A9%E5%B7%B1%E7%9A%84%E3%81%AA%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90



玉川大学ミツバチ研究施設とのやりとりから

玉川大学ミツバチ研究施設様

・・・、雄蜂についてよく分からないことがあります。

雄蜂の染色体数は、半数体ということですが、この母親はどのハチになるのでしょうか。女王蜂が状況に応じて、半数体の未受精卵を自由に生み分けることができるのでしょうか。あるいは、働き蜂の生む雄蜂なのでしょうか。
あるいは、それがらが混在しているということなのでしょうか。

玉川大学の方から
雄蜂は,基本的には女王蜂が産んだものです.女王蜂は巣房の大きさ(六角形の大きさ)を基準に,受精卵と未受精卵を産み分けます.未受精卵は半数体で,父親というものは存在しません.ただ,働き蜂の中には,女王蜂がいる状況でも卵を産んでしまう者がいます.通常こうした卵は,他の働き蜂によって除去されます.仮に育ったとしても,やはり通常は未受精卵で,父親のいないものとなります. 育つ可能性はかなり低いので,混在ということはありませんが,女王蜂が失われた場合,複数の働き蜂がほぼ同時に産卵を始め,複数の個体の産んだ雄蜂が混在することはよくあります.

ということで、
 女王蜂は、受精卵と未受精卵を生み分けられるということのようです。
 従って、新女王を作るのも雄蜂を作るのも、働き蜂の判断で行われていることになるということになります。脳も働き蜂の方が大きいようですから、働き蜂がいわばミツバチ社会の単なる駒なり歯車であるというイメージとは異なることになります。


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QUIZ34 カエルくんの大変身
 
 「オタマジャクシはカエルの子」・・・と、確認しなければならないくらい子ども(幼生)から大人(成体)へ大変身をします。そして、カエルくんは、天敵の鳥から隠れ、獲物から隠れるために、カモフラージュの名人です。
 そんなカエルくんのクイズに挑戦してもっと友達になりましょう。ただし、とてももかわいいのですが、皮膚に毒を分泌しているものがあるので、カエルをさわった後は、手を洗いましょう。


(1)オタマジャクシからカエルになるときはどうなるの?
a.前足が出る→後ろ足が出る→尾が短くなる
b.前足が出る→尾が短くなる→後ろ足が出る
c.後ろ足が出る→前足が出る→尾が短くなる
d.後ろ足が出る→尾が短くなる→前足が出る
e.尾が短くなる→前足が出る→後ろ足が出る
f.尾が短くなる→後ろ足が出る→前足が出る

解答:c.後ろ足が出る→前足が出る→尾が短くなる
解説:アマガエルの場合で、オタマジャクシになって十数日たつと後ろ足が出て着て次第に大きくなって行きます。1ヶ月くらいして体長5cmくらいになると、突然前足が出てきます。体の中で作られていた前足が、鰓(えら)穴と皮膚を破って出てくるのです。前後の足がそろうと、尾が短くなります。
 オタマジャクシの前足は、鰓(えら)穴を突き破って出てくるわけですから、この瞬間鰓(えら)呼吸ができなくなります。そして、皮膚呼吸と肺呼吸に切り替わるわけです。ですから、前足が出るときは、どんなカエルも一度「おぼれてしまう」とも言えます。カエルにとって、とても重要な変化だと言えます。

オタマジャクシからカエルになるのは進化の過程?については

カエルくんの問題2へ

(2)オタマジャクシの尾が短くなるのは?
a.尾の根元からちぎれてしまう
b.尾の先から少しずつすり切れるように短くなる
c.尾は吸い込まれるように短くなる

解答:c.尾は吸い込まれるように短くなる
解説:足がそろうと尾は吸い込まれるように短くなって行きます。栄養として吸収してしまうのでしょう。ちなみに、両生類は大きく3つに分類されます。一生尾があるサンショウウオやイモリの仲間は、有尾類。親になると尾が無くなるカエルの仲間は、無尾類。そして、足の無いアシナシイモリは、無足類。

カエルくんの問題3へ


(3)カエルの呼吸はどうしているの
a.オタマジャクシもカエルも鰓(えら)呼吸
b.オタマジャクシは鰓(えら)呼吸、カエルは肺呼吸
c.オタマジャクシは肺呼吸、カエルは鰓(えら)呼吸
d.オタマジャクシもカエルも肺呼吸

解答:b.オタマジャクシは鰓(えら)呼吸、カエルは肺呼吸
解説:両生類は、子どもの時は鰓(えら)呼吸で、大人になると肺呼吸になります。ですから、大人になるとおぼれることもあり得ます。
 卵からふ化した直後は外鰓(がいさい、そとえら)があるが、やがて鰓(えら)は皮膚のひだがのびた鰓ぶたの内側に取り込まれて、オタマジャクシになります。

 (カエルもオタマジャクシも)鰓(えら)や肺での呼吸以外に、ある程度の湿度があれば空中、水中のいずれでも皮膚呼吸ができます。皮膚呼吸の割合はかなり大きいようです。資料によって異なるのですが、皮膚呼吸が4割とか5割、資料によれば「ほとんど」というような表現も見られます。実際にはカエルの種によっても異なるようです。さらに、口腔の粘膜から酸素を吸収することもできます。

カエルくんの問題4へ

(4)カエルが食べないのはどれ?
a.トンボ(蜻蛉)
b.ガ(我)
c.カタツムリ(蝸牛)
d.コガネムシ(黄金虫)
e.アメリカザリガニ
f.イトミミズ
g.イナゴ(蝗)
h.クモ(蜘蛛)
i.イネ(稲)

解答:i.イネ(稲)
解説:カエルは、肉食です。動くものならどんどん反応して食べてしまいます。凶暴なアメリカザリガニは、食べることができないように思いますが、実はウシガエルのエサとして持ち込まれたものです。ウシガエルやヒキガエルは大きくなるので、ナント小さなヘビを食べてしまうことがあるのです。
 ちなみに、オタマジャクシの時には基本は草食(死骸など動物性のものも少しは食べます)です。ですから、オタマジャクシを飼うときのエサは、ほうれん草やアブラナ、パンやうどんやにごはんつぶ、煮干しや乾燥ミジンコなどを与えます。

 ということですから、オタマジャクシもカエルだと考えれば、イネも間違いといえないかもしれません。

カエルくんの問題5へ


(5)カエルの敵(生きているカエルやオタマジャクシや卵を食べてしまう)でないのは?
a.ヘビ(蛇)
b.ウシ(牛)
c.アメリカザリガニ
d.ミズカマキリ
e.ナマズ(鯰)
f.フクロウ(梟)
g.モズ(百舌鳥)
h.イモリ(井守)

解答:b.ウシ(牛)
解説:牛は巨大ですが、草食動物ですからカエルは食べません。
 ちなみに、イモリは卵やオタマジャクシを食べてしまいます。また、カエルの中には、他のカエルを食べてしまうものもいます。
 
カエルくんの問題6へ


(6)カエルの目の仕組みで正しいのはどれ(複数回答)
a.まぶたは上まぶたと下まぶたがある
b.下まぶたを動かす
c.下まぶたは透明である
d.瞳(ひとみ)がない

解答:a.まぶたは上まぶたと下まぶたがある、b.下まぶたを動かす、c.下まぶたは透明であるのいずれも正解です。
解説:金色の虹彩のなかに黒いひとみがあります。カエルは夜行性です、夜になるとほんの少しの光でも獲物が見えるように、黒いひとみを全部開きます。
 下まぶたは瞬膜(しゅんまく)という透明のまぶたです。水に潜るときには目を覆って、まるで水中めがねのような働きをします。まぶたを閉じても見えるわけです。

 完全に目をとじるときは、上まぶたが下ります。このとき、大きくとび出ている目が頭の中にひっこみ、肉のあつい上まぶたが、すっぽり目にふたをしてしまいます。
 カエルには歯がないので、エサを噛まないで飲み込みます。そして、エサを食べている時に目をしっかりと閉じていることがあります、これは引っ込めた目玉を使ってエサを胃袋に押し込もうとしているからだそうです。

カエルくんの問題7へ


(7)カエルの泳ぎ方として、間違っているのはどれ?
a.前足はほとんど使わない
b.早く泳ぐときは、肺の空気をはき出して体を沈みやすくする
c.早く泳ぐときは、前足を高速に動かす
d.ゆっくり泳ぐときは、後ろ足を互い違いに動かす
e.前足に水かきは無い

解答:c.早く泳ぐときは、前足を高速に動かす
解説:カエルの前足には水かきがないので、平泳ぎのように見えても前足はほとんど使っていません。早く泳ぐときは両足をそろえて、一気に蹴って体をまっすぐ伸ばして水中に潜ります。このときに、肺の中の空気を肺からはき出して、体をしずめやすくするのです。前足は後ろに延ばして、水の抵抗を少なくします。

カエルくんの問題8へ


(8)カエルは何故鳴くの
a.オスがメスに呼びかけている
b.メスがオスに呼びかけている
c.オスとメスが呼び交わしている
d.オス同士の位置を決め、互いの距離を保つ
e.エサについて情報交換している
f.歌を楽しんでいる

解答:a.オスがメスに呼びかけている。そのほか、d.オス同士の位置を決め、互いの距離を保つ
解説:カエルは、繁殖期が近づくと夜間、水辺に集まって泣き出します。ただし、鳴いているのはオスばかりです。メスのカエルに呼びかけているのです。同時に、オス同士が地下好きすぎないと言う役目もあります。前者を繁殖音後者を縄張り音と分ける場合もありますが、広告音として一まとめにするようです。だから、メスが卵を産み終わると鳴かなくなってしまいます。
 ただし、アマガエルなどは、雨が降りそうになったりると昼間でも鳴きます。この鳴き声を「雨鳴き(あまなき)」「レインコール(Raincall)」などとよばれます。
 そのほか、多様な鳴き声があります。

色々なカエル鳴き声については

カエルくんの問題9へ


(9)アマガエルのカモフラージュの仕方は?
a.周囲のものに形を似せる
b.自分と同じ色の環境を選んで生活する
c.周囲の環境の色に自分の色をあわせる

解答:c.周囲の環境の色に自分の色をあわせる
解説:アマガエルの体色はお腹が白色で、背中が黄緑色です。ところが体色を変化させることができます。色を環境に合わせるのはカメレオンだけでは無いのです。黒い土の上では黒くなり、茶色の落ち葉の上では茶褐色になり、赤い葉の上では赤っぽくなり、白っぽい葉の上では白くなってしまうのです。黒っぽいまだら模様の灰褐色になることもできるのです。

 カエルの体色変化の基本的な仕組みは、表皮の下に、黄色の細胞が並び、その下には銀色の色素の細胞が並び、一番下には黒い色素が並んでいます。緑色の時は、真ん中の銀色の細胞が横に広がって輝くのです。するとの上側の黄色い細胞と重なって緑色に見えるわけです。暗い緑色の時は、銀色の細胞が縦に細くなって黒色の細胞が半分包み込んでいます。黒色細胞が完全に包み込むと黒褐色になります。
 ちなみに、黒色細胞の働きは、ホルモンによって調整されています。

カエルくんの問題10へ


(10)春先、ひも状の十mも連なる卵をみつけました何の卵?
a.マムシ
b.ヒキガエル
c.アマガエル
d.ウシガエル
e.トノサマガエル
f.モリアオガエル

解答:b.ヒキガエル
解説:カエルの卵は複数の卵を一気に産むので卵塊になります。ヒキガエルの卵はひも状です。数m〜10mになるものがあります。以前、高知の廃校になった小学校のプールに産み付けられたヒキガエルの卵を見つけました。自然の水を使ったプールで、流れ込んだ水が排水溝から自然に流れ出ていました。その流れに乗ってまっすぐにのびていました。ほとんどプールの端から端までありました。十数mの長さでした。
・アマガエルの卵は、田んぼや池の水草に5〜30個の小さな固まりで産み付けます。
・ウシガエルの卵は、池や沼に1万〜2万個の巨大な固まりを産み付けます 
・トノサマガエルの卵は、池や田んぼに1000個ぐらいの大きな固まりで、ねばねばしています。
・モリアオガエルの卵は、400〜600個を大きな泡の固まりの中に産み付けています。

マムシは、蛇です。そして、卵胎生ですから、お母さんのお腹の中で卵から孵って、小さな蛇になってから生まれてきます。

カエルくんの問題11へ


(11)「カエル合戦」って何
a.違う種類のカエルの縄張り争い
b.カエルと天敵との命がけの争い
c.たくさんのメスとオスが一ヶ所に集まって繁殖すること
d.カエルの鳴き声コンテスト

解答:c.たくさんのメスとオスが一ヶ所に集まって繁殖すること
解説:ヒキガエルなどは、生まれるのは池や沼などですが、変態してカエルになると水辺を離れて森や林の中や家のまわりでそれぞれ場所を決めて生活しています。水辺が無くても、土の中の水分を皮膚から吸収することができるので、土が湿っているところなら生活できるから、広範囲に広がっているのです。でも、産卵には、どうしても池や沼が必要です。
 そこで、(充分に成長して産卵可能になった個体は)地中で冬眠していて春になると(ヒキガエルでは地中の最低温度が6度以上になると)、ほぼ一斉に冬眠からさめて、生まれた池をめざして集まってきます。この時期の池では数日間、一体どこから湧き出て来たんだというくらいの、膨大なオスとメスが入り乱れて産卵するというわけです。この際、どうもメス1匹にオス3匹くらいの割合になるらしく、少ないメスを巡っての争奪戦もおこります。 そして、カエル合戦が終わると、卵を残して又いつもの生活の場所に戻って、ゆきます。(また土の中にもぐる)

○その様子が、とやまデジタル映像ライブラリーに動画で紹介してあります
http://www5.tkc.pref.toyama.jp/mmdb/center/index.html

○田舎のカエルの「カエル合戦」とはひと味違う、都会のカエルの「カエル合戦」のレポートです。
http://homepage2.nifty.com/aoiyume/nature/frog/frogbattle1.htm

カエルくんの問題12へ


(12)日本にいないカエルはどれ
a.トノサマガエル
b.アマガエル
c.ウシガエル
d.ツチガエル
e.ヤドクガエル
f.カジカガエル
g.ヌマガエル
h.モリアオガエル
i.ヒキガエル

解答:e.ヤドクガエル
解説:ヤドクがエルは、北米南部から南米の低地の熱帯雨林から高山の雲霧林までに生息する種で、日本には存在しません。体調数cmという小さなカエルですが、皮膚に毒を盛っていて、この毒を先住民が抽出し吹き矢に塗って狩猟に用いたことが名前の由来だといいます。ちなみに、派手な色の種類が多いのですが、これは毒を持つことを周囲に知らせることになります。いわゆる、警戒色というわけです。

 日本に存在するカエルは、43(資料によっては39)種類。世界のカエルは3000種あまりいます。

色々なカエル紹介はこちら

カエルくんの問題13へ


(13)カエルの名前の由来で無いのはどれ
a.オタマジャクシが、卵から「かえる」から
b.成長したカエルが、卵を産むために生まれた所に「かえる」から
c.カエルは一度死んでも、生き「かえる」から
d.鳴き声から
e.色を「かえる」から

解答:e.色を「かえる」から
解説:広く日本に分布するカエルには、その由来もたくさんあります。a〜dはすべてあります。eの「色をかえるから」というのは、私が思いつきました。でも、どこかにそのような説があるかもしれません。

 ちなみに、江戸時代の貝原益軒の著した『大和本草』には、「カエルの名は他の土地に移しても必ず元の所に帰るという性質に由来する」と記述されているそうです。b.とは微妙にニュアンスが異なりますね。

オタマジャクシからカエルになるのは進化の過程?

 進化論によれば、魚類→両生類→は虫類と進化したそうです。
もう少し、精密に考えると・・・

両生類は今から3億年前に淡水で肺を発達させた肺魚類から進化したと考えられています。
そもそも、何故肺を持つ必要があったのか・・・。雨期と乾期のある地域で、乾期に水がかれてしまうような不安定な場所で、消化器官から発達した浮き袋が空気呼吸の可能な肺になっていった(肺魚・はいぎょ)と考えられます。乾期に泥の中で過ごさなければならない状況で生き残ることができるのです。
 さらに、鰓(えら)だけではより安全な所へは動きようが無かったのか、鰓(えら)を足になって、陸上に進出したと考えられます。
 魚のような生き方をする幼体(オタマジャクシ)に、鰓とは別に肺が形成され、えら穴を突き破って前足が形成され・・・成体(カエル)になってゆく。さらにこのような両生類が幼体の時からの肺呼吸や殻に包まれた卵などで、水への依存を克服して、は虫類へと進化していくわけですから。両生類は、魚類からは虫類への進化の道のりを繰り返していることになるのでしょう。

 ただ、よくわからないのが、魚類には鱗(うろこ)があり、両生類には鱗(うろこ)がありません、ところがは虫類や鳥類には鱗(うろこ)があります。このことについては、どのように説明されているのでしょうか???又研究してみます。
カエルの鳴き声の分類

求愛音 mating call
繁殖期にオスがメスを呼び、産卵を促すための鳴き声。これまで求愛音とされてきた鳴き声には、実際にはメスに対してだけではなく、他のオスに対するなわばり宣言の意味も含まれていることが多いため、最近では求愛音となわばり音を両方含んだ広告音という言葉が使われることが多い。

なわばり音 territorial call
繁殖期にオスが他のオスに対し、縄張りを宣言する鳴き声。他のオスとの距離や行動によってなわばり音を複雑に変化させる種類もある。

広告音 advertisement call
繁殖期にオスが他の個体に対し、自分の存在をアピールして、メスを引き付け、オスを排除するための鳴き声。春から夏にかけて田んぼでよく聞かれるカエルの合唱が、これにあたる。非常に近縁な種が、肉眼では見分けられないほど似通っていても、広告音が明確に違うこともある。

解除音 release call
他のオスにメスと間違われて包接されたオスが、間違った包接を解除させるための鳴き声。繁殖期のヒキガエルのオスを背後から軽く握ると体を震わせながら解除音を発する。

警戒音 warning call
敵が近づいたときに発する鳴き声。人影が近づき、ひと鳴きして逃げる時の声。

危険音 distress call
敵に捕まったときに発する鳴き声。蛇に巻きつかれたり、人が強く握りしめると(握り潰してしまわないように注意)、大きなわめき声をあげる。

雨鳴き rain call,shower call
低気圧が近づいたり、雨が降っているときに発する鳴き声。アマガエルが有名

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

色々なカエル紹介

◎大きなカエル

トノサマガエル(殿様蛙 Rana nigromaculata)
 体長は5〜9cmほどで、その大きさは、日本固有のカエルの中でも最大級の大きさで、その名に恥じないカエルの殿様です。この名前は非常によく知られているため、ダルマガエルが混同されてトノサマガエルと呼ばれていることがあるようです。
後肢が長く、跳躍力が強いのでかなり飛びます。

ニホンヒキガエル(日本蟇蛙、Bufo japonicus)(蟇蛙、蟾蜍、蟇、蟆)
 体長7〜15cmと、大きなカエルで、卵塊はとても長い。目立つからでしょうか、ヒキ、ガマガエル、ガマ、イボガエルなどのたくさんの異称を持っています。
 耳の後ろにある大きな耳腺から強力な毒液を出し、また、皮膚、特に背面にある多くのイボからも、牛乳のような白い有毒の粘液を分泌する。この毒によって外敵から身を守り、同時に、有害な細菌や寄生虫を防いでいるのです。そして、皮膚の毒から薬(蟾酥(せんそ))が作られたのです。せんその薬理作用は、薬理作用は、強心作用などです。いわば、毒だけれどそれを上手く使って薬にするという分けです。ただし、大道芸人の「ガマの油売り」が売っていたのは、動物の脂肪から取った「馬油」(我馬の油)だったそうです。これは、スキンケア用だったり皮膚薬です。
 なおオオヒキガエル(大蟇蛙、Bufo marinus)は、サトウキビ畑の虫取り用に導入された外来種ですが、その体調は、体長9〜15.5cmです。

ウシガエル(牛蛙、学名:Rana catesbeiana)食用蛙
 日本には1918年に、東京帝国大学の教授であった動物学者の渡瀬庄三郎が食用としてアメリカ合衆国(ルイジアナ州ニューオリンズ)から十数匹を導入した外来種です。体長11〜18cmと、日本最大。鳴き声が大きく、牛の鳴き声に似ているのでこの名前がある。日本で食用蛙と言えば、ウシガエルのことです。味は淡泊で鶏肉のささみに似ていて美味しいです。中国やヨーロッパではカエルを食べるのはかなり一般的なようで、食用蛙といっても、このカエルとは限りません。

ゴライアスガエル(Conraua goliath)
 赤道ギニア、カメルーンにのみ生息、日本にはいません。体長17〜32cm。世界最大のカエルと言うことでギネスブックに載った個体は、体長36.8cm、後肢を含めた長さが87.6cm、体重3660gと言う巨体でした。種小名のgoliathは旧約聖書のサムエル記に登場する巨人ゴリアテ(Goliath)に由来する。(ゴライアスは英語読み)。原産地では、主に食用とされています

ツチガエル(土蛙・学名Rana rugosa)
体長3cm-5cmほどで、メスの方がオスより大きい。背中には大小のいぼ状突起がたくさん並び、このため各地で「イボガエル」という方言で呼ばれている。オタマジャクシで越冬するものがあり、この場合8cmもの巨大なオタマジャクシになることもあるとか。
 水辺からあまり離れず、すぐに水に飛び込める位置にいることが多く、松尾芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」の句にある蛙は、このツチガエルの可能性が高いとも云われている。


◎吸盤のあるカエル

ニホンアマガエル(日本雨蛙・学名Hyla japonica)
 日本人にとってのカエルと言えばこのカエル。黄緑色の体に小さな体(体長は3〜4cm程)で、メスの方がオスより大きい。鼻筋から目、耳にかけて褐色の太い帯が通っている。前足に4本、後足に5本の指があり、すべての指先に丸い吸盤がある。この吸盤で枝から枝へ飛び移ったり、ガラスの垂直面に張りつくこともできる。環境によって体色を変えるなど、面白い生態を持っている。


モリアオガエル(森青蛙、Rhacophorus arboreus)
 日本固有種。体長オス4cm-7cm、メス6cm-8cmほどで、メスの方が大きい。背中側の地色は緑ですが、背に赤褐色や暗褐色の斑紋がある固体が存在している。指先には丸い吸盤があり、木の上での生活に適応している。日本においては、産卵も樹上で行なう唯一種のカエルで、受精卵を含んだ白い泡の塊を作る。直径10cm-15cmほどの泡の塊の中には黄白色の卵が300個-800個ほど産みつけられる。環境破壊によってその固体は減っており、天然記念物に指定されている。

カジカガエル(河鹿蛙、金襖子、学名Buergeria buergeri)
体長3.6〜6.9cm。体は扁平で、体色は灰褐色で不規則な斑紋があり保護色になっている。体色の濃淡は環境によりある程度変色させることができる。
 四肢には吸盤が発達し、渓流沿いの岩等に貼り付く事ができる。後肢には水掻きが発達している。オタマジャクシは最大全長5cm。口器は大きく吸盤状になり、急流で流されないように水中の岩に貼り付くことができる。
 美しい声で鳴いて、河鹿として親しまれてきた。



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QUIZ35 アリさんの行列・・・

アリといえば、イソップの寓話『アリとセミ(アリとキリギリス)』では、勤勉の代表のようにされています。冬になっても、蓄えのおかげでのんびり生きている事になっていますが・・・はてその実態は。

(1)アリさんはどんな物を食べるの?
a.小動物の死骸(しがい)
b.ミミズ
c.昆虫の卵
d.菌糸(キノコ)
e.草の種子
f.花や葉の蜜腺の分泌物
g.アブラムシなどの分泌する甘露(かんろ)
h.お菓子
i.アリ

解答:種類によって全部ありえます
解説:アリの食性の基本は肉食で、下等なアリのほとんどは肉食です。中には、ムカデの卵だけを専門に食べる種類など、トビムシ、ムカデ、ササラダニなど、ほぼ特定の生物のみを襲って獲物にしている種が多く知られています。他のアリを襲って食べるアリもいます。
 一方、種類によって草食、菌食、雑食が分化しています。生きた動物を襲う種類から自ら栽培した菌類を主食にする種類まで、多種多様な食性が知られています。
 高等なアリの多くは雑食性で、動物性の食物のほかに花や葉の蜜腺の分泌物や、アブラムシなどの分泌する甘露なども加わります。
北アメリカ東岸から中央アメリカ、南アメリカに住むハキリアリは、体長2cmという大きなアリですが、その食べ物は菌類です。しかも、自分たちで菌糸を培養しています。植物の葉を大量に切り取って、地中奥深くに600平方メートルにも及ぶ巨大な巣に運び込みます。葉を養分として「アリタケ」というキノコの仲間を育てて食べているのです。しかも、アリの出すフェロモンで菌糸の成長をコントロールしているそうです。

TBS動物奇想天外での、ハキリアリの行列がみられます。
http://www.tbs.co.jp/doubutsu/ehon_71.html

アリさんの問題2へ

(2)アリさんは見つけた大きな獲物はどうするの
a.見つけた場所に穴を掘って埋めておく
b.その場で噛み砕いて、?嚢(そのう)に入れて持ち帰る
c.まるまるみんなで、巣に運び込む
d.小さく刻んで巣に持ち帰る

解答:b.その場で噛み砕いて、?嚢(そのう)に入れて持ち帰る、c.まるまるみんなで、巣に運び込む、d.小さく刻んで巣に持ち帰る が正解
解説:餌を見つけると、仲間で協力して巣に持ち帰ります。b.のように噛み砕いてそれぞれが持つ?嚢(そのう/社会胃)という一時的に食べ物を蓄える器官に納めて、巣に持ち帰る場合もあります。
 cやdの場合もそのまま巣の中に貯蔵するのではなく、処理して貯蔵します。

アリさんの問題3へ

(3)アリさんはどうしてちゃんと行儀よく列を作れるの
a.近くも遠くも見ることのできる高度な目を持っているから
b.仲間の話を良く聞いて、獲物までの道筋を覚えることができるから
c.嗅覚が鋭くて、獲物からの臭いを頼りに最短距離を歩くから
d.皆で通り道に印を付けているから
e.道を覚えて歩く事ができるから

解答:d.皆で通り道に印を付けているから
解説: フェロモンを使って道しるべを作っています。餌を見つけたアリは、興奮してフェロモンがでます。これ(足跡フェロモン)を地面につけながら巣に帰ります。仲間のアリはそのフェロモンをたどって餌を見つけに行きます。最初はフェロモンが薄いので餌にたどり着けない仲間もでますが、見事に餌にたどり着いた仲間はまたフェロモンの印を付けながら巣に帰ります。こうして、だんだんフェロモンが濃くなって、もう誰も道に迷わなくなり、しっかりと一本の行列ができるわけです。
 ちなみに、別の巣のアリはフェロモンが微妙に違うようで、間違えてよその家の持ち込むということはなさそうです。

アリさんの問題4へ

(4)俵型の卵のようなものをくわえたアリさんの行列が、有りました・・・これは何?
a.エサが不足して引っ越しをしている
b.女王アリが死亡したため、女王アリのいる別の巣へ引っ越ししている
c.新しい女王アリが生まれたので、それまでの女王アリが引っ越しをしている
d.よその巣を襲って、略奪しての帰り

解答:d.よその巣を襲って、略奪しての帰り
解説:サムライアリというアリがいます。やたら戦闘力のあるアリなのですが・・・まるで生活力がないのです。エサ集めも、子育ても何もできないのです。
 そこで、6月上旬頃、結婚飛行での交尾を終えた新女王アリは、クロヤマアリの巣に押しかけて女王アリをかみ殺して、女王の座に居座ってしまいます。クロヤマアリの働きアリはこの事態に気づくと、殺害者を攻撃します。ところが、押しかけたサムライアリの女王は、ひたすら耐えます・・・数日すると、なぜか女王アリの世話を始めるというのです。そのようなフェロモンでも出すのでしょうか?
 女王アリは、どんどん卵を産み出します。当然、サムライアリの卵ですが、クロヤマアリの働きアリは、これを育てるのです。しかし、育ったサムライアリの働きアリたちも又、まったく生活力がありません。ひたすら、働かない居候を決め込むわけです。しかし、クロヤマアリの働きアリの寿命は1〜2年ですから、そのうち労働力が不足し始めます。すると、生活力の無いサムライアリたちは別のクロヤマアリの巣をさがします。それが見つかると、大挙して押しかけます。そのたぐいまれなる戦闘力で、抵抗を排除しクロヤマアリの繭や幼虫を略奪してくるのです。白い卵のようなものは繭だったのです。
 略奪してきた繭や幼虫の世話をするのもクロヤマアリの働きアリの仕事です。そして、生まれたクロヤマアリは・・・本能のおもむくまま、働きアリとしての仕事を・・・サムライアリのためにすることになるのです。非道い。

アリさんの問題5へ

(5)アリさんには刺針があるの?
a.針があるのは蜂、アリには針が無くてかみつくだけ
b.アリにも針のある種類がある
c.アリのほとんどの種類には針がある
d.アリは、スズメバチの仲間で、総ての種類に針がある

解答:c.アリのほとんどの種類には針がある
解説:日本では人家の周囲にいるアリの多くが針がなかったり、針が弱いためにあまり刺しません。そのため、アリは刺さずに、強いあごでかみつくと思われています。また、毒も蟻酸(ぎさん)であると思っている人が多いと思います。
 しかし、アリは分類学的には、昆虫網(Insecta)→ハチ目(Hymenoptera)→ハチ亜目(Apocrita)→スズメバチ上科(Vespidae)→アリ科(Formicidae)に属します。立派に蜂の仲間なのです。そして、蜂の中でもスズメバチの仲間から進化したのがアリというわけで、基本的には針があります。(※蜂の種類の内、実際に刺すハチはほんの一握です。そして、ほとんどは人間を刺しません。刺すのは、社会性昆虫であるアシナガバチ、スズメバチ、ミツバチの他にはごく一部です)
 刺すアリの毒は、基本的にハチ毒と同じです。蟻酸を使うのは、ヤマアリ亜科のアリだけのようです。したがって、それ以外のアリの毒にはアンモニアによる中和は無意味です。
アリの体の名称の拡大図
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/66/Ant_worker_morphology_%28ja%29.png

アリさんの問題6へ


(6)アリさんの目はどうなっているの
a.複眼が一つ
b.複眼が二つ
c.複眼が二つと単眼が3つ
d.アリに目はない

解答:b.複眼が二つ、あるいはc.複眼が二つと単眼が3つ が正解になります。
解説:アリの雄は一対の複眼の他に3個の単眼が後頭部にあります。これに対して働きアリ(雌)では、単眼は痕跡程度になって消失しています。

アリさんの問題7へ


(7)アリさんに羽はあるの
a.羽があったら蜂になる、アリには羽はない
b.昆虫ですから、大人になると一対二枚の羽があります
c.昆虫ですから、大人になると二対四枚の羽があります
d.雄アリと女王アリには二対四枚の羽があります。

解答:d.雄アリと女王アリには二対四枚の羽があります。
解説: アリは昆虫ですから、2対4枚の羽があるはずですが、働きアリ(雌)には羽が無く、シンプルな胸になります。雄アリと女王アリは、結婚飛行の必要がありますから、羽を持ちます。ただし、結婚飛行が終わると雄アリは死んでしまいますし、女王アリは交尾後に、羽を落とします。

アリさんの問題8へ


(8)同じ種類のアリさんの中で役割分担があります、雌(めす)はどれですか
a.働きアリ
b.兵隊アリ
c.女王アリ
d.処女女王アリ
e.雄アリ

解答:a.働き蟻、b.兵隊蟻、c.女王蟻、d.処女女王アリ のいずれも雌です。
解説:女王アリと処女女王アリはもちろん雌です。そして、働きアリも兵隊アリも総て雌です。受精卵からは総て雌が生まれます。それが、幼虫期に高タンパク質の食物を多く与えられた幼虫は処女女王アリになり、普通の食物を与えられると働きアリや兵隊アリになるのです。働きアリと兵隊アリの違いも、幼虫期の食物の成分や、量の違いから起こるようです。働きアリも雌で、完全に生殖能力が奪われているわけではないので、産卵も可能です。しかし、女王アリの出す抑制フェロモンの影響で産卵しません。また、結婚飛行をしていないので、受精卵を産むことはできません。
 一方、(スズメバチなどの社会性のハチもそうですが)、雄は未受精卵から生まれます。女王アリは生み分けが可能で、通常、コロニーが未成熟な内は、雄アリは産みません。

アリさんの問題9へ

(9)アリさん(成虫)の大きさは
a.種類によっても違いますが2〜10mmくらい
b.種類によっても違いますが1〜14mm
c.種類によっても違いますが1〜30mm

解答:c.種類によっても違いますが1〜30mm
解説:一般的に、成虫には雄アリ、女王アリ、働きアリという三つの役割分担があり、それぞれが特徴的な形態をしています。
 働きアリの大きさは、大半の種で体長が2〜10mmの間に入っています。従って、感覚的にはa.が正しいようにも思えます。また日本国内では、で最小のコツノアリは約1mm、一方クロオオアリでは14mmにもなりますから、b.が正しいようにも思います。ところが、東南アジアに分布するギガスオオアリには30mmに及ぶものがありますから、c.が正解としました。aもbも正解といえるかも知れません。
 尚、女王アリは一般的には働きアリよりかなり大きくなります。ちなみに、サスライアリの女王アリでは、およそ50mmにもなるそうです。

アリさんの問題10へ

(10)アリさんは強いの?
a.アリを怖がる生き物はほとんどいない
b.小さいので隙間に逃げ込めるから戦う必要がない
c.アリは自然界ではかなり恐れられている

解答:c.アリは自然界ではかなり恐れられている
解説:アリは確かに小さな生き物ですが、ハチの仲間ですから毒針を持ちます。その毒は、場合によっては人を死に至らしめるほど強力な種類もあります。また、針の弱い種類でも強力なあごで噛みついたり、蟻酸による攻撃をするなど、自然界ではかなり恐れられています。ですから、他の虫の中には、アリに自分を似せること(擬態)で、敵からの攻撃を回避する作戦をとっているものもいるくらいです。

アリさんの問題11へ


(11)アリさんの寿命は
a.冬になって餌が無くなると死ぬのでおよそ一年
b.餌が蓄えてあるので、一〜二年
c.頑張って十数年
d.とっても長生き50年くらい

解答:b.餌が蓄えてあるので、一〜二年、が正解 ただ、c.頑張って十数年 も女王アリだけなら正解です
解説:アリの仲間の親戚である、スズメバチは1年以内の寿命です。巨大なスズメバチの巣も、冬になれば誰もいなくなります。来年に向けて新しい女王バチ候補だけが越冬します。一方アリは、地中の中の事で正確な研究がないようですが、働きアリで1〜2年くらいのようです。少なくとも、スズメバチよりは、長生きなっているようです。女王アリは、もっと長い寿命のようで、十数年ぐらいと推定されています。女王アリの寿命がそれぞれのアリの巣の寿命と考えていいようです。
 ちなみに、『イソップ寓話』の「アリとセミ(西ヨーロッパにはほとんどいないのでキリギリス)」では、遊んでいるから冬が越せない、とされてしまったセミの寿命は昆虫の世界では驚異的な物です。ありきたりなアブラゼミ当たりで、6〜7年ですし、アメリカには13年とか17年という長命のセミがいます。
実は、セミの方が格段に長生きというわけです。

アリさんの問題12へ

(12)一つの巣(コロニー)にいるアリさんの数はどれくらい
a.数十匹
b.千匹くらい
c.数万匹くらい
d.200万びきくらい
e.2000万匹くらい

解答:全部正解・・種によって異なります。
解説:一つの巣にどれくらいのアリがいるかは、食料等の環境と女王アリの産卵能力や数によると考えられます。クビレハリアリ、カドフシアリでは数十匹でコロニーを形成しています。高等な種類では千〜数万匹になります。日本に生息種する種では、数十から数千匹の働きアリから構成されるのが普通です。たとえば、成熟したクロオオアリのコロニーは、働きアリの数はおよそ1000匹といわれます。クロヤマアリは、複数の女王アリを持ち、数万匹のコロニーを形成することがあるようです。世界に目を広げると、グンタイアリ(巣を持ちません)は、数十万匹ものコロニーを形成し、中には200万という恐ろしい数にもなるようです。そして、サスライアリのコロニーでは、2000万という超巨大な例もあるようです。
「サスライアリの群れは大体20センチ幅で1000メートルの長さの巨大な行列になって狩りをする。その行列は全体で2千万匹の蟻からなり、総重量が20キロにもなる。」というのですが、サスライアリの女王アリの大きなものは50mmという巨大さ。それでも、一生の間に数百万個の卵を産むことができるというのですが・・・複数の女王アリを持つのでしょうが・・一体なぜに一緒に行動するのでしょうか??

世界最大のアリのコロニーは、
「北海道石狩海岸にあるエゾアカヤマアリのコロニーは、巣が4万5000個、10キロにわたって延々と続いている。すべて一つのコロニーで、働きアリの数は少なく見積もっても数千万匹に及ぶ。」(『 いつか僕もアリの巣に』著者:大河原恭祐、:ポプラ社)とありました。

アリさんの問題13へ

(13)巨大なアリのコロニー(巣)をどうやって統制しているの
a.電気的な信号
b.超音波
c.化学物質
d.光
e.ある種の文字
f.触角

解答:c.化学物質
解説:アリ一匹一匹が持っている脳は、極小です。また、アリの視力はそんなに良くありません。超音波を感じることのできる機関も有りません。どうも、フェロモン(pheromone)と呼ばれる化学物質で統率しているようです。動物の体内で生成して体外に分泌後、同種の他の個体に一定の行動や発育の変化を促す生理活性物質のことです。例えば、巣の中に侵入者が現れたときは、警報フェロモンを発散させ仲間に警報を送ります。エサのありかを仲間に知らせる場合もフェロモンが用いられます。エサをとったアリは、興奮状態になり、道しるべフェロモンを地面につけながら帰巣。仲間のアリはフェロモンをたどってエサを発見します。女王アリの出すフェロモンで、幼虫が女王アリに分化するのを抑制するものや、働きアリの産卵を抑制しているものがあります。
 また、自分たちのコロニー以外の個体に排他性を示しますが、これもコロニーごとに染みこんでいるコロニー臭の違いから来ると考えられています。

アリさんの問題14へ

(14)一番大きなアリさんはどれ
a.サムライアリ
b.クロオオアリ
c.ハリブトシリアゲアリ
d.アルゼンチンアリ
e.グンタイアリ
f.ディノポネラアリ
g.モハメド・アリ

解答:f.ディノポネラアリ
解説:働きアリで30mmにも達する巨大なアリです。その他にも、いくつかの種類が大きい個体で30mmくらいになります。てんでに、世界最大を主張しています。ちなみに、女王アリの大きさでは、前問で紹介したサスライアリの女王が50mm位もあります。
 モハメド・アリはアメリカのプロボクサー(^_^;最大といえば、この方が最大です。

参考までにそれぞれのアリの大きさを
●サムライアリ
 働きアリの体長が4mm〜6mm、女王アリが7mmほど。
●クロオオアリ
 働きアリの体長が7〜12mmで、7〜9mmの小型働きアリと10〜12mmで頭部が発達した大型働きアリが、形態的に分化している。日本最大のアリです。
●ハリブトシリアゲアリ
 体長2-3.5mmの小型のアリ
獲物や外敵を攻撃する際に腹部を頭上までそりかえらせて毒針の先端から刺激臭のある毒液(蟻酸ではない)を出します。
●アルゼンチンアリ
働きアリの体長は約2.5 mm、、女王アリは通常その2〜4倍程度の大きさ
南アメリカ原産のアリだが、日本にも侵入し分布を広げている外来種。
●ディノポネラアリ(Dinoponera ant)
 働きアリの体長が25〜30mmにもなる。世界最大の種の一つ。アフリカ大陸に生息しています
○モハメド・アリ
 身長1900mm

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