旅の絵本3表へ
前のシーンへ
シーン7ピーターラビット(p13〜14)
0)旅人は・・・小学校と工房のある農場にやってきました。ピーターラビットのモデルになった、湖水地方がモデルのようです。作者のビアトリクス・ポターは39歳の時ニア・ソーリーの村のはヒル・トップ農場を購入し住んでいました。
1)左上 荷車・馬車を作る工房があります。Box型にオープン型、各種取りそろえています。
2)小屋のテーブルには万力が据え付けてあって、色々な工具が壁につるしてあります。男の人は、図面をおこそうというのでしょうか?
3)角材から2人がかりで板を切り出しています。このシーン葛飾北斎の富嶽三十六景の遠江山中に描かれた木挽きたちの姿を彷彿とさせます。
同じようなやり方で、板を作っていたんですね。
それにしても、この人たちこのまま切ってゆくと台を切ってしまいますけど・・この後の作業手順はどうなるのでしょう。?
4)馬を連れて作業を見ている人がいます。馬車を発注している人でしょうか。
5)女の人がお盆を持ってきています、お盆にはコップのようなものがのっています。休憩用でしょうか?馬を連れて見に来ているお客さん用でしょうか
6)女の人の足下の2羽はニワトリでしょうか。
7)扉の所には、テーブルのような物があって、上には平たい桶と細長い桶がのっています。何に使うのでしょうか?
8)馬車に乗った人たちがやってきます。工房見学でしょうか?
9)樽作りの工房があります。
10)台に座って作業しているおじいさんはくるいを調整しているのでしょうか?
11)おじいさんの後ろにつるしてある工具は、木を割ったり削ったりする道具のようです。
12)タガを締めているおじいさんの仕事を見ている男の人がいます。この人、前のシーンではメイポールの踊りを見ていました。
13)右で台に座っている人は、板の曲線をだしているのでしょうか?刃物を研いでいるのでしょうか?
14)家のうらで大きなカボチャを家にしている人と座り込んで話し込んでいる人がいます。これは・・・マザーグースの「ピーター ピーター かぼちゃがだいすき」からのようです。
Peter, Peter, pumpkin eater, Had a wife and couldn't keep her; He put her in a pumpkin shell And there he kept her very well. Peter, Peter, pumpkin eater, Had another, and didn't love her; Peter learned to read and spell And then he loved her very well. |
ピーター ピーター カボチャ好き おくさんいたけど 養えない おくさん カボチャのなかに入れ そこでだいじに養った ピーター ピーター カボチャ好き 奥さんかえたが 好きになれない ピーター 読み書き習ったら 奥さん 好きになった |
by いぬかわさん 安野さんご自身も,日米英で同時出版された『ABCの本』で,ケイト・グリナウェイ賞特別賞というのを受賞されていますね(本書作者略歴参照)。 KG賞は本来,英国の作家による作品に与えられる賞で,外国人受賞は例外的なのだそうです。 彼の受賞は,Anno の名前が Anne 等の西欧系の女性名と勘違いされて,選考対象に紛れ込んでしまったことによる珍事だったのだとか。 |
by forest-doorさん ケイト・グリーナウェイはイギリスの代表的作家です。彼女の描く18世紀後半にみられる子どもたちの服装は「グリーナウェイ・ファッション」と呼ばれています。P.14の校庭でバトミントンをしている女の子たちがこのグリーナウェイ・ファッションですね。 新書館より‘76年に出版された本の、岸田理生さんの訳によると、 この絵にはこんな詩がつけられています。 ぽーん 羽根つきよ ぽーん ぽーん 羽根つきよ どうして も一度 落ちてくるの? ぽーん ぽーん 飛んでゆくのに どうして も一度 落ちてくるの? ぽーん ぽーん ぽーん ぽーん どの羽根がいちばん高く あがるかな? 私はバドミントンの打ち合いだとばっかり思っていて、それにしてはなぜ3人いるんだろうと不思議だったんですが、羽根つきで、高く飛ばしてあそんでいるようですね。 お正月に羽根つきで遊んだことを懐かしく思い出しました。 |
by forest-doorさん また、Hokey P車には「HOKEY POKEY」とありますね。 辞書で調べると“子供向けの安物のアイスクリーム”とあります。 ネットで検索するとニュージーランドでは、ハチミツをクランチ状にしてアイスクリームに入れたものが名物でこれをHokey Pokeyというようです。 pokeyはマザーグースの歌で、歌にそって体を動かして遊ぶ歌でもあります。 |
by forest-doorさん これはイースターに行われる伝統的なもの。スプーンで卵を支えながら競争をします。 イースターにはうさぎもシンボルとなっています。なので、うさぎはP.17ではなくP.18に描かれているんでしょうね。ついでにP.18にはろばもいるんですが、ルナールの「博物誌」によると ” 驢馬 大人になった兎。 ” だそうです。なるほど、と納得してしまう簡潔さで、すきなフレーズです。 |
http://www.animal-planet.jp/dogguide/directory/dir14800.html
37)隣のベンチのおじいさんは杖に寄りかかって見ています。隣の髭のおじいさんは逆にかくしゃくとしています。
38)女性が二人立っています。レースのことは忘れておしゃべりに夢中のようです。
39)応援をしている人たちの一番右端の女性、何か怒っているようです。視線の方向からすると卵を落としてしまった選手の関係者でしょうか?
40)その左の男女は、老人夫婦のように見えます。お孫さんが選手ででているのかな。心配そうに見ています。
41)手前の応援団両手を挙げて応援する人たちが多いです。13人中6人もいます。しかも杖を持った女性は片手を上げて応援しているので、腕の数ではちょうど半分上げていることになります。熱のこもった応援です。
42)右下 3人の親子?が本を見ています。AとZの字が見えます。安野さんの『ABCの本』をイメージしている様です。
あるいは、ケイト・グリーナウェイのアルファベットの本をイメージしているのかも
43)ウサギが6匹います。女の子が二人見ています。
これも、イースターつながりで、だからわざわざエッグレースの行われているこちらのページに描かれているのだとの推測もあります。
44)イスに座って赤いTシャツを着ている男性がいます。
45)木組みの家があります。INNと看板が掛かっているのでホテルのようです。建物のモデルがあると思うのですが・・・不明です。
46)ホテルの向こう側の壁には、Sを細長くした模様が描かれています。これは何の模様なんでしょうか?モデルがあると思うのですが。
47)ユニオンフラッグのテントがあります。棒を継ぎ足して、空高く旗も翻っています。このテントのところは、この会場の管理センターの役割を果たしているようです。
48)野菜の露天もあります。手前のおじいさんの脇にある緑の丸いものはメロンでしょうか?黄色の服の女性が見ています。
49)真ん中のおじいさんが売っているのは蕪でしょうか。買い物籠を持った女性が話しかけています。
50)おばあさんが売っているのは、大根ですね。
51)旗のところに義足と松葉杖姿で立ってる人がいますます。「宝島」のシルバーです。
52)赤ちゃんを抱いたお母さんと別の女性が話しています。
53)レストランがあります。この建物もモデルがありそうです。
表でシェフが腰に手を当てて見ています。表のお客さんたちがビールを飲むだけで、料理を注文しないのが不満という解釈はどうでしょう?
54)丸テーブルで、それぞれ4人の人がジョッキでビールを飲んでします。つまみも無いようです。ウエイトレスもジョッキのビールを運んでいます。
55)ユニオンフラッグ状の丸テーブルを8人の男女が囲んでいます。一体何をしているのか不明です。右の男性のポーズからすると卓球にも見ますが、ラケットは持っていません。中央の針のようなものを回転させているのかな。何か、ルーレットのようなものなのでしょうか??
56)セミヌードで本を読みながら日光浴をしている女性?がいます。洗濯物の向こうからのぞき見をしている人がいます。そばの犬が気づいたようです。
犬は・・・ジャック・ラッセル・テリアではないかということです。
http://www.animal-planet.jp/dogguide/directory/dir08500.html
57)51)の船長の右側の家の壁には細長い十字が描かれています。これもモデルがありそうです。
58)納屋の屋根には鳥がとまっています。壁には斧がかけられています。周囲には、牛乳缶や桶や有ります。桶の隣の大きな缶は何でしょうか?
59)丸いものを囲んで4人の人が遊んでいます。ビー玉のようです。
イギリスの挿絵画家ケイト・グリーナウェイの「Book Of Games」の中のMARBLESからのようです。
人物の配置も含めて、そっくりです。
http://www.childrensbooksonline.org/Greenaway_Games/pages/15kgbgb.htm
そばの犬は・スコティッシュ・テリアではないかということです。
60)後ろの木にブランコがあります。二つ前のシーンで同じ場所にブランコがありました。
61)荷車や桶があります。洗濯物の中にはパンツもあります。
62)右上 シャボン玉をしている女の人たちがいます。何かモデルがあるのかな?
ブリブリューゲルの「子供の遊戯」の絵にもシャボン玉遊びをしている子どもが描かれています。
それよりも、ケイト・グリーナウェイの「Book Of Games」の中にもSOAP BUBBLEからのようです。
人物の配置は異なるのですが・・・。この位置は「Book Of Games」つながりですから。
63)シャボン玉をしているのを見ている女性の後ろの壁にあるのは、鳥小屋でしょうか?
前のシーンの26)の伝書鳩の巣箱らしいものとの連続ではないかと思います。
旅の絵本3表へ
シーン10カンタベリー大聖堂(p19〜20)
0)旅人は・・・イングランド南東部の街カンタベリーにやってきました。
街のシンボルであるカンタベリー大聖堂Canterbury Cathedralは、現在ではイギリス国教会の総本山に当たる教会ですが、元々はカソリックの教会として建築されました。
11世紀にロマネスク様式の教会として建立。1174年の火災で損傷。その後,ゴシック様式で再建工事を進め、イギリスで最初のゴシック建築でもあります。
カソリック時代の12世紀にヘンリー王と対立した大司教トマス・ベケットは、礼拝中に王の放った刺客に暗殺されます。ローマ教皇はトマス・ベケットを殉教したとして列聖します。聖地として多くの巡礼者が訪れる場所になったのです。
1534年にヘンリー8世が離婚問題をきっかけに、カソリックを離脱してイギリス国教会となります。
1)左下 結婚式の様です(道路で式は挙げないでしょうから、厳密には結婚式の後と言うことでしょうか)新郎新婦はどんな人なんでしょうか。お坊さんの右にいる人がご両親でしょうか(花婿側かな?)花嫁の手前の女性がお母さん(花嫁側かな)でしょうか。後ろの少女は花嫁さんの妹さんと言ったところかな。
2)鞭を持って立っているのは、これもおなじみ御者ですね。と言うことで、馬の後ろには新婚旅行用の馬車が控えていることでしょう。
3)顔をずきんで覆った女性と、杖をついた女性が歩いています。何か曰くありげですが、不明です。
3)子馬の様な体型の犬が歩いています。犬の種類は・・グレイ・ハウンドではないかと
いうことです。エジプト産の犬です。
http://www.dogfan.jp/zukan/hound/greyhound/index.html
イギリス産の犬と言うことになると、ウィペットかなと思います。
http://www.dogfan.jp/zukan/hound/whippet/index.html
4)男の人が籠に何か入れて売っています。何でしょうか。
前のシーンの6)で、この位置で手風琴を回していた男と重なります。
5)青のオーバーオールの男がだるま型の自転車(ペニー・ファージングPenny Farthing)を持って立っています。
これは初期の方の自転車です。前輪に直接ペダルがついています。ギヤ変速ができないので速く走るためには、前輪の径を大きくしなければなりません。従って、競技用はどんどん前輪が大きくなってしまうのですが、これは通常サイズです。
前のシーンの同じ位置で山羊を見ていた10)のオーバーオールの男と重なります、
7)2頭立てで2階建ての観光馬車があります。後ろの方に、上部へ上がってゆく階段がついています。二階建て車両のことを、英語では「ダブルデッカー(Double Decker)」といいます。
馬車には、「BAKER・ST.&WATERLOO」と書いてあります。
ベーカー通りと言えば、ロンドンで名探偵ホームズが事務所を構えている所ですが、ワーテルローは?フランスの地名でしょう??
二つの地名に関係はなさそうですが・・・?、ありました!
名探偵シャーロックホームズの作家コナン・ドイルが“勇将ジェラールの冒険”の中でこのワーテルローの戦いを題材にしているのだそうです。
下に書いてあるのは「LONDON’OMN・・・」ロンドン以下不明ですどなたかヒントをください。
8)木組みの家があります。看板には人物が描かれているようですが、モデルはどこなんでしょう。
左の写真は、カンタベリーにあるThe ABode Hotelです。
看板の内容は違いますが同じように看板もありますし、多分この建物がモデルでしょう。
9)はしごをかけてあって、ペンキ缶と思われるものを持った男の人がいます。窓枠にペンキを塗ろうというのでしょうか。
10)イスに座ったおばさんと、買い物籠を持った女性が話しています。
11)壁にサインポール?のついた家があります。床屋さんでしょうか。
12)エプロンをして買い物籠を持った女性が歩いてきます。
13)男のが、罠を仕掛けて待っています。買い物籠の女性がターゲットでしょうか・・・子ども同士ならともかく、大人にいたずらしたら後が大変だぞぉー。
14)魚の看板が掛かっている建物があります。魚屋さん??あんまりその雰囲気がないのですが・・・あるいはキリスト教関係??
15)左上 女性が二人歩いています。
16)旅人の右側、教会の塔にのっかっているかの様に立っている青い服の人がいます。ちょっとだまし絵風です。
そして隣の赤い服の女性との二人は、前のシーンの14)の二人と重なるようです。
17)警察官が二人います。夏の制服でしょうか。随分白っぽいですね。
18)ベンチに座っている女性の左側の人は、赤ちゃんを抱いています。隣の女性があやしています。
19)男の人が掃除をしています。右側にあるのはゴミ箱のようです。
20)旗を先頭に立てて5人の人が歩いています。巡礼をしている人のようです。カンタベリー大聖堂は、イギリスで最も巡礼の多い教会の一つです。
1164年カンタベリー大司教トマス・ベケットは、裁判権を巡ってヘンリー2世と対立し、亡命します。
173年になってトマス・ベケットは帰国しますが、カンタベリー大聖堂内の祭壇で祈っているところをヘンリー2世の騎士に暗殺されます。 ローマ教皇はトマス・ベケットを殉教したとして列聖します。 以後、聖トマス・ベケット殉教の地として、「カンタベリー詣で」と呼ばれる巡礼地にカンタベリーは位置付けられ、多くの巡礼者が訪れるようになるのです。イギリスが、カトリックと決別した後も、巡礼地としての地位はたもっているようです。
21)馬に乗った中世風の一団がいます。
14世紀にイングランドの詩人ジェフリー・チョーサーによって書かれた物語集、『カンタベリー物語』(The Canterbury Tales)の人たちです
by forest-doorさん カンタベリー大聖堂の前の道をいくのは英国の偉大な詩人チョーサー(1342頃-1400)の代表作、「カンタベリー物語」の人々です。カンタベリー詣での途中、旅の道連れとなった様々な階層の巡礼者たちが着くまでの退屈しのぎに順番に語る物語を集めたものです。 |
Humpty Dumpty ハンプティ・ダンプティ | |
Humpty Dumpty sat on a wall, Humpty Dumpty had a great fall; All the king's horses, And all the king's men Couldn't put Humpty together again. |
ハンプティ・ダンプティが塀の上に座ってた ハンプティ・ダンプティが落っこちた 王様の馬も 王様の家来も みんな集めてもハンプティ・ダンプティを元に戻せなかった |