を遊ぼう」3-3

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旅の絵本3表

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シーン12ビッグベン(p23〜24)

0)旅人は・・・英国ロンドンの中心部テムズ川河畔に存在するウェストミンスター宮殿(Palace of Westminster)にやってきました。
現在英国議会の議事堂として使用されています。併設されている時計塔は「ビッグ・ベンBig Ben」の愛称で呼ばれています。
by forest-doorさん
議会制度発祥の地にふさわしい建物ですね。ビッグ・べンは工事監督だったベンジャミンという人の名前にちなんだものだそうです。
画面では今しも13時。きっと遠くまで響き渡る鐘の音が鳴り響いていることでしょう。

1)大きなパレードが行われています。どうも祝賀パレードのようです。旅人も馬を下りて敬意を表しています。

2)スコットランドの正装であるキルト・スカート 【kilt skirt】をはいて、バグパイプを演奏しながら行進しています。スカートといえば女性の服装のように思いますが、もともとは男性のものだったわけです。もっとも現地では、スカートといわずキルトというそうです。民族意識の高揚を心配するイングランド王によって着用が禁止されていた時期もあったそうです。

3)パレードの2番手は
赤いユニフォームに黒い帽子の衛兵です。

by forest-door さん
スコットランドではバグパイプは大きい音がなるため威嚇として戦争のときに使われてきたということです。今でも軍隊の行進、儀式の際に使われています。
それに続く衛兵たちの行列。先頭の衛兵は後ろがわの右足がわずかしか見えていないので、一本足の兵隊が出てくる「スズの兵隊」を思い出します。

4)最後は騎馬の近衛兵がやってきます。服装は扉の近衛騎兵と同じ服装です。
どうも、王室の祝賀のパレードが続くようです。
結婚式となれば、・・・イギリス皇太子チャールズと、ダイアナ・スペンサー世紀の結婚だと思うのですが、二人の結婚は1981年7月29日で、夏のことだったというのが難です。パレードを見守る人々の服装が完全に冬装束だと言うことです。何の祝賀でしょうか??女王の誕生日の祝賀なら4月(実際)か6月(公式)です。4月ならぎりぎりの季節かな??

5)左上の建物に字が書いてありますが、読みとれません。
カッコウかホトトギスの絵が描かれています。これがヒントだと思うのですが、モデルが不明です分かる人いませんか?

6)パレードの警備をしている警察官が、一定間隔をおいて立っています。かなり緊張しているようです。
7)一番左の警察官の両隣の人は腕を組んで待っています。
8)3人の子どもがおしゃべりしながら待っている。
9)2番目と3番目の警察官は口ひげをつけているようです。
10)王室のパレードだからでしょうか、ネクタイ・スーツに帽子をかぶった正装の人が多いようですね。
11)赤い帽子の女の人は隣の茶髪の女性とうわさ話をしています。

12)旅人の手前あたりの女性の服装は、少し古風に感じますが・・・?

13)旅人の後には、パレードなんか関係ないとハンドバックを持ってゆったりと歩いている女性がいます。
14)女性の後方の建物についてる看板にはこびとの絵が描いてあるようですが、何の建物でしょうか。
「旅の絵本の秘密」には、小人の看板(左上) 「イギリスの昔話」よりとあります。
これが、どのような昔話なのか調査中です。該当する話をご存じの方情報をください。


15)通りに面した木組みの建物は、全体で一つの建物のようです。LIBERTYとあります。ロンドン・リージェントストリート通りにある百貨店のようです。
 ところで、屋根の上に帆船の模型のようなものが乗っかっているようですが・・・?
これは何なんでしょうか???
by forest-door さん
創始者であるサー・アーサー・ラセンビィ・リバティ氏が、1862年のロンドン万博で日本の美術工芸品に出会い、1875年に東洋の美術工芸品を扱う店を開きました。これがリバティのはじまりです。そしてウィリアム・モリスやクリストファー・ドレッサー、アーチボルド・ノックスらの芸術家たちとともに美しい生活美術工芸品を製作、販売してきました。 代表的なのがリバティプリントタナローンです。 絹織物の艶と、やさしい手触りを木綿で再現したタナローン生地。1920年代、当時スーダンで採れる綿花が使われたことから近くのタナ湖にちなんでタナローンと名づけられたそうです。私もこのリバティプリントの小物入れを買ったのですが、飽きることのない優美なデザインで、長く使っているお気に入りです。

16)車いすに座ってパレードを見物している女性がいます。
17)車いすの右隣はお坊さんでしょうか?
18)茶色のコートの若者が持っているものはなにでしょうか?

19)子どもを、しゃがんでしっかり押さえているお母さんがいます。きっとパレードの中に飛び出しそうなんでしょうね。

20)赤い帽子の子どもの肩に優しく手を置いて待っているお母さんがいます。
21)アラブ風の服装の人が6・7人 います。前方左側の二人は顔をかくしています。
22)ユニオンフラッグを持っている女性とその後の2人も目の前の音楽隊よりは、ずっと後方騎馬の近衛兵の後に続くであろうパレードの本体に気持ちが言ってしまっているようです。
23)帽子をとってパレードを待っている男性がいます。
24)ネッカチーフに厚いコートの女性が話し込んでいます。女の人は、おしゃべりが好きですからね。
25)警察官の隣の男の子は、目の前の衛兵の音楽が気になっています。
26)子どもの隣のハンドバックの女性は、やはり本隊の到着が待ち遠しいようです。
27)水色の縦縞のエプロンの女性がいます。民族衣装でしょうか。
28)黄色の服にターバンの男性は、インド系の人でしょうか。

29)男性の看板を掲げています。なんでしょう。壁には連合王国の国章が飾られているようですが・・・・。
リバティ百貨店の続きです。実際には、45度斜めに向いています。

30)建物が終わるところあたりの見物人、スモックのようなものを着て頭にはバンダナのようなものを巻いています。足下に犬のがいるのですが・・・この犬を踏み台にしているようです。犬型のイスでしょうか。

31)シルクハットの男性ですが、帽子から随分髪が出ているようです。長髪なんでしょうか。

32)見物の行列の後方で、女性と話している男性がいます。なにか、曰くありげですが・・・??不明です。

33)見物人の右はし一隊の人たちは、色々と民族衣装のような服装の人が多いようです。そして、一番右端にはまるで画面に押すつぶされるかのように、子どもが二人立っています。

34)手前の見物人の後では、杖をついてやってきたおじいさんを気遣っている女性がいます。

35)木馬に乗っている女の子がいます。ケイト・グリーナウェイのマザーグース本にあるRide a Cock-Horseという絵からです。
 
Ride a Cock-Horse
Ride a cock-horse
To Banbury Cross,
To see what Tommy can buy;
A penny white loaf,
A penny white cake,
And a two-penny apple-pie
おもちゃの馬に乗って行こう
バンベリークロスへ
トミーが何を買うか見るために
1ペニーの白いパン
1ペニーの白いケーキ
そして2ペニーのアップルパイ

子供をひざの上に乗せて遊ぶのに使われるそうです。例えば、こんな風に(動画)
http://youtu.be/1tJsW1bLGeU

この歌には、変化バージョンも多いようです。紹介した詩も、ケイト・グリーナウェイの本にあるものとは最後の当たり違うようです。
又、 cock-horseも絵のような棒馬という解釈と、揺り馬という解釈があるようです。

ブリューゲルの「子供の遊戯」の絵にも「棒馬」が描かれています。


36)角笛を子ども達に聞かせている子がいます。これはロンドン・ケンジントン公園にあるピーター・パンの像からのようです。
ピーター・パンはもちろん架空のキャラクターですが、ロンドンのケンジントン公園で乳母車から落ちたところを乳母に見つけられず迷子となったことから年を取らなくなったのです。

37)ビッグ・ベンのすぐ左側では、脚立の上でパレードを見ている男の人がいます。下では、子どもが脚立を押さえています。そのうち交代してもらえるのでしょうか。

38)立木の左側の見物人の帽子ですが、なんだか変わったデザインだと思うのですが。

39)見物人を隠しているとがった屋根の間に立っている人の中に、後頭部のところがしっぽのようになっている人が二人います。しっぽつきの帽子?それとも後ろ髪を束ねているのでしょうか?
40)松葉杖をついて、見物している人もいます。

41)シルクハットにコートの男性は、おなかが痛くなったのかかがみ込むようにしています。それを、隣の女性が気遣っています。
42)後でお互いに手を回しあって、見物しているカップルがいます。

旅の絵本3表


シーン13セント・ポール大聖堂(p25〜26)




0)旅人は・・・ロンドンにあるセント・ポール大聖堂にやってきました。
 この寺院で1981年7月29日、イギリス皇太子チャールズ(32)と、ダイアナ・スペンサーが「世紀の結婚」式を挙げました。というわけで、前のページで行われていたパレードは二人の結婚祝賀のためだと思うのですが。夏というのがミスマッチですね。
by forest-doorさん
この大聖堂はクリストファー・レンによって設計されています。1675年から35年かかって作られた大きなドーム式の大聖堂で、高さは111mもあります。ヨーロッパの国々の大聖堂に行くと、たいてい天井が高くて圧倒されますね。天や神の存在を意識させるためなんでしょうか?
そして中に入るとWhispering Galleyという反対側でのヒソヒソ声が聞こえる有名な回廊があります。

Iwasakiさん:今、安野さんのMOOK本読んでいます。
そこに、イギリス編シーン13 セントポール教会の場面が載っており、そのキャプションは「さまざまな時代、人種、階層の人が行き交い、 大英帝国の歴史を垣間見るよう。」とありました。
なるほど納得ですね。こういうところにもヒントって落ちていますね。
                  
1)左下、犬を連れた人がいます。この人は タワーブリッジでコリーをつれて歩いていました。この場面の犬は、トイ・マンチェスター・テリアに似ているとのことです。
http://www.animal-planet.jp/dogguide/directory/dir09700.html

2)インド風の服を着たお母さんが子どもを連れています。子どもは、頭の先だけ見えています。
3)神父さんと背の高い男の人が話しています。神父さん(牧師さん?)が抱えているのは何でしょう。設計図とか?何か物語がありそうですが、不明です。

4)猫がいます。犬を見ていますが、そんなに緊張していないようです。
5)本を読みながら歩いているお坊さんがいます。
6)大聖堂に梯子をかけている人は何をしているのでしょうか?窓磨きかな??

7)左 国旗柄のテントの下は果物でしょうか、二人の女性が見ています。
8)ビンのようなものが壁に描かれているお店は・・・化粧品を売っているのでしょうか?

9)ウインドウを女性と男性がのぞいています。

10)本屋さんがあります。看板には何か書かれているようですが、判読不明です。ウインドウの中には、ABCの本があります。安野さんの「ABCの本」を思い出します。あるいは、・イギリスの挿絵画家ケイト・グリーナウェイの「Kate Greenaway's Alphabet」が飾られていると考える方が、イギリスらしいかな。


11)看板に王冠が描かれ、ダイヤモンドも描かれいているので、宝石店のようです。ハンドバックを持った女性が、大層熱心にのぞき込んでいます。
12)店の奥の家の窓から女性の姿が見えます。何をしているのでしょう。

13)隣の店は服を描いた看板が掛かり、ウインドウに婦人服が掛かっているので、婦人服の店だと思いますが、服の下にあるのは何でしょうか?
 店の前をヒゲ面の男の人が女の人と歩いています。
14)隣は、事務所のようです。ドアのところに、なにかメッセージが張ってあります。
事務所の前をビジネスマン風の二人が歩いていています。
15)隣の店は王冠をかむった人の看板が掲げてありますが、誰の肖像なんでしょう。入り口の上にポットが描いてあるので、お店そのものは、喫茶店のようですね。女性の二人ずれが入ろうとしています。
「旅の絵本の秘密」には、ホビットの看板(中央上)とあります。
この看板の事でしょうか?あるいは、隣の店にかかっている看板でしょうか?隣の方がホビットらしいとは思うのですが、この位置だと右上になるので・・・。
イギリス編にホビットの冒険に関わるものがあるとの情報があります・・・・・
どうもこの部分のようです。

16)喫茶店の前を話しながら行く女性がいます。
17)喫茶店の隣のお店は何でしょう。店の前を、ビジネスマン風の男性が鞄を持って歩いています。

18)警官と思われる人が立っていますが、他の警官と服装が違うようです。警察組織はどうなっているのでしょうか?

19)犬をつれた男性がいます。犬は、エアデール・テリアではないかということです。
http://www.dogfan.jp/zukan/terrier/Airedale/index.html
3つ前のシーンの27)でほぼ同じ位置にいたウェルシュ・テリアと重なるようです。
私には、二つの犬種の違いがうまく識別できないのですが??
http://www.dogfan.jp/zukan/terrier/WelshTerrier/index.html

20)子どもを連れたお母さんが歩いています。
21)子どもが3人います。真ん中で足を投げ出して座っている子は、等身大の人形のようにも思えます。足下の空き缶は何のためでしょう?

22)街灯の下で手を挙げている男性がいます。馬車に合図を送っているのでしょうか。
23)2階建ての馬車が来ます。馬車に書かれている文字がはっきりしません。何か意味があるのだと思うのですが?

by forest-doorさん

マザーグースの本をみていたら、こんな詩をみつけました。

ピカデリーの 賑わいに オー!
御者が馬車止め 客を待つ
お客が きれいな乙女なら
御者は手を取り お乗せして
いつまでだって ムチを振り オー!
手綱さばきも あざやかに オー!
ブリストルめざして 突っ走る オー!
四頭立てに 乙女を乗せて

すっかり詩のままではないのですが、P.26の右上では二頭立ての馬車が乙女たちを乗せているところが描かれています。


24)手を後に組んだ警官がいます。広場で事件が起こらないように見張っているのですかね。
25)テントを張った本屋さんがあります。古本でしょうね。白髭のおじいさんが見えています。

26)テントで服を売っているお店があります。男女のカップルに服を持って売り込み中です。
27)ターバンを巻いてワンピース風の藤色の服を着た人の隣で、同じデザインでオレンジ色の服を売っている人がいますが、売っているのはエプロンをした女性達でしょうか?顔が別の方を向いているので、遠くの人に呼びかけているのでしょうか。

28)隣の鞄屋さんは、ハンドバックを2つ持ってエプロンの女性達に、売り込もうとしていますが、彼女たちはターバンの男の人と話していて見向きもしません(^_^;)。

30)ヒゲ面の人が、手作り(?)のアクセサリーを売っています。後に男性が立ってみていますが、後は3組のカップルが熱心に見ています。

31)旅人の前の国旗柄のテントの下は、アイスクリーム屋さんですね。子ども連れの人がのぞいています。もうアイスクリームをなめている子もいます。
後には、鞄を持った男性が立っています。順番待ちかな?

32)国旗柄のテントの真ん中はキャンディー屋さんでしょうか。女性や子どもが取り囲んでいます。自転車を押した女性も、買いたいようです。

33)買い物袋を下げた女性が二人おしゃべりをしています。
34)国旗柄のテントの右側は、果物屋さんのようです。店主は大きなエプロンをしています。

35)果物屋さんのお客さんの着ている服が、27)で売っていた服に似ています。あの店で買ったのでしょうか。最近のはやりなんでしょうか・・・?

36)松葉杖をついたお客さんがいます。
 前のシーンの40)でパレード見物をしていた人でしょうか?着ている服も似ているように思いますが。

37)広場の真ん中にあるのは、ロンドンのピカデリー・サーカスPiccadilly Circusにあるエロスの像(正式名称シャフツベリー・メモリアル・ファウンテン)です。
※ちなみに、サーカスというのは円形広場のことです。もともとは、ローマで競馬・闘牛などを行なった円形競技場の名からきたものだそうです。

by forest-doorさん
ピカデリー・サーカスにあるエロスの像。ここでは待ち合わせの人が絶えません。エロスの像は1892年社会政治家のシャフツベリー卿を記念して作られたものです。
製作したアルフレッド・ギルバートは卿の博愛精神を表すために、ギリシャ神話における愛の神で翼をもって弓と矢を携えたエロスを選んだそうです。
 エロスの像のところや屋台にはインド系の人々が描かれていますね。インドはイギリスの植民地であった国で、イギリスで「Asian」というとインド・パキスタン系移民を指すというくらい、インド系の人たちは多いそうです。2003年に公開された映画「ベッカムに恋して」はサッカーとベッカムに夢中なインド系イギリス人の女の子のお話。サイトには「大英帝国とインド」というコラムも載っています。

38)教会の前にベールをつけた二人います。ムスリムの女性だと思いますが。パキスタンからの人でしょうか。

39)帽子をかぶった女性と手をつないで何か話している男性がいます。お別れでしょうか?名残惜しそうです。

40)パンを抱えた女性が話しています。
41)オレンジのテントは花屋さんの屋台のようです。店主は、花束を作っているようです。
42)花屋さんを見ている、ダークスーツに黒の帽子、ステッキをついて新聞を小脇に抱えた男性がいます。安野さんは典型的なロンドン紳士として描iいたそうです。

43)ギターを弾く男性とハーモニカを吹く男性がいて隣で女性が聞いています。
44)釣りズボンをはいた男を連れたおあかさんが階段を上っています。

45)白ヒゲのおじいさんが座っています
46)赤い風船を持った男の子の前にいる、ズボンに手を突っ込んでいる男性はお父さんでしょうか。

47)鞄を横に置いて座っている男性がいます。
48)緑の服を着た女性は後で髪を二つに束ねています。その手前に、膝に手をやって少々カッコウをつけている男性が座っています。

49)鳩に囲まれた女の子がいます。
50)エロスの像の真下に、オーバーオールを着た男性が立っています。座っている3人と話しています。どんなことを話しているのでしょう。
51)アフリカ風?の二人が話しています。
52)絵を描いている男性を、そばに立った女性がのぞき込んでいます。
53)乳母車を引き上げているお母さんと、それを手伝って押している男の子がいます。
54)乳母車を引き上げているのを、男の人と女の人がいます。なぜ、階段の上に引き上げているのか気になるのでしょう。

55)髪を掲げているのは、新聞売りだと思います。花屋の所の紳士はこの人から新聞を買ったのかな?
56)男の人がひとり座っています。
57)ワンピースの女性とジャンパーを着た男性が腕を組んで座っています。恋人でしょうか。ギターとハーモニカの演奏を聴いているようです。

58)親子で水面をのぞき込んでいます。
59)インド風の二人が話しています。女の人はおなかが出る服のようです。
60)青い服の女性と話している男性が持っているのは何でしょう。この二人も恋人でしょうか。
61)赤いチョッキのおじいさんと隣の水色の服の女性は夫婦でしょうか?
 その隣のおじいさんの脇に置いてあるのは、鞄でしょうか? 彼らも、ギターとハーモニカの演奏を聴いているようです。
62)水色の服の女性と黄色の服の男性が並んで座っています。友達?恋人??
二人を見ているコートの男性がいます。いや、右のアコーデオンの方を見ているようにも見えます。
63)子どもが二人、乳母車を押しています。
64)楽譜スタンドを置いて、アコーデオンを演奏している男性がいます。足下に缶が置いていあります。投げ銭を入れてねと言うことでしょう。
65)鞄を持った男性は、アコーデオン演奏を無視して、歩いてゆきます。
66)地面に座り込んで、演奏を熱心に聴いている男性もいます。
67)赤いチョッキを着た二人のおじいさんも、演奏を聴いているのかな。
68)白ヒゲのおじいさんの隣で、離しながら靴下を編んでいる女性がいます。おじいさんのために編んでいるのかな。
69)オーバーオールのおじいさんに女性が話かけています。
70)ズボンに手を突っ込んでいる白髭のおじいさんは、65)の鞄を持って歩いている男性に話しかけているようです。


旅の絵本3表

シーン14トラファルガー広場(p27〜28)


0)旅人は・・・ネルソン提督の像が高くそびえるトラファルガー広場Trafalgar Squareにやってきました。
塔の台座はなんと46mの大理石の柱が用いられています。その上に、高さ5.5mのネルソン像があるのです。これは、1805年大陸を制していたナポレオン軍とのトラファルガーの海戦に圧勝したことを記念して作られたのです。この勝利で、ナポレオンのイギリス上陸を阻止できたのです。ナポレオンの凋落そのものはワーテルローの戦いまで待たなければなりませんが、イギリスにとっては特筆すべき勝利です。指揮官であったネルソン提督は、狙撃されて亡くなります。
 ネルソン提督は、君主以外では初となる国葬としてセント・ポール大聖堂(前のページに描かれていました)に葬られた。
 ところで、安野さんの絵は右手を後に回していますが、ネルソン像は右手を前に置いているようですね。なんだかナポレオン像に似ているように思うんですが(^_^;)

1)左下 猿をつれてバイオリンを弾いているおじいさんがいます。「家なし子」でしょうか。ただ、主役の子どもがいません。ちなみに、ヨーロッパには猿がいません。いわゆる先進国で、野生の猿が生息しているのは日本だけです。

2)見物人の中に、おじいさんの隣で指さしている女の子がいます。
3)野球帽をかぶった少年の後には、ハンドバックを持った女性がいます。
4)コートを着込んで、シルクハットをかぶった男の人がうつむいています。
 どうしたのでしょう?おじいさんの弾く曲が悲しい思い出でも呼び起こしているのでしょうか??

5)杖をついたおばあさんが、曲にあきたのか離れていっています。
6)池の縁に腰掛けて聞いているお爺さんがいます。
7)塔の下で青い服を着た女性を抱え込んでいる男性がいます。何か物語がありそうです。
「婚約時代のチャールズ皇太子とダイアナ妃ではないか」との説もあります。だとすると、婚約前の姿がここにあって、前のシーンのセントポール大聖堂で挙式し、その前のシーンのビックベンの所で結婚パレードという段取りになります。
「旅の絵本の秘密」には、チャールズ皇太子とダイアナ妃のデートとあります。

8)塔の台座あたりを虫眼鏡を持って調べている人がいます。スコットランドはエジンバラ生まれの小説家サー・アーサー・コナン・ドイルが19世紀から20世紀にかけて発表した推理小説の主人公、名探偵シャーロックホームズSherlock Holmesのようです。
ワトソン氏によれば「バイオリンに長けている。」そうですから、猿をつれたお爺さんの曲にもそれなりの評価ができることでしょう。なお、調査中のパネルランス軍から鹵獲したは青銅製で、ネルソン提督の生涯における4つの戦いを描写しています。

9)となりで、よれよれのレインコートを着て安葉巻たばこを吸いながら頭をかいているのは・・アメリカの刑事コロンボでしょう「ウチのかみさんがね」なんて言ってるのかな。

10)毛皮のコートを着た女性とシルクハットの男性が話しています。
11)お母さん二人が話し込んでいる脇で、二人の子どもがヨットレースを指さして気を引こうとしています。

12)花売り娘がいます。この花は、前のシーンの花屋さんの作っていた花束かな。それにしても、花売りにしては随分豪勢なドレスです。お客さんの方もびっくりしているようです。
by forest-doorさん
花売りの娘は映画「マイ・フェア・レディ」のイライザでしょうか。オードリー・ヘップバーンが花売り娘から淑女へと変身していましたね。この映画にはシャーロック・ホームズのドラマで主人公のホームズを演じたジェレミー・ブレッドさんも出ています。


13)国旗柄のパラソルのアイスクリーム屋さんがいます。お客さんがいないので暇なのか、ヨットレースを見ています。

14)屋根に国旗柄を描いたホットドックやさんがいます。子どものお客さんが3人です。ケチャップとカラシがちゃんとあります。
15)横縞のスカートの女性と帽子の男性がいます。やはりヨットレースを見ているようです。
16)乳母車を二人で押している子どもがいます。前のシーンでは反対方向に押していました。

17)馬車があって台車に乗せたり手に提げたりして荷物を運んできています。黒いコートの人が御者でしょうか。お客さんはどこでしょう?第1巻や2巻では、新婚旅行用の馬車というパターンだったのですが。

18)台車を押している人の後に女の人の首だけが見えています。
19)ステッキをついた男性に帽子を脱いで挨拶しています。
20)建物の入り口からすぐに階段があるようです。この建物のモデルはどこにあるのでしょうか?
21)ハンドバックを持った女性が右の方に歩いています。
22)馬車の向こうでは、鞄を持った人が帽子をとって、女性と握手をしています。この人が乗客でしょうか?
23)車いすの女性が赤い風船をもらっています。この風船は、前のシーンでは男の子が持っていました。

24)メガホンで客の呼び込みをしています。模型のヨットには番号がついているようなので、このレースで賭をしているようです。イギリス人って何でも賭にしてしまうそうですが・・・。
ただ、この時点でかなりさがついてしまっているようなのに、今更賭が成立するのでしょうか?

25)ターバンを巻いた男の人が右手を差し出しています。前のシーンで女の人と別れを惜しんでいました。

26)レースを身を乗り出して応援している人たちがいます。
27)自分の模型ヨットを持ってきている人が4人います。次のレースがあるのでしょうか。

28)グリーナウェイ・ファッションの女の子達が3人、旗を振ったり熱心に応援しています。とりわけ、オレンジのスカートの女性は興奮しすぎです。池の中に落ちなければいいのですが。

29)4番のヨットは、イングランド国旗とアイルランド国旗をあわせたようになっています。
30)このヨットレースは、1851年に開催された万国博覧会の記念行事として行われたワイト島一周レースのイメージかなと思います。
予想に反して、アメリカ号が並み居るイギリスの船に勝ったことから世界一のヨットレースであるアメリカズカップが生まれました。

31)ユニオンフラッグを振りながら応援している子が3人、メガホンをつかって応援している子が2人。両手を揚げている子・・・とにかく大変な盛り上がりです。

32)旗を振っている子達の背後に旅人そっくりの人がいます。近くの女の子が旅人を指さしながら何か話しかけています。「あの人とそっくりだね」なんて言っているのですかね。

33)6匹の犬を散歩させている女性がいます。そのうちの1匹は胴が塔に隠れています。やたら胴が長いようです。安野さん得意のだまし絵です。その上、塔の反対側から出ている顔は犬というより猫です。

34)塔の左側にも身を乗り出して応援している紳士がいます。
35)パイプをくわえた老夫婦はゆったりとレースを楽しんでいるようです。
36)小脇に何か(新聞?)を抱え杖をついた人が、姿勢を正した話しています。
37)国旗柄のパラソルの下では、食器が売られています。色合いからすると、銅製品のようです。
38)フライパンを手にとって見ようとしている女性がいます。
39)このお店はなんだかとても人気があるようです。ヒゲの男性は冷やかしでしょうか。お店の人が指さしながら話している相手は誰でしょう?しゃがんでみている女性でしょうか??

40)左上 木組みの家は、婦人服のお店のようです。看板の絵は何でしょうか?鳥のようにも見えますが。

41)ギブスをして松葉杖をついている男性に、女性が付き添っています。ご夫婦でしょうか?
42)腕を組んで歩いてくる夫婦もいます。
43)建物に看板が下がっていますが、何の印か不明です。
44)ネルソン提督像のまねをしている人がいます。

45)その手前の人も、似たようなカッコウをしています。はやりだったりして。
46)ビートルズThe Beatlesの4人が街頭で演奏しています。

by forest-door さん
左利きのポールやジョンのがにまたなど、特徴を出してますね。ジョンとジョージは亡くなってしまったけれど、彼らの音楽は永遠です。ビートルズの日本公演はさすがに見ていないのだけれど、リンゴとポールのそれぞれのソロ・コンサートには行ったのです。この人があの、ビートルズの一員で、数々の曲をつくっていたんだと思うと感激しました〜

47)ビートルズの生演奏ですから、たくさんの人が集まってきています。子どもも大人も警察官もターバンを巻いた人も、犬を連れた人もいて多様です。缶が二つおいてあります。投げ銭で聞けるようです。。

48)観客の手前で、子どもに話しかけている女性がいます。迷子かな?
49)小さな子の手を引いた女性がいます。お孫さんかな。
50)3人の子がサッカーを楽しんでいます。
51)コマ回しをしている子どもがいます。ただ、ひもも鞭も見えません???
 コマ回しは、ブリューゲルの「子供の遊戯」の絵にもにも出てきます


52)警官が立っています。何を監視しているのでしょうか??
53)人形劇をしています。演題は何でしょうか。
by forest-doorさん
人形劇で有名なのは「パンチとジュディ」。道化師パンチと妻ジュディが出てきます。マザー・グースにも「パンチとジュディ」の詩があります

Punch and Judy   パンチとジュディ

Punch and Judy パンチとジュディは
Fought for a pie; パイをとりっこ
Punch gave Judy パンチはジュディの
A knock in the eye. 目に一発
Says Punch to Judy パンチはジュディに
Will you have any more ? 「もっとかい?」
Says Judy to Punch, ジュディはパンチに
My eye is sore.   「目が痛い」


54)観客は随分熱心に見ています・
観客の中には、グリーナウェイ・ファッションの女の子や、中世風の服装の人もいます。

55)新聞売りの人が、ターバンを巻いた二人に売り込もうとしています。でも、二人は話しに夢中のようです。

56)似顔絵が展示してあります。箱に座っている白髭のお爺さんが画家?それとも単に売っているだけでしょうか。色んな人か興味深げに見ています。杖をついたお爺さん。カップルが2組。少女が1人。オーバーオールを着た人と話している人も絵を見ているのかな??

57)似顔絵が飾られています。左からヴィクトリア 女王
イギリスでもっとも輝かしい時代をつくりあげた女王であり、その治世はヴィクトリア朝と呼ばれる

58)左から2番目は、ヘンリー8世
(イングランド王で、カトリック信者であったが離婚問題がらみで、自らをイギリス国教会の長とするとともに、ローマ・カトリック教会から離脱した。)

59)左から3番目は、アン・ブーリン
(ヘンリー8世の2番目の王妃、エリザベス1世の生母。)

60)左から4番目シェイクスピア、(イングランドの劇作家、詩人)



61)左から5番目バートランド・ラッセル、(哲学者・平和運動者でありノーベル文学賞もとっている科学者)

62)左から6番目アイザック・ニュートン、Isaac Newton. イングランドの自然哲学者

63)右側、チャーチル首、イギリス戦時内閣の首相としてイギリス国民を指導し、第二次世界大戦を勝利に導いた。

64)郵便馬車が止って、ポストから郵便物を集めています。第1巻でも、同じような郵便屋さんが描かれていました。安野さんは便りを届ける、通信するということが好きなんだと思います。
 切手を使った全国一律の郵便制度はイギリスから始まりました。この赤いポストもイギリスで生まれました。

65)鳩に囲まれた女の子がいます。前のシーンで同じ所にいました。

66)テンガロンハットをかぶった人とターバンを巻いた人が話しています。

67)郵便馬車の向こうに黒いコートに帽子の音かはセーターを着たお爺さんと話しています。なんだか特別の雰囲気です。何かもとネタがありそうですが不明です?

68)右上 ロンドンのハイドバークHyde Park北東隅にあるスピーカーズ・コーナーSpeaker's' Cornerで木箱の上で演説している男の人がいます。
 ここでは、どんな人でも、事前の手続きなしに、(イギリス王室への批判とイギリス政府の転覆についての2つを除けば)どんなテーマについて語ることが許されています。複数の人がてんでに演説しているそうです。興味がある人が聞き、議論に加わるのだそうです。
 ここでは、かのカール・マルクスも演説をしたそうですが、この演説シーンの写真を見たことがあるように思うのですが・・・。


旅の絵本3表


シーン15ウインザー城(p29〜30)

0)旅人は・・・ロンドン郊外にあるウインザー城にやってきました。この城は、11世紀にウイリアム征服王がこの地に要塞を築いたことの始まります。イギリス王室の居城にもなっていて、週末にはエリザベス女王が過ごすのだそうです。城のあちこちでは、シェイクスピア作品の物語が展開しています。

ウインザー城 公式サイト
http://www.royal.gov.uk/output/page557.asp


1)左 ブッシュの中を、木の枝を持ってカムフラージュした兵士たちが城に近づこうとしています。城では、剣を持った王が待ちかまえています。
シェイクスピアの『マクベス(Macbeth)』からです。
ストーリーは
http://www.geocities.jp/todok_tosen/shake/mac.html

スコットランド王ダンカンを殺害し、自らが王となったマクベスは、不安に駆られ魔女に伺いをたてると、魔女たちは「マクダフには警戒せよ」「女の産道を通ったものにはマクベスは倒せない」「バーナムの森が動かないかぎり安泰だ」と予言するのです。
ところが、ダンカン王の息子を支援するイングランドの軍が、森の枝を頭にかざして攻めて来たのです。この様子を使者が「森が動いた」と報告。動くはずのないバーナムの森が動いて予言が実現してしまったのです。このシーンですね。ちなみにもう一つの予言は、「俺は母の腹を破って出てきた」というマクダフ(帝王切開で生まれた)に殺されるのです。

2)鹿が8匹います。鹿たちは左の方を気にしているようですが・・・何があるのでしょうか

3)左下 城の中に小熊と話している女の子がいます。
小熊は、イギリスの作家マイケル・ボンドの児童文学作品にでてくる、いつも傷んだ帽子をはなしたがらない『くまのパディントン(Paddington Bear)』のようです。

by forest-doorさん
左下にくまと座って話しかけている女の子がいます。「くまのパディントン」のように思います。おふろあがりのパディントンにジュディが話しかけている挿絵を思い出します。
パディントンは自分ではちっともそんなつもりはないのに、何かするといつも大騒ぎになってしまいます。帽子にダッフルコートがトレードマークですね。

4)手前の城では天秤を持った人(金貸しシャイロック)が・・・裁判をしています。
これも、シェイクスピアの『ヴェニスの商人(The Merchant of Venice)』からですね。第2巻のイタリア編のヴェニスのシーンでもでてきました。 冷静に考えれば、シャイロックに対する判決はあんまりです。ちなみに、ハイネが観劇後、「シャイロックの悲劇」と呼んで涙を流した逸話が有るそうです。
ストーリーは
http://www.geocities.jp/todok_tosen/shake/mv.html

5)右下の塔の上では、『ハムレット(Hamlet)』です。
殺された先王の亡霊から殺害の真相を聞くハムレット王子のシーンですね。
ハムレットといえば、「生きるか、死ぬか、それが疑問だ。(To be, or not to be-- that is the question)」が有名ですよね。
ストーリーは
http://www.geocities.jp/todok_tosen/shake/ham.html

6)城の庭では、馬上の決闘シーンです。
これも、シェイクスピアの『ペリクリーズ(Pericles)』 からはないかと思っていました。
追っ手から逃れる途中、王の前で行われた槍の試合で、ペリクリーズはみごと優勝。王女セイザのこころを奪ってしまい、ついに結婚へ。しかし、この幸福も・・・という話ですが、この馬上試合のことを表しているのでは。シェイクスピアといえば悲劇の印象が強いですが、このお話はハッピーエンドで、「ロマンス劇」に分類されるようです。
ストーリーは http://www.geocities.jp/todok_tosen/shake/per.html

と考えていましたがしかし、
「旅の絵本の秘密」には、アイバンホー(右下)とありました。
『アイバンホー』(Ivanhoe)は、スコットランドの作家サー・ウォルター・スコットが1820年に発表した長編小説です。
十字軍時代を舞台とし,ノルマン征服王朝に反感を抱くサクソンの郷士セドリック,その息子でリチャード獅子心王に従って出征するアイバンホー,サクソンの姫ロウィーナ,ユダヤ人の娘レベッカなどが登場する。王とアイバンホーは身分を隠して帰国し,暴虐なノルマン騎士たちを懲らしめてノルマンとサクソンの和解をもたらす。現在でも広く読まれる冒険活劇。


7)右上 杖をついた老人が手を引かれています。
これも、シェイクスピアの 『リア王(King Lear)』からです。
3人の娘の愛情試験をするという愚かなことを課した、老王リアは、すべてを奪われてしまい道化とともに荒野へ追われます。このシーンですね。

ストーリーは
http://www.geocities.jp/todok_tosen/shake/lr.html


8)庭を猟犬をつれた一行がゆきます。王侯貴族の趣味を表しているのでしょう。
 猟犬の種類は・・・ウサギ狩りに使うビーグルのようです。
http://www.dogfan.jp/zukan/hound/beagle/
集団で猟に使うそうで、ここでも11匹の犬を引き連れています。


9)門の前に、女性が立っています。
 ウインザー城の城主、エリザベス女王ではないでしょうか。エリザベス女王は犬好きだそうで、コーギーをかわいがっているとか。ということで、コーギーのようです。
http://www.dogfan.jp/zukan/herding/corgi/index.html

10)お城はただいま改築中です。といっても、工事をしている人たちも時代がかった服装をしていますし。使っている道具も、人力に頼る道具ですね。定滑車や動滑車など色々描かれています。

11)女王の上、門の上の二人は、左側の黒い服を着た人が指示しているようなので・・・工事責任者?

12)板を渡した足場の上の二人は、コテを持っているようなので、煉瓦積みをしているのでしょう。
13)滑車を使って重そうな石を引き上げています。・・・・でもこの石、どこに使うのでしょう??
14)はしごを使って、何かパイプ上のものを担ぎ上げている人がいます。
15)動滑車を使って大きな石を持ち上げています。巻き上げは、4人。上では柱を支えながら、指示を出している人がいます。
16)足場の上を大きな石を運んでいる人がいます。
17)石を加工する人、車に乗せて運ぶ人、机の上で設計図を広げて検討している人・・それぞれの役目を果たしています。
18)見物に来た二人の子どもに説明している人もいます。

このシーンでは、シェイクスピアの4大悲劇の中で取り上げられなかったのは『オセロ』だけ、喜劇?の『ヴェニスの商人(The Merchant of Venice)』と都合4つの作品が詰め込まれていることになります。
ただ、どの物語もウインザー城が舞台ではないのですが、シェイクスピアの喜劇の中に唯一同時代のイギリスの地方都市を舞台にした『ウィンザーの陽気な女房たち(The Merry Wives of Windsor)』というのが有ります。これは、ウインザー城のあるウインザーの街が舞台です。安野さん、なかなかやります。



旅の絵本3表


シーン16川辺にて(p31〜32)

0)旅人は・・・川辺にやってきました。たくさんの風景画や挿絵を見事に取りこんだシーンです。
「旅の絵本の秘密」には、テムズ川上流とあります。

1)左上 この風景は、19世紀のイギリスを代表する風景画家ジョン・コンスタブル(John Constable)の故郷サフォークを描いた「The Hay Wain(乾草車)」からです。左上の建物と川そして橋の向こうに描かれた荷車(乾草車)までこの絵からです。

by forest-doorさん
コンスタブルはサフォーク州のイースト・バーゴルトに生まれ、このあたりは彼が絵に描いた風景がナショナルトラストによって残されている、コンスタブル・カントリーといわれています。この2枚の絵はともに隣人ウィリー・ロッツの家とその横を流れるストゥア川の風景を描いたもの。

02)建物の前に一人のお客さんを乗せて、川に竿を差している船があります。さらに川の反対側には釣り糸をたれている人がいます。これも、コンスタブルの「Mill stream(水車の流れ?)」からです。前の乾草車の絵とほぼ同じアングルのからの絵です。


03)乾草車の手前には、草(葦のようです)を刈り取っています。これは何につかうのでしょう?

04)茅刈りの反対側の川辺では、洗濯船に乗っている女性に話しかけているヒキカエルがいます。これは、スコットランドの小説家ケネス・グレアム(Kenneth Grahame185年エディンバラ生まれ)の童話「たのしい川べ(The Wind in the Willows)」の挿絵からです。

挿絵を描いたのはE・H・シェパード(Earnest Howard Shepard)。彼は、『クマのプーさん』の挿絵も描いています)
洗濯船のバックに有るアーチ状の橋もたのしい川べの絵に描かれています。

by forest-doorさん
挿絵を描いたのはE・H・シェパード(Earnest Howard Shepard)です。
シェパードはまずグレアムを訪ね、グレアムがその作品に描いた川辺の様子を聞き、実際の場所に行ってスケッチを重ねたそうです。
グレアムはシェパードに「私はこの小さな人々を愛しています」「どうか親切にしてやってください」といって仕事を託し、できあがった絵をみて、「今にも動きだしそうに描いてくれてうれしい」と語ったそうです。
本当にシェパードの書く絵はくまのプーさんの絵といい、愛情にこもっています。それぞれの動物のもつキャラクターをみごとにあらわしていると思います。

5)川を挟んで小さな動物が向かい合っています。カワウソ(イタチ?)とネズミ(川ネズミ?)のようです。「たのしい川べ」では川の中から顔を出すカワウソと土手を挟んで向かい合っていたのを、川を挟んでに描き直されています


6)小屋を建てています。骨組みはできたようで、屋根の部分にかかっている人、屋根の作業を見ている人、鋸で木を切っている人、鍬のようなもの(かんなの一種だろうと思います)できを削っている人、瓦?を運んでいる人・・・それぞれにがんばっています。屋根材はなんでしょう。・・・瓦それとも?

7)小さな家のドアのあたりに団らんを楽しんでいる11人の人たちと薪を運んでいる人が描かれています。これは、トマス・ゲインズバラ(Thomas Gainsborough, 1727年、ロンドン北東のサフォーク地方生まれ)の「The Cottage Door」からです。
 ゲインズバラは肖像画家として有名なようですが、むしろ風景画に情熱を燃やしていたようです。そして、その風景画は、コンスタブルに影響を与えたといわれているそうです。


8)農作業が行われています。安野さんはこのように、仕事の流れを連続的に描くのがお好みのようです。
まずは、麦を特殊な棒でたたいて脱穀しています。
日本では、「棒打ち」といいます。使われている道具の名称は「唐竿(からざお)です。クルリ棒とも呼ばれます。長い竿の頭に、回転する棒を数本取り付けたもの。竿を持ち、回転部を振り回す要領で収穫物を打って脱穀する。


9)脱穀した籾は、風力を使ってゴミや小石を取り除きます。把手を回している人がいます。中の風車を動かして風を起こしているのです。道具の上の漏斗状のところかは脱穀した麦を入れいています。風力で軽い穂のゴミは吹き飛ばされています。道具の下からは選別された籾がでてくるのを女性が受け止めています。共同作業ですね。
使っている道具は、日本では「唐箕(とうみ)」といわれています。江戸時代に中国から伝わって使われるようになりました。左の絵は江戸時代のものです。安野さんの絵はこれに近いですね。現在では、動力で動くようになっています。

10)袋に詰めて、馬車に乗せます。どこへ持ってゆくのでしょう?

11)旅人の進む方向には、二頭の馬を引いている女性がいます。この馬は何をする馬なんでしょう。
13)の絵に出てくる馬を意味するのかもしれません。

12)建物の前に、鞄を持った女性が立っています。何を待っているのでしょう。それとも、後ろの家は何か特別の意味のある家でしょうか・・・現在のところ不明??
ひょとして、「クマのぷーさん」や「たのしい川べ」の挿絵画家E・H・シェパードの家かもしれません。
家の前に男性でなく女性が立っているところが難ですが・・・。



13)馬車のところで、モグラが馬にエサ(水?)を与えています。そしてその手前には、ヒキガエルがふんぞり返ってたばこをふかしています。食事の準備はネズミがかいがいしくしてます。
これも、『たのしい川べ』の挿絵からです。
ちなみに、たのしい川べは『ヒキガエルの冒険』とも訳されています。物語の中のヒキガエルは金持ちのボンボンでわがままで好奇心旺盛。でも、なんだか憎めないキャラクター。
 この物語は、作者が息子のアラステアのために執筆したのですが、このヒキガエルの性格は息子の性格に似せてあるのだとか。
 ヒキガエルのわがままぶりを、親子で楽しんだというのですから、「憎めない」はずです。

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旅の絵本3表



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