コンパクト解説「旅の絵本を遊ぼう」3(イギリス編)
「旅の絵本」の3作目は、イギリスの旅です。イギリス各地の風俗やスポーツやお話などたくさんでてきます。また、キリスト教に関わるお話もさりげなく挿入されていたりします。
「旅の絵本」3
「表紙・裏表紙」
0)旅人は・・・コッツウォルズ地方と思われる場所に来ました。
なんと、ユニオンフラッグが大地になっています。

1)ユニオンフラッグの真ん中 アルフレッド大王の像です。ウィンチェスターにあります。
http://www.englishmonarchs.co.uk/saxon_6.htm
4)木組みの家に看板が下がっています。絵柄は何か特定できませんが、女性のようです。婦人服を意味するのかな?例によって、ANNO1981とこの絵本が描かれた年が記されています。(ANNOは西暦を意味しますが、同時に作者の安野も意味します。)
6)銅像の手前に、犬をつれて散歩する人がいます。この巻は、多くの犬が登場します。犬好きの多いイギリスということでしょう。この犬種はなんでしょう??
7)大きな籠を持って、鐘を鳴らしている人がいます。この人は何をしているのでしょうか?? 何かを売っているの? ゴミを集めているの?
11)旅人を半分隠している建物にはユニオンフラッグが2本、この建物はどこの何がモデルなんでしょうか?
表紙の風景は、コッツウォルズ地方とその周辺にある町並みや牧場の風景がモデルのように思います。
写真は「イギリスで最も古い街コンテスト」で常連のカッスルクームにある家です。似ている気もしますが??
コッツウォルズ地方(Cotswolds)は、ロンドンの西約200kmのところに広がる丘陵地帯で、イングランドのほぼ中央に位置しています。コッツウォルズとは「羊のいる丘」を意味する言葉が語源になっており、北はチッピング・カムデン(時にはストラトフォード・アポン・エイボンを含める)から、南はバースまで、東側はオックスフォードまでのエリアを指して呼ばれています。
この一帯に点在する村は、13世紀頃に羊毛産業の集散地として栄えた場所に端を発しているものが多く、現在でも集落をはずれると、緑の牧草地が続き、羊が放牧されています。石灰岩で作られた家は、「蜂蜜色」といわれる黄色い壁のものが多く、昔とほとんど変わらない風景が残されています。このようなコッツオォルズ地方は、イギリス人のあこがれる、最もイギリスらしい田舎ともいわれています。
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13)馬に乗った人が、仔馬を引いています。一見旅人のようにも見えますが・・もちろん別人です。
15)二頭立ての乗合馬車有ります。右側の後輪が屋根に架かったようにも見えます。だまし絵でしょうか?たまたまかな?
馬車には、「BODLEY HEAD」と書かれています。これは何??・・・実は安野さんの本の英語版を出している出版社の名前なんです。安野さんさりげなく宣伝をしてあげています。
19)右上にどこかの教会が描かれています。モデルにした教会はどこでしょうか?庭には墓石もあるようです。コッツウォルズ地方にある教会ではないかと思うのですが??
20)教会の前では結婚式でしょう、新郎新婦がたっています。教会を背にして建っているのが牧師さんで、その右は尼さんでしょうか。
23)背表紙の下 ここにも木組みの家の壁にユニオンフラッグがつるされています。背表紙だけでイギリスを意識できるようにした、装丁ですね。
24)牧場が広がっています。これも「コッツウォルズ地方」の田園風景ではないかと思います。
25)牧場には石垣が積まれています。コッツウォルズ地方の石垣をつなぐと万里の長城より長くなるとか・・まあ規模が違いすぎますが。
「扉」
盛装した騎馬の兵士が4人行きます。
何のパレードでしょう。その答えは先の楽しみということにしましょう。
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シーン1海岸1(p1〜2)
0)旅人は・・・白亜の絶壁のある海岸に船でやってきました。
ロンドンの南方の海岸にあるホワイトクリフです。(第2巻がイタリアでしたから地中海からさらにドーバー海峡を越えてやってきたんですね)ここは、白い衣装をまとった7人の修道女に見立てられ、別名 Seven Sisters セブン・シスターズと呼ばれる所です。なんと、天然のチョーク(石灰岩)でできている崖です。
1)旅人を2羽のウサギが出迎えています。
第1巻の出迎えはシカでしたが。ここは、ピーターラビットPeter Rabbitのくにだからでしょうか。
前作(イタリア編)の最後で、船で旅立ったのですが、イギリスには、船で現れました。地中海をこぎ出し、ドーバー海峡をこぎわたってきたことになります。イタリアとイギリスの関係はなんでしょう。安野さんなら、何か関係づけていると思うのですが、思い当たりません。
カソリックのイタリアからプロテスタント(イギリス国教会)の国へという関係を考えてみましたが・・・。
シーン2海岸2(p3〜4)
0)旅人は・・・雨の中小さな漁村に上陸しました。p3では降ってなくてp4では降ってます。通り雨のようです。雨が通り過ぎるまで、とりあえず木の下で雨宿りです。脇の鞄には、お金が入っているのかな。
5)老人と子どもが大きな鮫を水揚げしています。ここはイギリスですから、いささか場違いですが「老人と海」からということでしょうか。
6)少女?と小さな天使?が木の陰から旅人を見ています。
ピーター・パン(Peter Pan)と妖精ティンカー・ベルです。
ピーター・パンは、イギリス、スコットランドの作家ジェームス・マシュー・バリーの戯曲『ケンシントン公園のピーター・パン』、小説『ピーター・パンとウェンディ』などの主人公です。
ロンドンのケンジントン公園で乳母車から落ちたところを乳母に見つけられず迷子となったことから年を取らなくなり、異世界ネヴァー・ネヴァー・ランド(ネバーランド)に移り住み妖精ティンカー・ベルと共に冒険の日々を送る永遠の少年という設定です。ディズニー映画では、正義のヒーローに描かれていますが、原作では矛盾を抱えた少年です。
7)左上 犬のように見えるのは子羊です。群れからはぐれてしまった迷える子羊です。
シーン3リンゴ園(p5〜6)
0)旅人は・・・リンゴの実る村にやってきました。

1)左上 子羊を担いでやってくる男がいます。この子羊はp3の同じ場所にいたも迷える子羊です。群れからはぐれてしまった子羊をついに見つけだし担いでつれかえっているのです。
マタイによる福音書に次のようにあります。
1812> あなたがたはどう思うか。ある人に百匹の羊があり、その中の一匹が迷い出たとすれば、九十九匹を山に残しておいて、その迷い出ている羊を探しに出かけないであろうか。
1813> もしそれを見つけたなら、よく聞きなさい、迷わないでいる九十九匹のためよりも、むしろその一匹のために喜ぶであろう。
絵は、『he Lord is my Shepherd(主は私の導き)』という題の付けられた絵です。
ちなみに、羊を担ぐなんて変だと思いましたが、遊牧民の習慣としては子羊を担ぐということは珍しいことではないようです。
いがいます。
5)フォークを杖にしている男と籠を持った女が話しています。
6)サンタクロースの看板があります。このサンタは、「さむがりやのサンタ」(レイモンド・ブリックズ 作・絵(評論社)のサンタです。
7)コリー犬をつれて散歩している人がいます。コリーってサンタに似ています。
8)建物の陰で見張りまで立てて何か会議中です。
「宝島」のシルバー船長達ですね。テーブルの上に広げられているのは宝島の地図でしょう。
9)リンゴ樽の中に隠れて会議の様子をうかがっている人がいます。ジム・ホーキンズ少年です。
10)イスに座った老人と立った老人がてパイプをくゆらせながら話をしています。秘密会議のことには気づいていないようです。そばの犬はセント・バーナード犬でしょうか。
12)リンゴの木の上を小鳥が飛んでいます。右手の木の上にも2羽います。
この巻、犬だけでなく小鳥もよくでてきます。バードウオッチングの盛んな国だからでしょうか。
18)リンゴが落ちるのを見ている男がいます。ニュートンが万有引力の法則に気づく一瞬というわけです。
彼は、イングランドのウールスソープ生まれです。後に、グリニッジ天文台監察委員長に就任しています。リンゴの逸話は、後世の創作のようです。
19)梯子でリンゴの木に登った男の子と女の子が話しています。
20)ブルドックが木の下でがんばっています。
23)天へのびる豆の木を伝って上っている子どもがいます。「ジャックと豆の木」のお話です。
24)農家の屋根の先が微妙に傾いています。その上、何かとってのようなものがついています。これはどうもロウソク消candle snufferしをかぶせているようです。写真取っ手を短くすれば、旅の絵本の物とよく似ているように思います。安野さんのだまし絵です
25)旅人の後方に小屋があって、男の子?が座り込んでいます。この子はピーターパンです。 「ピーターパンとウェンディ」の本の表紙に描かれている絵からです。
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シーン4ストーンヘンジ(p7〜8)
0)旅人は・・・ストーンヘンジのある場所へやってきました。


1)左上 旅人の先に川をのぞく女の子とそのそばの木の上にネコがいます。
「不思議の国のアリス」のアリスとチェシャ猫です。
安野さんアリスが好きなんですね。イタリア編でもアリスが登場していました。
日本語でアリスを
3)つりをする男の人がいます足下にある丸い物は何でしょうか?魚籠にしては雰囲気が違うようですが?これもアリス関連??
5)子羊を担いだ男がここまでやってきています。羊の群に連れ戻したということでしょう。
6)羊の群の配置は、前のシーンの羊の一部と重なります。10匹目の位置には前シーンでは木が描かれていましたが・・・
7)白鳥が3羽います。後の小屋は白鳥のための物でしょう。2羽に対して左の一羽が挨拶しているようにも見えます。
白鳥といえば、2巻でみにくいアヒルの子が、まだ白鳥になっていませんでした。ページの位置といい・・・ここで他の白鳥と出逢ったという物語はどうでしょう。
9)羊のそばで大きく手を広げて話している二人は、前のシーンでも話していました。
10)羊の毛を刈っています。ミレーの「羊の毛を刈る女」と似ているようにも思います。
11)その隣では早速糸を紡いでいます。羊の放牧から刈り取って糸までの仕事が並んでいることになります。これも、何かの絵が有りそうな雰囲気です。
12)屋根の上にニワトリが乗っかっています。ニワトリの左にあるのは風見鶏からニワトリをとった物のように見えます。風見鶏のニワトリが逃げ出したんですね。
13)板塀があります。途中一カ所とぎれていますが、出入り口?
14)まんじゅうのような物を売っているおばあさんがいます。何か曰くありげですが・・不明です。
15)おばあさんの前に黒い山高帽をかぶり、黒っぽい服を着てエプロンの女性が3人います。一般にウェールズ人女性の民族衣装とされている衣装です。
でも、この民族衣装はちょっと訳ありのようです。
16)白に黒のぶちの犬がいます。ダルメシアンです。101匹ワンちゃんの主役でした。
17)石橋があります。ちゃんとアーチ構造になっています。
このような橋のことを「荷馬橋」(packhorse bridge)と言うのだそうです。
18)小川で遊ぶ子ども達がいます。大きな網や棒麦わら帽子をかぶって夏を満喫の腕白達の雰囲気です。
トム・ソーヤやハックルベリー・フィン?。
20)豚を乗りこなしている少年がいます。片手を揚げて、まるでロデオです。
これも、トムソーヤのようです。ただし『トムソーヤの冒険』には出てきません。アニメのトムソーヤの冒険では、第1話「トムとハックとブタ騒動 」となっています。多分、関連のお話(たとえば『ハックルベリー・フィンの冒険』)の中にあるのだろうと思います。どなたか、ご存じの方ありませんか?
21)川の中に立っている少女がいます。前のシーンではリンゴの木の下で木の上の少年と話していました。
21)川のそばにも犬がいます。胴が長いようです。ダックスフンドでしょうか。
22)ニワトリを抱いた少年が大男に追いかけられています。「ジャックと豆の木」のジャックが金の卵を産むニワトリを大男の家から盗み出しているシーンです。
物語としては、元々無くなった父の財産ということになっていますが、この大男は深層心理としては父親を表しているのではないかと思います。少年はいつか父親を乗り越えなければならないのですから。
23)ストーンヘンジの近くで子どもたちがミニチュアのストーンヘンジをつくっています。ミニチュアとはいえ、子どもには重すぎる石だと思いますが、がんばっています。
24)ストーンヘンジを眺めている老夫婦がいます。今ではこんなに近く遺跡に近づくことはできないらしいです。
シーン5農場(P9〜10)
0)旅人は・・・ウエールズ地方と思われる、色々な動物を飼っている農場のある場所にやってきました。
1)左下 ニワトリがいます。これは前のシーンで屋根の上にいましたが。雌鳥に惹かれて降りて来たのですかね
4)ローラーをつけた車があります。どんな農作業に使うものなんでしょうか?
5)石垣の所に、ゴルフスティックのようなものが立てかけられています。何かの農作業に使うものだと思いますが、不明です。隣のローラー付きの車との関連があるのではないかと思いますが。
6)木の柵に寄りかかって話している二人がいます。夫婦かな。この二人、前のシーンとその前のシーンから話し続けている二人と重なるように思います。立って話すのにのには疲れて、寄りかかって話を続けてい入るのでしょう。(少し服装が違うのですけど・・・)
7)柵の中ではアヒル6羽とガチョウ3羽がいて、女の人が餌をやっています。
8)ポールが立っていて、ユニオンフラッグが掲げられています。
9)隣の区画には井戸があります。この井戸はバケツを巻き上げるようになっているようです。
10)鳥小屋のようなものが壁に据え付けてあって、女性が鳥を手にのせています。伝書鳩でしょうか?
11)butter churn (churner) 〔バター撹拌製造機〕でバターを作っています。
(絵はミレーの作品です)
13)石垣に手押し車が立てかけられています。何かいます???ハリネズミかな?右下に描かれたハリネズミの仲間??
15)1輪の手押し車を押す女の子がいます。
18)墓地があって、お墓参りをしている人がいます。中心の交差部分に円環がある形の十字架です。これはCeltic Crossケルティッククロス(ケルト十字架)と呼ばれています。
19)木のそばに懐中時計を持ったウサギがいます。
「不思議の国のアリス」ですね。
「大変だ。遅刻しちゃう!」夏の昼下がり、アリスの目の前を、懐中時計を片手に赤いチョッキを着た奇妙な白ウサギが走り去っていきました。
近くに穴は無いようですが・・・・
21)乳牛のそばに犬がいます。
牛の群れをコントロールすることに適しているというオーストラリアン・シェパードではないでしょうか。
22)手押しポンプがあります。
安野さんは手押しポンプに興味があるのか、第5巻のデンマーク編ではあちこちに出てきます。
23)藁をフォークや熊手でかき集めている男性が二人います。
25)藁を山積みにした荷車のそばにいる人がいます。
26)く、まのプーさんがウサギと一緒にいます。
『くまのプーさん』は、1926年にイギリスの作家、A・A・ミルンが息子(むすこ)のクリストファー・ロビンと子供部屋のぬいぐるみたちをモデルにして作った物語です。

27)右下、ハリネズミがいます。
不思議の国のアリスで・・・首切りマニアの女王が主催するクローケー大会。フラミンゴがハンマー(正確には「マレット」という),ハリネズミがボール,トランプの兵士たちがゲートとなっていました。それにちなむのでしょうか?
左のイラストは『不思議の国のアリス』のもとになった『地下(地底)の国のアリス Alice's Adventures under Ground 』にある挿絵です。ここの鳥はフラミンゴでなく、ダチョウということなのですが・・・ダチョウにも見えませんが。右のイラストは『不思議の国のアリス』からです。こちらには、フラミンゴを抱いていて、足下には丸まってボール状になったハリネズミもいます。
シーン6メイポール(P11〜12)

0)旅人は・・・メイポールを囲んで踊っている人たちの所にやってきました。季節は春5月ということでしょう。
1)草原にポールを立てて、色とりどりのリボンを編んでいます・・。
メイポールです。このポールの位置に、前のページではユニオンフラッグを掲げた柱がありました。
国旗のは赤と青がリボンになった!?
1.5)メイポールダンスを見ているポケットに手を突っ込んだ男の人と女の人がいます
2)ダンスを楽しむ人たちの左の木の所を鳥が飛んでいます。
前のシーンで女性の手に乗っていた鳥(伝書鳩?)だろうとおもいます。
3)上 木の所に傘を差して空を飛んでいる女性がいます。
「風にのってきたメアリーポピンズ」です。

4)木組みの家があります。シェイクスピアの生家です。
ロンドンから北西へ約180Kmにあるストラットフォード・アポン・エイボンにあります。
5)帽子をかぶりコートを着た男性の二人連れが歩いています。
中世の洋服姿の男の人はシェイクスピア本人かもしれません
6)少年が犬に引っ張られるように散歩しています。
by forest-doorさん
この犬は、テリア系の犬ですね。近いかな?と思われるケアーンテリア
7)わらぶき屋根の家がありますこれもストラットフォードにある、シェイクスピアの奥さんであるアン・ハザウェイの生家ですなかなか良い感じですね。
8)手押しポンプがあって女性が水を汲み、男性が両天秤で運んでいます。
9)十字路の中央に十字架(クロス)が建てられています。
10)手押し車があります。これは、前シーンで少女が押していました。
11)男の子とおばあさんが手遊びをしています。せっせっせ?かな
12)古風な格好をしたカップルとその女性に挨拶している男性がいます。
13)ピンクのドレスを着た女性とのカップルがいます。二人連れは、恋人みたいです。ひょっとして、シェイクスピアご夫妻ということはないのでしょうか?
14)輪転がしをしている子どもがいます
ブリューゲルの「子供の遊戯」の絵にもでてきます。
なにが描かれているのかの解説です
15)輪ころがしをしている子どもの向こう側の家は、ストラットフォードから数キロ離れたところにあるPalmer's Farmです。長い間シェイクスピアの母親メアリーアーデンが生まれた家とされていた家ですが、
近年の研究で、メアリーアーデンの生まれた家は別の家だったことが分かったそうです。2000年に発表されたそうですから、安野さんは母親の生家としてこの絵を描かれたのだと思います。
(本当のお母さんの生家は、「新メアリーアーデンの生家」となっているそうです)
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6)屋根の上に丸いボールのある家があります。
グリニッジ天文台 (Royal Greenwich Observatory) です。ロンドン郊外の街グリニッジにあります。ここをとおる子午線を経度0度とし、本初子午線としています。
右の写真は、グリニッジ天文台旧本館の窓です。窓の中央の線がグリニッジ子午線〔本初子午線)です。初代天文台長ジョン・フラムスチードがここで観測を行い、観測結果を元にグリニッジ子午線が決定されたことから、この場所が基準になっているのです。
17)天文台のところで話している二人がいます。位置からして、本初子午線を挟んで西半球と東半球での会話になります。
18)天文台の屋根の上には丸いボールがあります。これは、タイムボール(Time Ball)という。時を知らせる玉です。毎日の午後、この玉をいったん上に持ち上げてから、13時きっかりに落とすのだそうです。
時を知らせるのに音では、伝わるのに時間がかかって、正確に告げることができないからだそうで、過去170年間毎日知らせてきたということです。
20)原っぱでは子午線(無論目に見える形で線があるわけではありません)をまたいでいる人がいます。古風な服装をしていますが、現代の観光客もこのように子午線をまたいで東西両半球にまたがって立ってみるのが、ここの名物?だそうです。
21)子午線と地球儀の子午線を合わせている子どもたちがいます。そばにはこれも古風な服装をした男性がいます。
初代グリニッジ天文台台長であった、天文学者ジョン・フラムスティード(John Flamsteed)ではないかと思いますが・・
22)原っぱの右端・・穴が開いています。
前シーンでアリスのウサギが飛び込んだ穴がここに描かれていました。
23)林の中から巨大な柱が立っていて、てっぺんに王子の像があり、ツバメがやってきています。
19世紀のアイルランド人 ダブリン生まれの作家、オスカー・ワイルド(Oscar Fingal O'Flaherty Wills Wilde)の小説、『幸福の王子』(The Happy Prince)ですね。
24)旅人の手前には、藁の山があります。前のシーンの小屋へ持ってゆくのでしょうか。小屋から持ってきたのでしょうか?
25)藁の山の上で働く二人は、前のシーンでも同じ格好で働いていました。
26)馬車から藁を積み上げている(山から馬車に降ろしている?)男性は、前のシーンでは、杖をついていた男性?
絵本の人や馬そして干し草の山は、ブリューゲルの『干し草の収穫(The Hay Making) 』の中に描かれているものを参考にされたのではないかと思います。
28)くまのプーさんが心配そうにのぞき込んでいるロバはイーヨー (Eeyore) のようです。しっぽがなくなったのでしょう、クリスファー・ロビンに直してもらっています。
29)右下 男の子が女性に何か見せています。
どうも、ネズミの死骸のように見えます。この後、この女性は定番の「キャー!」となるのでしょうか?
なにかこんなシーンのある物語があるような気がしますが。・・・・トムソーヤの冒険??
シーン7ピーターラビット(p13〜14)
0)旅人は・・・小学校と工房のある農場にやってきました。ピーターラビットのモデルになった、湖水地方がモデルのようです。作者のビアトリクス・ポターは39歳の時ニア・ソーリーの村のはヒル・トップ農場を購入し住んでいました。


3)角材から2人がかりで板を切り出しています。このシーン葛飾北斎の富嶽三十六景の遠江山中に描かれた木挽きたちの姿を彷彿とさせます。
同じようなやり方で、板を作っていたんですね。
それにしても、この人たちこのまま切ってゆくと台を切ってしまいますけど・・この後の作業手順はどうなるのでしょう。?
7)扉の所には、テーブルのような物があって、上には平たい桶と細長い桶がのっています。何に使うのでしょうか?
12)タガを締めているおじいさんの仕事を見ている男の人がいます。この人、前のシーンではメイポールの踊りを見ていました。
14)家のうらで大きなカボチャを家にしている人と座り込んで話し込んでいる人がいます。これは・・・マザーグースの「ピーター ピーター かぼちゃがだいすき」からのようです。
Peter, Peter, pumpkin eater,
Had a wife and couldn't keep her;
He put her in a pumpkin shell
And there he kept her very well.
Peter, Peter, pumpkin eater,
Had another, and didn't love her;
Peter learned to read and spell
And then he loved her very well.
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ピーター ピーター かぼちゃだいすき
おくさんいたけど 養えない
おくさん かぼちゃのなかに入れ
そこでだいじに養った
ピーター ピーター かぼちゃがだいすき
再婚したけど すきになれない
ピーター よみかき ならったら
おくさんを すきになった
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15)キャベツ畑があって、世話をしている人がいます。畑の隅では、キャベツのような顔をした人がキャベツを抱えて逃げています。これは・・・マザーグースのこんな歌によると思われます。
ちっちゃな太っちょのゴブリンは
よく知られた悪い人
毎日キャベツを盗んで
朝ご飯と夕ご飯にしてしまった
16)左下 逃げるウサギを追いかけている女の子がいます。これは、ビアトリクス・ポターの絵本「ピーターラビット」のシリーズの、『ピーターラビットのおはなし』"The Tale of Peter Rabbit" (1902)のピーターラビットではないでしょうか。

17)木陰で昼寝をしている人たちがいます。小さな女の子は起きてお母さんやお父さんと話しています。逃げてるウサギと追いかける少女のことを話題にしているようです。
18)レンガの壁をネット代わりにして、テニスを楽しんでいる人がいます。姉と弟?でしょうか?
19)テニスをしているのを見ている女性の所に犬がいます。この犬は・・フレンチ・ブルドッグのようです。
でも、ピーターラビットの作者ビアトリクス・ポターの愛犬スポットかも知れません。そうすると、立っている女性はポターということになりますが・・。
右は、15歳のビアトリクス・ポター、愛犬スポットの写真です
20)旅人の手前は、どういう家なんでしょうか?手前の白い扉はガレージ風ですが、手前から進入しようにも道路が無いように思いますが・・・?
そして、壁に十字架が描かれています。これは何でしょう。モデルにした家がわかれば意味もわかるのでしょうが。
23)馬跳びをしている子どもがいます。ヨーロッパにもこの遊びがあるのかと思ったら、ブリューゲルの「子供の遊戯」の絵にもやっている子ども達がいました。
24)羽子板のようなものを持って遊んでいる子ども達がいます。
イギリス生まれのスポーツである、クリケットです。このスポーツは野球の元になったといわれています。詳しくはクリケット協会でどうぞ。
24)バドミントンをしている女の子達がいます。バドミントンはイギリス生まれのスポーツです。これもグリーナウェイの『BOOK OF GAMES』に有ります。
http://www.childrensbooksonline.org/Greenaway_Games/pages/19kgbgb.htm
25)ブランコをっしている二人は話しながら楽しんでいます。
ブリューゲルの『子どもの遊戯』にも、部屋の中でブランコを楽しんでいる子どもがいました。
ブランコもこれもグリーナウェイの『BOOK OF GAMES』に「SWINGS」と出てきます。
http://www.childrensbooksonline.org/Greenaway_Games/pages/36kgbgb.htm
26)木の上にツリーハウスがあります。

これは、くまのぷーさんのふくろうのフクロの家のようです。
30)校門の外には森が広がっていて、リスが2匹何か食べているようです。ドングリでしょうか?
これは、ビアトリクス・ポターの絵本「ピーターラビット」のシリーズ、『りすのナトキンのおはなし』" The Tale of Squirrel Nutkin" (1903) の挿絵からです。
31)卵を運んでいる3匹のリスがいます。『りすのナトキンのおはなし』の挿絵からです。
32)木の枝にフクロウとリスがいます。これも『りすのナトキンのおはなし』の挿絵からです。フクロウはブラウンじいさまのようです。
33)樹上に木の実を蓄えているリスがいます。
34)キツネとアヒルが話しています!!
「ピーターラビット」のシリーズの『あひるのジマイマのおはなし』"The Tale of Jemima Puddle-Duck" (1908) からです。

35)アヒルにニワトリとひよこがいます。これも『あひるのジマイマのおはなし』からですね。
36)女の人とエプロンをしたネズミが話をしています。
ネズミは、「ピーターラビット」のシリーズの『のねずみチュウチュウおくさんのおはなし』"The Tales of Mrs.Tittlemouse" (1910) からですね。
女の人は、作者のビアトリクス・ポターということでしょうか。
「『フロプシーのこどもたち』で脇役として登場し、小うさぎたちを助け出したのねずみが主人公です。」

37)p14の上 ヒル・トップ農場のたてものです。
この建物の左端が描かれています。右側は、桜の木にかくされています。
38)右上 家の後ろの庭でブランコをしようとしている子どもが二人います。
バーネット作の「秘密の花園」のシーンからではないだろうかとの説があります。
(※ただし秘密の花園にはブランコは出てこないのですが・・・2人の雰囲気ですかね。)
シーン8 挿絵作家の街(p15〜16)
0)旅人は・・・色々な作家の家のあるところにやってきました。


1)左上 ツタの絡まる家があります。ウィリアム・モリスの家、ケルムスコット・マナーです。
この地のケルムスコット・マナーを、芸術家のウィリアム・モリスと画家のロセッティが共同で借りていたのです。
3)庭に桜、壁にはツタの絡まる家があります。門先では持ち主と思われる人が話しています。
挿絵画家アーサー・ラッカムArthur Rackhamではないかと思われます。
4)テニスをしている人がいます。前の。シーンでは壁をネット代わりにテニスをしていた人たちです。
5)1階にも2階にもサンルーフがある建物があります。よほど日の光が好きな家主のようです。この建物は前のページにも出てきた絵本や挿絵の画家ケイト・グリーナウェイの家です。この家の方は、ロンドン郊外ハムステッドにある、うろこ状の壁の家です。
6)門の前で女の子二人から花束をもらっている女性はケイト・グリーナウェイ本人だと思います。子どもたちから花束をもらっています。
7)林の中に女の子たちが遊んでいます。これは・・・
右上の林で遊ぶ女の子たちは、ケイト・グリーナウェイが「BOOK OF GAMES」で描いた「PUSS IN THE CORNER(壁つきおにごっこ)をして遊ぶ子どもたち」の絵からです
http://www.childrensbooksonline.org/Greenaway_Games/pages/02kgbgb.htm
8)左下 畑を鍬で耕している男の人がいます。この人、前のシーンで木の下で寝ていた男性の一人ではないかと・・・?
12)シーツを干している女性がいます。
脇の犬は・・・ウェルシュ・コーギー・ペンブローク?
http://www.petoffice.co.jp/dog_corgi_ocn/zukan/
14)軒下に鳥かごがの様なものがぶら下がっています。そして女性の前の鳥かごにとりがいます。何をしているのでしょうか?小鳥を使った占い??
農場のシーンで鳥かごの前で女性の手にのっていた鳥がいました。そして、メイポールの脇を飛んでいた鳥がいました。あの鳥がここにやってきたのではないでしょうか。するとこの鳥は伝書鳩ということでしょうか。農場の女性とは姉妹?母娘??
16)白壁の家は本屋さんでしょうか?何かモデルがありそうな雰囲気です。
壁にはANNO1981とあります。毎巻おなじみになりましたが、安野と西暦をかねています。1981年はイギリス編の出版年です。
17) アイスクリーム屋さんにはHOKYE POKEYと書いてあります。興味深げにのぞき込んでいる女の子がいます。
ニュージーランドでは、ハチミツをクランチ状にしてアイスクリームに入れたものが名物でこれをHokey Pokeyというようです。
18)広場の中央には十字架の祠が建っています。
by forest-doorさん
1291年、旅先で没したエドワード一世妃エレノアをウェストミンスター寺院まで葬送する旅の間、休みを取った13箇所にそれぞれ供養の十字架を建てたという、そのクロスではないかと・・・。
19)先の曲がった杖を持った男性は、古風な羊飼い風の雰囲気ですが・・何かいわれがありそうです・・何でしょう?
足下の犬は、シェットランド・シープドッグでしょうか?。コリー犬の親戚です。少し小型ですが、牧羊犬ですから・・男性はやはり羊飼いのようです。
http://www.dogfan.jp/zukan/herding/shetland/index.html
羊飼いの持っている杖でボールを打って遊んだのがゴルフの始まりだそうです。
20)ピンクのドレスにピンクの帽子の女性が押しているのは対面式の乳母車のようです。
これも、参考にした絵があるのではないでしょうか。
22)ヤカンを買おうとしている女性を、見ているネッカチーフをした女性がいます。
24)帽子をかぶった男の人二人(安野さんの別の本でも見たように思います)と買い物籠を持った女性が右の方を見ているのは、カバンを持っているネッカチーフの女性でしょうか?彼女が話しかけているのかな??
25)絵が飾ってあります。旅人と同じようなところに配置されていて・・・だまし絵の一種です。
26)絵の下にある小屋は、鳥小屋でしょうか。屋根にとまっているのも小鳥のようです。これも伝書鳩??
シーン9家畜市場(p17〜18)
0)旅人は・・・色々な家畜が売られている(展示されている)ところにやってきました。
4)豚が子豚も含めて8匹います。誰も見ていないようですが・・・でも逃げ出した子豚が1匹いるようです。
5)逃げ出した子豚を追いかけている2人の子どもとびっくりしてこけそうな女の人がいます。何かモデルがありそうなシーンです。子どもの服装からすると・・・ケイト・グリーナウェイの作品の中にありそうですが、ご存じの方ございませんか??
6)手風琴を回している男の人がいます。でも聴いている人がいません。びっくっりしている女性は聴いていたのかな?
7)羊が7頭います。ここも人気で、7人の人が見ています。黒いコートを着て杖をついた髭のおじいさんが女性に話しかけています。コートのおじいさんは独特の雰囲気ですアメリカのアーミッシュの人に似ていますが??イギリスにはアーミッシュの人はいないと聞いているのですが?
8)棒(杖?)を持ってマントを羽織った男の人もいます。この人も、独特の雰囲気です。明治時代の書生風??山羊を見ていた女の子と同じような赤い帽子をかぶった女性がいます。
10)角が巻いた羊がいます。青いオーバーオールの男性が見ています。
11)アヒルが6羽とガチョウ?が6羽いて女性がえさをやっています。4つ前の農場のシーンにいた女性と鳥たちと重なります。8人の人が見ています。
12)手前に4人並んでいる人たちは皆コートを着たりマフラーを巻いたりしています。寒い季節なんでしょうか。イースター(復活祭)の行事が行われています。イースターの日付は「春分後の最初の満月から数えて最初の日曜日」ですから、3月か4月・・・・まだ肌寒いのでしょう。
15)親子の牛を引いている親子がいます。何か物語がありそうです。
16)この親子が気になるのか、女の人が4人見ています。手前の2人のうち左側のネッカチーフの女性は前のシーンの22)でヤカンを買う女性を見ていたネッカチーフの人と重なっている(少し位置が違うのですが)ようにも思います。
24)驢馬(ロバ、うさぎうま)が3頭います。帽子をかぶった・・・グリーナウェイ・ファッション風の女性と杖を持った男性が見ています。
驢馬(ろば)はルナールの「博物誌」によると、
”大人になった兎。 ”なんだそうです。大きな耳がウサギを連想させるのですね。目もやさしいし・・・・。
25)建物の壁には道具が掛けてあります。馬蹄も掛かっています。これが文字に見えるのですが・・・nnonp???
考え過ぎかも知れませんが・・・何かの隠しメッセージでしょうか?
29)エッグレースをしています。
これは、・・・・
by forest-doorさん
これはイースターに行われる伝統的なもの。スプーンで卵を支えながら競争をします。
イースターにはうさぎもシンボルとなっています。なので、うさぎはP.17ではなくP.18に描かれているんでしょうね。ついでにP.18にはろばもいるんですが、ルナールの「博物誌」によると
” 驢馬
大人になった兎。 ”
だそうです。なるほど、と納得してしまう簡潔さで、すきなフレーズです。
30)旅人の手前のテーブルはレース関係者の様です。記録係でしょうか。テーブル上の瓶は選手に渡すジュースでしょうか?前のシーンの23)の屋台と重なるように思います。
31)ゴール直前でレースを見ている帽子をかぶった二人は、前のシーンの24)の二人と重なります。
32)ゴールテープを持っている二人の内、向こう側の人は手を振って応援もしています。
トップの女の子の知り合いでしょうか
33)腕を振り上げて応援している人もいます。男の人はランニングシャツを着ているように見えます。他の人は寒い季節の格好をしているのですが。興奮していて熱くなっているのかな。
36)犬を連れてベンチに座ってレースを見ている人がいます。
犬は・・ウェストランド・ハイランド・ホワイト・テリア(通称ウエスティ)ではないかということです。
http://www.animal-planet.jp/dogguide/directory/dir14800.html
42)右下 3人の親子?が本を見ています。AとZの字が見えます。安野さんの『ABCの本』をイメージしている様です。
43)ウサギが6匹います。女の子が二人見ています。
これも、イースターつながりで、だからわざわざエッグレースの行われているこちらのページに描かれているのだとの推測もあります。
45)木組みの家があります。INNと看板が掛かっているのでホテルのようです。建物のモデルがあると思うのですが・・・不明です。
46)ホテルの向こう側の壁には、Sを細長くした模様が描かれています。これは何の模様なんでしょうか?モデルがあると思うのですが。
51)旗のところに義足と松葉杖姿で立ってる人がいますます。宝島のシルバー船長です。
53)レストランがあります。この建物もモデルがありそうです。
表でシェフが腰に手を当てて見ています。表のお客さんたちがビールを飲むだけで、料理を注文しないのが不満という解釈はどうでしょう?
55)ユニオンフラッグ状の丸テーブルを8人の男女が囲んでいます。一体何をしているのか不明です。右の男性のポーズからすると卓球にも見ますが、ラケットは持っていません。中央の針のようなものを回転させているのかな。何か、ルーレットのようなものなのでしょうか??
56)セミヌードで本を読みながら日光浴をしている女性?がいます。洗濯物の向こうからのぞき見をしている人がいます。そばの犬が気づいたようです。
犬は・・・ジャック・ラッセル・テリアではないかということです。
57)51)の船長の右側の家の壁には細長い十字が描かれています。これもモデルがありそうです。
59)丸いものを囲んで4人の人が遊んでいます。ビー玉??
イギリスの挿絵画家ケイト・グリーナウェイの「Book Of Games」の中にもMARBLESとして描かれています。
そばの犬は・スコティッシュ・テリアではないかということです。
60)後ろの木にブランコがあります。二つ前のシーンで同じ場所にブランコがありました。
62)右上 シャボン玉をしている女の人たちがいます。何かモデルがあるのかな?
シーン10カンタベリー大聖堂(p19〜20)

0)旅人は・・・イングランド南東部の街カンタベリーにやってきました。
街のシンボルであるカンタベリー大聖堂Canterbury Cathedralは、現在ではイギリス国教会の総本山に当たる教会ですが、元々はカソリックの教会として建築されました
1)左下 結婚式の様です(道路で式は挙げないでしょうから、厳密には結婚式の後と言うことでしょうか)新郎新婦はどんな人なんでしょうか。お坊さんの右にいる人がご両親でしょうか(花婿側かな?)花嫁の手前の女性がお母さん(花嫁側かな)でしょうか。後ろの少女は花嫁さんの妹さんと言ったところかな。
2)鞭を持って立っているのは、これもおなじみ御者ですね。と言うことで、馬の後ろには新婚旅行用の馬車が控えていることでしょう。
3)顔をずきんで覆った女性と、杖をついた女性が歩いています。何か曰くありげですが、不明です。
3)子馬の様な体型の犬が歩いています。犬の種類は・・グレイ・ハウンドではないかと
いうことです。エジプト産の犬です。
イギリス産の犬と言うことになると、ウィペットかなと思います。
4)男の人が籠に何か入れて売っています。何でしょうか。
前のシーンの6)で、この位置で手風琴を回していた男と重なります。
5)青のオーバーオールの男がだるま型の自転車(ペニー・ファージングPenny Farthing)を持って立っています。
これは初期の方の自転車です。前輪に直接ペダルがついています。ギヤ変速ができないので速く走るためには、前輪の径を大きくしなければなりません。従って、競技用はどんどん前輪が大きくなってしまうのですが、これは通常サイズです。
前のシーンの同じ位置で山羊を見ていた10)のオーバーオールの男と重なります、
7)2頭立てで2階建ての観光馬車があります。後ろの方に、上部へ上がってゆく階段がついています。二階建て車両のことを、英語では「ダブルデッカー(Double Decker)」といいます。
馬車には、「BAKER・ST.&WATERLOO」と書いてあります。
ベーカー通りと言えば、ロンドンで名探偵ホームズが事務所を構えている所ですが、ワーテルローは?フランスの地名でしょう??
二つの地名に関係はなさそうですが・・・?、ありました!
名探偵シャーロックホームズの作家コナン・ドイルが“勇将ジェラールの冒険”の中でこのワーテルローの戦いを題材にしているのだそうです。
下に書いてあるのは「LONDON’OMN・・・」ロンドン以下不明ですどなたかヒントをください。
8)木組みの家があります。看板には人物が描かれているようですが、モデルはどこなんでしょう。
13)男のが、罠を仕掛けて待っています。買い物籠の女性がターゲットでしょうか・・・子ども同士ならともかく、大人にいたずらしたら後が大変だぞぉー。
14)魚の看板が掛かっている建物があります。魚屋さん??あんまりその雰囲気がないのですが・・・あるいはキリスト教関係??
16)旅人の右側、教会の塔にのっかっているかの様に立っている青い服の人がいます。ちょっとだまし絵風です。
そして隣の赤い服の女性との二人は、前のシーンの14)の二人と重なるようです。
20)旗を先頭に立てて5人の人が歩いています。巡礼をしている人のようです。カンタベリー大聖堂は、イギリスで最も巡礼の多い教会の一つです。
21)馬に乗った中世風の一団がいます。カンタベリー物語の人たちです
by forest-doorさん
カンタベリー大聖堂の前の道をいくのは英国の偉大な詩人チョーサー(1342頃-1400)の代表作、「カンタベリー物語」の人々です。カンタベリー詣での途中、旅の道連れとなった様々な階層の巡礼者たちが着くまでの退屈しのぎに順番に語る物語を集めたものです。
25)店の前に黒い小さな犬がいます。オーストラリアン・テリア?
私は、スカイ・テリアではないかと思うのですが
27)女性の足下の茶色の犬はウェルシュ・テリアのようです。
29)茶色の犬のところに鳥(鳩)がいます。やはり教会の近くには鳩が多いのでしょうか。空を待っている鳩も4羽ほどいます。
30)赤い郵便ポストがあります。そういえば、郵便制度の発祥の国もイギリスでしたかね。ポストの前の女性は、手紙を投函しに来たのでしょうか?
31)ポストのところの建物に看板が掛かっていますが、何だか分かりません。
絵描きさんの後ろの壁には、何か像があるようです。多分マリア像なり、聖人像だと思うのですが。
33)スケッチブックの様なものを小脇に抱えて散歩している女性がいます。紐の先には犬がいるのだと思いますが、塔に隠れて見えません。あたかも塔と紐でつながっているようにも見えます。だまし絵ですね。
35)馬に乗った二人ずれがいます。後ろから来る人の手はフックになっている様です。どんな事情があるのでしょうか?左側のカンタベリー物語の人たちとの関係でしょうか?あるいはまた別の物語にモデルがあるのでしょうか??
シーン11タワーブリッジ(p21〜22)


0)旅人は・・・ロンドンのテムズ川のタワーブリッジのあたりにやってきました。
1)左下 コートを着て左手をポケットに入れて犬と散歩している男性がいます。犬はまたコリー犬のようです。安野さんコリーが好きなのか・・・イギリス編でもう3回目です。
3)箱形の馬車が通っています。小さな窓しか無いようです。一体どんな使用目的の馬車なんでしょうか。ひょっとして囚人の護送用??
4)左側の塔の下に男性とエプロンをした女性二人がいます。この3人何かの物語の人たちでしょうが??
5)女の人が4人それぞれにハンドバックを持って立っています。若草物語??
南北戦争時代の、マーチ家の四人姉妹メグ、ジョー、ベス、エイミーの成長のお話ですが。
7)騎馬警官が二人います。
8)ウェールズ風の服装の女性が3人います。この人たちは、シーン4ストーンヘンジの15にいました。
9)日傘を持った女性がいます。パラソルをさして風にのってくるメアリー・ポピンズだと思われます。シーン6のメイポールの木のところも飛んでいました。
11)旅人の下を船に乗った人たちがいます。これは、ヘンリー8世が王妃と離婚するため、英国国教会の長となろうとしていたことにを宗教上の良心から反対し続けたために、ロンドン塔に送られているトーマス・モアです。結局処刑されますが、このことを描いた「わが命つきるとも」という映画作品があります。
12)犬を連れて歩いている男性がいます。犬は・・・不明
この犬あたかも橋のワイヤーの上を歩いているように見えます。だまし絵です。
13)橋の下の河原をスカートをつまんだ女の人が走っています。これも・・・ケイト・グリーナウェイの作品にあるのではと思うのですが、見つかりません。
14)女の子たちが前の子のスカートの裾を持って電車ごっこの様なことをしています。これはケイト・グリーナウェイの「窓の下で」の中の絵からです。
http://bibbild.abo.fi/barnbok/S/GRS5.htm
そしてこの遊びは「子どもの遊戯」の中で「ねずみの尻尾ごっこ 」として紹介されている遊びです。
17)ドラム缶の向こうで変な顔をしている子どもがいます。
これも、ケイト・グリーナウェイの「Nursery Rhyme Classics」に出てくるようです。

18)ユニオンフラッグの翻る建物があります。ロンドン塔にあるホワイトタワーです。実際にタワーブリッジの近くのテムズ川北岸にあります。
19)塔の右手に斧や槍を持った兵士がいます。処刑人です。斧の脇のイスのようなものは、首を置く台です。ロンドン塔の地下室に展示してあります。
手前に女性がいます。女性でも容赦無く閉じこめられ、処刑されたのです。ヘンリー8世の2番目の王妃アン・ボレインではないかと思います。エリザベス1世を生んだものの、不倫の濡れぎぬを着せられて処刑されました。本人の希望で、斧でなく剣でくびを切られたとか・・・。。


20)ロンドン塔の屋根にカラスがいます。「カラスがいなくなるとロンドン塔が崩れ、ロンドン塔を失った英国が滅びる」という占いがあったそうです。
(ワタリガラスはアーサー王の化身という伝説もあって、その意味でも殺すと不吉なことが起こるとされていたのです。)
21)独特の制服の兵士の一隊がいます。これは、チューダー王朝時代の紺に赤の衣装をまとったロンドン塔の衛兵、ヨーマン・ウォーダーズ(別名ビーフィーター)です。由来については"ビーフ・イーター"(牛肉を食べる人)から来てるともいわれているが、定説はない。
22)シャルル・ペロー作の童話 「長靴をはいた猫」が槍を持って立っています。
23)猫の後の建物はロンドン塔の川と城内を結ぶ門で、トレイターズ・ゲートといいます。トレイターとは反逆者という意味で、国事犯・反逆者とされた数多くの者が、テムズ河を舟で送られこの間を通って投獄された。ここをくぐると生きて帰ることができない・・・。
24)トレイダーズ・ゲートの向こうの橋は,ロンドン橋です一部が壊れています。
マザーグースの「ロンドン橋落ちた」ですね。
London bridge is falling down, ロンドン橋落ちる
Falling down, falling down, 落ちた、落ちる
London bridge is falling down, ロンドン橋落ちる
My fair Lady. マイフェアレディ。
1014年、バイキングとの戦いの最中、敵の進路を断つために、この橋を落としました。歌はこのときのことを歌ったものとされています。ただ、このとき以外にも何度か崩れていて、たとえは1212年、川のパレードを見に押し掛けた群衆を乗せたまま、橋の両側で火事が起きた。木造の橋は焼け落ち、救助の船も転覆して3000人もの死傷者が出てしまったそうです。その後、石造の橋になったそうです。
25)橋の上では、踊っている人たちがいます。マザーグースの歌の古いバージョンは・・
London bridge is broken down, ロンドン橋が落ちた
Dance over my Lady Lee, 踊って越えよ、レイディ・リー
London bridge is broken down, ロンドン橋が落ちた
With a gay lady. 伊達なレディと、えんやらさ
ということで、橋の上で踊っていますね
ケイト・グリーナウェイの絵からでしょう

28)樽のような船に乗った人たちがいます。これもケイトの、「窓の下で」からです。
30)3つのランプのついた街灯があります。このデザインの街灯は、イタリア編でもありました。ところで、何かビンを持ったおじさんは何をしているのでしょう?
31)壁に卵形の看板が掛かっています。 これもマザーグースの「ハンプティ・ダンプティ」からです
Humpty Dumpty sat on a wall, ハンプティ・ダンプティが塀の上に座ってた
Humpty Dumpty had a great fall; ハンプティ・ダンプティが落っこちた
All the king's horses, 王様の馬も
And all the king's men 王様の家来も
Couldn't put Humpty together again. みんな集めてもハンプティ・ダンプティを元に戻せなかった
さて、ハンプティ・ダンプティって何??というクイズソングです。
答えは
↓
卵というわけです。

シーン12ビッグベン(p23〜24)
0)旅人は・・・英国ロンドンの中心部テムズ川河畔に存在するウェストミンスター宮殿(Palace of Westminster)にやってきました。
現在英国議会の議事堂として使用されています。併設されている時計塔は「ビッグ・ベンBig Ben」の愛称で呼ばれています。
1)大きなパレードが行われています。どうも祝賀パレードのようです。旅人も馬を下りて敬意を表しています。
2)スコットランドの正装であるキルト・スカート 【kilt skirt】をはいて、バグパイプを演奏しながら行進しています。スカートといえば女性の服装のように思いますが、もともとは男性のものだったわけです。もっとも現地では、スカートといわずキルトというそうです。イングランド王によって着用が禁止されていた時期もあったそうです。


4)最後は騎馬の近衛兵がやってきます。服装は扉の近衛騎兵と同じ服装です。
どうも、王室の祝賀のパレードが続くようです。
結婚式となれば、・・・イギリス皇太子チャールズと、ダイアナ・スペンサー世紀の結婚だと思うのですが、二人の結婚は1981年7月29日で、夏のことだったというのが難です。パレードを見守る人々の服装が完全に冬装束だと言うことです。何の祝賀でしょうか??女王の誕生日の祝賀なら4月(実際)か6月(公式)です。4月ならぎりぎりの季節かな??
5)左上の建物に字が書いてありますが、読みとれません。
カッコウかホトトギスの絵が描かれています。これがヒントだと思うのですが、モデルが不明です。
6)パレードの警備をしている警察官が、一定間隔をおいて立っています。かなり緊張しているようです。
14)女性の後方の建物についてる看板にはこびとの絵が描いてあるようですが、何の建物でしょうか。
イギリス編にホビットの冒険に関わるものがあるとの情報があります・・・・・
ひょっとして、このこびとのことかもしれません。ホビット族よりはドワーフの感じがしますが・・・。

15)通りに面した木組みの建物は、全体で一つの建物のようです。LIBERTYとあります。ロンドン・リージェントストリート通りにある百貨店のようです。
ところで、屋根の上に帆船の模型のようなものが乗っかっているようですが・・・?
これは何なんでしょうか???
17)車いすの右隣はお坊さんでしょうか?

29)男性の看板を掲げています。なんでしょう。壁には連合王国の国章飾られているようですが・・・・。リバティ百貨店の続きなんでしょうか。別の建物のように思いますが。
30)建物が終わると子あたりの見物人、スモックのようなものを着て頭にはバンダナのようなものを巻いています。足下に犬のがいるのですが・・・この犬を踏み台にしているようです。犬型のイスでしょうか。


35)木馬に乗っている女の子がいます。ケイト・グリーナウェイのマザーグースの絵からのようです。
ブリューゲルの「子供の遊戯」の絵にも「棒馬」として描かれています。
36)角笛を子ども達に聞かせている子がいます。これはロンドン・ケンジントン公園にあるピーター・パンの像からのようです。
ピーター・パンはもちろん架空のキャラクターですが、ロンドンのケンジントン公園で乳母車から落ちたところを乳母に見つけられず迷子となったことから年を取らなくなったのです。
40)松葉杖をついて、見物している人もいます。
41)シルクハットにコートの男性は、おなかが痛くなったのかかがみ込むようにしています。それを、隣の女性が気遣っています。
シーン13セント・ポール大聖堂(p25〜26)

0)旅人は・・・ロンドンにあるセント・ポール大聖堂にやってきました。
この寺院で1981年7月29日、イギリス皇太子チャールズ(32)と、ダイアナ・スペンサーが「世紀の結婚」式を挙げました。というわけで、前のページで行われていたパレードは二人の結婚祝賀のためだと思うのですが。夏というのがミスマッチですね。
1)左下、犬を連れた人がいます。この人は タワーブリッジでコリーをつれて歩いていました。今度は、トイ・マンチェスター・テリアに似ているとのことです。
3)神父さんと背の高い男の人が話しています。神父さん(牧師さん?)が抱えているのは何でしょう。設計図とか?何か物語がありそうですが、不明です。
6)大聖堂に梯子をかけている人は何をしているのでしょうか?窓磨きかな??
7)左 国旗柄のテントの下は果物でしょうか、二人の女性が見ています。
8)ビンのようなものが壁に描かれているお店は・・・化粧品を売っているのでしょうか?

10)本屋さんがあります。看板には何か書かれているようですが、判読不明です。ウインドウの中には、ABCの本があります。安野さんの「ABCの本」を思い出します。あるいは、・イギリスの挿絵画家ケイト・グリーナウェイの「Kate Greenaway's Alphabet」が飾られていると考える方が、イギリスらしいかな。
15)隣の店は王冠をかむった人の看板が掲げてありますが、誰の肖像なんでしょう。入り口の上にポットが描いてあるので、お店そのものは、喫茶店のようですね。女性の二人ずれが入ろうとしています。
18)警官と思われる人が立っていますが、他の警官と服装が違うようです。警察組織はどうなっているのでしょうか?
19)犬をつれた男性がいます。犬は、エアデール・テリアではないかということです。
3つ前のシーンの27)でほぼ同じ位置にいたウェルシュ・テリアと重なるようです。
私には、二つの犬種の違いがうまく識別できないのですが??
21)子どもが3人います。真ん中で足を投げ出して座っている子は、等身大の人形のようにも思えます。足下の空き缶は何のためでしょう?
23)2階建ての馬車が来ます。馬車に書かれている文字がはっきりしません。何か意味があるのだと思うのですが?
by forest-doorさん
マザーグースの本をみていたら、こんな詩をみつけました。
ピカデリーの 賑わいに オー!
御者が馬車止め 客を待つ
お客が きれいな乙女なら
御者は手を取り お乗せして
いつまでだって ムチを振り オー!
手綱さばきも あざやかに オー!
ブリストルめざして 突っ走る オー!
四頭立てに 乙女を乗せて
すっかり詩のままではないのですが、P.26の右上では二頭立ての馬車が乙女たちを乗せているところが描かれています。
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36)松葉杖をついたお客さんがいます。
前のシーンの40)でパレード見物をしていた人でしょうか?着ている服も似ているように思いますが。

37)広場の真ん中にあるのは、ロンドンのピカデリー・サーカスPiccadilly Circusにあるエロスの像(正式名称シャフツベリー・メモリアル・ファウンテン)です。
※ちなみに、サーカスというのは円形広場のことです。もともとは、ローマで競馬・闘牛などを行なった円形競技場の名からきたものだそうです。
38)教会の前にベールをつけた二人います。ムスリムの女性だと思いますが。パキスタンからの人でしょうか。
39)帽子をかぶった女性と手をつないで何か話している男性がいます。お別れでしょうか?名残惜しそうです。
41)オレンジのテントは花屋さんの屋台のようです。店主は、花束を作っているようです。
42)花屋さんを見ている、ダークスーツに黒の帽子、ステッキをついて新聞を小脇に抱えた男性がいます。安野さんは典型的なロンドン紳士として描iいたそうです。
46)赤い風船を持った男の子の前にいる、ズボンに手を突っ込んでいる男性はお父さんでしょうか。
49)鳩に囲まれた女の子がいます。
53)乳母車を引き上げているお母さんと、それを手伝って押している男の子がいます。
54)乳母車を引き上げているのを、男の人と女の人が見ています。なぜ、階段の上に引き上げているのか気になるのでしょう。
63)子どもが二人、乳母車を押しています。
シーン14トラファルガー広場(p27〜28)

0)旅人は・・・ネルソン提督の像が高くそびえるトラファルガー広場Trafalgar Squareにやってきました。
塔の台座はなんと46mの大理石の柱が用いられています。その上に、高さ5.5mのネルソン像があるのです。これは、1805年大陸を制していたナポレオン軍とのトラファルガーの海戦に圧勝したことを記念して作られたのです。この勝利で、ナポレオンのイギリス上陸を阻止できたのです。ナポレオンの凋落そのものはワーテルローの戦いまで待たなければなりませんが、イギリスにとっては特筆すべき勝利です。指揮官であったネルソン提督は、狙撃されて亡くなります。
ネルソン提督は、君主以外では初となる国葬としてセント・ポール大聖堂(前のページに描かれていました)に葬られた。
ところで、安野さんの絵は右手を後に回していますが、ネルソン像は右手を前に置いているようですね。なんだかナポレオン像に似ているように思うんですが(^_^;)
1)左下 猿をつれてバイオリンを弾いているおじいさんがいます。「家なし子」でしょうか。ただ、主役の子どもがいません。ちなみに、ヨーロッパには猿がいません。いわゆる先進国で、野生の猿が生息しているのは日本だけです。
7)塔の下で青い服を着た女性を抱え込んでいる男性がいます。何か物語がありそうです。
「婚約時代のチャールズ皇太子とダイアナ妃ではないか」との説もあります。だとすると、婚約前の姿がここにあって、前のシーンのセントポール大聖堂で挙式し、その前のシーンのビックベンの所で結婚パレードという段取りになります。

8)塔の台座あたりを虫眼鏡を持って調べている人がいます。スコットランドはエジンバラ生まれの小説家サー・アーサー・コナン・ドイルが19世紀から20世紀にかけて発表した推理小説の主人公、名探偵シャーロックホームズSherlock Holmesのようです。
9)となりで、よれよれのレインコートを着て安葉巻たばこを吸いながら頭をかいているのは・・アメリカの刑事コロンボでしょう「ウチのかみさんがね」なんて言ってるのかな。
12)花売り娘がいます。この花は、前のシーンの花屋さんの作っていた花束かな。それにしても、花売りにしては随分豪勢なドレスです。お客さんの方もびっくりしているようです。
花売りの娘は映画「マイ・フェア・レディ」のイライザでしょうか。
16)乳母車を二人で押している子どもがいます。前のシーンでは反対方向に押していました。
17)馬車があって台車に乗せたり手に提げたりして荷物を運んできています。黒いコートの人が御者でしょうか。お客さんはどこでしょう?第1巻や2巻では、新婚旅行用の馬車というパターンだったのですが。
20)建物の入り口からすぐに階段があるようです。この建物のモデルはどこにあるのでしょうか?
22)馬車の向こうでは、鞄を持った人が帽子をとって、女性と握手をしています。この人が乗客でしょうか?
23)車いすの女性が赤い風船をもらっています。この風船は、前のシーンでは男の子が持っていました。
24)メガホンで客の呼び込みをしています。模型のヨットには番号がついているようなので、このレースで賭をしているようです。イギリス人って何でも賭にしてしまうそうですが・・・。
ただ、この時点でかなりさがついてしまっているようなのに、今更賭が成立するのでしょうか?
25)ターバンを巻いた男の人が右手を差し出しています。前のシーンで女の人と別れを惜しんでいました。
27)自分の模型ヨットを持ってきている人が4人います。次のレースがあるのでしょうか。
28)グリーナウェイ・ファッションの女の子達が3人、旗を振ったり熱心に応援しています。とりわけ、オレンジのスカートの女性は興奮しすぎです。池の中に落ちなければいいのですが。
29)4番のヨットは、イングランド国旗とアイルランド国旗をあわせたようになっています。
30)このヨットレースは、1851年に開催された万国博覧会の記念行事として行われたワイト島一周レースのイメージかなと思います。
予想に反して、アメリカ号が並み居るイギリスの船に勝ったことから世界一のヨットレースであるアメリカズカップが生まれました。
32)旗を振っている子達の背後に旅人そっくりの人がいます。近くの女の子が旅人を指さしながら何か話しかけています。「あの人とそっくりだね」なんて言っているのですかね。
33)6匹の犬を散歩させている女性がいます。そのうちの1匹は胴が塔に隠れています。やたら胴が長いようです。安野さん得意のだまし絵です。その上、塔の反対側から出ている顔は犬というより猫です。
41)ギブスをして松葉杖をついている男性に、女性が付き添っています。ご夫婦でしょうか?
43)建物に看板が下がっていますが、何の印か不明です。
44)ネルソン提督像のまねをしている人がいます。
45)その手前の人も、似たようなカッコウをしています。はやりだったりして。
46)ビートルズThe Beatlesの4人が街頭で演奏しています。
53)人形劇をしています。演題は何でしょうか。
by forest-doorさん
人形劇で有名なのは「パンチとジュディ」。道化師パンチと妻ジュディが出てきます。マザー・グースにも「パンチとジュディ」の詩があります
54)観客は随分熱心に見ています・
観客の中には、グリーナウェイ・ファッションの女の子や、中世風の服装の人もいます。
55)新聞売りの人が、ターバンを巻いた二人に売り込もうとしています。でも、二人は話しに夢中のようです。
57)似顔絵が飾られています。左からヴィクトリア 女王、
イギリスでもっとも輝かしい時代をつくりあげた女王であり、その治世はヴィクトリア朝と呼ばれる




58)左から2番目は、ヘンリー8世、
(イングランド王で、カトリック信者であったが離婚問題がらみで、自らをイギリス国教会の長とするとともに、ローマ・カトリック教会から離脱した。)
59)左から3番目は、アン・ブーリン、
(ヘンリー8世の2番目の王妃、エリザベス1世の生母。)
60)左から4番目シェイクスピア、(イングランドの劇作家、詩人)



61)左から5番目バートランド・ラッセル、(哲学者・平和運動者でありノーベル文学賞もとっている科学者)
62)左から6番目アイザック・ニュートン、Isaac Newton. イングランドの自然哲学者
63)右側、チャーチル首相、イギリス戦時内閣の首相としてイギリス国民を指導し、第二次世界大戦を勝利に導いた。
64)郵便馬車が止って、ポストから郵便物を集めています。第1巻でも、同じような郵便屋さんが描かれていました。安野さんは便りを届ける、通信するということが好きなんだと思います。
切手を使った全国一律の郵便制度はイギリスから始まりました。この赤いポストもイギリスで生まれました。
65)鳩に囲まれた女の子がいます。前のシーンで同じ所にいました。
67)郵便馬車の向こうに黒いコートに帽子の音かはセーターを着たお爺さんと話しています。なんだか特別の雰囲気です。何かもとネタがありそうですが不明です?
68)右上 ロンドンのハイドバークHyde Park北東隅にあるスピーカーズ・コーナーSpeaker's' Cornerで木箱の上で演説している男の人がいます。
シーン15ウインザー城(p29〜30)

0)旅人は・・・ロンドン郊外にあるウインザー城にやってきました。この城は、11世紀にウイリアム征服王がこの地に要塞を築いたことの始まります。イギリス王室の居城にもなっていて、週末にはエリザベス女王が過ごすのだそうです。城のあちこちでは、シェイクスピア作品の物語が展開しています。
1)左 ブッシュの中を、木の枝を持ってカムフラージュした兵士たちが城に近づこうとしています。城では、剣を持った王が待ちかまえています。
シェイクスピアの『マクベス(Macbeth)』からです。
ストーリーは
http://www.geocities.jp/todok_tosen/shake/mac.html
2)鹿が8匹います。鹿たちは左の方を気にしているようですが・・・何があるのでしょうか?
3)左下 城の中に小熊と話している女の子がいます。
小熊は、イギリスの作家マイケル・ボンドの児童文学作品にでてくる、いつも傷んだ帽子をはなしたがらない『くまのパディントン(Paddington Bear)』のようです。
4)手前の城では天秤を持った人(金貸しシャイロック)が・・・裁判をしています。
これも、シェイクスピアの『ヴェニスの商人(The Merchant of Venice)』からですね。第2巻のイタリア編のヴェニスのシーンでもでてきました。 冷静に考えれば、シャイロックに対する判決はあんまりです。ちなみに、ハイネが観劇後、「シャイロックの悲劇」と呼んで涙を流した逸話が有るそうです。
ストーリーは
http://www.geocities.jp/todok_tosen/shake/mv.html
5)右下の塔の上では、「ハムレット」です。
殺された先王の亡霊から殺害の真相を聞くハムレット王子のシーンですね。
ハムレットといえば、「生きるか、死ぬか、それが疑問だ。(To be, or not to be-- that is the question)」が有名ですよね。
ストーリーは
http://www.geocities.jp/todok_tosen/shake/ham.html
6)城の庭では、馬上の決闘シーンです。
これも、シェイクスピアの『ペリクリーズ(Pericles)』 からはないかと思われます。
追っ手から逃れる途中、王の前で行われた槍の試合で、ペリクリーズはみごと優勝。王女セイザのこころを奪ってしまい、ついに結婚へ。しかし、この幸福も・・・という話ですが、この馬上試合のことを表しているのでは。シェイクスピアといえば悲劇の印象が強いですが、このお話はハッピーエンドで、「ロマンス劇」に分類されるようです。
ストーリーは
http://www.geocities.jp/todok_tosen/shake/per.html
7)右上 杖をついた老人が手を引かれています。
これも、シェイクスピアの 『リア王(King Lear)』からです。
3人の娘の愛試験をするという愚かなことを課した、老王リアは、すべてを奪われてしまい道化とともに荒野へ追われます。このシーンですね。
ストーリーは
http://www.geocities.jp/todok_tosen/shake/lr.html
8)庭を猟犬をつれた一行がゆきます。王侯貴族の趣味を表しているのでしょう。
猟犬の種類は・・・ウサギ狩りに使うビーグルのようです。
http://www.dogfan.jp/zukan/hound/beagle/
集団で猟に使うそうで、ここでも11匹の犬を引き連れています。
9)門の前に、女性が立っています。
ウインザー城の城主、エリザベス女王ではないでしょうか。エリザベス女王は犬好きだそうで、コーギーをかわいがっているとか。ということで、コーギーのようです。
http://www.dogfan.jp/zukan/herding/corgi/index.html
10)お城はただいま改築中です。といっても、工事をしている人たちも時代がかった服装をしていますし。使っている道具も、人力に頼る道具ですね。定滑車や動滑車など色々描かれています。
このシーンでは、シェイクスピアの4大悲劇の中で取り上げられなかったのは『オセロ』だけ、代わりにハッピーエンドの『ペリクリーズ(Pericles)』が入って、喜劇?の『ヴェニスの商人(The Merchant of Venice)』と都合5つの作品が詰め込まれていることになります。
ただ、どの物語もウインザー城が舞台ではないのですが、シェイクスピアの喜劇の中に唯一同時代のイギリスの地方都市を舞台にした『ウィンザーの陽気な女房たち(The Merry Wives of Windsor)』というのが有ります。これは、ウインザー城のあるウインザーの街が舞台です。安野さん、なかなかやります。
シーン16川辺にて(p31〜32)

0)旅人は・・・川辺にやってきました。たくさんの風景画や挿絵を見事に取りこんだシーンです。
1)左上 この風景は、19世紀のイギリスを代表する風景画家ジョン・コンスタブル(John Constable)の故郷サフォークを描いた「The Hay Wain(乾草車)」からです。左上の建物と川そして橋の向こうに描かれた荷車(乾草車)までこの絵からです。

02)建物の前に一人のお客さんを乗せて、川に竿を差している船があります。さらに川の反対側には釣り糸をたれている人がいます。これも、コンスタブルの「Mill stream(水車の流れ?)」からです。前の乾車の絵とほぼ同じアングルのからの絵です。
03)乾草車の手前には、草(葦のようです)を刈り取っています。これは何につかうのでしょう?
04)茅刈りの反対側の川辺では、洗濯船に乗っている女性に話しかけているヒキカエルがいます。これは、スコットランドの小説家ケネス・グレアム(Kenneth Grahame185年エディンバラ生まれ)の童話「たのしい川べ(The Wind in the Willows)」の挿絵からです。
挿絵を描いたのはE・H・シェパード(Earnest Howard Shepard『クマのプーさん』の挿絵も描いています)
洗濯船のバックに有るレンガ造りのアーチ状の橋もこの挿絵に含まれています。
5)川を挟んで小さな動物が向かい合っています。カワウソ(イタチ?)とネズミ(川ネズミ?)のようです。「たのしい川べ」では川の中から顔を出すカワウソと土手を挟んで向かい合っていたのを、川を挟んでに描き直されています
6)小屋を建てています。骨組みはできたようで、屋根の部分にかかっている人、屋根の作業を見ている人、鋸で木を切っている人、鍬のようなもの(かんなの一種だろうと思います)できを削っている人、瓦?を運んでいる人・・・それぞれにがんばっています。屋根材はなんでしょう。・・・瓦それとも?

7)小さな家のドアのあたりに団らんを楽しんでいる11人の人たちと薪を運んでいる人が描かれています。これは、トマス・ゲインズバラ(Thomas Gainsborough, 1727年、ロンドン北東のサフォーク地方生まれ)の「The Cottage Door」からです。
ゲインズバラは肖像画家として有名なようですが、むしろ風景画に情熱を燃やしていたようです。そして、その風景画は、コンスタブルに影響を与えたといわれているそうです。
8)農作業が行われています。安野さんはこのように、仕事の流れを連続的に描くのがお好みのようです。
まずは、麦を特殊な棒でたたいて脱穀しています。
日本では、「棒打ち」といいます。使われている道具の名称は「唐竿(からざお)」です。クルリ棒とも呼ばれます。長い竿の頭に、回転する棒を数本取り付けたもの。竿を持ち、回転部を振り回す要領で収穫物を打って脱穀する。 
9)脱穀した籾は、風力を使ってゴミや小石を取り除きます。把手を回している人がいます。中の風車を動かして風を起こしているのです。道具の上の漏斗状のところかは脱穀した麦を入れいています。風力で軽い穂のゴミは吹き飛ばされています。道具の下からは選別された籾がでてくるのを女性が受け止めています。共同作業ですね。
使っている道具は、日本では「唐箕(とうみ)」といわれています。江戸時代に中国から伝わって使われるようになりました。左の絵は江戸時代のものです。安野さんの絵はこれに近いですね。現在では、動力で動くようになっています。
10)袋に詰めて、馬車に乗せます。どこへ持ってゆくのでしょう?
11)旅人の進む方向には、二頭の馬を引いている女性がいます。この馬は何をする馬なんでしょう。
12)建物の前に、鞄を持った女性が立っています。何を待っているのでしょう。それとも、後ろの家は何か特別の意味のある家でしょうか・・・現在のところ不明??
13)馬車のところで、モグラが馬にエサ(水?)を与えています。そしてその手前には、ヒキガエルがふんぞり返ってたばこをふかしています。食事の準備はネズミがかいがいしくしてます。
これも、『たのしい川べ』の挿絵からです。
ちなみに、たのしい川べは『ヒキガエルの冒険』とも訳されています。物語の中のヒキガエルは金持ちのボンボわがままで好奇心旺盛。でも、なんだか憎めないキャラクター。
この物語は、作者が息子のアラステアのために執筆したのですが、このヒキガエルの性格は息子の性格に似せてあるのだとか。
ヒキガエルのわがままぶりを、親子で楽しんだというのですから、「憎めない」はずです。
シーン17運河(湖水地方)(p33〜34)
0)旅人は・・・小さな運河のあるところへやってきました。運河と言えば、スエズ運河とかパナマ運河が思い出され・・・。そのミニチア版が描かれているのかと思ったのですが。実は、イギリスには産業革命時代に、主に石炭を運ぶために運河網が張り巡らされたのです。ただし、大きな運河を建設するには多大な経費がかかります。そこで、小さな運河を造ることになります。そして、高い橋を造らなくてもいいように背を低くし、狭い運河を航行できるように幅は狭く縦に長いボートが作られました。「ナローボート」といいます。
ところが、鉄道や道路の発達に伴って、いったん運河は衰退します。その後、観光用に復活して現在でも運河網をナローボートが運航されています。
ナローボートについては
http://www.captainpook.com/
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Forest/2940/
1)左上 ロバが麦を運んできています。これは、前のシーンで脱穀していたものでしょう。風車を使って今度は製粉です。
ただ、前のシーンでは馬に乗せていましたけれど。
2)運んできたのはチョッキに髭のおじいさんでしょうか?そして、相手が風車の持ち主かな。
ところで、風車の階段のところに付いている風車は何のために付いているのでしょうか?
6)バスケットに何か入れて話しかけている女性がいます。
9)隣の家では、窓から顔を出している女性に、下から歌いかけて?いる男性がいます。昼間ではありますが、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』からでしょう。
10)前のシーンで建築中であった小屋の屋根までが完成しています。茅葺きのようです。川辺で刈っていたのはココに使うためだったようです。
屋根の上では、ひと仕事終わってのんびりしています。
11)運河の脇にテールのある赤いコートを着て、シルクハットをかぶり、片めがねをつけヘシアン・ブーツを履き、ステッキを持った人がいます。スコッチウイスキーのジョニーウォーカーのラベルから抜け出てきたようです。
ジョニー・ウォーカーについて
13)犬を連れた人がいます。この犬は・・・ブリアードという説もありますが、やはりイギリス原産種だと思うのでボーダー・コリーかな?
14)閘門(ロック)が閉じられています。イギリスの運河のロックは手動で開け閉めするようです。ボートに乗ってきた人が自分たちでやるようです。ちなみに船の向きからして、ロックを閉めて、水を入れているのでしょう。水位が上がって前方の湖と同じ水位になったら、前方のロックをあけて湖の中に入ってゆくことになるのでしょう。
運河とロックについて
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Forest/2940/canal.html

18)白いワンピースの女性が3人、クロッケーCroquetを楽しんでいます。クロッケーは18世紀後半(1853年)にイギリスで流行して広まったようです。第2回オリンピック(パリ)では公開競技になったようです。ちなみに19世紀当時はこんな服装で楽しんでいたようです。アリスもクロッケーをしていましたね。
ちなみに、日本のゲートボールは、このクロッケーにヒントを得て考案された遊びです。
日本クロッケー協会
http://www.croquet.jp/
19)ロックの右側に、犬をつれた女性がいます。つれている犬は、エアデール・テリアのようです。水に強い犬でカワウソ猟に使われていたそうですから、水辺にかかれているのはそれらしいですね。
20)湖には、ヨットが3艘あります。そのうちの一艘は、1981年とこの本が出版された年が書き込まれています。また、帆をユニオンジャックにしている船もあります。ちなみに、ヨットといえば、イギリスの児童文学にアーサー・ランサムArthur Ransomeの『ツバメ号とアマゾン号』があります。
とすると、ここはイギリス北部にある湖水地方ということでしょう
21)旅人の向こうでは、ティーパーティが行われています。
by forest-doorさん
上流階級の方たちのお茶会が行われています。社交の場となっているアフタヌーン・ティーですね。19世紀中頃、イギリスの7代目ベッドフォード公爵夫人アンナ・マリアが、夕食まで空腹に耐えかねて、紅茶と軽食をとったことがアフタヌーン・ティーのはじまりとされています。もともと、応接間あるいは庭先で行われていました。
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25)テーブルの右側で2組の男女が話しています。その脇に、自転車が立てかけてあります。チェーンもペタルもない自転車です。自転車の元祖とされているもので、1817年にドイツの発明家カール・フォン・ドライス男爵が発明しました。ドライジーネ(Draisine)と言います。ペタルが無いので、地面を蹴って走ります。自立できないはずの、2輪という発想がすごいなあと思います。もっとも、ガリレオ・ガリレイも2輪の自転車を考えていたようです。さすが天才です。
シーン18ネス湖(p35〜36)
0)旅人は・・・スコットランドのネス湖にやってきました。ネス湖には「ネス湖の怪獣 (Loch Ness Monster、ロック・ネス・モンスター) 」と呼ばれる、未確認生物がいるとされていて、ネッシーとよばれています。
恐竜時代からの生き残りがいるのだというのですが、この地方が1万年前まで氷河におおわれていた事を考えると無理が有りすぎると言えます。
ちなみに、1934年4月。ロンドンの外科医によって撮影された有名な写真は、エイプリルフール(4月バカ)のつもりで発表したら世界的ニュースになり後に引けなくなったとの関係者が告白しています。
1)釣りに来ていた子ども達がネッシーの影に驚いて逃げ出しています。でも、一人は逃げずに指さしながら見ていますね。やっぱりせっかくのチャンスですからしっかり見なければね。
2)林の中でバスケットを持ってキノコ取りをしている二人ずれがあります。女性の方は、前のシーンで風車の横の宴会の近くにもいました。
4)牧場には乳牛が2頭いて、女性が乳搾りをしています。このホルスタインの白黒模様。左側の牛には、イギリスとアイルランドを表しています(ヨーロッパ大陸も?)。右の牛には、日本列島があらわれています(中国付近も?)
5)犬を連れた少年が乳搾りを興味深げに見ています。犬は・・・・ウィペットではないかと
7)ジョニーウォーカーが歩いています。近くの馬車の樽は、ウイスキーの樽ということなんでしょうね。
8)メモをとっている老人の前の青いスーツの男性は、ジョニーウオーカーに手を挙げているようです。ジョニーウオーカーもメガネにてを当てながら、挨拶しているようにも見えます。
10)樽を使ってシーソーにしている子たちがいます。ブリューゲルの『子供の遊戯』では樽だけでシーソーをしてました。
ケイト・グリーナウェイの「BOOK OF GAMES」にもシーソーの絵がありました。
左側の大きな子と、右側の二人を合わせたより重そうです。
11)煙突掃除をお願いするのに、女性の人はビン洗いのようなものを持って、これでもできるといっているように見えます。そんな短いものじゃ煙突掃除は無理。というか、そもそも距離のだまし絵で、その位置には煙突は有りません。
13)馬車の先には鉄砲を持った人が待ち伏せしています。これは、何かもとになる話がありそうですが、不明です。
15)右端の林の中にロバ頭の人が座り込んでいます。これは、シェイクスピアの喜劇『夏の夜の夢A Midsummer Night's Dream)』で、パックによってロバの頭に変えられた職人ボトムです。
16)右端の真ん中あたりに、ハリネズミが一匹顔を出しています。
17)右下 ニワトリをくわえたキツネがいます。これは絵本「チャンティクリアときつね」からです。

シーン19ハイランドゲーム(p37〜38)
0)旅人は・・・ハイランドゲームの行われている所にやってきました。
1)弓を射ている人がいます。ロビンフットであろうと思います。弓の名手で、ノッティンガムのシャーウッドの森に住むアウトロー集団の首領とされる。吟遊詩人により一編の物語として編集されて、有名になります。それなりに、いくつかの実在人物がモデルになっているようですが、歴史上の特定の人物ではないようです。
2)ロビンフットの射た矢は、本の反対側随分遠くの的のど真ん中に当たっています。近くのキツネがビックリしています。
3)取り巻いている仲間が4人。一人は弓を持ち、一人は杖を持ち、一人は腰に手をしています。
そしてもう一人は・・・何か背中に背負っていますが、弦楽器でしょうか。あるいは盾とかでしょうか?
4)林の中にオオカミの親子がいます。これも、矢を様子を見ているのでしょうか。
5)オオカミの右側の林の中に、何か動物が伏せています。何でしょう。イタチという説もありますが・・・大きすぎる気もします。ロビンフットの様子を見ている動物たちの一つくらいで良いのかな。
6)キルトスカートをはいた人たち(男の人たちです)が、ハイランドゲームを楽しんでいます。
ハイランドゲームは、スコットランド北部(ハイランド地方)でおこなわれてきたいわば「野外運動会」。14世紀、村の力自慢が楽しさと仲間意識を強めるために、定期的に集まって強さを競い合ったことに由来するそうです。
大きく分けると5種類有るそうです。1.重量戦(Heavy Events)、2.綱引き(Tug of War)、3.バグパイプ(Piping)、4.ハイランドダンス(Highland Dancing)、5.徒競走やマラソンです。
重量戦は、とにかく力自慢です。具体的には、ブレマーストーン投げ(助走なしで石を投げます)、ハンマー投げ(重さは約7.26キロまたは約9.9キロのハンマーを投げます)、鉄魂の距離投げ(長さ47.5cmで重さ12.7kg、19kgまたは25.4kgの鉄塊を片手で投げます)、鉄魂の高さ投げ(重さは19kgと25.4kgのとってのついた鉄塊を片手で高く投げます)そして、ここに描かれているケイバー投げ(Caber Tossing)です。長くて重い丸太を抱え上げて投げ飛ばそうというとんでもない競技です。・・・ぎっくり腰になりそうです。(元々は川に丸太橋を架けるのにやっていたことを競技にしたものですから、距離ではなく方向や回転を競うのだそうです。)

7)お城の塔が見えます。どこの城かはっきりしませんが、各地で行われるハイランドゲームのうち、王室が観戦に来るというので有名になったブレーマー村、そのときの滞在する城が、バルモラルBalmoral城 なので・・・その一部を描いてあるのかもしれません。(塔の先だけ描けばこうなるのかなと?)
8)牛に山羊にくつろぐ人たちが描かれています。ひっくるめて、18世紀のイギリスの画家トマス・ゲインズバラ(Thomas Gainsboroughの「The Watering Place(水場にて)」からです。
安野さんは、林の様子も本の絵からしっかり取り込んでますね。
ゲインズバラは、故郷サフォークの風景や自然をこよなく愛していて、彼が真に描きたかったのは風景であり、「肖像画は金のために、風景画は楽しみのために描く」と言っていたそうです。穏やかな時間の流れを感じます。
9)林の中をよく見ると・・くつろいで話している二人の上方に・・・クマが2匹が隠れるように描かれています。これも隠し絵でしょうか。
右側のクマは「くまのプーさん」でしょう。そして、左側のクマは、「せきたんやのくまさん」にでてくるクマさんのようです。
旅の絵本3表へ
シーン20漁村(p37〜38)
0)旅人は・・・漁村にやってきました。どこにある漁村でしょうか?前後の関係からスコットランドのどこか・・・岩の様子から、スコットランド東北部にあるストンヘヴンstonehavenあたりでは無いかと思うのですが??
1)おじさんがアヒルに豚に犬に鳥を引き連れて歩いています。ドリトル先生です。
2)石垣を積んでいるおじさんがいます。脇にはセメントをこねる桶も置いてあります。ドリトル先生と何か関係があるのでしょうか?
5)猫を抱いた白いドレスの女の子が男の子と話しています。何をはなしているのでしょう。勝手な想像ですが、猫の調子が悪いのだけど、よくわからなくて相談している。そこへドリトル先生が現れて・・・という展開はどうでしょうか。あるいは、別の話があるのでしょうか。
6)お花畑に水をやっている女性がいます。脇にある椅子は、丹誠込めた畑の観賞用でしょうか。
イギリス編では、イギリスに起源のあるスポーツや趣味がたくさん紹介されました。ペットを大切にするイギリスらしくたくさんの犬種、バードウオッチング、そしてガーデニングもイギリス生まれでした。
人が関わって豊かになる自然もある。庭もそうだと思います。安野さんは「イギリスの村(AA BOOK OF BRITISH VILLAGES)」(Drive Publicationsから1980年出版)を見て、この本に導かれるように村々を巡ったといいます。「村の人たちは高い誇りを持っていた。村が市になることを『発展』とは思っていなかった。緑の国土をいとおしみ、せいいっぱい村をきれいにして住んでいた。イギリスは世界で一番村の美しい国だと思った」とあります。ここに描かれた女性も、そんな美しい村を作っている人の1人なんだと思います。
7)クマがミツバチの巣をつついて、怒ったミツバチに子ども達やウサギが逃げ出しています。くまのプーさんでしょうか。前のシーンでは9)で林の中に隠し絵のように描かれていて、「せきたんやのくまさん」と話していました。ドリトル先生ここにも現れるのかな、ハチにこの子達は違うよと解決しちゃうという設定かな。
12)家の向こうにたくさんの丸太が積んでありますが何につかうのでしょう?ひょっとしてハイランドゲーム用??
13)石垣の船着き場の小屋の近くには網が干してあり、樽とロープがおいてあります。ロープの隣にある籠のようなものは何でしょう?
15)砂浜で4人の男が網で漁をしています。少し不自然です。何か元になる絵があるのでしょうか?不明ですが・・・。これも、イタリア編の最後にも漁師がでてきましたが・・。これも、聖書物語として表されたのかもしれません。むしろ、この絵の方がキリスト最初の弟子に出会ったときとか復活の後ととかのシーンに近いのかなと思います。イタリア編と違って、そんなにキリスト教にこだわっていないと言えますが、イギリス編も「迷える子羊」の話で始まっているのですから、そう考えてもいいのかな。妄想かもしれませんが。
16)この海岸岩が多いですね、そしてこの砂浜。なんだかわざとらしくて、何かの隠し絵かと思いましたが、ストンヘヴstonehavenンの近くの海岸に写真のようなところがあるのです。そして、このような海岸の向こうに、次のシーンのような場所があるのです。
旅の絵本3表へ

シーン21廃城(p41〜42)
0)旅人は・・・廃城にやってきました。ストーンヘヴンから南2マイルにある海に突き出た岩山に建っているダンノッター城Dunnottar Castleであろうと思います。 9世紀に最初の建設が始まり、幾多の歴史を経た後、放置された期間が長かったようです。
http://www.marie-stuart.co.uk/Castles/Dunnottar.htm
この城跡では、キム・ギブソンが主演した「ハムレット」の映画が撮られました。安野さんもそのことを知ってここを選ばれたのかと思ったのですが、この映画が発表されたのが1990年、安野さんがイギリス編を出版したのが1981年ですから・・・その可能性はなさそうです。
1)廃城に旅の友であった馬は、子どもに託したようです。
2)旅人はまた、新たな旅に出ています。次の目的地は・・・アメリカです。
イギリスからの移民によって築かれた新興国アメリカへ大西洋を越えてゆくことになります。
by forest-doorさん
寂寥とした風景のなか、旅人は去っていきます。2巻では馬だけが見送っていましたが、今回は少年も一緒に見送ってくれています。
少年はどんどん遠くに離れ小さくなっていく旅人を見つめて何を思うんでしょう?
まだ見ぬはるかな世界が海の向こうに広がっていて、いつか、きっとぼくも遠くに旅していくんだ…なんて思っているのかもしれませんね。
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裏扉・あとがき
0)旅人は・・・婚礼の祝賀パレードを見守っています。扉の近衛兵はパレードの守護だったわけです。この雰囲気は、やはりチャールズ王子とダイアナ妃の結婚パレードですね。
1981年7月29日のことですから、まさにこの年にイギリス編は発行されています。間違いないでしょう。こんなに晴れやかなパレードの先に、悲劇が待っていようとは・・・人生はわかりません。
2)隣にはなんと、旅人と女性が手をつないで旗を振っています。えっ!彼女?
旅の恋ですかね。旅人は、この後も1人で旅を続けているようですが・・・。いいのかな。手紙は出しているのかな?
安野さん、このページカップルにこだわったようです。
あとがき
by forest-doorさん
あとがきで安野さんはこんな風に書いてらっしゃいます。
ロンドンで「イギリスの村」という本を見つけた。… 普通の地図とちがって
村の名が目立ち、大きい都会は目じるし程度に記されているだけであった。…
私はこの本に誘われるようにして、村から村へ旅をした。…
村人たちは高い誇りを持っていた。村が市になることを「発展」とは思っていなかった。
緑の国土をいとおしみ、せいいいっぱい村をきれいにして住んでいた。
イギリスは世界で一番村の美しい国だと思った。
3巻では、旅人は都会であるロンドンももちろん訪れてはいますが、ほとんどが緑あふれる小さな村を旅していきます。
この絵本が描かれたのは1981年で、もう四半世紀近くも歳月は流れました。
でも、イギリスはナショナルトラスト運動もあってまだまだ緑は残っているようです。この絵本をみていたら、そんなイギリスを確かめに行きたくなりますね。
安野さんは朝日新聞社より、「イギリスの村」という画文集を出されています。ロンドンで見つけたという本と一緒のタイトルをつけられたんですね。
この本を見るとこの「旅の絵本 3巻」で描かれたところを訪れた際のことなどを書かれています。どうぞ、興味のある方はぜひ…
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