旅の絵本5表へ 前のシーンへ
シーン5牛追い祭り(p9〜10)
0)旅人は 「牛追い祭り」をしている所にやってきました。この祭りは闘牛場の有るところで、それぞれの規模で行われているそうですからどこでしょう。表紙にもえがかれていましたが、トレドにも闘牛場が有るのでやっているのかも知れません。
スペイン三大祭りの一つとして世界的に有名なのは、ナバラ州の州都パンプローナ(Pamplona)のサン・フェルミン祭(Festa de San Fermin)りでの牛追い(エンシエロ)です。サン・フェルミン祭は、毎年パンプローナの守護聖人サン・フェルミンの記念日である7月7日を中心に7月6日の前夜祭に始まって14日の9日間の盛大なお祭りで、連日牛追い(エンシエロ)が行われるのです。
元々は、闘牛の行われる日に、牛を闘牛場に「追い込む」ために行われていたのですが、スペインにも「勇気」を見せたい男がいて、それをかっこいいと思う女がいるのでしょう、追われる牛の前を走って勇気を示してやろうということになったようなのです。
ですから、名前とは裏腹に、牛に追われています。でも、この命がけで逃げるスリルがたまらないらしいのでしょう。
San Fermin ( スペイン ・ 牛追い祭り ) のHPへ
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/4724/
1)黄色の花が広がっています。ひまわりの花だと思います。スペインのひまわり畑は延々と広がる美しさです。
2)黄色の絨毯のようですが、一輪だけしっかり書き込まれたひまわりがあります。旅人の背後のひまわり畑の右端の木の上あたりです。
3)木の下にはブランコが
4)木の横にはウサギが2匹
5)家の軒下には薪がたくさん積んであります。マキストーブを使っているのでしょうか
6)屋根の下に、スズメバチの巣が作られていて、ハチが飛んでいます。前のシーンでもハチの群がいましたが。スペインとハチは何か関係が有るのでしょうか。
7)屋根の上に登って、へっぴり腰で観戦している人がいます。
8)右端、女の人が両手を揚げて応援しているのかと思ったら、牛のいる通りに子どもがいます。よくわからずにのこのこ出てきてしまったようです。それにあわてているのです。男の人が2人が救出に駆けつけています。右側の人は白いシャツに赤いネッカチーフをしています。この服装が、牛追いでの正装です。
9)赤いネッカチーフの男が柵の方に逃げていますが、脇道等に逃げてやり過ごすのもOKのようです。ただし、その脇道に牛が入り込んでくることも有るので、安心できません。
10)柵の外から手を伸ばし、助けようとしている人たちがいます。
11)スカートの女性が二人、青の女性は柵の内側にいますけど・・・
12)帽子をとばして走っている人がいます
13)壁に付きだして取り付けられた街灯に、ぶら下がっている人がいます。超人的なジャンプ力です。
14)窓にぶら下がっている人もいます。逃げて、窓にぶらさがったの出しょうか。
15)安全な窓から未定いる人もいます。窓には、カタルーニャの旗が掲げられています。
ここはカタルーニャではないと思うのですが。
16)通りには、スペインの旗がたくさん吊してあります。
17)通りをはさんで左の屋根の上での観戦者が4人・・・赤いネッカチーフをした人がいますけれど、戦線離脱?
18)通りをはさんで右の屋根の上には、3人?先頭の人は・・屋根の上でしょうか?それとも路地にいるのでしょうか?微妙です。
19)路地に何人かいますが、観戦者にしては・・・逃げている人とほぼ同等に危険だと思いますが。
20)窓からのぞいている女性がいます。窓にはスペイン国旗
21)自転車が置いて有ります。
22)郵便屋さんが手紙を持って歩いています。安野さんは、良く郵便屋さんを書き込みますが、この状況でも配達続行とは・・・まあ、祭りの間は午前中毎日牛追いがあるのだから仕方ないのか。
スペイン編ではとりわけたくさん登場します。
23)噴水のようなところに十字架を載せた小さな塔が立っています。これは何でしょぅ?日本で言えば、道祖神のようなものではないかと思います。
パンプローナは、世界遺産にもなっているサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の通り道です。巡礼路の各地には、巡礼者の十字架Pilgrim crossが立っています。写真はパンプローナにある巡礼者の十字架です。
この周りなら小回りの利かない牛から逃げられるだろうと、回り込もうとしている人がいます。
24)赤いズボンの人は、壁で持っているものが見えませんが、闘牛用の布でも持っているのでしょうか
25)石垣の向こうで見ている女性が4人と子どもが1人いますここなら大丈夫。
26)牛の突進は続きます。3つ並んだ窓から見ています。黄色の服の人、赤い服の人、そして・・・黒い服の人?白い服の子ども?
27)路地に入り込んでやり過ごそうとしている3人がいます。ただ、牛の気が変わったら、かなり危なそうです。
28)国旗を垂らしたベランダから3人の人が観戦していますが・・男の人何か持っています。応援グッズ?何でしょう??
29)勢い余った牛が、柵を乗り越えようとしています。
30)まさかの状況に、腰をぬかさんばかりにいている人がいます。石垣から転がり落ちた人もいます。
31)石垣の所に、扉があります。扉の向こうは何でしょう?倉庫でしょうか?
32)小屋の上で応援している人もいます。
33)通りの右側でも、屋根に逃げようとする人や、屋根の上から引き上げようとする人もいます。でもここにいる人は、ほとんど観客のようですが・・大丈夫かな。
34)先頭を白シャツを着ていないものの、赤いネッカチーフをした3人が走っています。一緒に犬が走っています。
35)ここでも、路地に逃げ込んでいる人がいます。
36)救護所が有ります。医者や白衣の看護婦さんがいます。
37)まあ、けが人の発生は当たり前、死人すら珍しくない牛追い祭りですから。
38)本当にけがをして担架で運ばれている人がいます。
39)けが人を背負って走っている人がいます。
40)カラフルな洗濯物を干していた母子が、けが人の搬送を心配そうに見ています。
41)馬に乗った人が、白鳥と一緒に大慌てで逃げています。足下には、犬も走っています。一応、右の牛の突進から逃げている形にしては有ると思いますが、きっと何か元ネタがあると思われるのですが・・・不明です。ご存じの方、ご連絡ください。
42)杖を持った人が疾走を見ています。
43)女の人と子どもがやはり疾走を見ています。
44)4人で馬跳びをしているこどもたちがいます。ブリューゲルの『子供の遊戯』にも同じような遊びをしているこどもたちがいます。
45)ホークを持った農夫が農婦と話していて、周りには雄鶏が4羽います。
46)左上 大きな牛のシルエットが見えます。そもそもは、OSBORNE社の看板だったのが、いつしか国を代表するシンボルの一つ「Osborneの雄牛」となったのです。
http://es.wikipedia.org/wiki/Toro_de_Osborne
by forest-doorさん そしてそんな牛追い祭りにあわせたように、P.9左には巨大な牛の黒い影が… でも大丈夫、これは看板なんです。(この看板、最後の見開きページのP.41にも描かれています。) スペインで有名なシェリー酒のメーカー、ティオぺぺ(Tio Pepe)の看板で、ものすごく大きい看板なので、遠くからでもすぐ分かるそう。そして、なぜ黒く塗られているか、というのはフランコ政権時代に、お酒の宣伝を禁止されていたから、ということだそうです。 |
by forest-doorさん この絵は神話の主題を描いたもの。ウルカヌス(左から2番目の人)は火の神さまで、鍛冶場を持っています。妻はヴィーナス。その妻と軍神マルスが浮気していることを知ったアポロン(一番左の人)がウルカヌスの鍛冶場にそれを言いに来るというシーンです。 火の神さまというウルカヌスがどうみても普通の人に見えます。それに対して太陽神アポロンは光を放っていますが、告げ口をしに来たというのが、なんだか情けなく思えてしまいます。 でも神話の神様たちってきれいな女の人にはすぐ言い寄ったり、とても人間くさい感じですし、こういうシーンも絵画の主題になるんですね。 |
by forest-doorさん スペインでロバといえば、「プラテーロとわたし」という作品が思い出されます。 ヒメネスというノーベル文学賞もとった作家による散文詩をまとめたもので、プラテーロという銀色のロバに語りかけるお話なのです。ユトレヒトのお店の人物リストではヒメネスの写真も載っていました。→こちら 安野さんはヒメネスの生まれた町、モゲールも訪れて、こんなふうに書いています。 ヒメネスの家は記念館になっていて、世界中で翻訳された彼の本や、彼の原稿や手紙、スケッチなどが並べてあった。案内人が私を家の裏につれていって、ほら、とゆびさした。そこにはプラテーロの小屋が残されていた。彼はついさっきまでそこで干草を食べていたように思われた。 「スペインの土」(朝日新聞社刊)より |
by forest-doorさん 描かれているのはグラナダのアルハンブラ宮殿です。 イスラム王朝の宮殿で、アラビア語で「赤い城」という意味だそうです。 アラベスク文様が壁一面を覆うなんとも美しい空間です。世界遺産にも指定されています。 ・・・・・ アルハンブラ宮殿は4つの部分に分かれています。 城塞アルカサバ、宮殿アルカサル、カルロス5世宮殿、離宮ヘネラリフェ。 以前、TVの中継でこのアルハンブラ宮殿を特集した番組を見たことがあります。 ギターの村治香織さんが、訪れて実際にそこでギターを演奏していたように記憶しています。 そのとき、印象に残ったのが離宮ヘネラリフェの水の音でした。 高低さを利用して水が流れていたり、アセキア(水路)のパティオがあったり。 イスラムの王や愛妻たちは、ここで水の音を聞き、とこしえの栄華を夢見ていたのかもしれませんね。 |
by forest-doorさん そして有名なのは12頭の獅子が支える噴水があるライオンのパティオ。 映像を撮ったものなので、映りがよくないのですが、ライオンのアップはこんな感じ。 あんまりライオンらしくありませんね(^^; 偶像崇拝の禁止を厳密に守ろうとするムスリムの倫理観で、あえてライオンらしさをなくし、わざと何だか分からないように造ったという説があるようです。。 |
by mizuiroさん 雑誌を見ていたら安野さんのインタビューがありました。その中で 「全部を上からの視点で見る事はできないわけですよ。おもしろいことに、(建物の)下にいて、この建物を上から見たらどうなるんだろうかと思って見てると、それでほとんど描けるんですね。描いていて魂だけが上へ上がるわけ。そういうふうに説明したら一番わかりいいと思うんです。」 とありました。魂だけが上へ…の行にとても感動しました。それであのように鳥の目で描いているんだ〜と思いました。私も確認したけど本当にドゥオーモの所に鳥が飛んでいますね! 以前読んだ他の本で安野さんが上から写真を撮る機会があって(昇降機に乗った)写真をたくさん撮ったけど写真から絵にする事はなかった。と書いてありました。 建物を描くってすごく難しいのに安野さんは正確にスケール感まで表現できて本当にすごい!と思います。 |