を遊ぼう」5-3

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シーン9ヌエボ橋(p17〜18)

0)旅人は 断崖絶壁を橋で結んでいる、アンダルシア地方のロンダ市にやってきました。橋の名は、ヌエボ橋Puente Nuevo。
18世紀に煉瓦(石?)を積んで作られています。その高さ100m、橋の上から見ると圧倒的な高度感が楽しめるそうです。
 画面右側が南になって旧市街です。左側が北になって新市街です。橋がつないでいるのですが・・・200年以上も前にできた橋の名前がNuevo(新しい)というのが逆に歴史を感じます。
当然旧橋(Puente Viejo)が有ります。こちらは随分小さめな橋ですが、新市街と旧市街を繋ぐ橋です。そして、さらに古い橋があって、アラブ橋 (Puente Arabe)といいます。旧橋の隣りに寄り添うように架かっています。

円形の建物は、スペイン最古の闘牛場です。
 ちなみに、画面手前側は、田園地帯で夜は漆黒の闇に包まれる桃源郷だとか。

ロンダを紹介している(英文:スペインの他の地域も見ることができます)HP
http://www.travelinginspain.com/Ronda.html

1)左上 中庭に古風な服を着た人たちがいます。
 安野さん左の絵をアレンジされたのだと思います。コロンブスが、サラマンカで王立委員会に彼の提案を述べているところです。左中央で、右手を挙げているのがコロンブスです。コロンブスの塔と同じで、新大陸を指さしているのでしょう。

右端で椅子に座っているのはイザベラ女王で、女王に説明しているときの情景ではないかとの説もあります。これはこれで魅力的です。コロンブスは1486年に西回りでインドを目指す航路発見のための援助を頼みますが、レコンキスタの最終版で、グラナダ王国との戦闘に本気で、取り合ってもらえません。ところが、1492年にグラナダが陥落(1月)すると、取り合ってもらえるようになります。航海前の最後の謁見はアルハンブラ宮殿の大使の間だったようです。前のシーンでグラナダが陥落しているので、この「中庭の左側は、アルハンブラに続いているよ」と、暗に示しているのではないかと思われます。
 このときの謁見の様子をあらわす像が、グラナダのカテドラル近くにあるイサベル・ラ・カトリカ広場にあります。

2)馬車に、たすきをして手を挙げている人とメガホンを持って呼びかけている人がいます。
 選挙でしょうか? 1)のコロンブスのように手を挙げていることから、コロンブスが航海の資金を募っているのか、航海に参加する船乗りを募集しているのではないかとの魅力的な説があります。
 ちなみに、イザベラ女王は援助を約束したものの、戦争直後で資金的余裕がなく、個人資産を出した(宝石を提供した?)のだそうです。

3)募集の呼びかけを、杖をついたおじいさんが聞いています。
4)床屋さんの前に座っている人も呼びかけを聞いています。
5)国旗柄の馬車が止まって、トランクを積み込もうとしています。
 実際のこの位置にホテルがあるので、これはお客さんの荷物ということでしょう。
 スペイン各地には、歴史的な建造物を改装した国営の宿泊施設であるパラドールがあります。このホテルは、1761年に建造された旧市庁舎を改装したパラドールです。窓からは、100mの深さのあるタホ渓谷やヌエボ橋を間近に見ることができるとか。夜になるとヌエボ橋がライトアップされて、それは美しい眺めだとのことです。そして、反対側(西側になります)は、漆黒の闇。その対比が、またすごいのだそうです。

6)展望台へ、杖をついたおじいさんが降りてゆきます。展望台へ降りてゆくというのも面白いです。
7)展望台には、5人の人が谷底をのぞき込んでいます。
お母さんは子どもを抱えて、手すりの上に立たせています。あまりにも危ないので、周囲の人もこの親子を見ています。

8)展望台からロープを垂らして、懸垂下降をしている人がいます。
ロープの摩擦で、下降スピードをコントロールできる下降器を使っているのだと思います。左手の操作でそれを行っています。この場合、左手から下のロープは上のロープと直線的にならないはずで、安野さんはしっかりずらしておられます。さすがです。

9)ヌエボ橋の上から谷底を見ている人がいます。向こう側の黄色の服の人と、手前に黒い服の人。
10)黄色のザックを背負った人が歩いています。
11)立ってみている人とのぞき込んでいる人がいます。緑色の服の人は、ちょっとのりだしすぎで、危ないですね。何か落としたのかな。

12)望遠鏡を持って、向こう側を見ている人がいます。谷の様子や、崖に沿うように建てられた建物の様子がすごいですから。
13)袖が紫色の女性は、乳母車を押しているようです。

14)男女2人をのせた馬車がゆきます。シーン6の結婚式の新郎新婦の新婚旅行でロダンにきたようです。
15)紫色の服を着た人とその脇の子どもは、ロープで下降している人を見ている様です。地元の人のようですが、ロープで降りる様なことは滅多にないでしょうから、ちょっとした事件ですから、仲間を呼んでいます。

16)呼ばれている女の子と、キックボードの男の子が駆けつけています。
17)RESUTAURATと書かれた建物あたりは、旧市街となりますが、写真の様子とよく似ています。

18)去ってゆく旅人を、指さして子どもたちがいます。男の子は何か白い四角の物を持っています。旅人にサインをしてもらおうと色紙を用意して、呼びかけているのだとか・・・・
19)建物の向こう側 馬のお尻と男の人がいます。建物には大きな蹄鉄が飾ってあるので、馬関係の仕事なんでしょう。
この建物少々変です。まず、明らかに向こう側に傾いています。それに向こう側は断崖絶壁のはずです。空中に張り出して建っているのか・・・???安野さんあり得ない建て方にわざとしたようです。

20)崖の向こう 新市街ではフラメンコを踊っている人たちがいます。
 フラメンコは、アンダルシア地方の文化にロマ人(ジプシー)の文化が加わって発展、継承されてきた音楽と踊りです。15世紀レコンキスタの最終盤にイスラム文化の有るアンダルシヤにのロマ人が移住してきて、相互に影響を受けます。まず、まるで演歌のように魂に訴える趣の歌謡のカンテ・フラメンコcante f.が作り出されます。フラメンコは詩であり音楽なのです。そのリズムは、3拍子と拍子の組み合わさった12拍子という変則。騎馬民族の3拍子と農耕民族の2拍子のミックスです。この歌とリズムで舞踊のバイレ・フラメンコbaile f.がおどられるようになります。そして19世紀にギター・ソロのトケtoqueが.がついて、現在の形になったそうです。
 この演歌の様なセンスと2拍子が含まれるというのが、日本人にフラメンコが受け入れられる理由ではないかと・・・(なんとスペインに次ぐフラメンコ人口なんだそうです)
 歌(カンテ)も踊り(バイレ)も即興で演じられるとか。それぞれの思いがあふれてくるのです。

21)片手をあげたオレンジの服の女の人と対で踊っている男性が腰を下げて彼女を称えるようなポーズです。踊りはこの二人が主役のようです。

22)ビール腹の男の人は、踊りを楽しんでいるなあ。靴音(サパテアード)と、手拍子(パルマ)と、掛け声(ハレオ)で盛り上げているようです。隣の女の人は、両手を高く揚げて、カスタネットでリズムを刻んでいます。利き手には高音が出るもの、逆手には低音がでるものをつけるそうです。

23)スカート持ち上げて靴音(サパテアード)で盛り上げている女性もいます。
24)赤の水玉の女性と隣の白の女性は、歌(カンテ)担当でしょうか。手拍子しながら歌っているのかな。

25)伴奏は、もちろんフラメンコギター。ソロではなく4本のギターの合奏ですね。ギターはスペインの国楽器だそうです。間に立っているおじいさんが歌手かも。

26)右側の観客は、椅子に座って「行儀良く」聞いています。リズムが複雑で、下手にすると邪魔してしまうから、基本的には素人の観客は手拍子は打たない方が良いそうです。ただし、掛け声はOKのようです。
27)手前の建物に隠れるように立っている4人。黄色の服の女性はスカートをあげている女性に拍手をおくっています。
28)左側の観客は椅子の人も立っている人も、中心の二人に声援を送っているようです。
29)テントの下の人達は、飲み物付きのようです。
30)テントの向こう側には、紅白ならぬオレンジと黄色の国旗柄の幕が張り巡らしてあります。幕を引っ張るように下に吊してある、丸い物は何でしょう?単におもりでしょうか??上の写真のテントにも、なんだか丸い物がぶらさがっていますが・・・。

by forest-doorさん 

フラメンコの真っ最中。音楽と靴音が聞こえてきそうです。
以前、フラメンコショーを見たのですが、ダンサーたちは1曲ごとに汗をいっぱいかきながらの熱演でした。
そのリズムや掛け声、目と目で交わされる熱い視線、力強いステップ…。情熱を全身をつかって表現しているんですね。
女性のフラメンコの衣装もフリルが揺れて、まわると薔薇のよう。
曲によってはショールも使っていました。

31)フラメンコの喧噪を離れて、路地にを崖の方にきている男性がいます。見ると、塀の無いところがあります。子どもが遊んでいたら、危ないように思いますが。

32)p17の右上 店が並んでいます。右側から、靴屋、タバコ屋、飲み物と果物屋でしょうか。
33)果物屋さんの前をハンドバックを持った女性が歩いています。
34)男性が4人立っています。コロンブスの呼びかけにどう答えるか、相談しているのでしょうか。一番右側の男性は、松葉杖をついているようです。どうしたのでしょう。

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シーン10白い家(p19〜20)

0)旅人は アンダルシア地方に点在するカサ・デ・ブランカ、白い家の村が描かれています。
 スペイン語で、白はBlanca(ブランカ)家はCasa(カーサ)=カサ・ブランカという訳です。強い日差しを避けるために壁が白く塗られているのです。毎年塗り替えるのだとか。
赤いレンガ屋根に白い壁、カサレス、フリヒリアーナ、ミハスなどの村が代表的です。絵本に描かれているのは、カサレスcasaresであろうと思います。

1)p20の左下 ドン・キホーテ主従がいます。

2)ドン・キホーテを壁越しにのぞき込んで見ている子どもがいます。なんだか異様な感じがして、見つかってはいけないと思っているのでしょう。
3)これは、他の子にも見せなければならないと仲間を呼んでいます。
4)ナンダナンダと駆けつける子どもがいます。

5)シーン中央 棒を持った警備員に護送されている囚人がいます。
 ドン・キホーテは、「ゆきたくもないところへ引かれてゆく、不幸せなものども」と考えます。騎士としてそのようなものを、捨て置くことができません。あれは悪いことをした人達だからと止めるサンチョの換言を受け入れず、襲撃してヒネス・デ・パサモンテをはじめ囚人たちを解放します。ところが、恩知らずな彼らに襲われてしまいます。それでも、困った人を助けるのは騎士として当然と意見を変えないところが、ドン・キホーテの凄いところです。単なる滑稽物語でも、教訓物語でも無いところです。

6)囚人の後方の建物の屋上に緑があります。サボテンでしょうか。
7)旅人の手前の草原では、犬と子どもが走っています。最後の子はオレンジのマントを翻しています。スーパーマンごっこかな。
8)p19の中央 屋上に洗濯物が干してあります。洗濯物も白ばっかり。
9)ドン・キホーテの後方、頭に籠を載せた女性が2人歩いています。
10)レンガを運んでいる人がいます。ここの家の屋根は、赤レンガだそうですが、このレンガは壁用のようです。どこに使うのでしょう。ここはレンガ置き場のようです。

11)仕事の様子を女の子が見ています。
12)女の子の上のベランダの女性は、鉢物の世話でしょうか。
13)ベランダの女性の左上 向こうへ向いて登ってゆく女性がいます。でも、その先が変です。空間がゆがんでいます。先に進めそうもありませんあから、ここで本を逆さまにしてみましょう。
 
 下の写真を見てください、カサレスの写真です。

同じ写真を並べ右側を上下反転しています。ごらんの通り、逆さまにしてもほとんど違和感が無いです。

14)逆さまにして左下 子連れのお母さんがいます。

15)馬に乗った銅像が有ります。フランシスコ・ピサロ(Francisco Pizarro)の像です。
スペインでは、新大陸から膨大な富をもたらした英雄というわけです。しかし、インカ文明の人達から見たら、トンデモない侵略者であり、文明の破壊者であり、大量虐殺者です。
安野さんが、ピサロの像を逆さまに配置したのは、見方によって相反する評価になり得るピサロのことを意識してのことかも知れません。
 ちなみに、この像は、ピサロの出身地であるエストレマドゥーラ州(アンダルシアの北西に隣接)のトルヒーリョの街に有ります。

16)十字架があります。巡礼者の十字架Pilgrim crosであろうと思います。
アンダルシアからのルートは世界遺産ではありませんが、やはりサンチャゴに向かう巡礼路。。があるようですから。
ただし、巡礼路以外にも十字架があっても不思議ではないので、道祖神的な十字架の可能性もあります

17)5人の子どもが電車ごっこをしています。

18)逆さまにして右下 自転車を押している人がいます。郵便配達の人だと思います。これで、3人目です。

19)男の人が2人話しています。両手を広げて、随分力が入っているようです。
20)女の人がいます。
21)男の人が2人、ベンチに座って話しています。

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シーン11セビリア(p21〜22)

0)旅人は アンダルシアの州都セビリア(Sevilla)にやってきました。多くの小説や映画の舞台になった街です。街では、セマナ・サンタ(SEMANA SANTA/聖週間・復活祭)の最中のようです。

1)左上 建物の入り口の所に黄色の服を着て、左手をのばして挑戦的に立っている女性がいます。カルメンのようです。
 『カルメン(Carmen) 』は、フランスの作家プロスペル・メリメが1845年に発表した中編小説。そして、それをもとに、ジョルジュ・ビゼーがオペラにしました。
 舞台は、セルビアのタバコ工場前の広場です。ここで働いていた美しいジプシーの女工カルメンが喧嘩騒ぎを起こして捕まります。(※ジプシーはロマの人々に対する蔑称です。そして、作者のメリメは、当時としてはとても奔放な性格のカルメンを、ジプシーであることにしてスペインの人々の批判をかわそうとしたといいます。困ったものです)
 舞台になったタバコ工場は18世紀に建てられ、現在はセルビア大学法学部として使われています。写真がその正面です。カルメンの立っている位置がこの正面の雰囲気に似ているようです。それにしても、この造りで工場というのは、当時のタバコ工場は特別の存在だったようです。

2)屋上には、ギターでダンスパーティーを楽しいんでいる人たちがいます。フラメンコでしょうか?ギターと手拍子ながら歌っている人は男ですが、後は皆女性です。盛り上がっています。黄色の服を着て座っている人は、ラッパ飲みです。

3)屋上の左端で、飛び降りようとしている女の人と、それを何とか止めようとしている男性がいます。一体何があったのでしょうか?

4)階段の下には、駆けつけている人たちがいます。たばこ工場の前に、凄い美人がいるというので駆けつけているのでしょう。

5)エプロンをした女の人は、タバコ工場の女工さんたちということでしょう。みんなカルメンの方を気にしているのだから面白くないでしょうね。

6)階段の左 3人の女性がったっています、カルメンから顔を背けているようです。
7)男性と話している女性。
8)男性が3人、やはりカルメンに視線が行っているようです。
9)抱き合っている男女が2組、女性としてはカルメンの方に気持ちが行かないようにしているんでしょう。
10)紫のスカートをはいてこちら向きに立っている女性が一人
11)3人固まっている女性と2人ずつの女性が6組
12)銅像の左に 男性(兵隊?)と話している女性。
13))階段の右下 2人の女性と話している男性。
14)階段を上がろうとしている男性と男女
15)取り巻くように立っている、11人の男性たち、いい女だなあと見ているようです。

16)屋根の上から望遠鏡と双眼鏡で見ている人がいます。
 工場前の騒ぎを見ているのでしょう。望遠鏡を持っている人の手の下にもう1本手があるように見えます。安野さんの消し忘れ?
17)旅人の右 軍服の8人がカルメンの方を見ています。ドン・ホセの所属する竜騎兵でしょう。一番右側で、カルメンに向いて一人立っているのが、ドン・ホセ伍長ではないかと思います。
この後事件を起こしたカルメンをの誘惑に負けて、逃がしてしまいます。オペラでは、子どもたちに囲まれてやってくるのですが・・・。23)で行進のまねをしている子どもたちがそうでしょうか。

18)広場の中央に銅像が立っています。Don Juanと書いてあります。ドン・ファンの像です。
 17世紀スペインの伝説上の放蕩児で、セビリアの尊者の広場(PLAZA DE LOS VENERABLES)で生まれたという噂があるそうです。オペラや映画に描かれています。とんでもない浮気者という見方から、愛を真剣に求める求道者のような人という評価までいろいろです。

19)カボチャを荷車に積んだ女性が、カルメンの方を見ています。
20)子連れのお母さんは、ドン・ファンの像を見つめているようです。
21)日傘の相合い傘の夫婦がいます
22)太鼓とラッパ?の少年2人がいます。
23)子どもたちが、スペインの旗を先頭に6人、行進のまねをしています。

24)棒を持った男の子が女の子と走っています。男の子は右の方を見ながら走っていいますが、そこにも棒を持った子がいます。一体この棒はなに??22)の行進に加わるのに、銃の代わりでしょうか??

25)兵隊が6人銃を持って行進していいます。23)の子どもはこの行進のまねですね。
 17)の兵隊とは服装が違うようですが??

26)買い物かごを持った女性がいます。
27)荷物を担いだ女性と2人で歩いている人がいます。家の壁に何か像があります。マリア像でしょうか。

28)もう一組女性の2人ずれがいます。
29)屋根を直している人達が3人休んでいます。屋根の上にいるのは、猿のようです。なぜが?ヨーロッパに野生の猿はいないはずなのですが。
正確には、イギリス領になっているジブラルタルには猿がいます。ですので、ジブラルタルの猿をイメージして描かれている可能性があります。

30)馬を引いている男がいます。
31)ベンチに座っている男に、警棒を持った2人が話しかけています。
32)男の子が2人、広場の方に駆けだしています。後ろからもう一人、ついてきています。

33)倉庫のような建物のに、大きく「」と書かれていて、それを屋根が覆っています。
 津和野にある、安野光雅美術館のシンボルマークです。当然、「」は、安野のです。
http://www.town.tsuwano.lg.jp/anbi/anbi.html

34)倉庫の裏に隠れるように、ドン・キホーテ主従が、隠れるようにいます。次なる、襲撃計画を持っています。信者に担がれたマリア像を、悪者に捕らえられた貴婦人だと思いこみ救い出そうというのです。例によって、サンチョは懸命(賢明)にとめるのですが・・・。
なにしろ、担いでいる人達が、KKKのように三角帽子で顔を隠しているのですから怪しいです。(もっとも、それがしきたりなんですけど。)



35)ドン・キホーテ一行の背後で、子どもたちが二人のまねをしています。

36)セビリア大聖堂(カテドラル)の一部が描かれています。
 スペイン最大のカテドラルです(ただし、トレドも最大を主張しているそうです)世界では、ローマとロンドンのものに次ぐ世界第3位になるそうです。
 もともとここにはイスラムの巨大なモスクが建てられていたのですが、レコンキスタのあと、その一部を壊し増改築して現在の姿になったようです。モスクの名残があちこちにあるようです。

37)高い塔は、ヒラルダの塔(Torre de la Giralda)です。この塔もモスクの尖塔を改築したものです。高さ98mもあり、セビリアのシンボル的存在です。
 ヒラルダはGiralda(風見鶏)です。これは、塔の先端には青銅の女性像があり、この像は風で向きを変えるようになっているからです。
中に展望台があり、かつては馬で登ったそうで、階段ではなく傾斜のついた螺旋通路になっています。
下の写真は、塔からの写真です。

by forest-door さん
風見鶏の雄鶏は警戒心が強いので魔よけになる、という意味やキリスト教の教勢を発展させる効果があるといわれているそうです。
このキリスト教との関連がいまいち分からなかったので調べてみると、新約聖書での鶏のエピソードが関連しているようです。最後の晩餐のあと、イエスがペテロにいいます。「あなたは今夜、鶏が鳴く前に3度、私のことを知らないと言うだろう」
ペテロはそんなことはないとその場では言うのですが、実際、イエスが捕らえられた後、イエスの仲間ではないかと言われ、否定してしまうのです。
そして鶏が鳴き、ペテロはイエスの言葉が正しかったことを知り、イエスを裏切ってしまったことを嘆き悲しみます。
このエピソードから、雄鶏はキリスト教を躓きそうになる信者に警告を発する鳥とされているそうです。風を受けて、向きを変える風見に鶏を使ってイエスの言葉を思い出させようとしているのかもしれませんね。

38)塔の下に、神父さんが2人います。

39)神父さんの向こうに、しっぽが見えているのは、犬でしょうか

40)カテドラルの前を、マリア像を担いだ行列がいきます。セマナ・サンタ(SEMANA SANTA/聖週間・復活祭)です。イエスが、エルサレムに入った日曜日から、受難の日を経て復活の日(日曜日)までの一週間を記念する、重要な祭りです。(3月の中旬)
 選ばれた屈強な信者がパソと呼ばれる山車を担ぎます。担ぐので御輿といった方が良いでしょう。ただ、キリスト像またはマリア像を載せて荘厳に飾り付けていてその重量は1.5tといいますから尋常ではありません。これを、すり足で、時速600mでしずしずと運ぶのです。パソを迎え見送る信者も正装して静かにしているのだそうです。日本の祭りの御輿とは随分趣が違うようです。

41)絵本では担ぎ手は、かぶり物をしていませんが、写真のように、三角の帽子のようなもので顔を覆います。アメリカのKKKのような異様な雰囲気ですが、きっと宗教的には深い意味があるのでしょう。

 ドン・キホーテでは、この異様さに貴婦人がさらわれていると考えてしまったんですね。

42)通りの向こう側の観衆。一番右の人は・・・お坊さん?
43)隣の2人は、帽子を脱いで手に持って敬意を表しています。

44)隣は夫婦?後ろにも男性2人、緑の服の2人は警備の警察官でしょうか??

45)黒のスーツの男性が3人真ん中の人は、犬を連れています。ひょっとして子豚だったりして・・。

46)壁際に3人これも黒服のスーツです。

47)背後の 12角形の塔は、黄金の塔(Torre de Oro)です。1220年に建てられた川の防衛のため、ムスリムによって作られた見張り塔です。
当時黄金の陶器で飾られていたそうです。対岸に同様の銀の塔があって鎖で結んで、船舶の通行を規制していたようです。
現在は船舶博物館になっています。

48)通りのこちら側の8人は女性が多いようです。黒服の人は神父さんでしょう、頭を垂れています。

49)ヒラルダの塔の左に行列が続きます。4人の女性が歩いています。後方の黄色の服の女性は何か長いものを持っています。ロウソクでしょうか。
50)観衆も通り過ぎた、パソを見ています。子どもつれたお父さんのいます。
51)観衆の中には、手を挙げて指さして話している人もいます。もう、行列がすぎたから話しても(静寂を破っても)良いということなんでしょうか。

52)50)の黄色の服の後の3人は・・もう一般通行者でしょう。
53)椅子に座っている人がいます。なんと、「オオカミ顔」です。
 しかし、よく見ると背もたれのある椅子に座っている女性が、パレードの方を見ているようです。それが、背もたれも含めてオオカミの顔のように見えるのです。これは、安野さんの意図なんでしょうか。偶然なんでしょうか。

54)壁にたくさんの皿が飾ってあって、指さしながら見ているカップルがいます。
 皿屋さんというわけではなくて、飾りのようです。飾り皿や陶板や壺を壁に飾るようです。

55)建物向こう側の川縁で、子どもが3人ビー玉?遊びをしています。
56)女の人が、川向こうの荷揚げ作業を見ていますが・・・
57)緑のかごを持った女性と男性がいます。
58)コックさんが車付きの台で何か販売して言います。スペインが発祥の豚肉のソーセージであるチョリソ (Chorizo) のようです。

59)ソーセージ屋さんのところで、女性が指さしています。カルメンのようです。
60)を連れた男性もカルメンを見ているようです。尻尾が隠れて見えませんが、39)の尻尾と対なのかも。
 この犬は・・・結婚式のシーンでロマ人を見、風車のシーンで牛を見、アルハンブラ宮殿のシーンで木を切るのを見ていたピカソの犬でしょうか。今度は、カルメンですか。

61)棒を持った少年が走っています。24)の子どもと示し合わせているようにも思われます。

62)サインポールのまわる床屋の前で、お客さんやら理容師が出てきて、カルメンの方を指さして話しています。この、白い布をかけたお客さんは、第1巻の中欧編のマラソンのシーンでも描かれていました。気になることがあると、散髪途中でもでてみたくなる人のようです。
 セビリアで理髪師といえば『セビリアの理髪師(伊: Il Barbiere di Siviglia)』です。フランスのカロン・ド・ボーマルシェの書いた風刺的な戯曲で、イタリアのジョアキーノ・ロッシーニがオペラにして一躍有名になっています。主役は、アルマヴィーヴァ伯爵のはずですが・・・理髪師が題名になっています。
 好評につき書かれた続編が喜劇『フィガロの結婚』。伯爵の恋を助けた理髪師のフィガロは、功績が認められて伯爵の家臣になります。そして、小間使いのスザンナと結婚というところで、浮気者の伯爵が初夜権を復活させて・・・。こちらは、モーツアルトが作曲してオペラになっています。どちらも、舞台はセビリアです。

63)スイカを並べて、売っていrる屋台があります。
64)屋台の前の男の人もカルメンに注目です
65)橋を二人の兵隊が走っていいます。川の向こうで何か起こっているようです。

66)橋を渡ったところに7人の人がいますが、そのうちの一人が右方向を指さしていて、黄色のスカートの人がそちらに向かおうとしています。

67)橋の左にいる2人の女性は話しながら、右方向を指しています。

68)右の方には、スイカを一杯に積んでいる荷車があります。これは、指さしている事と関係なさそうですが、この荷車が道を完全にふさいでしまっているようです。
69)壁の所にしゃがみ込んでいる男性がいます。上の壁には十字架がかかげられています。何か悩み事があってここに座り込んでいるのでしょうか。

70)船から荷物を上げて、馬車に積み込んでいる人たちがいます。ひょっとして密輸品??なら、68)の荷車はわざとおいてある??
 ホセは、カルメンの要求で、盗賊団にはいりますが、密輸もしています。

71)荷馬車の下の所、煉瓦造りで何か窓のようにしてあります。倉庫?下水道の入り口??
72)建物のかげでは、何かただならぬ雰囲気です。決闘のように思います。駆けつけている人たちは、この決闘を止めようと駆けつけているのだと思います。
 向こう側の女性がカルメンで、手前の女性がホセの許嫁ミカエラではないかとおもいます。
決闘しているのは・・・ドン・ホセとホセの上官のスニガかな。向こうの白髪の老人が立会人?

73)ロバに荷物を積んでいる人が決闘を見ています。


このセルビアのシーンには、オペラになっているネタが多く有りました。『カルメン』『ドンファン』『ドン・キホーテ』『セビリアの理髪師』『フィガロの結婚』です。この作品の群の中に、それぞれの愛の形があって面白いともいます。
カルメンの愛は、奔放な愛です。浮気で男を迷わす愛ですが、ホセにナイフを持って迫られても、命をかけて自由さを求める愛です。
ドン・ファンの愛は、よりいっそう見境の無い愛です。単なる「オス」のむき出しの征服欲のように思えます。ただ、彼も、地獄の恐怖を突きつけられても、自分の愛のあり方をやめません。
ドン・キホーテの愛は、誤解と思いこみによるとはいえ、苦しむ人・女性・弱き者を見捨てておけない愛でしょう。
この3者にカルメンのホセも加えても良いかも知れませんが、それぞれに愛に対するひたむきさがあります。

ドン・キホーテのこの話は、セルビアとの関わりは薄いので、次のロシオで持ってきても良かったと思われるのに、安野さんがこのシーンに加えられたのは、こうしたひたむきな愛の関係であったのではと推測しています。

セビリアの理髪師でのアルマヴィーヴァ伯爵は、高い身分を隠しても真実の愛を求めて結婚に至ります。(フィガロの結婚では、浮気者になってしまいますが)
フィガロも、知恵と工夫で愛する人との結婚を手に入れます。
後者二つは、喜劇なのでひたむきさよりも、面白さにウエイトがあるのかも知れません。そして、どちらもハッピーエンドです。

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シーン12ロシオ巡礼(p23〜24)

0)旅人は ロシオ(Roci'o)村にやってきました。村はスペインの最後の秘境といわれているのドニャーナ国立自然公園の中心にあるアルモンテ(Almonte)市の小さな村です。大変な田舎ですが、大きなロシオ聖母教会(Santuario de la Virgen del Rocio)があり、聖母マリア信仰の中心地です。
 スペインでは4世紀ごろから聖母マリア信仰が盛んになりますが、イスラムの支配を受けることになります。それでも、人々は聖母信仰を密かに続けます。そして、13世紀レコンキスタのなかで、聖母像(ロシオ)が発見されたロシオ村は、奇跡の村となるのです。
 復活祭から50日目のペンテコステス(聖霊降臨祭)には、アンダルシアはもとより、スペイン中から巡礼団が押し寄せてきます。ロシオ巡礼Romeria del Rocioです。その数は、100万人を超えるといいます。その多くが、幌馬車を連ね歩いてくるのだから驚異的です。近いセビリアからでも片道70kmを3日間以上も歩くわけです。
(※ロシオ巡礼の参加者は、いろいろな資料があります。いわく、1万人を超す、10数万人、100万人くらい、100万人を超す・・・あまりにも、数字が違うので、スペインの観光局に確認しました。「2006年度の資料があるが、例年より多く120万人位であった」との回答でした。)

「ロシオの章」
信者しかその姿を見ることができないロシオ巡礼に参加した、志緒野マリさんの文です・・・祭りの面白さ深さに触れることができます。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/mariposa/spe.html


1)飾り付けた幌馬車をつらね、粋な服を着込んだ馬上の男女がいます。ロシオ巡礼の一行です。
 ロシオ巡礼の服装は、もとは普段着でひたすらロシオを目指す巡礼だったようです。ところが、粋なアンダルシアの人たちは、1920年代に大きく変化したようです。男性は基本の服装は乗馬服(丈の短い上着と帽子)で、女性はフェリア・デ・アブリル(春祭り)で使うフラメンコの衣装を使うようになります。ただし、歩いたり馬に乗ったりするのに、フラメンコの衣装そのままでは難しいので、フリルなどを押さえた巡礼の用のバタ・ロシエラという巡礼用のものを別に用意して、ロシエに着くとフラメンコ・ドレスを使うのだそうです。でも、それはお金持ちの場合。なかなか、皆がそんな格好で歩いているわけではなさそうです。 絵本では多くの人が馬に乗っていますが、数十万の信者が参加するロシエ祭りで馬が6500頭ぐらい使われるそうですから、ほとんどの人は歩いている(疲れたら幌馬車に乗るものありのようですが)ようです。

古いロシオ巡礼の写真をたくさん見ることのできるHP
http://fororocio.mforos.com/855589/4955099-fotos-el-rocio-historico/

2)牛2頭で引いている幌馬車には、この信徒団体のロシオ像(聖母マリア像を)運んでいます。本家本元のロシオの聖母像と出会い、そのパワーをもらうためです。信徒団体は95団体有るそうです。

3)男の人が握手しています。ロシオ巡礼は、とても濃密な時間だけに、同じ信徒団体名産はもちろん、団体を越えて深い人間関係が生まれるようです。毎年会えば懐かしい仲間でしょう。
4)少女の手を引いている男の人がいます。反対方向に歩いていますが、この親子?も誰かに会いに行っているのでしょうか

5)二人連れの細身の男性が、道を横切っています。握手している二人の知り合いでしょうか
6)オレンジのスカートをはいた女性が二人歩いています。普段着に近い格好です。
7)聖母の幌馬車の横を、丈の短い上着と帽子の格好で歩いている男性が3人います。
8)後ろから別に4台の幌馬車が続いています。衣装や食糧さらには寝具を積んであります。移動キャンプです。
 祭りの当日ロシオへの車の乗り入れは規制されますから、基本的に信者以外の参加は難しいようです。

9)後ろの幌馬車も牛が引いていますが、馬で引く場合もあるし、耕耘機で引いている団体も有るようです。

10)左 蹄鉄を飾って、馬の蹄鉄を打ち直している小屋があります。
11)小屋の周りには車輪の予備があり、馬が繋がれています。この馬と、蹄鉄を打ってもらっている馬は、話している二人の馬でしょう。

12)ダンスを踊っている人たちがいます。ロシオ巡礼の中での踊りではないかと思います。ロシオに向かう人たちは、行進を止めてテーブルを出し陽気に飲食をします。そして、踊るのです。踊るのは「セビジャーナス」です。フラメンコの衣装で踊りますが、即興ありの芸術的なフラメンコとは違い、セビリア(セビージャ)のだれでも踊れる大衆的な踊りです。フラメンコの入門としても、踊られるようです。3拍子(6拍子)で、曲が変わっても、同じ踊りで踊れるのだそうです。日本でいえば、盆踊りのイメージのようです。
 ロシオ巡礼の間、人々は歩き・食べ・踊り・少しだけ寝て・・・旅を続けるようです。相当の、体力をようするようですが、彼らは、疲れるといいつつ、ひたすら楽しみ続けるのだそうです。いやあ、スペインだ。アンダルシアだ。

 セビリアの春祭りを画かれているのではないかとの説があります。セマナ・サンタ(聖週間)は、ひたすら厳かな宗教行事です。セマナ・サンタの2週間後に行われるのが春祭り(FERIA DE ABRIL )です。こちらは、純粋に庶民の楽しみの祭りです。元は、130年ほど前からセビリアで大々的に開催されていた牧畜市で、関係者が家族ともども寝泊まりして、踊ったりゲームをしたりして過ごしていたもの。それに、屋台がでて娯楽の方が主になって、どんどん派手になっていって、牧畜市の方がつけたしのようになってしまっているようです。スペインの三大祭りといば、バレンシアの「サン・ホセの火祭り」、パンプローナの「サン・フェルミン祭(牛追い祭)」と、このセビリアの「春祭り」です。

13)3人がギターを弾いています。
14)杖をついているおじいさんがいます。腰がすこしまがっているようですが、こんな状態で、歩いてきたのでしょうか

15)輪の左端の人は、フラメンコの衣装を着ています。

16)旅人の後ろの川に、お椀のお船に乗った一寸法師が描かれいてます。
 「何とも場違いな」と思いましたが・・・考えてみれば、一寸法師も旅をしているのです。それも、相当な願いと志を持ち、相応の覚悟をしての旅です。そう考えると、ロシオ巡礼のこのシーンに出てくるのはふさわしいですね

17)p23の下 橋を渡ってやってくる人達がいます。馬の男性が3人、馬のフラメンコ衣装の女性が一人、杖をついて歩いている男女。

18)犬が歩いています。ピカソの犬かな?

19)ロシオの聖母像の御輿が群衆に取り囲まれています。
復活祭後50日目の日曜日は、ペンテコステス(聖霊降臨祭)。深夜、全国から集まった信徒集団を代表する形で、アルモンテの信徒団体の人たちが、ロシオの教会に入り盗み出してくるのです。そして、アルモンテの街を練り歩くのです。
 ロシオのマリア像に触れると一生健やかに暮らせると言われ、人々は像に触れようと周りに集まります。ですから、セマナ・サンタ(聖週間)の時と違い、もうめちゃくちゃな喧噪に包まれ続けるようです。実際にさわることができるのは、担いでいる人たちがさわることを許す人たちだけのようです。それは、特別に深い願い(病気の平癒など)を持っている人や子どもだそうです。
 絵本では、まだ、信徒団体がロシオを目指している状態で、聖母像を担いでいますが、上記の様に聖母像が担ぎ出されるときには、全ての人々がアルモンテについています。

20)子どもをえ上げられて、ロシオ像にさわらせようとしています。
 日本の御輿の感覚に近いなあと思います。私の町の御輿は「けんか御輿」でして、御輿同士をぶつけ合うという大変危険な祭りですが、御輿の屋根に上ったりします。さわるのはだれでも可能ですが、上がることが許されるのは、祭りにかなりに貢献している人と赤ちゃんです。写真のもみくちゃ状態も、規模は違いますがよく似ています。

21)群衆の中で、手を伸ばしている人が多いのは、聖母像にさわりたいという気持ちを表しているのでしょう。

22)テレビの取材カメラが入っています。音声さんも別についています。実際にはとてもこんなにに近づけないと思いますが。

23)子どもたちが、ミニチュアの聖母像を担いでいます。先頭の子は十字架を掲げ、他の子は、国旗柄の旗を持って前後を固めています。
セマナ・サンタでは、大がかりなミニチュアを子どもたちが担いでいるようですが、ロシオ祭りではどうなんでしょう。
 私の町の祭りでは、「子ども御輿」と称して、こぶりの御輿を担いでいます。私が子どもの頃は、そんなしゃれたものは無くて、自分たちで小さな御輿を作って担いで遊んでいました。やっぱり大人が楽しそうにやっていることは、自分たちでやってみたくなるものです。

24)群衆の周囲にも色んな人がいます。
 小さな旗のようなものを持った人が2人。
25)赤いドレスの女性と太鼓腹の男性が何か話しています。それにしても大きなお腹だ。

26)国旗柄の旗を持った女性が2人と何か玉のようなものが先に着いた棒を持っている男性がいます
27)万歳している人が2人、一人はビン(中身はたぶんワイン)を持っています。
28)大きなビンのワインをラッパ飲みにしている人がいます。脇の人は、もうの見過ぎだからやめておけと注意しているのか、俺にも飲ませろと催促しているのか。

29)帽子にズボンつりをした男性が歩いています。
30)小さな子をあやしている男の人がいます。ひょっとして、迷子でしょうか
31)胸を反らして歩いている女の子と、お母さんでしょうか黄色の服の人がいます。
32)男性が2人喧嘩をしているようです。右の人が相手の胸ぐらをつかんで、聖母像の方を指さして何か言っています。ここに集まっている人は皆、あついマリア信仰を持つ人のはずですが。

33)右下あたり 2人乗り・3人乗りの小さな馬車が6+1台あります。こんな馬車を使う人たちもいるんですね。

34)3人固まって話している人たちがいます。女の人がおじいさんの肩に手を上げています。「久しぶりですね、お元気でしたか。」といったところでしょうか
35)車いすに乗った女性を押している男性がいます。馬車の車輪と車いすの車輪が紛れるように描かれています。

36)少女を連れたお母さんと話しているのは、お父さんでしょうか
37)青い水玉のフラメンコドレスの女性の前で、籠の中の物を落として拾っている男の子と女の子がいます。この丸い物は何でしょう。籠がなければ、ビー玉遊びかと思うところですが。

38)男性の乗った馬を引っ張ろうとしている少年がいます。綱の張り具合からすると、馬は相手にしていないようです。
39)ここに7人ほどの人が、集まっています。男性が2人握手をしているので、再会を祝しているのでしょう。
40)テーブルの上下に、茶色のカメのような物を並べているところへ、男性が2人近づいてきています。これは、ワインでしょうか。あるいはワインより貴重な水の入ったカメでしょうか

41)このあたりの建物は、教会にしては小ぶりなので、信徒団体がロシオに持っている宿舎ではないかと思います。このような自前の宿舎を持たない人は、ロシエの住人に祭りの期間家を空けてもらって泊まるようです。あるいは、巡礼途中と同じように幌馬車の中やキャンプでという人もあるそうです。何しろ普段ロシエの人口はとても少ないので、祭りの時以外はゴーストタウンのようだといいます。
 ホテルは小さなものが2つしかないので、信者団体に入っていない人は、泊まるところがなく、野宿か離れたところから通うそうです。すると、深夜の宗教行事には参加できないことになります。
 そんなわけで、ロシオの祭りは、規模が大きいのに比して、観客は極めて少ないのです。ほとんど総て、参加者というわけです。

42)黄色の服を着て、左手を壁にあてている女性がいます。前のシーンのカルメンです。何をしているのでしょうか。ホセを待っているのかな??
 カルメンはロマ(ジプシー)という設定ですが、ロマの人も色々な形で、巡礼に加わっています。また、幌馬車を使って移動してゆくというのもロマの人達の文化ともいえます。安野さんは、そんなことも、暗示しているのでしょうか。

フラメンコダンサー横田 万紀さんのHP
ロシオ巡礼を体験してのエッセーです。ロマ人(ジプシー)との人情味のある体験でもあります。素朴で宗教的・民俗学的に深遠な内容です。
http://www.nomade-tokyo.com/maki/essay/essay_aire.html

43)カルメンを指さして何か言っている人がいます。
44)ソーセージを売っています、チョリソでしょう。前のセビリアのシーンにいた人かな。顔が見えないけれど。

45)子どもを連れたお母さんが、ソーセージ屋さんを見ています。
46)ハンドバックを持った女性が歩いています。
47)子どもが2人来ている屋台は、アイスクリーム屋さんでしょうか。

48)ベールをかぶったシスター(修道女)が2人、隣のベールをかぶっていない人は修道士でしょうか。大きな旗のような物を掲げています。何でしょう。信者団体の印でしょうか。実際に、ロシエ祭りに参加している人たちも掲げています。

49)旗のそばには、別の男女が立っています。同じ信徒団体の人でしょうか。

50)茶色っぽい服を着た女性は、何か持っています。手の下には棒のようなあるので、一脚ではないかと・・・すると・・ビデオカメラかカメラでしょうか。

51)男の人が牛の頭を撫でています。この牛は、一頭で幌馬車を一台引いていたようです。
52)男が3人話しています。どんな話でしょう。
53)シスターと女性がお店の方を見ています。
54)お店は、洋服屋さんのようですが、ここロシオで洋服屋をしても、商売にならないと思うのですが・・・

55)牛が2頭休んでいます。近くの幌馬車を引いてきたのでしょう。
56)女の人がバケツを持っています。牛のために水をくみにゆくのでしょうか
57)椅子に座って話している人がいます。
58)ここにも二人乗りの馬車があります。
59)服を肩に、帽子を取って振りながら挨拶しているおじいさんがいます。フラメンコ衣装の馬上の女性が振り返っているようです。

60)左上 ここの一団は、完全に進行方向が逆のようです。祭りが終わって帰ってゆく姿でしょうか??

61)3頭の馬がいます。右端の馬には、フラメンコ衣装の女性が相乗りです。
 セビリアの春祭りでよく見られる姿のようです。春祭りかも知れません。ただし、ロシオ巡礼でもこんな姿が有るようです。

62)女性3人と男性一人が歩いています。
63)子どもを肩に乗せた男性や、子どもの手を引いたお母さんは、お父さん?とも手を繋いでいます。親子3人仲良くって雰囲気でしょうか。こうしてみると、ロシオからにしろ春祭りからにしろ、満足して帰路についている雰囲気ですね。

64)p24右上 洗濯物を干しています。長い巡礼なので、洗濯も必要ですよね。
65)二人がかりでロバ(牛??)のお世話をしています。「いつも、苦労かけているよねえ」と話しかけているのでしょうか。


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