カテドラルレイクで泳いじゃいました

ヨセミテ国立公園の中を走る国道120号線を北東に
走って国立公園の出口の手前に、広々と広がっている
ツォローミ草原があります。ここからカテドラルレイ
クまでの往復7マイルのハイクを楽しみました。この
道は、ヨセミテからマウントホイットニーまで総延長
340kmのジョンミュアーを記念したトレイルの一
部です。ジョンミュアトレイルの総てがミュアが歩い
た道ではないのですが、ここはミュアが実際に歩いた
道でもあります。どんな思いでここを歩いていたのか
ななどと思いをはせながら歩きます。インストラクタ
ーのシャーリーは夫婦で3週間かけてジョンミュアト
レイルの全行程を歩いたそうで、その時はホイットニ

《ツォローミ草原》
ーからヨセミテに向けて歩いたそうで、ここを歩いた
ときにはゴール目前で元気いっぱいだったらしく一日
に40kmも歩いたとか。私たちは、たっぷり時間は
ありますから、ゆっくりのんびり楽しみます。と言う
わけで、道ばたの木や草の事を話しながら行くとしば
しば立ち止まる事になります。それでも、考えてみれ
ば3000m近い標高ですから、山なれない人にはい
ささか厳しかったかも知れません。ところが、その道
をラバの一隊がたくさんの荷物を積んでやってきます。
リードするのは公園レンジャー、なか
なかかっこいいものです。日本ならボッカさんが運ぶ
かヘリコプターなんでしょうが、ここではラバ隊です。
それにしても、たくさんの荷物を担いで黙々と登って
ゆく彼らは本当にタフですねぇ。山道のフンも許せちゃ
う気持ちになります。
動植物だけでなく途中氷河が作った地形を見ながら歩
きます。説明を受けてみると、あちこちの岩に氷河の
痕跡が見えてきます。この一帯を氷河が覆いじわじわ
と花崗岩を削りながら進んでいた姿を想像すると、ゾ
クゾクしてきます。
カテドラルレイクに近づいたところで、先行した仲間
がそろって待っています。そして、絶対後ろを見るな
と言われます。見るなと言われると見たくなるのが人
の常。何だろうと思いながら追いつきます。目を閉じ
て振り返り、目を開けると目の前にはカテドラルピー
クがありました。

《垂直分布についての説明》

 《ラバさんご一行様》

《氷河が岩に刻んだ皺?》
その前からあのピークがカテドラルと言われて見ては
いたのですが、単に先がとがったピークでしかありま
せんでした。ところがそこから見たピークはまさにカ
テドラル(大聖堂)だったのです。ピークを頂点に裾
が広がるように摂理が走り、キリスト教の大聖堂を思
わせるものだったのです。インストラクターのシャー
リーによればここが世界一のカテドラルだそうです。
なるほどと納得できる姿です。ジョンミュアもこの姿
を見ていたんだなあと思います。彼の事ですから一日
中でも楽しんでいたんだろうと思います。
そこから、レイクまではすぐでした。草原の先に氷河
が削り残した花崗岩が続きそのまま湖の中に入ってゆ
きます。砂浜でも泥浜でも砂利浜でもなく、岩がその
まま下がっていって湖水の中に消えてゆくのです。周
囲は氷河の削り残した岩山が取り囲んでいます。さあ
この絶景の中で泳ぐぞと思っても、ここは3000m
近い標高です。夏とはいえ気温は低いのです。その上
遮るものとて無い地形で、強い風が吹き抜けてゆきま
す。少し気持ちが逃げます。ここは、まず弁当です。
食べている内に元気が出てきます。食べ終わった時が、
きっかけです時間をおかず服を脱ぐことにしました
(水着はあらかじめ着けておきました)。脱いでいる
と、仲間はこの風の中本気かという表情です。年寄り
の冷や水などと失礼な事をおっしゃる方もあります。
そんな言葉に負けていては、悔いが残ることは間違い
なし。きっと水の中に入ってしまえばそうでも無いは
ずだと、自分に言い聞かせながら入水(と言っても死
ぬ気じゃない)。そして、一気に泳ぎはじめます。爽
快です。楽しそうに泳いでいると、唯一の中学生の参
加者のT君が続いて入ってきます。二人の様子を見て
それならと次々にチャレンジャーが現れてきます。結
局半分くらいの人が泳いでしまいました。
ただ、泳いでいる内は良かったのですが、水から上が
ると寒さが応えます。急いで着替えてもガチガチ来ま
す。ところが、岩の上に横になると、風を逃れる事が
できます、何より昼間の岩は幾分暖められていて、じ
わっと体を温めてくれます。暖かさを感じながらまだ
泳いでいる人を見たりカテドラルピークを見たり、幸
せな気分をたっぷり味わいました。氷河湖で泳ぐそれ
もカテドラルレイクのような美しい場所で泳げるなん
てそうそう体験できる幸せじゃないですからね。

《カテドラルピーク》

      《カテドラルレイク》

  《お腹暖めをしてます》

《小休止》

《ロッククライミング?》

《ツォロミー草原にて氷河の削った岩山》

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