自然と遊ぼう2(ネーチャーゲーム雑感)

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4.ドラマキャンプのこと            


 公募で小1〜6年まで参加者を募っての、キャンプを毎年やっています。「わんぱくキャンプ」といいます。今年で11回目よく続いたものです。繰り返し参加する子どもが増えて、小学校の時から参加していて、中学生になってもというのでリーダー役で参加して来て、さらに高校生スタッフ、ついには高校を卒業しても参加して来る人まで現れました。
 このキャンプは全国的にも珍しい「ドラマキャンプ」なのです。キャンプ生活全体がお話になっていて、わんぱく達(参加者)を主人公にしながらキャンプ生活が進んで行きます。
 ある時は邪神の呪いでマキが水浸しになっていたり、森の怪物に気づかれないように言葉を使わない方法でコミュニケーションを取りながら食事作りをしたり。
 もちろん、毎年話は変わります。例えば、昨年は「星の王子様」からヒントを得て、一昨年は宮沢賢治の作品群の中からヒントを得てといった調子で、話が作られます。それぞれのシチュエーションに合わせて、登場人物がいて、スタッフがコスチュームまで用意して演じます。例えば設定がネバーランドの時にはピーターパンやティンカーベルが現れてドラマを回しました。
 集団で行うキャンプですから、起床や食事や消灯などの生活時間はあらかじめ決まっていますし、大まかな筋は台本として作られスタッフに渡されているのですが、本当の結末は誰にも分かりません。天候やわんぱく達の心の動きに合わせてストーリーがキャンプの中で変更されて行くのです。
 今年のテーマは「もののけ姫」でした。もちろんそのまま話を取るのではなく、映画の時代から600年たった現代という設定です。アシタカの子孫アサテカに不思議な呪いが復活します。その謎と呪いを解く為に西へ旅して、会場である福山少年自然の家(福山市金江町)にやって来たアサテカを助けるために、わんぱく達が集まってくるという設定で始まりました。
 謎と問題の中心には、自然と人との共生や人と人との共生はどうあるべきかということが有ります。わんぱく達がその答えを見つけるための修行の一つとしてネイチャーゲームも用意されます。彼らが自然の不思議や豊かさを実感することこそが、問題解決につながるという私たちのメッセージでも有ったわけです。

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5.カモフラージュ


 先日テレビで、大の大人が昆虫採集で大いに盛り上がっていました。採集する虫の希少度によってポイントをつけて、一定時間内にどれだけ集めてこれるかをチームで競っているのです。子ども心に戻って熱中するするというのは良いものですね。ただ、むやみにたくさん採集するというのは、ネイチャーゲーム的発想ではあまりお薦めではありません。カブトやクワガタといったデパートで売っているような虫がエライという発想もいただけません。森や林には、他にも不思議でワクワクするような虫がいっぱいます。身近な公園にだって、その気になって見れば結構います。
 ところが、その気になって見るというのが、なかなか難しい。何しろ相手は、鵜の目鷹の目で探している鳥たちの目から逃れるために、文字通り命をかけて自然の中にカモフラージュしているのですから。
 「カモフラージュしているものは」と問いかけますと、一番に上がってくるのが、カメレオンです。カメレオンはどんなにがんばっても、日本で見つけることはできません。でも、本気で自然の中を見てみますと、分かります。日本にも、見事にかくれんぼしている虫が、たくさんいるのです。そんな虫達の工夫を乗り越えて見つけ出せた時のうれしさといったら、これはもうなかなかのものです。でも、本気で探すというのがなかなか難しい。
 そこで、林のそばで「カモフラージュ」というネイチャーゲームをやってみましょう。道に沿ってロープをひきます。その奥に人工物を置いて行きます。大きなもの・小さなもの、派手なもの・地味なものとバラエティーをつけ、ほとんどを草木に溶け込むようにおいて行きます。
 参加者の人には、静かに一人ずつ歩いてもらい、人工物がいくつセットされているか、探してもらうのです。なれない人は半分以下しか見つけることができません。思う数をそっと聞いて、おおよそ正解の何割くらいか教えて上げますと、ガクゼン。さあ、大人も子どもも2度目には懸命に探し出します。20メートル位歩くのに10分以上もかかり出します。凝視して、静かに緊迫した空気がおおいます。
 さあ、今度は本物のカモフラージュの達人たちに出会いに、林の中に入って行くことにしましょう。

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6.木と友だちになろう


 木を見ていると心が落ち着きます。ムシャクシャしている時も、落ち込んでいる時も、悲しい時もじっと木を見つめ触ってる内にやさしい気持ちに満たされて行きます。
 例えば、「夜は友だち」というネーチャーゲームでは、夜の森の中に一人ずつ座ってもらいます。すると、かなりの人の中に、恐怖心がわきあがってきます(私の場合はすーっと心が森に溶け込めて、楽しくて仕方ないのですが)。子どもだけでなく、大人のそれも男の人でも、わき上がってくる恐怖心に支配されてしまう人がいます。
 これは、ある意味で仕方のないことなのです。闇は私たちの感覚の中心部分である視覚を利きにくくするわけですから、闇の向こうから何が来るのか分からなくなります。その上、ひとりぼっちということになれば、子どもの頃から植えつけられた妄想に基づく恐怖心が、心の表面に現れて来るというわけです。どんなに理屈で分かっていても、心の深いところに居座った「こわい」という感情を完全には納得させることはできないのです。
 座っていて恐怖や不安感に押しつぶされそうになった人も、近くの木に触ることで、心が落ち着いてきます。そして、木と話し、虫と話し、風と話すゆったりとした時間を持つことができるようになります。
 木とふれあうと言えば、「木の鼓動」というネイチャーゲームがあります。木の中から聞こえてくる音を聞いたことがありますか。木の肌に直接耳を当てただけでも、聞こえてくる来る音もあるのですが、聴診器があればベストです。(高価なものでなくてかまいません、ただ患部に当てるところが、平らになっているものが良いでしょう。)
 聴診器を静かに木の肌に当てて、木の中から聞こえてくる音に耳をすませていますと、「ゴー」という音が聞こえてきます。そして木によっては「ボコボコ」とか「ゴボゴボ」とかまるで水が流れているような不思議な音がしてくるものまであったりします。どんな音が聞こえてくるかは、同じ木でも木の部分や季節によっても違っています。
 私たちより長く生きてきた(いきることのできる)木の命の音に耳をすましながら、木の内面までも感じてみます。さらにさらに深く、木とつながることができるのです。 

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