ネイチャ−ゲーム主任講師の旅日記
by山口哲也(ポパイ)

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ネイチャーゲーム初級指導員養成講座詳しくは主任講師を務めるポパイこと山口哲也さんの、全国の養成講座での出来事を旅日記として書いてもらうことになりました。ご期待下さい。
目次
00連載にあたって(予告編)01「主任講師は全国のうまいモンを食べているか」02栃木のギョーザには参りました」
03港町の市場で朝から海鮮丼を「んめぇ」とほおばる/青森県の巻04体調管理を怠ると、とほほの講座になるのだ05おぉナマフクロウだぁ、さすがホッカイドー
06「ニッポンの自然は四季があって、そりゃいいモンだ」07「直行チョッキの原則」08雨でもやりまっせ、とーぜんでしょ!」
09「いいなっいいなっ、のりものいいなっ、いいなっいいなっ!」10「講師はひとりがいいかい?大勢がいいかい?」11 番外編「史上最大!人生42年の中でピカ一な自然体験をしたぞぉ」

ネイチャ−ゲーム主任講師の旅日記00

連載にあたって(予告編)
みなさんこんにちわ。
ネイチャ−ゲーム初級指導員養成講座は、昨年度全国で55回行われました。
都道府県単位で組織を組んで、年に一回という目安で開催を計画しておりますので、単純に計算しても47回です。首都圏や年に2回計画する県もあり、ここ数年55から60回がコンスタントに行われています。
年末年始などを除くほとんどの週末に、日本のどこかで講座が行われていることになります。
初夏や秋の季節のいい時期にもなると、同じ週末に3会場、4会場行われたりもします。
これだけの講座の主任講師を務めるのが、社団法人日本ネイチャ−ゲーム協会の上級指導員で、昨年度は8名で振り分けて出かけました。

そんな具合ですから、私は、昨年度はおおよそひと月に一回、どこぞの会場へでかけていました。
先日、今まで出かけた会場を検索してみましたら、95年からの4年間で48回の講座に出ていました。
今年の秋には「主任講師50回記念講座!」が達成されることでしょう。
なんて、自慢している場合ではありません。

これだけ、いろいろなところへ出かけましたので、多くの方との出会いや四季折々の自然との出会いがありました。
また、講座以外でのネタもできました。
そんな旅日記を少し書きとめてみようかと思い、モヤさんのこのページをお借りしました。
これからネイチャ−ゲーム始めてみたいという方のご参考になれば、と思います。

お読みいただくにあたってのご注意・お願い;
旅日記ですので、あくまでも一講師としての想いであることと、私の他にも、強烈な個性を持ち、人間味あふれる講師があと7名(4月より新しい上級が増えて今年度からは10名となりました)おります。
それぞれの方の講座にかける想いは、みな違っていますので、「私のひとりごと」というレベルでお気軽にお読みいただきたく思います。
では、次回第1回目は「栃木県のぎょうざ」です。お楽しみに

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ネイチャ−ゲーム主任講師の旅日記01

「主任講師は全国のうまいモンを食べているか」
前回ご紹介しましたように、上級指導員は、各地の講座にでかけています。
行きたいところに手をあげるのではなく、たいがいが事前に本人と日程を調整したあと、日本協会が配置を行いますから、とある日、「○月○日から○○県お願いします」というふうに担当会場が決まり、電話や手紙で知らされます。だから、おいしいウニが食べたいから北海道に行かせてくれ!とか、カツオが食べたいから高知をお願い!う〜ん、極上のうな重を今食べておかないと死ぬに死ねないから、どうか静岡よろしく!などという訳ではないのです。

講座中、参加者と食事の時によく聞かれる質問があります。
「もう、けっこう出かけているんですか」
「日本全国回られたのではないですか」
そして
「いろいろな所へ出かけていると、おいしいものを食べられているでしょう」ということをよく問われます。確かに、今までの(個人の)旅行では行ったことのない場所に多く出かけるようになりました。
「けっこう出かけていますか」には、そうですね。今はひと月かふた月に一回ぐらいでしょうか。でも今月は2回出ました」
「全国回られましたか」には、
「そうですね。半分ちょっとの都道府県には行ったでしょうか」などと答えていますが、「おいしいもの」には「いいえ」と返事します。
ここに参加者の方の大きな勘違いがあるのです。「当地のおいしいものを食べる」は確かに旅の醍醐味ですが、講座ででかけているのは「お気楽な旅」ではありません。

たいがいが当日の朝早く家を出て、新幹線や飛行機でまっすぐ現地に入る。さっそく下見をして講座に突入。3日間一生懸命やり、帰りに現地スタッフと少しばかりの時間で反省会を持ち、最寄りの空港か駅まで送っていただき、帰路につきます。

会場もほとんどが、国立や県立の「青年の家」「少年自然の家」が多く、旅館じゃないですから、食事と言っても何ら日頃と変わりない定食やどんぶり、カレーにうどんなどが出てきます。ですので、「せっかく東京から講師の先生が来たのだから」と言って食堂の方が名物をだしてくれたり、わざわざ名店に立ち寄ることはありません。

ですので、参加者からの「おいしいもの食べられていいですね」という問いかけがありましたら、延々とこの事実を語ってしまうこともよくあります。気がつけば、語りすぎてこの輪の数人だけが最後まで食堂に残っていた、なんてこともたまにあります。

ただ、熊本の施設ではすべてのテーブルの上に九州名物「高菜漬」が置いてありました。この時は嬉しかったですね。
「おぉ、高菜だ高菜だ」と叫んだら、
「東京の方なのに、高菜が好きなんて珍しいですね」とつっこまれました(笑)。
「えぇ、子どもの頃、よく高菜炒めを食べてましたから」
「あぁ、あれおいしいですよね」
「お茶漬けにもいいですよね」
「どうぞ、これ全部召し上がってください」
「いいんですかぁ、どうも」と楽しい思い出もありました。

また、空港に着いた時間がちょうどお昼だったので、沖縄そばを食べたとか、講座の帰り、名古屋での新幹線乗り換え時間が少しあったので、駅の立ち喰いきしめんや地下商店街の山本屋で味噌煮込みうどんを食べた、とか言う程度です。

沖縄の講座の時は、参加者から「沖縄そば食べましたか」と聞かれ、「はい、空港で」と意気込んで元気よく返したら、「空港でですかぁ、いけませんなぁ」とがっくりされたこともあります。「せっかく沖縄まで来られたのですから、国際通りの○○というお店のそばを食べて行ってくださいよ」とも教えられましたが、残念ながら食べれずじまいで帰ってきました。余談ですが、懇親会で出たビールは全部「オリオンビール」でした。

私の先輩上級指導員の方にこういう方がおられます。「私は現地に入ったら、まずその土地の名物を食べます。講座中、参加者の方にお話すると、自分の土地のものを食べたという親近感が沸き、その後の講座の雰囲気もいいんですよ」なるほど、と思いました。

いかがでしたか「そんなもんかぁ」と思われましたでしょうか。「はい、そんなもんです、私の場合は」ですね。

講座に出かける楽しみは、その土地の自然であり、その季節であり、参加者やスタッフの方との人との出会いですから、食は二の次で…いいかもしれませんね。
そうは言っても、語りたい話がありますので、次回は「栃木のギョーザ」の巻をお送りします。長々とお読みいただき、ありがとうございました。

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ネイチャ−ゲーム主任講師の旅日記02

「栃木のギョーザには参りました」

みなさん、おは!
予告編で予告していた
「では次回第1回目は栃木県のギョーザです」なんて言っておきながらついにギョーザの話しがでてきませんでした。
ごめんなさい。
前回ギョーザまでたどりつけませんでしたので、今回書きます。

栃木県の宇都宮は、今や餃子の街です。
市民の中には「街の顔が餃子かよ」という声もあるようですが、「何にもないよりましだ」という声にかき消されたそうです。JR宇都宮駅前には餃子の碑があるそうで、聞くところによると、餃子のあの半円形をした像が駅前にそびえ立っているとのことです。
今度行ったらぜひ見ておきたいと思っています。

さて、前回の話しの中で、「地方の名物はみなさんが思っているよりあまり食べていないのですよ」というお話をしましたが、栃木県の講座に行った時は、帰りに「餃子でも」と、スタッフの人に誘われました。
スタッフの人とは、栃木県でネイチャ−ゲームの普及にご尽力いただいている方たちで、今回の講座の運営に入っていただいている方です。
講師がネイチャ−ゲームの実習や講義のプログラムをこなすのに対し、地元の県連絡会代表の方をはじめとする有志のメンバーが運営のために3日間、ご自身のお仕事を休んで私たちと一緒に活動をしていただいております。

たいていは、講座当日に初めてお会いする方たちが多いのですが、3日間も一緒におりますと、すぐ仲良くなれます。まして、お互い「ネイチャ−ゲーム」という共通のキーワードがありますので、仲間意識からでしょうか、まさに「人とのふれあい」がここから生まれるという感じです。
これは、栃木県に限らずどこの会場でもそうです。
おかげで、自分自身のネイチャ−ゲームの輪がうんと広がりつつあります。

そんな運営スタッフの方のおかげを持ちまして講座は無事に終了するのですが、その後、片づけをしてから近所のファミリーレストランか喫茶店あたりで最後の反省会をする場合が少なからずあります。食事の時もあれば、少し飲む時もあります。あるいはコーヒー一杯で2時間ぐらい皆さんと話し込む時もあります。それぞれの会場のやり方で「はい、わかりました。帰りの新幹線の時間は特に決めておりませんので、大丈夫ですよ」と言って参加してきます。

2年前に伺った栃木県の場合は、これが餃子だったということです。私は、それまで「宇都宮が餃子の街」ということは頭の片隅程度の記憶で、そんなに有名なものとは理解していませんでした。でも、帰りがけに駅の近くでいいから餃子食べて帰りたいなぁと思っていたところ、スタッフの方から
「餃子ご案内しますよ」と声をかけていただき、連れていってもらいました。「みん●ん」がおいしいて聞いたことありますが…とぼそぼそっと言ったら、おぉ、みん●ん知っていますか。さすがですね」と何故か褒められてしましました。「でも、みん●んよりは、まさ●でしょ!まさ●の方がいいですよ」と、絶賛されたものですから、「じゃぁ、まさ●で」と、お願いしました。

講座が終わり、スタッフの車にみんなが便乗し、一部の参加者も加わり勢10名ほどで、いざギョーザツアーに出発。近くかなと思ったら、「まさ●でも、ここが一番!」というお店を狙って行ったので、?分ほど車に乗ってた記憶があります。
そして着いたお店が「ギョーザの店、まさ●」当然市民にも人気のお店で、しばらく外で順番待ちをしてから、いざ突入。カウンターだけで30席ほどの規模。壁にメニューあり。驚いたのはこの時だった。
壁のメニューには、
「焼き餃子」と「水餃子」しかないのである。ご飯もビールも何にもない、この2種類だけ。さっそく地元の参加者の方が手慣れた言葉で「焼き3と水(すい)1ね」と注文を始めた。
「焼き3って何だ?」と悩んでいたら、お隣に座ったスタッフの方が「焼き餃子いくつにしますか。水餃子もおいしいですから一つ頼んでみます?」とアドバイスをしてくれた。
解説しよう。
「焼き3,すい1」というのは、「焼き餃子3皿と水餃子1皿」ということだった。メニューを見ると、どちらも(確か)一皿150円だったか170円だったか、よく覚えていないけれど、めちゃくちゃ安い値段で、4皿注文しても決して1,000円を超える額にはならなかったのでした。
「えっ、おなじものを何皿も頼むのか?」という二つ目の驚きから解放される間もなく、「う〜ん、奧が深い!」と思わず唸ってから、私は「焼き2とすい2」を注文した。さっき教えられたばっかりなのに、いかにも「食べ慣れていますよ、えへへ」といった感じで「焼き2と、すい2ね」なんて注文して、悦に浸った。
できあがったギョーザは、だから小さいか、っていうとそんなことはなく、東京で食べても普通の大きさのギョーザである。水餃子は、2つ分がまとめて一つのお椀の中に入って出てきました。焼き餃子は一皿に5〜6個入っていたから、これでこのお値段はオ・ト・クですね。「おいしいよ、おいしいよ」といいながら、一気に食べ終えて水をぐいっと飲む。食べ終えて隣のスタッフの方を見ると、まだ水餃子が残っている。「私、水餃子まで入らなくなっちゃったから、これどうぞ。まだ食べられますか」と、言ってきたので、「えへへ」と言いつつ追加の水餃子を平らげる。

一緒に講師に入った方は、やはり初めての宇都宮の餃子でいたく感激、おみやげ用として数人前を注文していました。

お店を出たところで、皆さん帰る方向がばらばらでしたからここで解散。スタッフの方に宇都宮駅まで送ってもらい、栃木の講座をあとにしたのでした。
ん?よく考えたら、反省会したっけ?でも、まぁいいっか。てな感じで、来た新幹線に飛び乗る。

どうも「お米」を食べないと満腹しない私は、ひそかに宇都宮駅で駅弁を買ったことをまだ誰にも話していなかったのである。それを車内で食べたかって?むふふ…

次回は、食にまつわる第2弾。
「青森港の朝市海鮮丼」です。お楽しみに。

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ネイチャ−ゲーム主任講師の旅日記03

港町の市場で朝から海鮮丼を「んめぇ」とほおばる/青森県の巻

ネイチャ−ゲーム初級指導員養成講座はどこの会場でも2泊3日で行われますので、たいがいが金曜日から日曜日にかけて開かれます。
土日を含んだ3日間の方が、一人でも多くの参加者に来ていただけるであろうと考えるからですね。金曜日や月曜日が祝日になる3連休が一番理想なのですが、なかなかそう連休もあるものではありませんので、せめて週末をからめた金曜日から始まります。

金曜日も午後1時から始まる会場もあれば、仕事に差し障りがないように、と午後6時から始まる会場もあります。よって、われわれもその開始時間が何時か、それによって下見の時間が必要だから何時までに会場に入ればいいか、とすると、現地の空港(新幹線移動の場合は最寄り駅)には何時につけばいいか、で、東京を何時に出ればいいか、と計算します。問題は、飛行機を使って入る時にちょうどいい時間の便があるかということが大きな課題になってきます。

朝、羽田を発ち、午前中に現地空港に着く便があれば申し分ないのですが、こと遠隔地になると、そうはうまく行きません。青森県に出かけた時も、ちょうどいい便がありませんでしたので、「これは、もう当日入るようじゃ間に合わないな」と判断します。残るは新幹線で盛岡まで行って在来線に乗り換えるか、寝台特急か、夜行バスしかありません。新幹線ルートは、東京−盛岡間を乗っている時間よりも盛岡−青森間のほうがはるかにかかるということ。
いろいろ検討した結果、
「一日早く行って、施設に前泊しよう」ということにしました。つまり、木曜日の夕方の便で青森に入り、その日は施設に直行、翌日の午前中ゆっくりフィールドを下見して午後1時からの講座を迎えるというスケジュールを組みました。

さっそく現地事務局の方にお願いして、施設の前泊を予約してもらいました。結果、泊まるのは可能でしたが、なにぶん一人しかいませんので、「わざわざ一人のために食事の用意はできない」ということです。まぁ、仕方ありません。青森入りしたその日は夕方事務局担当者の方に空港で会い、そのまま施設へ運んでいってもらいました。
部屋に荷物を置き、夕食をとるためにすぐ市内へ。青森駅にて事務局の方と別れ、一人ぶらぶらしながら駅前一帯を歩き、適当に夕食をとり、そのままバスで施設へ戻りました。
「適当な夕食」というのは、「滅多にないチャンス!今日はどこぞのお店で刺身定食でも」と想いながらうろうろしたのですが、駅のスタンド立ち喰いそばに落ち着いたのが、らしいといえばらしかったです。
施設は、当直職員の方が一人二人いるだけでシーンとした館内。実に寂しいものがあります。

明けて講座当日。
実は、夜行列車で来る他県からの参加者を駅から送迎するとのこと。「朝7時に青森駅で」と待ち合わせしているらしく、「ついでですので、駅で朝食をとりましょう」ということを前日に聞かされました。青森駅前の一角に、古い市場があるのを前日確認していましたので、「ぜひ、朝飯はあそこでどんぶりを」と決めていたのでありました。6時半に迎えにきていただき、青森駅で無事合流。三人で即、市場の食堂へ向かいました。
まずはお店の様子を想像してください。
長年使われたと思われるのれんをくぐり、縦長の店内へ。カウンターが5席ほどとテーブルが3〜4つ。壁にはラフな手書きのメニューがバランスも見栄えも関係なく貼られている。カウンターの上には、今朝作ったばかりのおかずが、所狭しと大皿に並んでいて、「旅番組」で訪れたと思われる芸能人の色紙が数枚無造作に飾ってある。ご主人と、どなたがおかみさんかはわかりませんが、中年の女性の方4人ほどでまかなっていました。

ねっ、想像できませんか。こんな港街の市場の中にある小さな食堂。
実にいい雰囲気なんです。お客だって、いかにも観光客って感じではなく、地元のいつももおやじさんたちが世間話をしながら、2〜3皿のおかずをつまんでいます。かいの乾物屋のおやじかも知れません。お隣のお肉屋のおやじかも知れません。いかにも人のよさそうなおやじたちが、次から次へと入ってきては
「おはようさぁん」
「よぉ、来てたのか」
「今日は何が入ったのけ」などと楽しんでいるのです。その中に混じって、私たち3人は丼をほおばりました。

私には「おいしいものを表現する時の法則」というものがありましてね、まぁ、おいしいなぁ、という時はふつうに「おいしい」と言います。あまり大きな声では言えませんが、これには社交辞令も含まれており、「そんな、いただいたものをまずいなんて言えるわけないでしょ!」という時も、この「おいしいですね」と言います。ただ、その時の空腹感もありますし、しかるべき席であまり下品な表現が失礼な時などはふつうに「おいしい」って言います。ですので、すべてがそうだとは限らないってことを注意してくださいね。
「おいしい」よりももっと「おいしい」場合は、第二段階として
「うまい」という言い方をします。
主に好物である和食や魚料理では、たいがい「うまい」以上を発します。
「うまい」以上の第三段階は、
「うめぇ」、
さらに、すごく「おいしいなぁ」と感じたら、第四段階、
「んめぇ〜!」となります。
今度食事をご一緒する機会がありましたら、気にかけてみてください。

余談はこれくらいにして、
注文した海鮮丼は思っていたより少々辛かった味付けでしたが、朝の7時からこんな好物の丼をほおばるなんて贅沢は、「んめぇ」を言わずにはいられませんね。

お腹も満たされて、いざ午後からの講座を迎えたのでありました。決してこれを目的に来たわけではありませんが、港町のおいしいものを食べられた満足感は何とも得した気分です。

ちなみに、この青森の講座は帰りもちょうどよい便がなく、講座が終わったその日も一人、施設に寂しく泊まったのでありました。翌月曜日、朝早く青森駅まで出て、別の食堂で刺身定食を食べてから空港に向かいました。2泊3日の講座の前後も宿泊し、計4泊5日の旅でした。

おまけ:
帰る日に少し飛行機の時間に余裕があったので、青森港に係留されている「メモリアルシップ八甲田丸(旧青函連絡船)」の船内見学に出かけました。
船が泊まっている前には「津軽海峡冬景色」の歌碑がどーんとあり、「おっ、津軽海峡冬景色だ、石川さゆりだ」と思いながら近づくと、いきなり「♪上野発の夜行列車降りた時からぁ〜」と響きだしたのです。
最初は「おぉっナンダなんだ」とびっくりもしましたが、どうやら歌碑の前についているセンサーが人を感知すると自動的に歌い始める仕掛けらしいのです。おかげで、碑に書かれている歌詞を見ながら5、6回も歌ってしまいました。なにせ月曜日の朝ですから、観光客なんて私一人しかいいなく、潮の香りがする中で気分もサイコー!「この土地で歌うこの歌は実にすばらしい」とへんな感動を覚えて帰ってきました。
ちゃんちゃん。

次回予告
「体調管理を怠ると、とほほの講座になるのだ」の巻です。


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ネイチャ−ゲーム主任講師の旅日記04

「体調管理を怠ると、とほほの講座になるのだ」

最初に申し上げましたように、この講座は年間を通して行われています。
ゆえに、一人の講師が2週、3週と立て続け講座に出ることもなくありません。別に、「必ず月に一回以上は講座にでなければならない」などという決まりはないので、あくまでの個人のスケジュールの範囲内でと調整をかけてもらっています。

また、いったん配置が決まっても、何らかの事情により会場が変わったりもします。反対に、こちら側が「了承した期日」が実は家庭の都合の大きな行事が入っていたため、急遽変更をお願いすることも…全くないということではありません。

そんなこんなで、配置をしているものですから、おいそれと体調がおもわしくないから誰か代わりに行ってくれないかなぁ、なんて気安く頼めないのです。故に、無事に講座を務め終えるまでは気がゆるむことはありません。そこで一番大切なのが「体調管理」となるのです。自分の出かける講座の3日間を体調万全で迎えるためには、睡眠、食事、飲酒、寄り道などなど日頃から気をつけていなければなりません。
これは、ネイチャ−ゲームの講座に限ったことではありませんね。「代役がきかない。自分が行かなければならない大切な行事」を迎える時は数日、いや数週間前から気にかけておく必要があります。

すごく極端な言い方ですが、講座中にかぜひくくらいなら、「ウイークデーに会社を休んででも週末に焦点を合わせて治さなければ」と言えなくもありません。せっかく何ヶ月も前から準備して、参加者をコツコツを募集して当日を迎えていただいた事務局担当者のご苦労を思えば、いきなり風邪ひきオヤジがゴホゴホいいながらでは、たいそう失礼じゃないですか。

おぉ、何だか身体が熱いゾ。
ん?節々(ふしぶし)が痛いゾ。
あれっ、咳が出始めたかな。
うっ、喉が…。
ありゃ、声がいがらっぽいゾ、ゾ、ゾ、ゾォ〜。
などという症状を感じたら、すぐに医者にでも飛び込んで早期解決を心がけています。特にその週末に講座を控えていたらなおさらです。最悪は注射一本で無理矢理治すことさえあります。

これほど普段から健康管理には気をつけていますので、幸い病欠で、講座が中止になったことはありません。では、 皆さんよいお年を。


って、これじゃあタイトルの「体調管理を怠ると、とほほほの講座になるのだ」の話にはなりませんね。ん?「ほ」が一つ多いってか。

話しを戻しますが、体調不良で講座に入ると、本当に「とほほ」なのです。一つは、山梨県でのできごとでした。風邪とか発熱とかの病気のたぐいではないのですが、この講座の数日前から歯の痛みが急に大きくなりました。それまでは、少し歯がいたいなぁ、でもハブラシで直しちゃえ!と痛みを感じる部分をごしごしブラッシングで刺激してごまかしていたのですが、どうもそれも限界の様子で、会社の帰りに思い切って近くの歯医者に飛び込みました。
「はい、口あけて」
「あ〜ん」
「もっと大きくあけて」
「あ``〜ん!」
元々おちょぼ口の私には、とてもつらい時間でした。1分も口を開けていると、もうあごが疲れてきます。その様子を察知してか、先生は
「はい、わかりました。親不知が虫歯になっています。抜きましょう」とぼそっと一言。
「今抜いちゃいましょう。いずれ抜くんだから今やっちゃったほうがいい」予想だにしなかった診断です。
「はい、麻酔しますからねぇ」「麻酔が効いてくるまでしばらく待っててください」
その間約30分、問答無用で歯を抜くことになって、無言のまま診察いすで過ごす。気がつけば、あっという間に親不知撤去完了。
「ふぅ、終わったかぁ」と思ったら、
「はい、もう一本。今度は下の歯ね」
「えっ?、下って2本抜くんですか?」
「虫歯になっているからね。エイっ、はいおしまい」
こんな調子で、いきなり親不知を2本も抜かれました。抜く時は痛くも何ともありませんでした。麻酔の注射もちくりとも感じませんでした。
口まで鈍感な私…
その日はそれで無事終わったのですが、それが2年間に及ぶ歯医者通いの始まりだったのです。消毒と他の歯の治療もあり、週に2〜3回通院をしておりましたところ、どうも口が開かなくなりかけているのに気が付きました。糸でしばってあるのはわかりますが、口の中が化膿したのと、その下のほっぺたの筋肉が固まってしまったようです。「腹話術の人形のしゃべりをしている」といえばおわかりでしょうか、口がほとんど開かないのに、声はきちんと出ている。そんな日々が続きました。

何がつらいって、あくびが何ともつらい。思いっきり口が開かないので、いつも消化不良のあくびばかり。これじゃ、あくびちゃんがいつまでたってもツボからでられません。
その次に何がつらいかって、まともな食事がとれない。ビッグマックをがぶり!なんて夢のまた夢野サリーちゃん。
いつだってそば、うどん、永谷園のお茶漬けにせいぜいスパゲッティがいいところ。口をすこーし開けたところへ流し込むのです。

「よっしゃぁ、いいチャンスだ!」とばかりにダイエットを敢行、なんてことはなく、ただただガマンの日々でした。

問題はこんな状態で「近々講座を控えていたこと」です。山梨県の講座はまだ糸が抜けない時期でした。でも見た目の体調不良ではありません。身体は元気ですし、口を開かないとはいえ声も出ます。痛みもさいわいそんなにありませんから、「まぁ、大丈夫でしょう」と出かけました。講義や実習では、普段と変わらぬ様子で事すすみましたが、難点がひとつだけありました。
食事です。どうしても、施設ででる揚げ物や肉ものは手が出ません。口が開かないので食べられないのです。

でも、残すには抵抗がありますし、みんなに「なんなの山口さんは、好き嫌いが激しいじゃないのよ」なんて思われるのも悔しいですから、もう白状しました。「ごめんなさい。親不知抜いたばかりで口が開かないモノですから、このおかずみなさんで食べてくれませんか。礼ながら、お茶漬けさせてもらいますね」と、毎食テーブルで顔をあわせた四方八方の参加者に告白しまくりました。
「あら、親不知を2本も同時になの」
「私まだ残ってるんですよ、いやだなあ」
「大変ですねぇ」

一つの話題にはなりましたが、無事に講座を終了することができ、まぁホッっとしたというのが正直な気持ちでした。

昨年、やっと歯医者から解放され、今は何ともなく口が動いていますが、いつべらんめえ口調になるか、それだけは一生気をつけていかなければなりませんね(笑)。山梨県の2週間後に出かけました茨城県の時も、まだ口は開いておりませんでした。

さて、次は、本当に風邪をひいて講座に出た時のお話です。
「なんや、まだあったんかいな!」と思われたかもしれませんが、もう一つ聞いてください。

これは鹿児島県に出かけた時のことです。絶不調とまではいきませんでしたが、咳がひどく、のど飴やもちろん医者からもらった薬も忘れることなく服用していました。当然、講座中でも食事のあとには薬をぐいっと飲んで、一刻も早い回復を祈りながら進めていきました。

これでも講師たるプライドは少なからず持ち合わせているもので、できるだけ参加者の前では気丈に振る舞い、せめてスタッフ部屋や講師部屋に入った時は、なるべく身体をゆっくり休めるようにしました。毎日の夜のスタッフミーティングの時も「ゴホッゲホッゴホッゲホッゴッホルノアールピカソシャガールゴッホゴッホ…」と一人お騒がせしていました。

しかし、人生どう転ぶかわかりません。私はこの時、人生最大のうまいモンを手に入れることができたのです。地元のスタッフの方が、「これは喉にいいから」と出していただいたのが、お茶碗にお湯でといてくれた薩摩のキンカン粉末ジュースだったのです。

「すいゴホッ、まゴホッ、せん、ゴホッ」と言いながら一口飲んだら、そのうまいこと。
いや「んめえ!」こと。
ぐいぐいと一気に飲み干してしまった記憶があります。
「すいまゴッホ、せ、んゴホッ。もういっぱいいただいてもゴホッ、いいですゴホッ、か」てな具合で、そのミーティングの最中、暖かいお湯にとかれたキンカン粉末ジュースを4〜5杯は飲んだろうか。確かにビタミンだの何だのと、効能が袋に書いてあったような気はしましたが、それより「こんなおいしい飲み物があったなんて」という驚きと発見でたいそう喜んだもんじゃったぁ。

残った未開封の袋は貰って帰りました。なくなってからは、自分でJAに注文もしました。冷やで飲むのもよし、お湯にとかして飲むのもよしって感じで、このキンカン粉末ジュースは、私にとって忘れられない味となりました。

鹿児島に友人がおりますので、今度買ってきてもらおうと思っています。

鹿児島の時は、風邪が災いして生涯の味に出会えました。(影の声:なんとオオゲサな!)「雨降って地固まる」状態でしたが、やはり体調だけは今でも気にかけています。

オヤジ38歳。あちこちとガタがきているようで、また今年も胃カメラ飲まされるのかなぁ、苦しいし、ゲホゲホするし、嫌だなぁ、とぼやいているのでありました。

これをお読みになった方が私の講座にご参加されることがあったら、その時の体調がどうかチェックしてみてください。

では今日はこれでおしまい。

次のお話は、
「講座の会場でであった野生動物のお話」です。

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