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シーン11マンハッタン(p21〜22)

0)旅人は ニューヨーク マンハッタン (Manhattan)の摩天楼街にやってきました。街は、パレードの真っ最中です

エンパイヤステートビルから360度の展望写真を見ることができます。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/22/Skyline-New-York-City.jpg



ニューヨーク州南東部のハドソン川下流域にある島です。Manhattanの名はアメリカ先住民のデラウェア語の"丘の多い島"を意味するMannahateに由来するのだそうです。

1)右上(旅人の左後方) アメリカインディアンと白人が何か話しています1613年、オランダ人が先住民であるデラウェア族 (Lenape) からマンハッタン島を購入してニューアムステルダムを建設 しました。

ニューヨーク市旗にはそのことが表されています。
 旗の色は、左から青、白、オレンジ色。この3つの色は、オランダの国旗の色がもとになっていて、真ん中には、青色でニューヨーク市の市章が描かれています。
その市章には、最初の入植が始まった1625年を表しています。そして、ニューヨーク州のシンボル鷲(Eagle)、先住民であるネイティブ・アメリカン(Indian)、植民を表す航海器具と水兵(Sailor with navigational tools)、ニューヨーク初の会社「オランダ東インド会社」のシンボルのビーバー (Beaver)、そして初期のニューヨークで盛んであった産業の風車(Windmill)、 樽(Barrel)、花(Flower)が表してあります。
by forest-door さん

これはオランダ人たちがインディアンたちからマンハッタン島を二束三文で買っているところ。
ニューヨーク州は1626年オランダ人たちがインディアンから24ドルに相当する道具類と引き換えに買ったマンハッタン島にニュー・アムステルダムという村を作ったのが始まりとされています。その後、イギリスがオランダ人を追い出し、ヨーク公の名をとってニューヨークと名づけられ、今にいたっています。たった24ドルで買い取った土地がいまやアメリカ経済の中心地になっているというのもその頃では考えられなかった話でしょうね。


2)左下 パレードの出し物として羽根飾りを付けたアメリカインディアンの像が行きます。

3)ビルの壁に、ラッパを吹きながら騎馬で疾走する人が描かれています。「インディアン」とくれば、騎兵隊ということで描かれたのではないでしょうか?

 もう一つのはポニーエクスプレス(Pony Express)という説があります。
by forest-door さん
何なのか分からなかったんですが、この下(左)のポスターの絵にちょっと似ていますね。

これはポニー・エクスプレスの募集ポスターです。ポニー・エクスプレスは西部開拓期に行われた、郵便物を早馬騎手によって運ぶ一種の飛脚のようなものです。ミズーリ州セント・ジョセフからカリフォルニア州サクラメントまで3200kmをわずか10日間で運んでいました。ただ、電信の普及で1年半しか続いていないそうです。



4)ラッパを吹く子、櫛を持ったライオン、セーターを着たゾウ、(ピーナツを持った)クマ、太鼓を持ったカンガルーが行列を組んでいます。これは、マリー・ホール・エッツの『もりのなか』からです。
後で、述べますが、この手前にはニューヨーク公立図書館があります。そして、そこには、ライオンの像があります。ということで、ここにライオンを持ってこられたのでしょう。
by forest-door さん

絵本では左から右へ歩いているのですが、ここでは反対の向きで描かれています。
この絵本は1934年に出版されているのですが、その前年はエッツ自身が体調を崩し、夫もガンでなくすというつらい日々でした。
シカゴ郊外の森の中に家を借り、自分をなぐさめるためにこの「もりのなか」を少しずつまとめていったそうです。
それは幼いときにすごしたウィスコンシン州のノース・ウッズの家近くにあった森での思い出をもとにしたものでした。
きっと絵本のなかの「ぼく」はエッツ自身なんでしょうね。


5)巨人と巨大な牛の出し物を、それぞれ4人の人が引っ張っています。巨人は、伝説の木こりポール・バニヤン(Paul Bunyan)と彼の青い雄牛であるベイブ(Babe)です。
 アメリカ人の空想力が生み出したほら話の主人公。ベイブと共に、アイオワ州やカンザス州を切り開き、ミシシッピー川を掘り起こしたり。
『THE STORY OF PAUL BUNYAN』という本になっています。

by forest-door さん

そして次に続く巨人と牛の像はアメリカで伝説上の人物のポール・バニヤンと相棒の巨大な牛。
牛は青い牛とされているのですが、このページでは青くないですね。
ポール・バニヤンは巨人の木こりで、相棒の牛と一緒に森を切り倒していって太平洋に到達した、といわれています。ミネソタ州Bemidjiではこのポール・バニヤンと牛の像があって、ミネソタ州出身のコーエン兄弟の作った映画「ファーゴ」では、この像が映るシーンがあります。


6)ライオンの像が2つ、2頭の馬に引かれています。NYPLのプラカードが掲げられています。ニューヨーク公立図書館(New York Public Library)です。NYPLの前には、ライオンの像があります。NYP写真

by forest-door さん
もともとニューヨーク市にはアスター図書館とレノックス図書館の二館があったのですが、公共の図書館ではなく、当時の知事が公立図書館を願って1911年に図書館が作られました。
その建物の前には2匹のライオンの彫像が据えられ、アスター夫人とレノックス氏という名前で呼ばれていました。(1930年代には大恐慌を乗り越えていけるようにとの思いから「ペーシェンス(忍耐)」と「フォーティチュード(不屈)」の名前に変えられています)
「アンディとらいおん」はアンディが図書館へでかけてライオンの本を借りてくることから始まります。
テンポよいお話で1939年コルデコット賞銀賞を受賞しています。


7)ゾウの鼻にまたがっているのは、エドガー・ライス・バローズの小説『類猿人ターザンの主人公ジャングルの王者ターザン(Tarzan)です。小説も、続編が次々つくられ、映画に至っては、何十本も作られています。

by forest-door さん

ターザンはもともとエドガー・ライス・バローズが1912年に出版した小説の主人公ですが、1918年に映画化されて以来、何度か映画化され、そのイメージが強く残っています。
船が沈没して両親を失ったイギリス貴族の子供が、森で類人猿に育てられて、ジャングルの王者となるのです。「ターザン」とは類人猿の言葉で「白い皮膚」の意味だそうです。

1932年に映画化された作品ではオリンピックの水泳選手ジョニー・ワイズミューラーが俳優に転向し、ターザンを演じていて、有名な「アアア〜〜」という雄たけびをあげています。
誰しも1度は子どものころ、ロープにぶらさがって、ターザンごっこをやったことがありそうですね(^^)


8)ページをまたがって、国連本部ビル(United Nations Headquarters)が描かれています。国連ビル写真

このシーン全体のビル群は、エンパイヤステートビルから見えるビルを基本にして描かれているように思います。国連ビルもエンパイヤステートビルから見ることができるようです。ただし、正面からではなく、遙か遠くに位置します。角度もかなり違います。


9)馬に引かれた山車に、踊っている怪獣がいます。モーリス・センダック(Maurice Sendak)の『かいじゅうたちのいるところ(Where the Wild Things are)』からです。

怪獣にもちゃんと名前が付いていて(作品そのものには名前は出てこないのですが・・関連作品に名前があるのでしょう)、前で頬に手を当てている怪獣がアーロンAARON、後ろにいる赤毛の髪で両手を上げて踊っているのがチッピーTzippyです。主人公のマックスMaxは、オオカミの着ぐるみを着たイタズラ好きの男の子なんですが、ここには出てきません。
 親の言うことなんか聞きたくないけど・・・実は親が恋しかったりする、わんぱく坊主の心理が良く出ていて楽しい本です。もっとも、初めて見たときには、そんなにこどもたちに人気がある本だとは思いませんでした。「かわいい」絵ではないので、お母さんが選ばないのではないかと、勝手に心配したりしましたが、アメリカ絵本作家最高の栄誉“コールデコット賞金賞”を受賞していて、世界的なベストセラーとなっています。

10)怪獣たちの後ろで手を振っているのも、なんだか被り物ですが、何でしょう?
11)山車の横を、鳥の被り物をかぶったのが二人います。後ろは、背中に何かついています。羽でしょうか

12)ラッパを吹いたり太鼓をたたいたり踊ったりしている一段が後ろに続きます。安野さんの別の作品に出てきたように思うのですが、何でしょう?

13)つづいての山車は2頭の馬が引きますが、馬に乗っているのは一人だけ。
14)船を載せた山車は、アイリーン・ハースIrene Haasの絵本『わたしのおふねマギーB(THE MAGGIE B)』からです。
ちいさな女の子マギーが、自分の名前の付いた船がほしくて、「船がほしいの、自由に海を走りたいの」と星に願います。願いがかなって弟とふたり海に乗りだします。

15)つづいての山車も2頭の馬に人が一人です。そして、山車に乗っているのは、「旅人」です。
 悠々とニューヨークのビルの谷間を進んでいます。

16)鳥と卵を載せた山車があります。馬2頭で引いていますが、その馬の手綱をそれぞれおじいさんが引いています。
 鳥と卵は、何を意味するのでしょうか?ライオンの山車の右のビルにも鳥と卵が描かれています。ニューヨーク州の州鳥ルリツグミ (Eastern Bluebird:瑠璃鶫)ではないかと思います。ブルーバードですから、縁起も良さそうです。
絵の鳥は青く描かれていませんが、代わりに同じ山車に乗っている女性の服がブルーです。もっとも卵がそばにあるので、托卵するカッコウかも知れません。ただ、カッコウだとニューヨークとの関係が不明です。

17)大きなリンゴがつづきます。ビッグアップルは、ニューヨークの愛称の1つです。
 この由来は、色々あります。ニューヨークとりわけハーレムがジャズのメッカを表す言葉として、ジャズメンに愛用されていたというのが定説のようです。ただ、もっと古くから使われていたという説があります。1921年『ニューヨーク・モーニング・テレグラム』紙に競馬の記事を載せていたジョン・J・フィッツジェラルド記者が、ニューオリンズで厩舎の人に、「この馬はどこに行くの?」と聞いたところ、「その辺の競馬場じゃないぜ、ビッグアップルを目指しているのさ」と答えたというのです。ニューヨークのレースを目指すことを、大きなリンゴ(褒美)を目指すと呼んででいたのです。この説は、1997年ジュリアーに市長によって正式に認可されたそうです。


18)旅人の山車の左上 スカートを押さえている女性がいます。映画『7年目の浮気』のマリリン・モンローです。この地下鉄の通気口に立ち、白いスカートがふわりと浮き上がるシーンは映画史上に残る有名なシーンです。

19)黄色のボンボンを持った一隊が踊りながら行きます。

20)馬に乗って、星条旗を掲げている人がつづきます。

21)建物を確認しましょう。o)で示した写真は、エンパイヤステートビルから北の方を見たものです。右の写真の真ん中手前の角がクリーム色のビルは描かれていませんが、そこから右は、安野さんが右側のページに描かれたものとほとんど重なります。

22)ボンボンで踊っている通りが、マディソン街Madison Aveになります。旅人の山車が行くストリートは東39丁目(E39thSt)にあてはまります。

23)安野さん写真にあるパンナムビル(現メットライフビル)は描かれていませんが、本物の旅人の後ろに描かれたのビルは、写真の青い屋根をつけて横に長いビルと重なります。マディソン街と東42丁目(E42thSt)の交差点の北東にあります。ビルの名称は不明です。
 描かれていませんが旅人の居るあたりはパーク街(Park Ave)の東42丁目になります。


24)その手前に見えている細長くて、てっぺんに色々とがったものがついているビルは、東42丁目と41丁目(E41thSt、図書館通り)の間にある 『Lefcourt Colonial Building』です

25)ビルの下には2頭のライオンの像があります。これは、実際には街路を1つ西に行ったところにある、ニューヨーク公立図書館の前に据えられています。パレードのにもこの2頭の山車が出ていました。

26)星条旗を持って馬で行く人の右側に並ぶ大小のビル群も写真の並びと同じです。一番手前の下部の1/3ほどが階段状になっているビルは、『Johns-Manville Building』です。

27)星条旗の人の左手前ひときわ高く三角の屋根をつけたビルも、写真で同じ位置にあります。『Mercantile Building』です。
 その奥にある縦に筋が入ったように見えるビルは『THE RKO BUILDING』ではないかと?

28)国連ビルの左側、ライオンの山車が行く道は、五番街(5th Ave)です。マンハッタンを南北に貫く街路です。この街路の東西が分かれることになります。
 巨人と牛の山車が通っているのは、巨人が西42丁目、牛が東42丁目ということになります。そうです、巨人の山車(42丁目)と旅人の山車(39丁目)の通りは、実際には直線でいつながっていないのです・・・。安野さんはそれぞれのビル群を南北に平行移動させて、ずれたストーリートをつながっているようにして、さらに五番街とマディソン街の間に、ビッグアップルの街路を含めて、別の所から持って来て、両街路を実際以上に東西に引き離して、どこにも無い街並みを造られたようです。


29)上記のずれを上手く国連ビルで隠してあります。
 ちなみに、写真ではほぼ同じ位置に黒色のビルがあります。どうも、安野さんはこのビルと国連ビルを置き換えられたのではないかと思います。
 

30)右の写真の背の高いビルは、『Fred F. French Building』です。馬に乗った人の絵の描いてあるビルも、左隣のビルです。
 そして、写真で手前に、西42丁目の通りをはさんで屋根が見えているのは、NYPLです。ですから、ライオンの山車は、図書館のすぐ近くにあるということになります。
 NYP写真

31)NYPLは、安野さんの絵の中には、描かれていないのですが、山車のライオンと25)のライオン像は、どちらも図書館の近くに描かれています。安野さんの描いたこのシーンで対角線上に一番離れている2つの地点が、どちらも42丁目で、東西も街路を1つ違うだけで、実はくっついていることを、安野さんはさりげにヒントを出していたわけです。
 もう一つヒントがあります。旅人と旅人の山車も南北のずれを示すヒントだったわけです。

32)『かいじゅうたちのいるところ』の山車の前の、ビルは、屋上緑地?中庭の緑地?がある所のようです。どこにあるのか不明です。

33)緑地の向こうのとんがった屋根は、どこかの教会だと思うのですが、これも不明です。

34)屋上に星形がある建物は、これもエンパイヤステートビルから見える、『バイアコムViacom』のAstor Plazaです。バイアコムは、アメリカにある巨大メディアグループです。
 実際の所在は、七番街とブロードウェイ (Broadway)が交わるあたり。西44丁目と45丁目の通りの間に建っています。隣には、Shubert Theatreがあります。また、45丁目の通りをはさんでお向かいにMarquis Theatreがあります。劇場街 (Theater District)です。タイムズスクエアは、目の前の42丁目あたりです。

35)鳥の絵の描いてあるビルは、五番街の東43丁目にあるビルかも知れません。右の写真に少しだけ見えています。(鳥の絵はありませんが)

36)ターザンの右にある長方形のビルは、五番街の奥の東47丁目のビルだろう思います。右の写真で奥に見えている暗いベージュビルです。屋上の形状が違いますが、たぶんこのビルだろうと思います。
 あるいは、NYPLの西42丁目の通りをはさんで斜め向かいにある、左の写真のビルかもしれません。
ニューヨーク州立大学(State University of New York; SUNY)の眼科の入っているW R Grace Buildingのようです。

37)p21の左上のあたりは、ロックフェラー・センター( Rockefeller Center)ビル群であろうと思います。ロックフェラービル写真
 とすると、五番街をはさんで、尖塔が見えているのは、50丁目にあるセント・パトリック大聖堂(St. Patrick's Cathedral)ではないかと思います。
大聖堂写真

38)壁にMと大書されたビルがあります。「」は、安野光雅(Mitumasa)のMでしょう。

Google マップでたどるブロードウェイ
マンハッタンのほとんどの道を地上からドライブする視点で見ることができるます。驚異です。

39)見物客を見てみましょう。
 左手前から、「インディアン」の山車を見ている孟子をかぶっている男性の隣は、金髪の女性のようです。子ども?をはさんで隣の帽子の男性と家族でしょうか。
40)それも、さらに隣の傘を差している女性と間の子どもが家族でしょうか。
41)その右国連ビルまでの17人、なんだか帽子の人が多いように思います。
42)「インディアン」の山車の前方に乗っている人、手を挙げて伸び上がっています。何をしているのでしょう。
43)その向こうに、小さな子を連れたお父さんがいます。
44)右側、男性二人と女性が並んでいます。女性は、巨人を指さしています。
45)隣の子どもは、巨人より『もりのなか』の方に、興味があるようです。
46)巨人を引っ張っている男の人の向こうの7人も、目の前の「もりのなか」の方に気持ちがいっています。
47)巨人の向こうで手を振っている女性二人は、NYPLのライオンに向けて手を振っているようです。雌ライオンのほうも、気にして二人の方に目線がいっています。

48)街路の反対側、赤い水玉のドレスを着た女性が二人。そのむこうにも、青い水玉の女性がいます。
49)薄紫のドレスの女性の向こうには、黒服にネクタイと帽子という出で立ちの人たちがいます。
50)白色のドレスの女性と水色のスーツの人はカップルかな?パレードそっちのけで話しているようです。
51)ターザンの山車を引く馬をリードしている白い服を着ている男性、トルコ帽をかぶっているように見えますが?
52)ラッパを吹いている男性がいます。
53)小さな子が万歳しています。ターザンに反応しているようです。いや、ゾウにかな。
54)茶色の服を着て腕を組んでいる男性がいます。前の黒服の男性も腰に手をやっています、何か問題でも?
55)カラフルな女性が並んでいます。指さしているのは、ゾウでしょうか?指先は、ゾウのしっぽあたりをさしていますが。
56)その向こうの人たちも、ゾウとターザンの方を気にしてみているようですね。
57)国連ビルの右側、帽子をかぶった男女の大人が並んでいます。
58)青い服の男の子と、赤いスカートの女の子が並んでいます。兄弟でしょうか。かわいいカップル?
59)赤い水玉の隣の男性なんだか体をくねらしています。踊っているのかな
60)ステッキを持った水色のスーツの人もくねらしているようです。
61)帽子をかぶった吊りズボンの男の子がいます。ひょっとして『シェーン』のジョーイのような気もします。

62)右手を腰にあてた女性がいます。腰が痛いの??
63)女性二人をはさんで、青いスカート女の子に、吊りズボンの男の子が話しかけています。こちらは、男の子が女の子に好意を持っているように思えます。
64)黄色の籠を持っている隣の男性のズボンには尻あてがしてあるようです。
65)その向こうの子どもを含めて5人、ここらの人は、田舎から出てきたのか、地味目な服装です。
66)黒服にあごひげの男性が3人います。クエーカー教徒の人たちかな。
67)子どもと黒服の人が話しています。どんな話でしょう。
68)スカーフの女性と、薄緑のフリルのついた女性がいます。
69)よこしまのシャツを着た男の子は、帽子のつばを後ろに回し、手を繋いでいる?女の子は手を振っています。
70)藤色のドレスを着た人の、隣の男性はまるで肘鉄を食らわせるように、左手を腰にしていますが・・・。二人の間に何が?
71)紫の水玉の女性と、スーツの男性は夫婦かな?一歩下がってみています。
72)水色のセーラー服とオレンジの服の女性はカップルかな。
73)黒い服と赤いスカート黄色のシャツの男性もカップルでしょうか
74)茶色の服を着た人は、手を後ろで組んでいるようにも見えるし、隣のセーラー服を着た女性と後ろで手を繋いでいるようにも見えるし・・・どっちでしょう。
75)後ろに頭だけ出ている二人は・・・どんな人
76)旅人の山車の後ろには、警備の警察官が警棒を携えて立っています。
76)ビルの下には、オーバーオールを北男性と。薄緑のシャツを着た白髭のおじいさんがいます。
77)赤いドレスを着た女性は、隣の子どものお母さんでしょうか。子どもは、お母さんに話しかけています。旅人の山車を見て、旅の絵本のことを思い出して話しているのかな。
78)隣のお姉さん?は、向こうの男の子と話しています。
79)水色のドレスの人、顔の向きからすると・・・マリリンモンローを見ているような気がします。
80)赤いストライプのスカートに青いシャツは女性は星条旗柄のように思います。、女性版のアンクルサム?両手を上げて声援を送っています。

81)オレンジの服と藤色の服の女性とが話しているのかな?
82)見物する5人の北側に万歳してる子ども(?)が、二人います。
83)3人おいて、片手を上げて手を振る人と、最も北で両手を上げている人は、馬上の星条旗に手を振っているようです。
84)マリリンモンローの左側ビルに寄り添って立つ男性は、マリリンの事態に気づいていないようです。

85)ステッキを持って立つ男性と赤いドレスの少女と藤色のドレスの女性は家族かな
 おじいさんと少女とくれば、映画『34丁目の奇跡』の自分のことをサンタクロースであると信じているクリス・クリンクルと、猜疑心が強くサンタクロースなんか信じない女の子スーザンではないでしょうか。

86)一人おいて、立派な白髭のおじいさんは、頭髪の方は・・・無くなったようです。
87)お船の左側に、縦いる黒人の男性の隣の人、濃い藤色の服を着ています。この色、、鳥の山車の馬を引くおじいさんの服と同じ色です。
88)この街路にも観客がびっしりです。北の端では、茶路の服の人が両手を上げて万歳しています。
89)最奥部、右手を挙げている人の、前に頭だけ見えている、白い塔のようなものも、山車かなと思いますが・・・・何でしょう?
90)「かいじゅうたちのいるところ」の向こうには、風船を持ってパレードを見ている人がいます。
91)怪獣の左側には、黒ずくめの服を着ていて、顔も黒いフードで覆われている人がいます。いったいどんな女性でしょう。
92)3にの女性を置いて、一番左、水色の服を着ている女性は、右手に本を持っているようです。腰の所に何かつけています、帽子のデザインが変わっていますね。何かありそうですが、不明です。

※このパレードはどんなパレードがモデルはなんでしょう。マンハッタンでは行われるパレードは、毎週末のように各地で行われ、年間にはなんと300にも及ぶとのことです。
その中でも、最大級のパレードは「メイシーズ・サンクスギビング・デー・パレード」のようです。感謝祭(11月の第4木曜日)にメイシーズ(Macy's) 百貨店の催す、1924年からつづけられているパレードです。たくさんの山車がでて、250万人もの人出だそうです。
映画『34丁目の奇跡』は、このパレードが背景になっています。ちなみに、34丁目のブロードウェイと7番街にかけては、メイシー百貨店があるのですが、エンパイヤステートビルも5番街の34丁目に面しています。東西に少し離れて建っているのです。
ただ、このパレードの目玉は、巨大バルーンのようですがが、どうもその巨大バルーンが見あたりません。その代わりが、90)の風船でしょうか?
多分、特定のパレードということではないのでしょう。



シーン12ウエストサイド物語(p23〜24)

0)旅人は  ニューヨークマンハッタンのど真ん中にある、セント・パトリック大聖堂(St. Patrick's Cathedral)のある場所にやってきました。安野さんの絵では、緑の中に立っていますが、実際にはぐるりをビルに囲まれている教会です。(St. Patrick's Cathedral)の写真

by forest-door さん

この教会はアイルランドの守護聖人である聖パトリックをまつっています。
3/17の聖パトリックの日にはアイルランド系の人たちによるパレードが行われ、人々はアイルランドのシンボルカラーである緑色のものを身につけて行進します。そういえば、アイルランドのサッカーチームは緑色のユニフォームでした。

1)旅人の向こうに飛び上がって、踊っている一段がいます。映画『ウエスト・サイド物語(West Side Story)』(動画とリンクしています)からです。もととは、1957年初演のミュージカル1961年に映画化されました。どちらも名作です。踊りで、ここは俺たちのなわばりだと、主張しています。
 シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を、アメリカマンハッタンのウエストサイドに舞台を移し、イタリア系の少年達で構成されているジェット団(Jets)と、最近力をつけてきたプエルトリコ系のシャーク団'(Sharks)との抗争の狭間で苦しむ若い男女の恋の悲劇にしてあります。名作の誉れ高い映画です。アカデミー賞も受賞しています。

2)金網で囲われたバスケットコートでも踊っています。こらも、『ウエスト・サイド物語』からです。

3)スーツ姿の男が、踊りを見ています。彼らを苦々しく思っている警部です。


4)背後でスカートを持ち上げて踊っているのは、ダンスホールのシーンです。[America]を歌い踊っています。
映画で「アメリカ」を踊っている場面は、男の子はプエルトリコからアメリカにやってきていやなめにあっていることを強調し、女の子はたちはアメリカの多様な可能性を歌い上げています。安野さんは、女の子たちを描いているので、アメリカの可能性も示したかったのだと思います。
West Side Story - America(動画です)
http://youtu.be/Qy6wo2wpT2k

5)建物には、たくさんお外階段がついています。避難用の階段でしょうか。ここらあたりの町並みは、シーン10のフィラデルフィアの町並みとよく似たように描かれています。
マンハッタンのウエストサイドの様子のようです。

6)壁にSHATKSと書いてあります。もちろん、シャーク団の落書きです。映画の中にもあちこちに出てきます。

7)壁にとがった歯を持つ魚の絵が描かれています。この絵も、映画の中に出てきます。

8)映画の撮影スタッフが描かれています。
カチンコを持っている人、レフ版(反射板)を持っている人 、椅子に座ってたばこを吸っているのが監督さんでしょうか。女性二人は何しているんでしょう。ところで、肝心のカメラは??

10)女性二人が、お巡りさんと話しています。撮影中だからこちらに行かないでといっているのでしょうか?
それとも、非行グループがいるからこちらには行かない方が良いよと忠告しているのでしょうか

11)ここにも踊っている3人。このシーンは上記のポスターになっています。

12)色違いの制服を着た、警察官が二人話しています。

13)左上、山高帽をかぶった人が、何か抱えています。どうも、板ガラスのようです。そして子どもがそばにいます。チャップリンの映画『キッド The Kid』からです。
子どもがガラスを割って、その後にガラスを持ったチャップリンがやってくるという、商売です。

14)犬が不審そうに、二人を見ています。
15)ゴミ箱の所に、何故か車輪があります。
16)建物の前にテントを張って店を出しています。商品は何でしょう?
17)黄色の服の女性が、ワゴンに花?を入れて運んでいます。
18)入り口に板を張り、ご丁寧に斜めに板を打ち付けて封鎖しています。昔は店舗だったのでしょうか?
19)赤い傘のワゴンは、何をあつかっているのでしょう?お客さんもふたりいるようですが?
20)洗濯物がほしてあります。それにしても、高い所でしかもすごく距離が離れています。どうやって干したんでしょう。
21)男の人が一人歩いています。

22)ハトに囲まれた、女の子二人と、犬がいます。
23)手回しオルガンの演奏をしている人と、それを聴いている子どもが二人います。

24)「Holy Bible」(聖書)の看板を担いで歩いている男の人がいます。こういう、デモンストレーションをする人がほんとにいるのでしょうか?

25)教会の前では結婚式です。(正確には、結婚式の後なんでしょうが)安野さんは、どの巻にも結婚式を用意されます。
 ウエストサイド物語の二人もこうなれば、ハッピーエンドになったのでしょうが。
 ただ、映画の中で、トニーとマリアはブティックで偽の結婚式を挙げました。安野さんは、そのことも意識して、ここに結婚式を持ってきたのではないかと思います。

26)神父さんが立ち会っています
27)男の子と花を持った女の子がいます
28)水玉のワンピースと白の服の女の人が二人並んで二人を見ています。
29)白い帽子に白いドレスの女性と帽子を手に持った男の人が並んでいます。夫婦のようですが、どういう関係でしょうか、新郎か新婦の両親かな?

30)花売りのワゴン車があって、花売り娘はオレンジの水玉の女性に花を売っています。
31)二組のカップルの男性同士が握手をしています。白髭におじいさんなので、新郎新婦の祖父母同士かな?
32)オレンジの服と帽子、白い服と帽子の女性が並んで立っています。なんだか、胸を少し反らしているように思います。子の胸のそらし方が、第1巻に繰り返し出てきた、クールベの「村の娘たち」に様子がにているように思います。

33)泣いている女性を、黒いスーツの人が、馬車の方に誘っています。この女性は・・・、新郎のお母さん?なら、男の人は新郎のお父さんかな。それとも昔の恋人でしょうか?なら、大変な修羅場になってしまう可能性が・・・。

34)新婚旅行用の馬車が待っています。二頭の色違いの馬はどこかで見たような?アンクルトムのシーンでは馬だけでいて、ニューオリンズでは荷車を引き、1つ前にマンハッタンでは鳥の山車を引いていた二頭のように思いますが?

35)馬車のところでは、旅行用の荷物を二人がかりで積み込んでいます。

36)抱き合っているカップルがあります。恋人同士でしょう。『ウエストサイド物語』のトニーとマリアだと思います。非常階段で「Tonight」を歌いながらのデートでした。
West side story Tonight(動画です)
http://www.youtube.com/watch?v=5_QffCZs-bg

37)教会の裏では、花を持って神父さんと一緒にお墓参りをしている人がいます。
 ただ、セント・パトリック大聖堂は、マンハッタンの5番街に摩天楼に囲まれてあるわけですから、教会に墓地があるとは思われません。
 クイーンズにカルヴァリ共同墓地(Calvary Cemetery, Queens)があります。セント・パトリック大聖堂が管理しているようです。マンハッタンの摩天楼を臨む墓地です。この墓地のイメージなのかなと思います。
ただ、墓地の雰囲気としては、Long Islandにある、墓地の方がしっくり来ます。

38)4人組で管楽器の演奏をしています。一番左の人の人の楽器はチューバでしょうか?

39)その音に耳をすますかのように、犬が座っています。これはビクターのマークになっているニッパー(Nipper)のようです。
亡くなった主人の声が聞こえてくる、蓄音機に耳を傾けています。安野さんは、蓄音機のスピーカーの代わりにチューバを用意したというわけです。

40)演奏を聴く人たちは、10人なかなか楽しそうです。
41)少し離れて、黒服の人が二人並んで立っています。この人達も、演奏を楽しんでいるのでしょうか。

42)屋台が出ています。FRANKFURTERと書いてあります。フランクフルト風ソーセージということです。そして、それを使ってのホットドッグを売っているんですね。お客さんはセーラー服を着た水兵さんですかね。
 ちなみに、なんで「Hot-Dog 熱い犬」なのか。フランクフルトソーセージをダックスフントに見立てたのです。そのソーセージを暖めて、手で持てるようにパンにはさんだ訳です。そして、ある人が原稿を書くのにDachshundの綴りが思い出せずに、Hot-Dog と書いてしまったのが、始まりだとか。ここから、犬の肉を使っているのだとの「都市伝説」が生まれたのだそうです。

43)隣の屋台はアイスクリーム屋さんのようです。こちらのお客さんは、子どもが二人です。

44)木の下には似顔絵が飾られています。ホットドッグやさんの青い傘の所にいるのが、J・F・ケネディ大統領 (John Fitzgerald Kennedy )、そこから右に、キング牧師(Martin Luther King, Jr)リンカーン大統領(Abraham Lincolnワシントン大統領(George Washington)ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)でしょう。

ケネディー大統領はアイルランド系移民の子孫で、アメリカ史上唯一のカトリック教徒の大統領です。セント・パトリック大聖堂はアイルランド系の教会。ですから、このシーンに出てくるのはふさわしいです。そして、ケネディー大統領は、公民権運動に積極的な政治家で、上院議員時代からキング牧師などの運動を支援しています。
キング牧師は、アメリカ人公民権運動の指導者でプロテスタントバプティスト派の牧師です。1964年公民権法(Civil Rights Act)を制定させます。1963年のワシントン大行進で行われた「I have a dream」は、歴史に残る名演説です。1964年ノーベル平和賞受賞者。「I have a dream演説」は、リンカーン記念堂の銅像の前で、独立宣言と奴隷解放宣言がアメリカ国民に約束した正義の実行を迫りました。
演説の100年前、1862年9月にエイブラハム・リンカーン大統領によって奴隷解放宣言に署名したのです。
奴隷解放宣言の根拠になった、独立宣言を起草したのが、ベンジャミン・フランクリンであり、初代大統領がワシントンというわけです。見事な繋がりです。
リンカーンもキングもケネディーも暗殺されたという悲しいつながりも有ります。また、ケネディはアメリカの50セント硬貨、リンカーンは5ドル紙幣、ワシントンは1ドル紙幣、フランクリンは100ドル紙幣の肖像画になっているというつながりもあります。


45)さてケネディー大統領の左側はというと、アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)です。その左ははっきりしませんが・・・エリ・ヴィーゼル(Elie Wiesel)ではないかと思います。

アインシュタインは、ユダヤ系アメリカ人です。ドイツに生まれましたが、ナチスのユダヤ人迫害を逃れてアメリカに亡命しました。このページの主題にふさわしいと思います。物理学者で、相対性理論をはじめとして数々の革命的な理論を導き出した人でノーベル物理学賞を受賞しています。

エリ・ヴィゼールは、ルーマニア出身でホロコーストを自らが体験したユダヤ系アメリカ人です。1986年にノーベル平和賞を受賞しています。安野さんがアメリカ編を描いたのが1983年というのが微妙です。
エジソンとの説もあります、エジソンの方がにているようにすが、髪の分け方が違うのと、アインシュタインとの繋がりが思いつかないのです。

と、考えていましたが
「旅の絵本の秘密」には、左から順にエジソン、アインシュタイン・・・・・・とあります。
トーマス・アルバ・エジソン(Thomas Alva Edison)生涯におよそ1,300もの発明を行ったアメリカ合衆国の発明家、起業家です。
アインシュタインとは・・・理系のつながりと言うことだと思います。・・・もう一つ、どちらも親日家・知日家であり、来日していること。日本人がとても好きなアメリカ人と言うことではないかと思います。
(それにしても、やっぱり髪の分け方が反対なんだよなぁ、左右逆転させるのは安野さんのお得意ですが、似顔絵ではそんなことしてないんだけどなぁ・・・ブツブツ)

このシーン全体について
 似顔絵は、黒人解放の功労者が並べてありますし、ケネディー大統領は、初めてアイルランド系のカソリック教徒で大統領になった人です。教会は、アイルランド系の人たちが設立した教会です。アイルランド系の人たちは、プロテスタント優先の合衆国で、自らの宗教を隠さなければならなかった歴史もあります。また、ウエストサイド物語の主役たちは、イタリア系とプエルトリコ系で白人ではあっても、被差別の状況におかれたグループです。
さらに、アインシュタインやヴィーゼルは、ユダヤ人としてドイツで迫害されてアメリカにやってきた人です。人種差別と闘う人たちがこのシーンの主題だったのでしょう。
→アインシュタインとエジソンが正解のようですから・・・このまとめは走りすぎだったようです(汗)

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シーン13セントラルパーク(p25〜26)

0)旅人は マンハッタンにあるセントラルパークへやってきました。南北4km、東西0.8kmの広さがある、摩天楼の中に造られた広大な都市公園です。

1)左下 男の人が何か話しています。話しかけているのは警察官でしょうか
2)マフラーをして手をポケットに入れて颯爽と歩いている人がいます。
by forest-door さん

あくまで私の個人的印象ですが、勝手にこの人をジョン・レノンと思っています。
ジョンはセントラル・パーク近くのダコタ・アパートに住んでいましたし、セントラル・パーク内にはジョンをしのぶ「ストロベリー・フィールズ」の記念碑もあります。そして何より、こんな風に手をつっこんで歩くシーンを写真か何かで見た記憶がかすかにあるのです。
ジョンが生きてたらもう今年で65歳。どんな風だったろうなんて想像してしまいます。

セントラルパーク内にはジョンレノン記念碑「ストロベリーフィールズ」 (Strawberry Fields)があります。

3)コートを着た二人が話しながら歩いています。似顔絵についてはなしているのでしょうか。
4)馬車に御者が乗って待っています。誰を乗せるのでしょうか。
5)長い髪の女性が歩いています。

6)像の前で、ポケットに手を突っ込んだ男性がいます。像のいわれをみているのでしょうか。

7)この像は、Grand Army Plazaにある「 The Sherman Monument (シャーマン像)」です
 W.シャーマン将軍(William Tecumseh Sherman)の像です。南北戦争当時の将軍のようです。公園の東南の角にあります。花崗岩の台の上に金メッキされた青銅製です。安野さんは、金ぴかは、好きじゃないのでしょうね、メッキははがしてしまったようです。

8)黒服の男性が二人話しています。ビジネスの合間の話でしょうか。

9)門があります。これは「The Vanderbilt Gate(ヴァンダービルト門)」です。東105丁目(北の方になります)の所、セントラルパークのConservatory庭園への入口に設置されているようです。
もとは、ヴァンダービルト邸のためにパリで作られたもののようですが、道路建設に伴って邸宅が壊されたのですが、門は市に寄付されたようです。結婚式のセレモニーをこの門の近くでするようです。

10)アメリカンフットボールをやっている人がいます。セントラルパークにはアメフトの競技場はありませんが、ニューヨークにはニューヨーク・ジェッツ(New York Jets)とニューヨーク・ジャイアンツ (New York Giants) の2チームがあります。ただし、二つとも現在の本拠地は、ニューヨーク郊外になるニュージャージー州イーストルーサーフォードに有るジャイアンツスタジアムにあります。
 アメリカンフットボールは、ラグビーを基にアメリカでつくられた文字通りアメリカ生まれのスポーツですね。

11)男性が一人立っていますが、何をしているのでしょうか?ただ立っているだけではなさそうですが。

12)3人の男がペタンクをしています。ちょうど鉄球を投げているところです。
 ペタンクといえば、フランスのイメージですが、楽しい遊びですからアメリカにも愛好者がいるのでしょう。正式には競技場がありますが、公園等ちょっとした広場があれができてしまうのが良いですね。

13)鳥(ハト?)がたくさんいて、その中に女の子とお母さんがいます。鳥に囲まれて女の子はご満悦なんでしょうね、

14)赤い風船を持った女の子とお母さんがいます。セントラルパークはこうやって、小さな子どもを安全に遊ばせる場所としていいのでしょう。公園内にはこのような草原以外にも、遊具を設置したプレイパークがたくさんもうけられています。

15)左の端に銅像があって、二人の子どもに話しかけているようです。
「ハンスC・アンデルセン Hans Christian Andersenの像」です。5番街の74丁目近くのセントラルパークにあります。この像は、一緒に腰掛けたりできるので子どもに人だそうです。そして、夏には、この像の周りでストリーテリングが行われるとか。写真の鳥も像に含まれていて、「醜いアヒルの子」です。

16)バイオリンを弾いている男の人がいます。こんな風に、公園で練習する人がいるんでしょうね。
17)川の手前では、女の人が演奏を見ているようです。二人の関係は?恋に発展するのかと思いましたが、絵本の中では、これ以上発展していないようです。残念。

18)犬と狩人の像があります。
「Indian Hunter」像です。ラコタLakota族(別名スー族)の狩人の像で、手には弓を携え、猟犬を抑えています。セントラルパークに設置された最初の像だそうです。ひょとして、安野さんはこの像からダコタハウス(ジョンレノンがすんでいたマンションですセントラルバークに隣接しています)を思い出してほしいという気持ちがあったのかも。
花崗岩の台の上に青銅で作られています。場所はSouth Endで、66丁目くらいでしょうか。

19)石橋の上を老夫妻が杖をついて歩いています。
セントラルパーク内に色々と石造の橋があります。モデルは左の写真の石橋ではないでしょうか。

20)ランニングを楽しむ、3人がいます。最後の白シャツの人は、これから頑張ってダイエットしなくてはならないようです。実際のセントラルパークでも、たくさんの市民がランニングを楽しんでいるようです。このランナーは、安野さんの別の作品で見たようにも思うのですが・・・不明です。

21)公園の中を馬車が行きます。
 実際のセントラルパークにも、観光用に馬車が用意されているようです。

22)滝があります。実際にセントラルパーク内に滝が作られています。



23)天使の像を使った噴水が有ります。
 公園内にあるシンボル的な噴水で、ベセスダ噴水 (Bethesda Fountain)です。

by forest-door さん

P.26の噴水はセントラル・パークの中にあるベセスダ噴水ですね。中央には湖の天使の像が立っています。
1842年にニューヨーク市に初めてきれいな水を供給したクロトン水路システムの開設を記念して作られたものだそうです。
聖書のなかにある、エルサレムのベセスダ池の癒しの天使から名前がとられています。


24)池で釣りを楽しんでいる人がいます・・・やっぱりまずいんでしょうね。だめなんですと説明を受けているようです。その上警察官までやってきて。ここは、みんなの公園だから釣りをしてはいけないでしょう。と注意しているのかと思ったのですが・・・。
セントラルパークのHPには、釣りをしている写真が紹介してあって、キャッチアンドリリースとコメントが書いてありました。まあ、この噴水の所ではないので、別のところで(東109丁目です)やってくださいということでしょう。

25)自画像を描いている絵描きさんがいます。それにしても、絵を描いてるそのまんまで、利き腕が反対になっています。実は、これは絵を描いているのではなくて、鏡を置いて、画いているふりをするパフォーマンスかも。

25)画家の足下に不思議な動物がいます。これは・・・メトロポリタン美術館のシンボルのカバのウィリアムです。
もともとは、古代エジプト第12王朝のもの。カバは来世の怪物に対して力を与えてくれるという信仰があったそうで、副葬品として墓の中に入れられたのだそうです。ちなみにカバの体に画かれているのは、カバの生息地に有った湿地植物だそうです。「ウイリアム」の名前は、ローライという人が1931年頃、広報の中で言い始めたのだそうです。
ここへウイリアムを持ってきたのは、セントラルパークの東80〜84丁目にかけてにメトロポリタン美術館があるからです。そして、ウイリアムが見ているのは画家であり、作品であるということですね。画家はメトロポリタン美術館そのものの象徴と言うことになるかも。。

26)噴水の縁に座って、ラッパを吹いている人がいます。ウイリアムがびっくりして襲ってこないのか。
27)黄色のシャツの人は足を組んでのんびりしています。
28)犬を連れた夫婦ずれがいます。二人と1匹は噴水の反対側が気になっているようです。

29)池にヨットを浮かべて楽しんでいる人がいます。セントラルパークでは、本当に模型のヨットを持ってきて楽しむ人がたくさんいるようです。ラジコンで動く模型のヨットを持ち込んでレースをするのだそうです。
 でも、この人も自分のヨットより気になるものが出現しています。

30)なんと池の中になにやら生き物が・・・白い鯨です。これはニューヨーク出身のハーマン・メルヴィル(Herman Melville)の長編小説。『白鯨』(Moby-Dick)からですね。
 まあ、大きさはずいぶんスケールダウンしていますが・・・まあ、船(ヨット・・帆船)もスケールダウンしてありますから。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E9%AF%A8

31)男の子が、お母さんの手を引いて、モービディックを指さしてます。そりゃあ、大事件ですから。

32)右の方では旅人の手前で、待ってくれと言っているおじいさんの手を引いて、白鯨事件を知らせようとしている女の子がいます。

33)そんな大事件があるのも知らぬがごとく、チェスをしている人たちがいます。
 セントラルパークにはチェスをする建物も用意されています。 Chess & Checkers Houseです
 それにしても、チェスをしている左側の人は、なんだか動物顔に見えてしまいます。ただ、帽子をかぶているだけなんでしょうが・・・。

34)右下 鎖を持った女性と櫛を持った男性がいます。
アメリカの小説家オー・ヘンリー(O. Henry)の代表作といっていい短編小説『賢者のおくりもの』からニューヨークに住む若夫婦のジムとデラです。どうして、鎖と櫛の贈り物が賢者の贈り物かは以下のHPで作品を読んでみましょう。
http://www.hyuki.com/trans/magi.html
いや、このふたり「馬鹿だなー」と思いました。でも、やっぱり作者が言うように最高の賢者です。

34)セントラルパークには動物園も有ります。セントラルパーク動物園Cental Park Zoorです。公園の東南にこじんまりとあります。大型の動物はあまりいない、子ども向けの動物園のようです。安野さんは、それにちなんでかこのシーンの中にたくさんの動物を隠して描き込んで有ります。その数、なんと27匹。(福音館のHPで公表された数です)
そんなー、と思っている人は、下を見ないでとりあえず探してから帰ってきてください

まず、バイオリンを弾いている人の右側の木の中に
 1.牛  2.サイ
老夫婦がわたっている石橋に
 3.山羊  4.カンガルー
石橋の右の木の中に
 5.雌ライオン(クマという説もあり)
3人のランナーの前方の芝生の中に
 6.ホッキョクグマ
バイオリンを弾いているのをみている女の人の背後の木の中に
 7.コウノトリ 8.ミミズク 9.鹿(木の枝が角になってます)
アンデルセンの右下の一体に
 10.キリン 11.ゴリラ 12.雄ライオン(雌ライオンの説あり) 13.ハト(柵にとまってます)
シャーマンモニュメントの上の木の所に
 14.狐  15.ウサギ  16.アライグマ  17.リス
門の右の木の中に
 18.バイソン  19.クマ(チーターとの説あり) 
カバのウイリアムの手前の木の中に
20.ラクダ  21.リス
チェスをしている人の左の木の中に
 22.ラマ?
その手前の木の中に
 23.雄ライオン  24.シマウマ
賢者のおくりものの左に
 25.ブタ
噴水の台座の中に
 26.ウサギ

以上26匹です。ところが、安野さんが仕込んだ動物の数は27匹だそうで。後一匹はどこへ・・・納得できる答えを見つけられていないのですが・・・
1案 
コウノトリのくちばしと並んでるのが女性の足のように見えます。アダムとイブのイブ?に見えなくもない。(人間を動物に入れてはだめですか)
2案 
鹿の鼻先の枝振りをみていると、その輪郭でアシカが上を向いているように見える。
(セントラルパーク動物園にもアシカがいるのです。)
3案
シマウマの向こう側に茶色の枝が画かれています。これが、ウマに見えなくもない
第4案
 カバのウイリアム(でも、これはどう考えても隠れていない)
第5案 
 噴水の所の白鯨(これも、隠れていないか)
ただ、こちらは絵の中の人たちが気づいて大騒ぎをしていますから、このようにほかにも隠れている動物がいるよと読者をさそう、呼び水として安野さんが画いておいたとすると、これが正解でしょうか?

ところで、
「旅の絵本の秘密」には、かくし絵(ゴリラ、ウシ、シカほか23種)とあります。・・・計26種で良いのでしょうか?
HPは現在のものですし、それに対して、「旅の絵本の秘密」過去に出版されたものです。ですから、27種が現在の福音館の正式見解なのでしょう。

35)もう一つの隠し絵です
 アメリカ合衆国の地図が隠されています。ペタンクをしている3人の左上、草の生えていないところが、合衆国の地図になります。さらにアラスカ州については、カバのウィリアムの手前に有ります。こうなるとハワイ州はどうなったということになります。
 ペタンクをしている人の背後に鳥がいますが、その中で一番小さいのは、鳥にしては変です。形が違うし小鳥にしても小さすぎます。といって、不思議の国のアリスの時のように丸い穴でもありません。これが、ハワイ島を表しているのではないかと思うのです。

36)まだ隠し(文字)もあります。安野さんお得意の「ANNNO 1983」です。2カ所有ります。
 キリンの右側の木の中と、カンガルーの上の木の中にそれぞれ書き込まれています。

37)門の所には、前のシーンに続き似顔絵展覧会開催中です。こちらは、アメリカの映画スターたちのようです。
 後列左から、ローレル&ハーディ(Laurel and Hardy)の二人です。そこから右にバート・ランカスター(Burt Lancaster)ではないかと・・・ジョージ・オーソン・ウェルズ(George Orson Wellesは間違いないですね。そしてハンフリー・ボガート(Humphrey Bogart)のようです。


スタン・ローレル(Stan Laurel)は、イギリス生まれで、チャップリンも所属していたフレッド・カーノ一座にいて、チャップリン代役を務めたこともあるとか。1910年にとべいしてます。
一方、オリヴァー・ハーディ(Oliver Hardy)は、ジョージア州生まれ。二人でコンビを組んでサイレントからトーキーの時代にかけて活躍したお笑いコンビ。日本でも極楽コンビの名称で親しまれた。

バート・ランカスターはニューヨーク生まれ。代表作は『地上より永遠に』『成功の甘き香り』『ニュールンベルグ裁判』など。

オーソン・ウェルズは俳優であって映画監督でもあります。『市民ケーン』『第三の男』など。『オーソン・ウェルズINストレンジャー』もあります。1915年にウィスコンシン州で生まれました。21歳でニューヨーク市ハーレム地区でのアフリカ系アメリカ人の俳優・スタッフたちとの演劇制作事業に、演出家として赴任した。
ラジオで流した火星人襲来のニュースが真にせまっていて本当のニュースだと思われたという逸話は有名ですね。

ハンフリー・ボガートはニューヨーク生まれ。『カサブランカ』の「君の瞳に乾杯」は永遠に残るセリフです。

38)前列左は、ジェリー・ルイス(Jerry Lewis でしょう。隣は、マレーネ・ディートリッヒ(Marlene Dietrich)ですね。エドワード・G・ロビンソン(Edward G. Robinson)のようです。お隣はトニー・カーティス(Tony Curti)のようです。その右にあるのは、ダニー・ケイ(Danny Kaye)です。



ジェリー・ルイスはディーン・マーティンと組んでドタバタ喜劇の先駆者的存在です。代表作に「底抜けシリーズ」があります。喜劇系ということでローレル&ハーディと重ねてあるのでしょう。似ているのでディーン・マーティンの可能性もあります。

マレーネ・ディートリッヒは、ベルリン生まれですが、ハリウッドでブレイク、ヒトラーの映画出演の要請も断り、アメリカで活動。戦争中は明確に反ナチの立場を貫いています。『リリー・マルレーン』の歌は、米独双方の兵士に受け入れられていました。後には、歌手としての活躍が目立ちました。映画の代表作は『モロッコ』、『嘆きの天使』など。ナチスの戦争犯罪を裁いた裁判の映画化した『ニュールンベルグ裁判』では、バート・ランカスターと共演しています。だから、安野さんは似顔絵を重ねています。

エドワード・G・ロビンソンは、ブカレスト生まれのユダヤ系で、両親と共にニューヨークにやってきて舞台俳優から映画俳優に。『大雷雨Manpower』 (1941)で、マレーネ・ディートリッヒと共演しています。また、ナチの残党狩りをあつかった『オーソン・ウェルズINストレンジャー』では、ウェルズと共演しています。
by forest-door さん
エドワード・G・ロビンソンはルーマニア出身ですが子供のときにニューヨークに移住してきました。代表作は「飾り窓の女」など。
安野さんは著書「絵のある人生」の中で「スカーレット・ストリート」という古い映画を見た、と書いています。それは、大好きなエドワード・G・ロビンソンという男優が出ているからで、「ギャングの親分とか、のんだくれの医者などの役だったら、もうメーキャップなしで演ずることができる名優です。ついでにいいますが、この人は名画のコレクションでも有名だったそうです。」と紹介されています。


トニー・カーティスはニューヨークのブロンクス生まれ。代表作は『お熱いのがお好き』『ダンディ2 華麗な冒険』など。『成功の甘き香り』では、バート・ランカスターと共演しています。

ダニー・ケイもニューヨークのブルックリン生まれ。代表作は『虹を掴む男』。独特の早口で歌う様やコミカルな演技で人気を博していて、俳優でありコメディアンです。日本のコメディアン谷啓の名前は、ダニー・ケイにちなんでいる。


39)馬馬の馬の顔の前に、チャールス・ロートン(Charles Laughtonのようです。その右はゲイリー・クーパー(Gary Cooper)です。その右はクラーク・ゲーブル (Clark Gable)でしょう。御者の背後は、グレゴリー・ペック(Gregory Peck)ではないかと。
「旅の絵本の秘密」には、・・・


チャールス・ロートンの『ノートルダムのせむし男』のメイクはすごかったとか

ゲイリー・クーパーは『真昼の決闘』『昼下がりの情事』『誰が為に鐘は鳴る』など。『モロッコ』では、マレーネ・ディトリッヒと共演しています。

実は、アラン・ラッド(Alan Ladd)ではないかと思っていました。
アラン・ラッドは、『シェーン』のシェーン役でした。安野さん『シェーン』が大好きのようですから、この人はアランではないかと思っていたわけです。
「旅の絵本の秘密」に、ゲイリークーパーとあって決着がつきました。

クラーク・ゲーブルは何といっても『風と共に去りぬ』のレッド・バトラー役が有名。にやりとした笑みが似合います。

グレゴリー・ペックはヘップバーンの『ローマの休日』の相手役でしたね。ジャケット姿がきまってました。『ナバロンの要塞』や『アラバマ物語』そして『白鯨』では、エイブル船長を演じていました。アメリカ編以外にも出てきます。

40)馬車の後ろにジェームズ・キャグニー(James Cagney)、そしてお隣は、ベティ・ディビスBette Davisです。



ジェームス・キャグニーはニューヨーク生まれ。ギャング役をよくやったようです『汚れた顔の天使』など。
ベティ・ディヴィスはマサチューセッツ州生まれですが、子どものころにニューヨークに移り住んだそう。『イブの総て』『何がジェーンに起こったか』など。
このふたりは、
『The Bride Came C.O.D. (1941)』で共演しています

41)門の所に、ジェームズ・ディーン(James Byron Dean)です。その右に、カーク・ダグラス(Kirk Douglas)です。

ジェームス・ディーンはおなじみ『エデンの東』や『理由なき反抗』に主演。若くして事故死してしまったことで、伝説のスターになりました。

カーク・ダグラスはニューヨーク生まれ。マイケル・ダグラスのお父さんです。『OK牧場の決斗』や『炎の人ゴッホ』など。OK牧場はアメリカ編でしっかり取り上げられています。


以上ニューヨークが終了です。
いや、きりがないほど調べることがあって・・・長かった。多分、まだ見落としがあるんでしょうねぇ。安野さんの、博学ぶりには頭が下がります。

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