を遊ぼう」4(アメリカ編)

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旅の絵本4作目はアメリカ編です。前作の舞台であったイギリスの植民地からスタートして独立。若々しい国家です、とはいえ忘れてはいけないのは先住民の存在です。 文化と自然を楽しみましょう。そして、アメリカと言えば映画です。各シーンに映画の場面がちりばめられています。そのうちどれだけ見つけられるか楽しみです。


」4

「表紙・裏表紙」「扉」 シーン1西海岸
(p1〜2) 
シーン2上陸
(p3〜4)
シーン3 石油採掘
(p5〜6)
シーン4モニュメントバレー
(p7〜8)
シーン5 アラモ砦
(p9〜10)
シーン6OK牧場の決闘
(p11〜12)
シーン7蒸気機関車
(p13〜14)
シーン8アンクルトムの小屋
(p15〜16)
シーン9ニューオリンズ
(p17〜18)
シーン10フィラデルフィア
(p19〜20)
シーン11マンハッタン
(p21〜22)
シーン12ウエストサイド物語
(p23〜24)
シーン13セントラルパーク
(p25〜26)
シーン14ワシントン
(p27〜28)
シーン15ボストン
(p29〜30)
シーン16ウィリアムバーグ
(p31〜32)
シーン17ハロウィーン
(p33〜34)
シーン18開拓者の村
(p35〜36)
シーン19アーミッシュの村
(p37〜38)
シーン20メイフラワー
(p41〜42)
シーン21コロンブス
(p41〜42)
裏扉


「表紙・裏表紙」

0)旅人は・・・ニューヨークはマンハッタンの摩天楼の中を馬で行きます。
基本的な視点は、セントラルパーク方面から南に向かって見ている配置を基準に描かれているようです。
大都会から始めるというのが、アメリカ編らしいですね。もっとも、大都会の郊外には、大自然が隣接しているのが、安野さんらしいです。

1)旅人の前では新聞(号外?)を配っている人がいます。何が起こったのか?

2)星条旗のビル  旅人の目の前には、独立13州を象徴する赤と白のストライプと、現在の州の数を表すスターが描かれています。青地に描かれる星は50の州の数を表します。

3)キング・コング  旅人の後方のビルの屋上にいます。1933年に作られた映画からですね。配っている号外は『キングコング』の出現についてでしょうか。
キング・コングは人間の都合でもてあそばれる自然を象徴しているように思います。映画の最後ではエンパイヤステートビルに登っていましたが、今登っているビルは??

4)ンパイヤステートビル 題字の右側に描かれています。 高さ443mは、当時世界一位だったクライスラービルを抜いて長く世界一高いビルでした。マンハッタンを代表するラウンドマークですね。そして、アメリカを象徴するビルですね。キングコングもこのビルに登りました。日本の特撮映画なら、東京タワーの役回りですね。Empire State Building写真
http://ny.saltious.net/empire/empire.html

4)パンナムビル 題字の左側に「PANNAM」と記されたビルがあります。アメリカを代表するパンアメリカン航空の持ちビルで、マンハッタンのランドマークの一つであったのですが、湾岸戦争後の航空業界の苦境の中、1991年に倒産して、ビルも売り払われてしまい、メットライフ(Met Life)ビルとなっています。第4巻ができたのが1983年まだパンナム航空も元気でした。Met Life Building写真
http://ny.saltious.net/pannam/pannam.html

5)世界貿易センタービル  エンパイヤステートビルの奥に、霞むように描かれているツインタワー 。417mの建物の上にさらにのびるアンテナ(尖塔部)を加えて528mになります。この高さは、それまでの世界一の高さを誇っていたエンパイヤステートビル(443m)を抜いて、当時(1973年)世界一になりました。設計は日系アメリカ人のミノル・ヤマサキでした。
2001.9.11の同時多発テロによって今ではその姿を見ることができなくなってしまいました。
http://ny.saltious.net/worldtrade/worldtrade.html

6)外輪船 題字左上の海上に描かれた船は外輪船のようです。その昔、ニューヨークを訪れた船ということでしょうか。

7)自由の女神  ヨーロッパからアメリカを訪れた移民の人たちがニューヨークで最初に見るのがリバティー島の自由の女神。ということで、外輪船のすぐ近く、背表紙に出るように、描かれています。自由の女神といえばアメリカの象徴ですが。元々は、アメリカ独立100周年を祝ってフランスから贈られたものです。
ちなみに、リバティー島はニューヨーク州ではなくニュージャージー州にあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%94%B1%E3%81%AE%E5%A5%B3%E7%A5%9E%E5%83%8F

8)クライスラービル  裏表紙に回り込んで、パンナムビルの左にそびえています。建設当時は自動車のクライスラーのビルだったようです。このビル当初高さ283mで世界一でしたが、直後にウォール街にウォールタワーが高さ284mで完成。そこでビルの上に36mの尖塔と追加して319mにして世界一を確保。ところが、翌年(1931年)にできたエンパイアステートビルに世界一の座を奪われました。
クライスラービル写真
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%AB

9)裏表紙の真ん中下のビルに、ANNO 1983と記されています。ANNOは、安野さんの意味と西暦の意味を兼ねています。そして、1983はアメリカ編の出版の年というわけです。安野さん各巻に潜り込ましています。

10)吊り橋 海をまたぐ橋が見えます。雰囲気は、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ(金門橋)でしょうか。
  マンハッタンから見ることのできる吊り橋なら、マンハッタン島南端付近とブルックリン区を結ぶブルックリン橋(Brooklyn Bridge)(全長1,834m、中央径間は486m)あるいはマンハッタン橋(Manhattan Bridge)(全長 2,089 m )との可能性が高いと思います。さらに、細かく位置関係を考慮に入れるとウィリアムズバーグ橋(Williamsburg Bridge)と考えるのが最も妥当のように思います。
と考えていましたが、上記のエンパイアステートビルからの写真の橋が雰囲気が近いと思われます。ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ (Verrazano-Narrows Bridge)のようです。現在世界8位、アメリカ合衆国最長の橋です。実は、リバティー島との位置関係から考えると前記3つの橋がふさわしいとはおもうのですが、風景的には安野さんが取り入れたのはこの橋だろうと思います。

11)ナイアガラの滝 海のはずなのに何となく川のように見えて・・・ナイアガラの滝が出現です。安野さんらしい見事なだまし絵ですね

12)滝のそばには小屋が建っています すごい水音とやら水しぶきやら大変な環境でしょうね。

13)バッファロー(?)が3頭と杖をついた人がいます。 
14)馬に乗った羊飼いとそれを見る親子がいます。

by forest-door さん

それにしても、安野さんがアメリカを代表する物として、表紙に摩天楼を持ってきながら、裏表紙には大自然を代表する物としてナイアガラの滝を配置し、それでも満足できずに・・・こうした牧歌的な様子も加えるところが良いですねえ。

 
「扉」
サイロの見える牧場地帯を旅人が馬で行きます。二人の子どもが旅人を見送ってくれます。アメリカといえば大都会ですが、国土のほとんどは田舎です。その田舎を大切にするのが安野さんらしいです。1巻と2巻と同じように、鏡の絵になっています。

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シーン1西海岸(p1〜2) 

0)旅人は 船でやってきました。3巻のイギリスからやってきたのですから東海岸のはずなのですが・・・ぐるーっと回って西海岸側です旅人の進行方向を自然にするために西から東へ向かう旅にしたようです。旅人は、東から西へ向かう開拓者達とすれ違うことになります。

1)氷原を行く犬ぞり  アラスカも合衆国の大切な州の1つ。そこにある犬ぞりとくれば、アメリカ先住民の1つイヌイット(エスキモー)の犬ぞりと言うことでしょう。

2)サーファーと海水浴客が旅人に手を振っています
この島は、合衆国のハワイ州をイメージしているのでしょう。

3)フラダンスをおどる人たち
 ここにも、アメリカ先住民と言うことになります。ハワイと言えば、フラダンス。楽器はウクレレのはずですが、大きさはギターっぽいですね。
4)パイナップルを頭の上に抱えた人

5)カヌーをこぐ3人の人 
 この人達はハワイの人でしょうか。
 あるいは、アラスカ、ハワイときたのですから、カリブ海にある自由連合州プエルトリコの先住民をイメージしているのではという説もあります。


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シーン2上陸(p3〜4)

0)旅人は サンフランシスコ郊外にある小さな漁港にやってきました。早速、旅の友になる馬を手に入れたようです。ついでに、これから行く道について情報収集もしています。

1)お母さんと山羊をつれた子どもがいます。
 近くに郵便受けがありますが。少し家から離れすぎています。
この少年は、映画『シェーン』(Shane)にでてくる少年ジョーイを感じるのですがいかがでしょう。とするとバケツを持った女性は母のマリアンで、旅人と話しているのが父のジョー・スターレットというわけです。そして、旅人は、シェーンの役回りというわけですが。いささか妄想気味ですか??ただ、安野さん『シェーン』がお気に入りで、この後にも何度か出てきます。

「旅の絵本の秘密」には、「仔鹿物語」(右端)とありました。
『子鹿物語The Yearling)』はマージョリー・キナン・ローリングスが書いたアメリカ開拓時代が舞台の児童文学です。
映画化やアニメ化がされています。
フロリダの田舎に、バックスター家の気弱な少年ジョディが父親ペニーと母親オリーと暮らしています。ある日父親が狩猟中にガラガラヘビに噛まれ付近にいた雌鹿を殺し肝臓と心臓で毒を吸い出した。殺され鹿の子鹿は森の中で鳴いていた。父ペニーは命の恩人の形見として連れ帰り、ジョディに与え飼い始め、フラッグ(旗)と名付けます。
ところが、このフラッグは作物を食い荒らすようになります。トウモロコシの若苗やタバコの若苗を食い荒らし、森に追いやっても戻ってきてしまいます。そして・・・・

自然の中で、他の生き物と生きていく事のすばらしさや、その中でたくましく育ってゆく少年の心、成長の物語です。
シェーンのジョディとも一部通じるところがあるような気もします。

2)看板に洋服を飾ってあるのは、洋服屋でしょう。それにしてもこんな小さな漁村で経営が成り立つのでしょうか。
3)ショーウインドウに本が並んでいるのは、本屋さんでしょうか
4)本屋さんの前に親子が 本を買ってもらうようにおねだりしているようです
5)猫が一匹います。魚をねらっているのでしょうか
6)さかなを看板にした家は、魚屋さんでしょうか。採れたてで新鮮な魚を商っていることでしょう。

7)つり竿を持った老人が骨だけになった大魚を引きずっています。そして、子どもが付き添っています。これは、アーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』(The Old Man and the Sea)からでしょう。安野さんは、この話が好きなんでしょうね。第3巻にも出てきました。

8)浜に小舟が2艘あげられています。一艘は、旅人の乗ってきた船。一艘は老人の船でしょうか。

9)魚屋さんの向こうの家は?壁にある丸いものは??車輪でしょうか、なら車屋さん。それともバラ窓でしょうか?田舎の家にはふさわしくないようですが。

10)たらいを持った女性がいます。たらいの中はなにでしょう。
11)ここにも猫が
12)桟橋では3人の人が釣り糸をたれ、茶色の服の人は見物でしょうか
13)海には水鳥が2羽います。カモメかな
14)ヨットが2艘繋留されています。
15)子どもが立っている家は、2階が随分せり出しています。雨よけには良いけど、構造的には心配ですね。

16)とろ箱を積んで、買い物に来た女性と交渉中の男性がいます
17)水鳥(カモメ)が一羽、とろ箱の魚をねらっているようです。
18)小さな岬に小屋が一つあります。ドラム缶が置いてありますが、何が入っているのでしょう。

19)岬の岩場で一人で釣りをしている老人(?)がいます。これも、『老人と海』の老人を連想させます。

20)旅人の向こうに熊がいます。グリズリーベア(ハイイログマ)のようです。ヒグマの仲間で、肉食傾向の強い、強力なクマです。家畜を襲うこともあり、おそれられていましたが、現在のカリフォルニアでは絶滅しています。ですから、ヨセミテなどに出てくるクマは、ブラックベアで、比較的おとなしいクマですね。映画『グリズリー』のイメージでここに出てくるのでしょうか。
by forest-door さん

好きな写真家、星野道夫さんの本にも「GRIZZLY アラスカの王者」という写真集がありました。
アラスカの自然と野生動物を撮り続けた星野さんの言葉です。

 ”人は、なぜ自然に目を向けるのだろう。
  ……それはきっと、
  そのクマや小鳥を見つめながら、
  無意識のうちに、彼らの生命を通して
  自分の生命を見ているからなのかもしれない。” (「Alaska 風のような物語」より)

深い言葉です。きっとカメラのレンズを自然に向けながら、星野さんは大いなる自然の一員である自分の生命を見つめていたのだろうと思います。


21)クマの左には、トーテムポールが立っています。先住民が自らの部族を象徴する動物が彫られています。人と動物をつながっていると考える、先住民文化の象徴ですね。

22)橋が架かっています。こちらは間違いなくゴールデンゲートブリッジ(金門橋)でしょう。アメリカ西海岸のサンフランシスコ湾と太平洋が接続するゴールデンゲート海峡に架かる吊り橋です。主塔の間の長さ(中央径間、支間)が1,280メートル、全長2,737メートル。主塔の高さは水面から227メートル。1837年の完成時から1964年まで世界最長の橋でした。今でも、美しく観光名所です。その一帯は国立公園に指定されています。

23)霧の向こうには、サンフランシスコの街が見えています。
24)三角形にとがった建物はトランスアメリカ・ピラミッド・ビルです。48階建てで高さ256m、サンフランシスコのシンボルですね。
http://sfo.web.infoseek.co.jp/landmark/pyramid-j.html


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シーン3 石油採掘(p5〜6)

0)旅人は、乾燥地帯の原野を悠然と行きます。
「旅の絵本の秘密」には、アメリカの中西部(平原)州とあります。
平原州は、平原州と言われるミズーリ州、カンザス州、アイオワ州、ネブラスカ州、サウスダコタ州、ノースダコタ州の6州のことのようです。

1)左上 3人のネイティブアメリカン(アメリカインディアン)が馬に乗ってゆきます。この3人次のシーンにもあらわれます。なにか、元ネタがありそうですが不明です。
この一帯、白人が現れる前のアメリカ先住民の生活を表したもの・・とも考えましたが、コロンブス以前に新大陸に馬はいませんから・・・イギリスからの植民が始まる前ですかね。
あるいは、チェロキー族等の強制移住を象徴しているのかも

2)ティピーが3つ描かれています。平原「インディアン」の組み立て式住居です。支柱が円錐状に立てられていて、テントの中央には柱がなくて、真ん中で火をたくことが可能です。煙などは中心の柱が交差するところから抜けていくのです。なかなか優れもののテントです。元々幕はバッファローの毛皮で作っていたようですが、後には布を使うようになります。絵のテントは、布を使っています。そして、ティピーにはバッファローが描かれています。

3)バッファローが4頭います。
 狩猟を中心とするネイティブアメリカンは、バッファローと共にあったといえます。白人によって、バッファローが絶滅されることで、伝統的生活が不可能になってしまいます。

4)リンゴを持って、木の苗を指さしながら女性と話している人がいます。
 この人は、ジョン・チャップマンです。通称ジョニー・アップルシード。りんごの木を植えた人として、伝説上の実在人物です。
リンゴは育ちやすく収穫しやすい作物なので、キリスト教の宣教師であったアップルシードは、、西部各地を回って苗木を提供して回ったのだそうです。その姿は、麻布のコーヒー豆の袋を身にまとい、ブリキの鍋を頭にかぶった裸足の男とあります。安野さんの絵では、スーツを着ていて宣教師らしいですね。
 彼は、人だけではなく全ての生き物に対しても大きな愛を持って接していて、開拓民はもとよりネイティブアメリカンにも慕われていたそうです。40年後の1845年、インディアナ州、フォートウェーンで亡くなりました。

5)丸太小屋に住む開拓者の生活が描かれています。
これは、ローラ・インガルス・ワイルダーの物語『大きな森の小さな家(Little House in the Big Woods)』の挿絵からです。
この話を元に作られたアメリカのTVドラマが『大草原の小さな家』です。

6)小屋の前ではバターを作っている女の子がいます。ローラです。

7)木に何か差し込んで、樹液を採集しています。これは、カエデの木から甘い樹液を集めているのです。

8)小屋の左側で、木の間に大きな鍋をつるして煮詰めています。これは、先ほどの樹液を煮詰めてメイプルシュガーを作っているところです。
右の絵はCurrier & Ivesによる『Maple Sugaring』という絵です。同じようにメイプルシロップを作成中です。
安野さんの絵は、鍋を木と木の間に渡した棒に吊していますが・・・木が傷んでしまいそうです。

9)荷車があります
10)女の人が塔のようなもののところで何かしています。肉の燻製を作っているところです。

11)カエデの木の下にとても小さな家があります。これは、バージニア・リー・バートンの絵本『ちいさいおうち』からです。
丘の上に建つ小さなおうち・・・しだいに周囲が大都会になって、ビルの谷間に埋もれてしまいます。
そして・・・・

12)バスケットボールをしている若者達がいます。
 バスケットボールは、1891年にアメリカのJ・ネイスミス博士によって考案されたスポーツです。
 ところで、このゴールポストやけに高いです。この高いゴールポストにたいそうなほどジャンプしようと思ったら、とんでもないことです。そんなにジャンプしてないとすると、ずっと向こうでジャンプしていることになります。安野さん得意のだまし絵ですね。

13)バスケットボールを見ている3人は、開拓時代の服装ですね
14)小屋で洗濯物を干しています。女性の所のドラム缶などは、調理用でしょうか?
15)高い井戸が設置されています。石油掘削用の井戸だと思います。右の絵は、古い時代の採掘用の井戸です。

16)旅人の手前には 幌馬車で旅している人が、調理中です。何かの映画のワンシーンかもしれません
西部開拓者の一人と考えればいいのかも
開拓時代の調理道具類についてはこのHPを(英語です)
http://www.frontieramericatrading.com/M_Old_Cookware.htm

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シーン4モニュメントバレー(p7〜8)

0)旅人は 西部劇の舞台として有名なモニュメントバレーにやってきました。
メサ mesaといわれるテーブル形の台地やさらに侵食が進んだビュート Butte (残丘)といわれる岩山が点在していて、まるで記念碑(モニュメント)が並んでいるような景観を示している。赤ぽいのは、鉄分を多く含み酸化鉄の色です。
「旅の絵本の秘密」には、グランドキャニオンとあります。安野さんか編集部の勘違いですね。

1)前のシーンにも登場した3人のネイティブアメリカンが、子どもと夫婦(?)と子馬を連れて旅しています。何か物語がありそうですが・・・不明です。ここは、ナバホインディアンの居留地になっていて、ナバホの人たちによるツアーがあるようなので(ジープを使うそうですが)、このツアーのイメージなのかも。

2)手前のMerrick Buteと呼ばれるビューとの上でカメラを構えている人がいます。このビュートをこの位置から見るポイントを映画監督のジョン・フォードにちなんで、ジョン・フォードポイントというので・・・ジョン・フォードが映画を撮っているところとも思えますが・・・
描かれているのはムービーではなくスティール写真用のカメラなので、風景写真家のアンセル・アダムスAnsel Adamsす。

3)たくさんの人が集まって葬儀の最中です。
 これは、映画『シェーン』からです。開拓者の仲間のトリーが、ならず者に殺されてしまい、その葬儀の悲しみのシーンです。少年ジョーイの愛犬もしっかり描かれています。
バックに、『シェーン』の舞台になったワイオミング州にあるグランドティトン国立公園の、ティトンの山並みがモニュメントバレーの中に見事に潜り込ましてあります。
ところで、原作の小説『シェーン』もあるようで、映画と小説をあわせて解説した、HPがあります。
興味深い内容です。
http://homepage2.nifty.com/k-sekirei/seibu/shane.html


4)星条旗を立ててラッパを吹いてセレモニーをしている騎兵隊の人たちがいます。
 これは、映画『駅馬車』(Stagecoachのシーンからのようです。ジョン・フォード監督が、ジョン・ウェインを主役にした、西部劇の典型です。右の写真のようにモニュメントバレーでのシーンがあるからです。モニュメントバレーで、騎兵隊が星条旗を揚げるシーンがありますし。
動画 http://youtu.be/6Fvn1WP2JMA

ところが、「旅の絵本の秘密」には、「黄色いリボン」(右上)とあります。
『黄色いリボン』(原題: She Wore a Yellow Ribbon)は、1949年製作のアメリカ映画。これもジョン・フォード監督で、ジョン・ウェインを主役にした作品。
ジョン・フォード監督作品の中の『アパッチ砦』、『リオ・グランデの砦』と並んで「騎兵隊三部作」と評される第2作。退役を目前に迫った年老いた騎兵隊長の最後の6日間を描いた作品。西部劇映画にしては珍しく殺し合いのシーンがなく、味方の騎兵隊も敵のインディアンも、死人が一人も出ないように仕上がっている、騎兵隊の生活の様子を主に描いた映画である。

そして、この「黄色いリボン」もモニュメントバレーでの撮影。旅の絵本そのままのシーンがありました。やはり「黄色いリボン」が大正解でした。

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シーン5 アラモ(p9〜10)

0)旅人は アラモ砦のあるあたりに来ました。メキシコからの独立のために悲劇的な戦闘のあった場所です。ジョン・ウエインが1960年に制作、監督、主演した『アラモ(THE ALAMO)』は、この戦いを描いたものです。
 ということで、テキサス州周辺のようです。ここでも、開拓者の生活、さらには先住民の豊かな生活が繰り広げられています。

1)左上 赤土でできた住宅があります。ネイティブアメリカンの1つプエブロ族の建物です。
アメリカインディアンといえば、シーン3にあるようなティピーに住んで移動しながら狩猟採集生活をしていた人たちという印象が強いと思いますが。実際にはあの広大な大地で、気候風土の多様性は日本を遙かにしのぐわけですから、生活様式も色々です。プエブロの人たちは、定住し農耕をおこなっていた民族です。プエロブの人たちは、その中に25の部族が含まれ、言語で分類しても6つに分かれます。

2)屋根の上には梯子が架けてあったり、薪がおいてあります。
3)家の周りにある4つのドーム状のものは、イグルータイプの釜です。
右の写真は、1992年世界遺産に指定されたプエブロ・デ・タオスのものです

4)家の脇のベンチには、3人のおばあさん(?)が座っています。右端のおばあさんが抱いているのは土器でしょうか。釜が目の前にあるので、粘土をこねてつくっているところかも。
5)小屋の前に2羽のニワトリがいます。

6)機織りをしている人がいます。布か絨毯か?
機織をしているところといば、プエロブ族ではなくナバホ族の物語ですが、絵本『ブランケットになったやぎ』があります。

7)開拓者の一行が幌馬車に乗って、西部を目指しています。

8)一行の1人が、帽子を脱いで先住民にいろいろ教わっているようです。この先の様子や道のことでしょうか。
9)犬を連れて歩いている人がいます。右手は何かかついでいるようですが何でしょう。ライフル銃??

10)黒い犬とあひるが話しているようです。これはマージョリー・フラックの絵本『アンガスとあひる』からです。
こいぬのアンガスは、見るもの、嗅ぐもの、何でも知りたがります。なかでも一番の関心は、庭の生垣のむこうから聞こえる、鳴き声です。いつもはつながれているアンガスですが、ある日スキを見て外へとび出し、いつも気になっていた鳴き声の主、あひるたちを追い回します。ところがあひるたちの強烈な反撃をくらい、家の中に逃げ帰り、しばらく何も知りたくないと思うのでした。

11)家の塀にペンキを塗る少年達がいます。マーク・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険(The Adventures of Tom Sawyer)』からですね。絵はノーマンロックウェル(Norman Rockwell)の挿絵で岩波少年文庫の上巻の表紙になっている絵をもとに描かれたものです
前日のケンカのお仕置きに、命じられた長い塀のペンキ塗り、トムは早くもうんざりしているのですが、通りかかったベンに、この作業がいかに楽しく芸術的で価値のあることか自慢して、じらしにじらしてついにリンゴの提供の変わりに「しぶしぶ」させてあげると言うことにしてしまいます。以後、ベンが飽きたら次々にやってくるわんぱくどもを次々口車に乗せて、それぞれから宝物を代償として取り上げながら、仕事をさしてあげる訳です。ペンキが無くなり、塀を3回通り塗り終わった時にはたくさんのお宝を手にしていました。下の絵は、トムが手に入れたお宝の数々です。

別の巻でも出てきたのですから、アメリカ編では当然出てこなければならないでしょう。安野さん自身が「トム・ソーヤーとハックルベリーを描かないとアメリカを描いた気にならない。」とおっしゃっていたとか。

トムソーヤの冒険のファンのHPです
http://homepage3.nifty.com/shonan-kaigan/travel/tomsawyer/index.html

12)家の裏では、ベッキーとの恋はうまくいかないし、良心の呵責に悩まされるしで、元気のなくなったとトムにポリー伯母さんはペインキラーという火の出るような薬を飲ませています。右の絵も、ノーマンロックウェルの挿絵です。

13)左下の建物ですが、これはミズーリ州のハンニバルという町にあるマーク・トウェイン(Mark Twain)の少年時代の家と博物館です。
白い建物の方が家でマーク・トウェインは4歳から18歳までこの家で育ちました。この白い家には実際にも塀があり白いペンキで塗られています。
博物館のHPです。

14)投げ縄の練習をしているカウボーイがいます
15)練習を見ている親子がいます。子どもは、かっこいいなあと思っているんでしょうね。大きくなったら僕もやるんだと・・・
16)反対側でも、練習を見ているカウボーイがいます。
17)練習場の下の方でも、牛を追う練習をしているカウボーイがいます。
18)15頭の牛を柵の中に入れているカウボーイ達がいます

19)柵の中には、小さな花と蝶と子牛がいます。マンロー・リーフの絵本『はなのすきなうし(The Story of Ferdinand )』からです。

母親は、変わり者の息子をいつも一人ぼっちでさびしくないかと
心配するのですが、
「ぼく、こうして一人、花の匂いをかいでいるのが好き」
という息子の個性を尊重し、好きなようにさせておいてくれるのです。
母親は、牛だったので、彼のことを心配したのですが、牛だったけれども、
よくもののわかった牛だったので、
そのままにしておいてくれ、しあわせにしてくれた・・・。

11)テーブルに皿を並べて食事の用意をしている人がいます。パーティの用意のようです。『シェーン』の中に独立記念日を農夫仲間で祝うパーティがありました。

12)牛を囲いの中に追い込んでいる様子を見ている女性と子どもがいます。
腰に手を当てている子どもは、映画『シェーン』のジョーイではないかと思います。
となると、目の前のカウボーイはあこがれというよりは、悪徳牧畜業者のライカー一味ということですから、腰に手を当てて怒っているんですね。

13)小屋にたくさんつるしてある黄色のものは、トウモロコシでしょうか。トウモロコシは、先住民が栽培していて、新大陸から世界に広がった食料ですね。

14)大きな荷馬車があります
15)足を組んで椅子に座った男性に、女性が何かしています。散髪かひげそりでしょうか?
映画『シェーン』で、酒場でけんかをしたシェーンと夫のジョー・スターレットに奥さんのマリアンが、棒のようなもので傷薬をつけてあげるシーンがあります。何故か映画でも薬を塗るとき首の回りに布を巻いていました。この時のシーンからと思われます。映画では室内でしたが・・・。

16)動く木馬に乗った男を、女性が押して乗馬の練習をしています。子どもは馬に乗れるようになるのでしょうか。
「旅の絵本の秘密」には、「腰抜け二丁拳銃」の乗馬練習(右中央)とあります。
『腰抜け二挺拳銃The Paleface』は、 1948年の作品。
政府の密命を受けた女ガンマン、カラミティ・ジェーンは、武器密売団の陰謀を暴くため、臆病者の歯医者ホープと偽装結婚して幌馬車隊に加わるが、彼らの行く先々で騒動が持ち上がる。B・ホープの“腰抜け”シリーズ中、最高傑作となるのがこの痛快コメディ・ウェスタン。

なのですが・・・この映画のどこにも、乗馬練習をしているシーンが無いのです。
あるいは、腰抜けシリーズのいずれかにあるのかもしれないのです
『腰抜け二挺拳銃の息子(1952)SON OF PALEFACE』あるいは『腰抜け列車強盗(1959)ALIAS JESSE JAMES』の可能性が高そうですが、確かめようが無く不明です。
どなたか、情報をお持ちの方ご連絡ください。

17)カウボーイが投げ縄で牛を捕まえようとしています。上手く捕まるでしょうか?

18)上部の建物は、テキサス州、サン・アントニオの町の教会です。アラモの戦いではアラモ砦となりました。
アラモ砦に変わった旗が翻っています。これはテキサス共和国の旗のようですね。
テキサス共和国(Republic of Texas)は、メキシコ合衆国のコアウイラ・イ・テハス州のうち現在の米国テキサス州およびその周囲の地域が分離独立して短期間(1836年 - 1845年)存在した共和国。米国への併合により消滅した。

19)砦の前に黒い服を着た人女の人とカウボーイハットの人がいます
 黒い服の人は聖職者ではないでしょうか。砦は、もともと教会ですから

20)砦の前に、鹿皮の服を着て鉄砲を持った人がいます。子どもが紙切れを出して、サインをねだっています。
アラモの戦いで中心的に活躍して、アメリカでは国民的英雄になったデヴィー・クロケット(Davy Crockett)でしょう。彼はテネシーの人で、下院議員にも当選した人だったのですが、メキシコ領であったテキサスに移り、アラモ砦に応援に駆けつけて、メキシコ軍の攻撃の前に全滅したわけです。映画ではジョン・ウエインが演じています。

21)砦の左側の川では、ゴールドパンを使って砂金とりをしている人たちと、それを見ている人たちがいます。砂金取りは、こんな感じの絵があったような気がしますが、どうでしょう。
右の絵は、カルフォルニアのゴールドラッシュの絵です。

旅の絵本4表へ

シーン6OK牧場の決闘(p11〜12)

0)旅人は いままさに決闘が始まろうとしてるOK牧場の近くにやってきました。

1881年10月26日、アリゾナ州トゥームストーンのO.K.コラル(家畜置き場)近くの空き地で、ワイアット・アープ保安官らを始めとする市保安官たちと、クラントン兄弟をはじめとするカウボーイズ(無法者集団)がおこした銃撃戦です。アリゾナなので、旅人は少し西に戻ったようです。
 決闘はその間わずか1分足らず!のこの事件に基づいてできた映画が1957年の『OK牧場の決斗(Gunfight at the O.K. Corral )』というわけです。このほか、42年に 『Tombstone, the Town Too Tough to Die 』、46年に『荒野の決闘』、67年に『 墓石と決闘』、71年に『ドク・ホリデイ』、93年に『トゥームストーン』 、94年に 『ワイアット・アープ』そのほかTVシリーズもあって・・・アメリカ人はこの銃撃戦がことのほか好きなようです。
右の写真は『ドク・ホリデイ』からです


1)左上 4人のガンマンが並んで建っています。 こちらがワイアット・アープ側だと思います。

2)幌馬車の所に3人のガンマンがいます。こちらがカウボーイズ側だろうと思います。まだ、撃ち合いは始まっていません。これまでのいきさつがありますから双方にらみ合って、緊張感が高まっている所です。
考えてみれば、『OK牧場』でも『シェーン』でも、カウボーイは悪役になっていますね。「インディアン」にしても「牧畜業者(カウボーイ)」にしても、前からいる側が悪役にされ、後から来た側が正義?になっているような。

3)右の建物の外に立派な椅子が出ています。そしてその後方の壁には何か丸いものがぶら下がっています。これは何なんでしょう?

4)左手に何か棒状のものを持ち、窓から左足を出している人がいます。乗り出した足の所には何か板のようなものがあります。
これは一体何をしているのでしょうか?決闘関係者?何か別の話でしょうか??
『トムソーヤの冒険』の挿絵でした。(右図ノーマンロックウェルの挿絵です)10)でハックに誘われたので、墓場へ行くことになります。夜中に、ハックが猫の鳴き声で呼びに来ます。トムが、これに応えながら、窓から脱出する場面です。

5)女の子と男の子が決闘の様子を見ようと屋根の上に上がっています。
6)手前の家の屋根の上にライフルを持った男が2人います。決闘の場所から離れすぎているようにも思いますが、彼らの視線からすると、決闘の関係者のようです。カウボーイズ側ということになるのでしょう。

7)窓の鉄格子から棒を差し出して、落ちている鍵をとろうとしている人がいます。OK牧場の決闘にはこんなシーンは無かったと思うので、何か別のお話のようです。
 今にも鍵に届きそうですが、3次元的に位置関係を認識すると、届くわけが無いですね。安野さん得意のだまし絵です

8)複葉機を前に二人の男が何か話しています。
 ライト兄弟だと思います。当時のアメリカの科学者は、新聞等で「機械が飛ぶことは科学的に不可能」といってたそうです。まあ、感覚的にはとても良く理解できますが・・。
初飛行の動画です(ただし、多分本当の初飛行1903年12月17日その日には、カメラがセットされていただけのようですから・・・その時の物ではないと思われます。)

兄:ウィルバー(Wilbur ) 弟:オービル(Orville )

ともあれ、 1903年12月17日にノースカロライナ州のキティホークにて「ライトフライヤー号」によって人類で初の飛行機による有人動力飛行に成功したのです。右の写真はその時のものです。操縦者はオーヴィルで、横にいるのがウィルバーです。滑走しているあいだ、翼端が地面にふれないように支えていたようです。かなりバランスは悪かったようです。
ところで、初飛行の行われたノースカロライナ州は東海岸の州です、普段の生活はオハイオ州です、いずれにしても旅人はそこまでいってないんですけどねえ。まあ、あまり細かいことにこだわってはいけないんですね、安野さん。

「ライト兄弟の秘密」のHP が興味深いです
http://www.wetwing.com/wright/index.html

9)犬がアヒル二匹に追いかけられています。前のシーンにも出てきた『アンガスとあひる』からです。

この後、アンガスはこれに懲りて・・・、「そして、とけいのきざむ、いち に さんぷんかん、なにごともしりたいとおもいませんでした」となるわけです。

10)男の子が2人何かしています。これも『トム・ソーヤの冒険』からですね
トムと宿無しハックですね。ハックの持っているのは、いぼを取るまじないに使う猫の死骸、それを興味深そうに見ているのがトムです。この後、この猫の死骸を墓場に持っていったことから、殺人事件の現場に遭遇してしまいます・・・。

11)p11右下 看板にお菓子の絵が描いてあるので、ケーキ屋さんでしょうか。
ところで看板に書いてあるのは・・・
一番右がクッキーで、真ん中がバースデーケーキで、問題は左側です。なんでしょう。下の方に棒のようなものがのびていますが??綿菓子?あるいは焼きマシュマロ??・・・マシュマロを木の枝につけて火であぶると、表面が少し茶色く焦げてきて、中はトローリ溶けていて、とても甘くて美味しくなります。甘いのが好きなアメリカ人好みです。ついでに板チョコで挟んで食べたりして・・・こいつは驚異的に甘いです。

12)荷車があります
14)馬に乗ったカウボーイがいます

15)竜と子どもの看板があります。この絵は、ルース・スタイルス・ガネット作の童話『エルマーのぼうけん(My Father's Dragon)』のシリーズからです。挿絵はスタイルスの母親ルース・クリスマン・ガネットによって描かれています。
「旅の絵本の秘密」には、「エルマーとりゅう」(右下)とあります。

主人公の少年、エルマーは捕まったこどものりゅうを助け出すためにどうぶつ島に乗り込むが、そこにはさまざまな困難が待ち構えている。数々の困難を知恵と勇気を振り絞って切り抜けていくエルマーの姿を描いたシリーズです。

16)前記の店の看板にはパイプも描かれています。全体に何を意味する看板でしょう。何か、安野さんの隠された意図があるのだろうと思うのですが??

7)店の品揃えは(あるいは置いてあるのは)・・・
バケツ、樽、ドラム缶、石油ランプ、網籠入りのガラス瓶、セメント(小麦)?袋、荷車、丸椅子、肘掛け椅子、牛乳缶、ハリケーンランプ、農業用のフォーク、やかん?、油そそぎ(水差し)?・・・何の店というコンセプトでしょう???

18)サンタクロースがトナカイを連れています、お店の人と交渉しているのは、そりの購入でしょうか?、修理でしょうか??
by forest-door さん
このサンタクロース、赤い服がトレードマークですが、もともと最初から赤い服を着ていたわけではないそうです。
コカコーラ社がコカコーラカラーである赤と白をつかってサンタクロースを描いたイラストを1931年に広告として使って以来、そのイメージが定着してしまったというわけ…。赤い服が当たり前としか思っていませんでしたが、そんないきさつがあったとは、おそるべし、コカコーラの宣伝力です…

サンタクロースの実在の聖人ニコラス(St.Nicholas)がモデルとなったとされています。この人は、現在のトルコ南部にある地中海近くの街で3世紀に生まれ、のちにリュキュア地方のミュラ、 現トルコのイズミルの司教になり、この町で12月6日になくなったと伝えられています。彼は、貧しい人や、えん罪の人、子どもたちの為に誠心誠意を尽くした人であったようです。
 たくさんの逸話の中でも、投資に失敗して没落した貴族が貧しさの為に3人の娘を嫁がせるお金が用意できず、娼婦になりそうな内に、お金を投げ入れて救った話があります。3夜にわたって一人分ずつのお金を窓から投げ入れたようですが、3日目に行くと窓が固く閉ざされ開けることが出来なかったのです。そこで、彼は屋根に登り、金貨の入った袋を煙突から投げ入れました。袋はちょうど暖炉のそばに干してあった靴下の中に落ちたのです。
ちなみに、地中海沿岸ですから、トナカイはいません。ニコラスはロバに乗っていたようです。また、温暖な地域ですから、防寒服は・・・・ちょっと。それでも、コスチュームが、コカコーラの創作というのは言い過ぎのようです。左の写真は『子供之友』1914年12月号のものです。すでに、日本でもこんなコスチュームで登場していますから。

20)大きな乗合馬車があります。馬はつけられていませんが、駅馬車用のようです。
 前の前のシーンとのつながりでしょうか。

21)フォークを持った男の人と女の人が並んで立っています。壁の石垣が何か意味ありげに描かれています。庭の奥にある鉢植えのようなものはサボテンでしょうか。なにか意味ありげですが、何を意味するのか不明です。
 この家の作りは、駅馬車の休憩所といっていいデザインですね。(映画の駅馬車にも出てきたように思います)
「旅の絵本の秘密」に、「農夫とその妻」グランド・ウッド画(右中央)とありました。

この絵は。グラント・ウッドGrant Woodの『アメリカン・ゴシックAmerican Gothic』、アメリカで一番パロディに使われる人気の絵画だそうです。
古風な家の前に三叉のピッチフォークを手にして立っている男女の肖像が描かれています。老夫婦のように見えますが、農夫とその娘という設定です。
農夫の持つ熊手は重労働の象徴だそうです。モデルはウッドの掛かりつけの歯科医バイロン・マッキービィ(Dr. Byron McKeeby)。娘は、19世紀の雰囲気のエプロンを着けています。モデルは作者ウッドの妹ナン(Nan)。
この絵は、シカゴ美術館(The Art Institute of Chicago)の所蔵になっています。当初、かなりの不評だったようです。アメリカ人の生活を風刺していることに反発が強かったというのです。ところが、大恐慌以降はむしろ、アメリカの開拓精神の象徴としてみられるようになったようです。そんな中、逆にこの絵のパロディが次々と表れ、アメリカで一番有名な絵とまで言われるようになったようです。
背景の家はゴシックリバイバル様式Gothic Revival style です。タイトルの「アメリカン・ゴシック」は、この建物の建築様式に由来します。

22)隣の家では、やたらたくさんの猫がいます。
ワンダ・ガァグの絵本『100まんびきのねこ』からです。
いやもう、むちゃくちゃのストーリーだと思うのですが・・・子どもはとても喜ぶのです。こういう独創的な発想を大人が表現できるというのがすごいですね。



by forest-door さん

1928年に出版されたこの絵本は今なお読みつがれています。
出版わずか1日後のニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙の書評欄では「この本は、子どもたちの永遠のお気に入りになり、その地位を確立することの出来る要素をすべて、そなえています。それは、その絵の独創性と力強さによるものです。」と激賞されたということです。まさしくその通りだったのですね。
ワンダ・ガァグはチェコのボヘミアからアメリカにやってきた移民でした。
15歳のときに父が亡くなり、続いて母も失います。一家の家計を絵葉書やカードを書き、いろんな仕事をすることで助けたといいます。
独創性に満ちたガァグの絵本はほかにも、「へんなどうつぶ」や「なんにもないない」があります。


23)真ん中上 EAST’S と看板を掲げた酒場があります。
 東って何を意味するのでしょうか
東の意味はわかりませんが『シェーン』に出てくる酒場という見方はどうでしょうか?

24)店の前に白い犬がいます
25)馬に乗ったカウボーイが通りかかっています。
26)男性が何か足下を見ています。小さな白い犬が立ち上がって芸をしています。

27)酒場の隣はBAKERYとあるので、パン屋さんです。
と言うことは積んである袋は小麦袋と言うことでしょう。
『シェーン』の設定なら、酒場の隣の雑貨屋と言うことでしょうか

28)店の前で椅子に座ったおじいさんは、店番?旅人が行くのを見ています。
そういえば、『シェーン』でも店の前に椅子を出して座っていたおじいさんがいたように思います。

29)隣は、郵便局ですね
30)郵便局の前でくつろいでるカウボーイは、ツルハシを持っていますが、どこの工事をしているのでしょう
『シェーン』の設定なら、酒場の前にたむろするカウボーイたちというところでしょうか。

31)隣の看板は、お皿とナイフとフォークですから、レストランですね。
32)レストランの前では、カウボーイが投げ縄で見事に牛を捕まえたところです。
 この人、前のシーンの同じ位置で追っかけていました。

33)何故かあわてて歩いている(走っている)男の人がいます。どうしたのでしょう

34)『100まんびきのねこ』の家を不思議そうにのぞき込んでいる犬がいます
35)前のシーンの同じ位置で乗馬の練習をしていた親子。ここでは、本物の馬に乗れるようになっています。

36)ロバを連れた郵便屋さんが手紙を配達しに来ています
37)棒を持っている人は、家の壁にCARPENTERとありますから、大工さんなんでしょう。そういえば、板がたくさん立てかけてあります。荷車も、柱や板を運ぶためでしょう、長めに作られています。椅子は、大工さんが作ったのか、休憩用か

by forest-door さん

 家のかべにCARPENTERと書かれ、板をもった大工に郵便屋さんが手紙を渡しています。これから連想されるのは「プリーズ・ミスター・ポストマン」というヒット曲を歌った兄妹デュオ、カーペンターズ。兄リチャードが曲作りを行い、妹カレンがボーカルでした。カレンの歌声は少し低くて、伸びやかで、安心して聞ける、といったイメージがあります。残念なことにカレンは拒食症のため、32歳の若さで亡くなりましたが、それまでに「イエスタディ・ワンスモア」や「トップ・オブ・ザ・ワールド」といった数々のヒット曲を残しています。私も一時、聞いていたなぁ…口ずさみやすいメロディでしたね。


37)右腕を曲げた細めの人と、太めのおじいさんが話をしています。

38)ロバ(ラバ)が、小麦粉袋を積んだ荷車をひいています
39)ネッカチーフをして鞄を持った女の人が男の人と話しています。

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シーン7蒸気機関車(p13〜14)
0)旅人は 蒸気機関車が止まる駅のある町にやってきました。この鉄道は、ここまでで終わるようです。終着駅というわけです。機関車は西部開拓時代の蒸気機関車。
この型は、1880年(明治12年)の北海道初の鉄道の開業にあたり、アメリカから輸入された蒸気機関車です。この機関車は、よくない線路でも十分使えるように設計されていて、開拓時代のアメリカでそして北海道で大活躍したわけです。都合8台輸入されていて、義経とか弁慶とかニックネームが付けられています。日本では、明治13年〜大正13年(1880−1924)活躍しました。7100形と分類されます。
「旅の絵本の秘密」には、「ステーション」(メトロポリタン美術館所蔵)とあります。

左の写真は、メトロポリタン美術館所蔵のポストカードですが・・・これがモデルでしょうか?
The Metropolitan Museum of Art to feature Walker Evans’s Eclectic Picture Postcard Collection


1)列車の向こうに、材木の上に腰掛けて話している人が2人います。
2)ツルハシを持って立つ3人の作業員がいます。この人達、前のシーンでOK牧場でワイアット組として立っていた4人の内3人と重なるようです。

3)枕木が、積み重ねられています
4)枕木の隣のバーベルのようなものは、SLの車輪でしょう。
5)奥の小屋の軒下には、手押し車にスコップや薪があります。
6)子どもが3人、SLを興味深げに見ています。
7)手前には、カバンを持った女性と杖をついた男性がSLを見ています。
8)機関車の所には、これから列車に乗り込むのか、旅支度をした親子4人がホームに上がるところです。
9)機関車の運転手と駅員さん(助手?)が話しています。
10)旅行カバンや箱に入った荷物が6個ほどおいたある脇に、黒いコートを着た人が立っています。
11)貨車から乗務員が荷物を降ろしています。それを2人の男が受け取っています。
12)降ろされる荷物を見守っているかぞくがいます。
13)ここから後ろが客車になっているようです。
14)ホームでは、同じお新聞を2人で読んでいる人がいます
15)新聞を読んでいる人を白い犬が見上げています。この犬は、ひょっとして前のシーンで酒場の前にいた白犬でしょうか

16)駅舎の屋根は十字型に直行していて、まるで、キリスト教の教会のようです。
17)駅舎の屋根に頭が隠れているコートの男がいます。
18)手前のホームの向こうには黄色のカバンを持った男性と帽子の女性と男性が向こうに向いて立っています
19)4頭立ての馬車が横付けされています。駅馬車のようです。ここで線路は終わっているのですから、ここから先は馬車ですね。ホームと馬車の上部との高さがほぼそろっているようなので、荷物などはそのまま移せるようです。

20)ホームから馬車を見下ろして話しかけている男の人がいます。この人、前のシーンでは、立ち上がっている白犬を見ていた人ですね。

21)ホームの手前に黒いコートを着た女性が立っています
22)ホームの階段の下に、同じようにコートを着た女性が2人立っています。
23)黒と白のそれぞれ2頭立ての馬車が2台待っています。お迎えでしょうか?
24)白い馬の世話をしている御者の人に白犬がまとわりついています。
25)木箱に入った荷物と、柳行李?のようなものもあります。一輪車の周りにある車輪のようなものは、一体なんでしょうか。
by forest-door さん

アメリカでは1830年代に蒸気機関車の運行が始まったようです。
プラットホームでは大きな木箱がたくさん。当時は旅に生活用品一式を運ぼうとしていたようですね。
以前、見に行った「ルイ・ヴィトン 時空を超える意匠の旅」の展覧会ではブランドの創始者ルイ・ヴィトンが荷造り用木箱製造兼荷造り職人の見習いとして社会人の第一歩を踏み出したとありました。
最初は乗り合い馬車を使う旅行者のため、雨にぬれても水がたまらないよう蓋の丸いトランクを作っていたのが、鉄道の時代に合わせて積載の都合のよいように四角いトランクを発表し、それが画期的でルイ・ヴィトンの名を世界にとどろかせた、ということです。


26)黒い馬の馬車の後ろにブチの犬がいて、少し離れた犬を気にしてみています。
27)駅馬車?の隣にも箱形の馬車がむかえに来ています。こちらは、個人用でしょう。
28)大きな荷物を持った人と女性が立っています。ホテルへ行こうとしているようです。
29)見送った帰りでしょうか1頭立ての馬車が帰っています。
30)26)のブチ犬とにらみ合っているいる犬がいます。
31)ホテル(HOTEL)の裏手には、スヌーピーたちがいます。
by forest-door さん

上の木陰では世界で一番有名な犬かもしれないスヌーピーや、チャーリー・ブラウン、ルーシーなどチャールズ・シュルツによる新聞連載の漫画「ピーナッツ」のキャラクターたちがいます。
先日、安野さんのインタビューが出ているので買った「みづゑ」でも「スヌーピーたちと暮らした日々」という特集が組まれていました。
ウイットのきいたスヌーピーはよく犬小屋の屋根の上にいたのは覚えていましたが、犬小屋の中にあるゴッホやワイエスの作品を鑑賞していたとは、この「みづゑ」で初めて知りました。
子どものころ、スヌーピーの漫画を読んでもその面白みが今ひとつわからなかったものでしたが、大人になってから読んでみると、いろんなキャラクターたちの味が前より分かるようになっていました。


32)ホテルの隣は、散髪屋さんですね。ということは、前に立っている白衣の人は理容師さんですね。列車に乗る人たちは、かなり服装にも気を配っているようですから、旅行関係のお客さんも多いんでしょうね

33)隣は宇あの絵が看板になっていて、VETERINARY HOSPITAL〜とあるので、動物病院のようです。ということで、前に立って腰に手を当てている人は獣医さんでしょう。

34)動物病院の裏手には、棒の上に高く小さな家のようなものが立っていて、梯子もついています。これはなんなんでしょう??何かネタがありそうですが、不明です。

35)動物病院のすぐ脇に犬小屋があります。この小屋の住人と思われる犬が、口を開けて吠えているようです。

36)動物病院の壁には「WANTED」と指名手配のポスターが貼ってあります。この顔が、マーガレット・ミッチェルの名作『風と共に去りぬ(Gone With the Wind)』の映画でクラーク・ゲーブルが演じたレット・バトラーに似ているようにも見えます。
by forest-door さん

映画の中で、捕えられたレット・バトラーが馬がつながれている小屋のようなところにいるシーンがあったのをおもいだしますね。
指名手配の顔はちょっとたれ目すぎるような気もしますが、口ひげが似てますよね。アメリカ編ではこういう似顔絵が多くて、俳優さんが多いのでレットバトラーかも…と思ったのでした。

「旅の絵本の秘密」に、クラーク・ゲーブルの手配書(右端)とありました。ビンゴ!!
それにしても、レッドバトラーではなく、クラーク・ゲーブルが手配されるとは・・・

37)床屋さんの前を帽子をかぶった2人が走っています。誰かを追いかけているようにも見えます。

38)2人の前方には前のシーンで同じ場所で、なぜか走っていた人が、今度はカバンを持って走っています。
 これは、37)の2人に追いかけられているのではないかと思うのです。そして、逃走の原因は動物病院の壁に貼られたお尋ね者の当人だからそして犬が吠えていたのも、この逃走者に対して・・・というお話を考えつきましたが、どうでしょう。

39)2頭立ての馬車2台に家財道具を積み込んで行く人たちがいます。『風と共に去りぬ』の一行ではないでしょうか。右の写真のシーンです。旅の絵本では、次に行くシーンは、奴隷労働の場面ですから、この馬車もそちらへ向かっているということですね。
次のシーンでは、南部の奴隷制度が出てきます。スカーレットも、奴隷の主人でした。旅の絵本でも、後方の馬車には、奴隷とおぼしき黒人が乗っています。
名作ですが、黒人奴隷への差別的表現から、上映がはばかられているとのことです。
「旅の絵本の秘密」には、「風と共に去りぬ」(右中央)とあります。まちがいないですね。
by forest-door さん

馬車に乗っているのはマーガレット・ミッチェルの名作「風と共に去りぬ」の一行のようです。
北部の軍隊の侵攻をのがれて、アトランタの街からスカーレットの故郷タラへと馬車を駆るシーンだと思われます。
作品の舞台となったアトランタは、作者が過ごした街でもあり、今も「マーガレット・ミッチェル・ハウス」として執筆した部屋が残されています。
作者、マーガレット・ミッチェルの写真を見たことがあるのですが、とても魅力的な方で、主人公スカーレットのようにどんなことがあっても強く生き抜く力をもった感じがする女性に見えました。彼女は生涯ただ1作しか残さなかったのですが、この作品で1937年にはピューリツァー賞を受賞しています。
そして1939年には映画が作られました。
スカーレットを演じたヴィヴィアン・リー、目がきれいで、ぱっと映える女優さんでしたね。
彼女が演じたスカーレットのセリフ、
「明日のことは明日、考えるわ。」や、「明日は明日の風が吹く。 Tomorrow is another day」は有名なセリフですね。
煮詰まったときの自分に言い聞かせると自然に楽になれたものです。


40)猫を従え、棒を持ってたくさんのアヒルを追っている女性がいます。

41)大きな草刈り鎌を持った人がいます。この人は、前のシーンの同じ場所で、太った人と話していました。
 この人、右のミレーの「刈り入れ」絵からだと思います。1巻のシーン8でも出てきました。

42)馬の蹄鉄を直しています。その馬にさわっている女の子がいます

43)蹄鉄を直しているのを見ている紳士がいます

44)白塗りの家があります。これは、詩人ヘンリー・ワーズワース・ロングフェローHenry Wadsworth Longfellowの家(Longfellow House)ではないかと思われます。とても、よく似ています。この家は、ボストン包囲戦の時にはジョージワシントンの本部になっていたようです。ただ、ロングフェローの家はマサチューセッツ州にありますから、旅人のおおよその位置からするとはなれすぎているようにも思われます。それでも、そんなこと関係なしにここに描かれた可能性が高いと思います。
紹介のHP
http://www.nps.gov/long/

45)荷車のところに男の子と女の子がいます。女の子の方が何か手に持って差し出しているように思うのですが。

46)一輪車や鋤など農具があります。
47)牛がいます、先ほどの農具や荷車ひくのに使っているのでしょう

48)少年が犬とたわむれています。
『シェーン』(Shane)にでてくる少年ジョーイとその愛犬ではないでしょうか。

49)建物の上にあるのは風見でしょうか?風力計のようにも見えます。

50)壁につるしてある、?マークのようなものは何でしょう。

51)揚水用の風車があります。自然エネルギー利用です。

52)馬に乗った人がいます。

53)木陰で、少年達がくつろいでいます。これもノーマンロックウェルの挿絵で、『トムソーヤの冒険』です。
恋人のキャッシーに嫌われてしまって落ち込んだトム、お母さんにクリームを盗み食いをしたと疑われ(冤罪)挙げ句の果てに鞭打たれて嫌気のさしたジョー・ハーバー、浮浪児のハックの3人です。それぞれ、南米海岸の暴れ者トムソーヤ、人殺しのハックルベリー・フィン、海の恐怖ジョー・ハーバーと、てんでに海賊を気取っています。筏に乗ってミシシッピー川の中のジャクスン島に筏で乗り付け、何日も野宿をします。残された家族や街の人は、てっきり3人とも死んでしまったと、葬式の準備まで始めてしまいます・・・
ホームシックに陥った、ジョーとハックはもう家に帰ろうとします。トムは、2人の気持ちをを引き立てようと、たばこの吸い方をマスターしようと言い出す。トムとジョーにとって初めてのたばこです。


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