コンパクト解説「旅の絵本を遊ぼう」4(アメリカ編)2

シーン14ワシントン(p27〜28)
0)旅人は 首都ワシントンD.C.(Washington, D.C.)へやってきました。連邦内での首都の取り合いを解消するためにも、特別区として機能を果たすべく設計された人工都。政治的な中立性を保つため、合衆国の北部と南部の中間に首都が設けられ、メリーランド州とバージニア州の境にある。名称は、初代大統領に由来します。
1)両ページにまたがっているのは、アメリカ合衆国議会議事堂(United States Capitol)です。首都の中心とみなされ、ワシントンD.C.の住所の東西南北は議事堂を基準に定められている。正面右手(南側)が下院の棟で、左手(北側)上院の棟になっている。
内部の構造を見ることができます。

2)議事堂の前では、独立戦争時?の服装でセレモニーが行われています。旗は現在のものですね。衛兵?の数は、独立時の州の数に合わせてあるのか、13人です。
3)左上 乳母車を囲んで、黒服の男の人が話しています。
チャップリンの映画『キッド The Kid』からです。
4)クラッシックカーのパレードが行われています。
車に乗っているのは、男性二人、男女、男女ときて、最後は一人乗りの馬車です。これが、もっともクラッシックですね。
12)もう一人マントの人がと思ったら、これは、議事堂のドームの上の像です。ドームの上の彫刻が、クラッシックカーのパレードを見ている人たちと重なるような、だまし絵にしてあります。
像は、議事堂のドームの上にも実際にあって、「Statue of Freedom」ですから「自由の女神」です。ちなみに、ニューヨークの自由の女神は、「Statue of Liberty」です。これ、細かい意味はどうちがうのでしょう。
12)自転車を降りて、パレードを見ている男性がいます。
ここにある「車」の車輪は全て、スポークが使われています。乳母車の車輪、クラッシックカーの車輪、馬車の車輪です。
14)走っている人がいます。やはり、ダイエットのためなんでしょう。
セントラルパークを走っていた人と重なります。先頭を走っていた人は、やはり同じフォームで先頭を走っています。2番目を走っていた人も同じフォームで走っていますが、ダイエットに成功したようです。3番目に走っていた人は、挫折したようです。実は、太めの人は、ランニングは膝に良くないので、運動するなら自転車が良いのです。12)の男性は、セントラルパークで3番目を走っていた人だったりして。
15)星条旗をみんなで、たてようとしている人がいます。これは、第二次世界大戦の折り、硫黄島での壮絶な死闘の際のシーンです。そして、ワシントンDCにある、戦没者をまつるアーリントン墓地のにこの硫黄島モニュメントがあります。硫黄島決戦は、アメリカにとっても犠牲が大きく特別の意味、象徴的意味があるのでしょう。
16)旅人の前方には桜の花が咲いています。花は咲いてないですが、周りの木も桜っぽい樹形が多いですね。
ちなみに、桜は日本から日米友好を願ってもたらされたものです。
17)演説をしている人がいます。議事堂内の演説だと思われます。演説しているのは誰でしょう。大統領教書の演説でしょうか。それにしては、周囲の人たちののんびりした様子が変ですね。単なる、議会のまねでしょうか。

22)帽子を持って座り込んでいる人が、椅子に座った人と杖を持った人が両脇にいます。真ん中の人はちょんまげを結っているようです。 これは、1871年〜73年にかけて不平等条約の解消を目指して、欧米に派遣された岩倉使節団だと思います。まずは、アメリカに渡り、ワシントンDCを訪問しています。
写真は、左から帽子を持っても座っているのが木戸孝允(桂小五郎)副使、帽子を抱いているのが山口尚芳副使、どんと座ってちょんまげをしているのが岩倉具視特命全権大使、ステッキを持って立っているのが伊藤博文副使、右端で帽子をもってすわっているのが大久保利通副使です。ということで、安野さんの絵では、真ん中のちょんまげ姿が岩倉、ステッキを持っているのが伊藤、椅子に座っているのが木戸か大久保ということでしょうか。
岩倉は、この時点では頑としてちょんまげを維持しているのですが、欧米の文化と接する中で、きってしまいます。
24)スイカを切っている人がロボットのように見えましたが、単に帽子をかぶっているだけでした。演説でのどの渇いた人たちに振る舞おうというのでしょう。それを樽に座って見ている人と、何か半円状になった杖のようなものを持って見ている人がいます。この半円状のものはなんでしょう。

31)ブリキの木こりに、案山子に、ライオンに、女の子とくればライマン・フランク・ボーム(Lyman Frank Baum)の著した、児童文学小説、『オズの魔法使い』(The Wonderful Wizard of Oz)でしょ
う。女の子はドロシーです。1939年にミュージカル映画になっています。
32)山高帽にステッキにローラスケートの人が踊っています。チャップリンの映画『スケート(THE RINK)』からでしょうね。動画を見ることができます。
あるいは、ローラースケートの技が使われている『モダン・タイムス(Modern Times)』からかも。
チャップリンの持っているおなじみの杖は、扱いやすいように軽くてしなやかなものと言うことで竹で作ってあって、日本製です。チャップリンは「あのスティックを思いついたのは私の最大の幸運だった」と自伝で述べていて、スペアも必要で、30本も日本から取り寄せていたそうです。
33)チャップリンを見て驚いている女性がいます。モダンタイムスのデパートでの冷や冷やするようなシーンの浮浪少女(ポーレット・ゴダード)ではないでしょうか。
34)ベンチに座って、チャップリンを興味深げに見ている老夫婦がいます。

35)赤毛のカーリーヘヤーの女のこが犬を連れて、男の人と話しています。ブロードウェイミュージカルの『アニー』(Annie) のアニーと犬のサンディー、男の人は億万長者のオリバー・ウォーバックスでしょう。ただ、アニーの舞台はニューヨークのはずだけど、何でここにアニーなの?
35)ネイティブアメリカンの酋長といったいでたちの人が子どもをつれています、女性が脇で荷物を持ち、案内役の男性が議事堂の説明をしています。
この人は「父は空 母は大地」のシアトル首長では無いかと想像します。シアトル首長は、ワシントンDCには来ていないのですが、ワシントンの大統領に当ててこのメッセージを書いたわけですから。そして、このメッセージは現代の我々が受け止めなければならない大切なものだと思うのです。安野さんは、そんな思いも込められたのでは無いかと想像するのです。
36)桜の木の下のベンチには酔っぱらって寝ている人が二人、警官に注意されています。アメリカでも、花見(もう葉桜ですが)で、こんなになってしまう人がいるんですね。
37)西アジアからやってきたような服装の女性が2人、男性に案内を受けています。やはりワシントンは世界中から観光客がやってくるんですね。

シーン15ボストン(p29〜30)
0)旅人は マサチューセッツ州のボストンにやってきました。ハーバード大学をはじめとして、名門大学のひしめく街です。そして、ボストン茶会事件など、アメリカの独立に深く関わりのある街です。
1)港に帆船が停泊していて、海に浮かぶ荷物を引き上げようとしています。
イギリスの植民地であったアメリカには、主権がありません。1773年、イギリス本国は、植民地にはかることなく増税を押しつけ、お茶にまで税金をかけるというので、ボストン港に停泊していた船を襲撃し、茶箱を海に投げ込んだのです。犯行をごまかすために、「インディアン」の扮装をして行いました。
「ボストン茶会事件(Boston Tea Party)」の、Partyは政党を意味するのだから、茶会事件は誤訳だとの説がありますが、正しい訳と言って良いと思われます。詳しくは「ボストン茶会事件」は誤訳か?を見てください。
http://www.geocities.co.jp/Outdoors/4129/boston_tea_party.html
2)船の様子を見ている男性がいます。イギリス関係者でしょうか。
3)「インディアン」の扮装をした人が3人走っています。サミュエル達が、責任を回避しようとしての扮装をあらわしているのでしょう。
7)テーブルで魚をさばいている女性が5人います。後方に、開いた魚が並べてあるようですから、なんだか干物にしているように見えます。ところで、アメリカでも乾物にする食文化があるのでしょうか。旅人はこの様子を見ているようです。
10)台の上にスーパーマン(Superman) が飛び立とうとしています。事件のあるところ、スーパーマンは現れますから、茶会事件に出動でしょうか、でもこの場合どちらに味方するのでしょうか?
『スーパーマン』は、コミック出身の架空のヒーロー。クリプトン星人のカル=エル。地球で成長して、大都会メトロポリスへ出て、新聞記者をしながら、クラーク・ジョセフ・ケントを名のっている。原作は、1938年にジェリー・シーゲル原画ジョー・シャスターで、アクション・コミックス誌第1号で初登場したそうです。何度も映画化された他テレビドラマ化もされて、日本でも放映されました。や映画化が何度も行われています。
10)子どもが、スパーマンを指さし、隣の男性に注意を呼びかけています。犬も興奮して、ほえています。
こどもは、「空を見ろ、鳥だ、飛行機だわ、あっ、スーパーマン!」とさけんでいるのかな。
13)通りでは、昔の兵隊の扮装をした人たちが行進しています。
14)先頭に掲げられた旗は、ストライプにカントにユニオンジャックが組み込まれています。『大陸旗』です。後の星条旗の元になった旗です。
植民地時代のアメリカでは、政府の建物には当然のように英国旗(ユニオンジャック)が、掲げられていました。そして、各植民地はそれぞれの旗を持っていました。独立戦争の中で、共通の旗が必要と言うことで作られたのがこの旗です。『大陸旗』が作られたのです。ユニオンジャックを組み込んでいますから、必ずしもイギリスからの独立だけを考えていたわけではないようです。
15)もう一つ旗が掲げられています。白地に中央にユニオンジャックです。この旗は何でしょうか?
16)パレードの最後尾には、「1775」の旗を掲げています。1773年のボストン茶会事件をきっかけに、支配を強化してきたイギリス本国に対し、大陸会議を開いて「植民地の自治権」を求めて英国に対して反抗することになります。1775年4月19日ボストンの西北レキシントンにおいて、英国の駐屯兵と住民有志による民兵(現在のアメリカからすると愛国者)が衝突(レキシントン・コンコードの戦い)します。このことがきっかけで、アメリカの人々は、独立の道を進むために闘うのか、イギリスに従うのかの選択を迫られることになり、ボストン包囲戦からついにアメリカ独立戦争となったのです。
現在では、マサチューセッツ州とメイン州ではでは4月の第3月曜日を「愛国者の日(Patriots' Day)」としていて、ボストンではマラソン大会が開かれたり、パレードが行われています。これは、そのパレードをあらわしているようです。

18)建物には、右端に「The Boston Grobe」と書かれています。1718年ボストンにに薬局として建てられて、現在では宝石店になっていますが、以前は「Old Corner Bookstore」といって、アメリカ文学者のたまり場になっていた本屋さんでした。
19)PRIN CETOと書かれた服を着た女の子がいます。『あしながおじさん』の主人公ジュディです。
20)たくさんの本を抱えた男性がいます。本屋さんの近くですから
21)子どもの影が、長くのびて足長おじさんのシルエットになっています。
22)馬車のアイスクリーム屋さんがいて、子ども二人がお客さんです。ボストンにこんなアイスクリーム屋さんがあるのだと思うのですが・・・あるようですが、ICEと書いてある前のKE・・・の店名が読めません。
23)道路では3人の子がビー玉遊びをしています。
24)子ども達の背後のドアには、雪だるまのような絵が描かれています。これも『あしながおじさん』の挿絵からです。
25)隣の建物との間に、たくさんの杭があるようですがこれはいったい何?
26)煙突の横に自転車にハシゴや掃除用のブラシを準備して立っている掃除夫がいます。軽く煙突のてっぺんを振り返って見ているように描かれていますが、これは高さを無視しただまし絵になっています。
30)女の子がお母さんと何か話しています。2人の視線はスーパーマンの方を見ているようです。
32)胸に大きく赤いAの文字をつけている女性がいます。アメリカの作家ナサニエル・ホーソーン(Nathaniel Hawthorne)の書いた『緋文字』の主人公へスター・プリンです。
何年もの間音信不通の夫がいましたが、牧師との不倫をしてします。ピューリタンとして許すことのできない、というので罰として赤のAをつけさせられています。相手をかばい、一人生まれてきた子を育てる主人公の生き方は、毅然としています。 31)の見ている?話しかけている?男性は、あらわれた元主人でしょうか、生き方についてへスターに説教している人でしょうか。
舞台はボストン近郊のセイラムなので、ここに描かれたのでしょう。
ちなみに、ボストンも、1630年9月17日、イングランドからやってきた清教徒たちの手によって築かれた町です。
34)観衆の後ろを帽子をかぶった男性が35)の議事堂に向かって歩いています。ボストン出身のベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)ではないかと思います。そうすると、建物に一番近い男の子は、雷実験につきあった子どもではないでしょうか
35)中央の建物は、ボストンにある旧州会議事堂(Old State House)です。
1770年3月5日この近くで、ボストン虐殺事件(Boston Massacre)が起きています。イギリス軍が民間人5人を射殺した事件で、のちに独立戦争を引き起こすきっかけともなった事件の1つでもあります
また、1776年7月18日、2階のバルコニーで独立宣言が読み上げられています。今は、博物館になっています。


36)岸壁に、片足が義足の男が立っています。アメリカの作家ハーマン・メルヴィル(Herman Melville)が書いた『白鯨』(Moby-Dick)のエイハブ船長でしょう。白きマッコウクジラMoby-Dickに片足をかみ切られ、復讐に燃えています。船長達は、同じマサチューセッツ州 にある捕鯨の町ニュー・ベッドフォードNew Bedfordから出発します。この町には、ジョン万次郎も暮らしていました。
37)子ども達が3人走っています。茶会事件に向かっているのか、スーパーマンを見に走っているのか。
38)3頭だての、時代物の車・・・どうも消防車が走っています。火事はどこでしょう?、これも茶会事件に駆けつけているのかな。
この消防車の絵は、何かの絵本にあったようにも思います。ただ、この巻で安野さんがあちこちでCurrier & Ivesの版画を資料にされているようです。その中にThe Life of the Firemanのシリーズがあります。
その中でも、"The Life of the Fireman: The Metropolitan System." がこの消防車とよく似ています。
39)左上に、楽器や荷物を持った一団が描かれています。この人達は何なんでしょう。イギリスからやってきたピューリタンの人たちでしょうか?1620年に清教徒たちがメイフラワー号でボストンの南プリマスに到着してから、わずかな間にボストンにも入植者たちは増え、清教徒社会をつくりあげたといわれています。
絵の雰囲気からすると、安野さんは何かの絵を参考に描かれていると思うのですが、不明です。
40)消防自動車の手前を、馬に乗って疾走している男性がいます。犬も興奮して一緒にかけています。これは、ポール・リビア(Paul Revere)の
「真夜中の騎行」です。
1775年4月18日の夜、イギリス軍が植民地の人たちが密かに集積したコンコードの武器庫を接収しようと出発したことに気づいた、愛国者は真夜中に伝令を出します。ボストンからレキシントンを経てコンコードに向かったリビアの情報によって、対応を準備します。そして運命の19日レキシントン・コンコードの戦いが始まり、独立戦争へとつながるのです。
愛国者の日には、この疾走が再現されるそうです。ということは、こちらも再現中ですかね。右の絵もCurrier & Ivesの版画です。
35)のボストン虐殺の絵を描いたのも、ポール・リビアです。
41)家の角に立つ男の人は、リビアの声を聞いています。すぐに、周囲にしらせ直ちに武装して集まることになります。「1分後」には、ミニッツマンとして。
42)ピアノを運んでいる二人組がいます。セントラルパークの似顔絵の中にもあったスタン・ローレルとオリヴァー・ハーディのコンビです。。
このコンビで喜劇映画が何作か作られていますが、『Laurel and Hardy in The Music Box』からです。
44)水玉のワンピースに帽子の女性が、ピアノを運ぶローレル&ハーディを見ている女性がいます。ポール・リビアを見ている可能性も高いです。
46)馬車を引く男の子がいます。ソーセージのお店でしょうか?
50)左端の家は、真夜中の疾走のポール・リビア(Paul Revere)の家です。1680年代のデザインで、ボストンで最も古い木造家屋として復元されています。
51)赤白のパラソルの屋台は何を売っているのでしょうか?ボールのようなものの中に何か入っていますが?これはなんでしょう??赤い縦縞のシャツの人は、箱の上に乗っていますが、子ども?でもなさそうですが??
52)水玉のワンピースに帽子の女性がいます。ポール・リビアの家を見ているようです。44)のローレルとハーディ(あるいはポール・リビア)を見ていた女性ととても似てますが?何か関係があるのでしょうか??
54)ワゴンに箒やバケツが入っています。売り物でしょうか?掃除のための車でしょうか?パレードの後を清掃すべく待機しているのかな。
55)樽に座っている人と、その隣の二人は視線がそろっているようです。ポール・リビアの家を見ているんですかね。今日は、愛国者の日ですから
56)黄色のテーブルのようなものを囲んで、帽子をかぶったおじいさんが3人何かやっています。座っている二人は前掛けのようなものをつけているように見えます。いったい何をしているのでしょうか?
57)ピンクの肩掛けをした女性が、乳母車を見ています。手に持っている大きな荷物はいったいなんでしょう??
65)杖をついたおじいさんの横に立つ、黒服にネクタイの男性ですが、ウエストサイドのシーンで、バスケットコートで踊るのを見ていた刑事さんに雰囲気が似ています。この人も、刑事さんでしょうか?愛国者の日に、何か警戒しているのでしょうか。
67)鞄を持ったオレンジの服の女性が、ドラム缶を見ています?何故??ひょっとして65)の刑事さんのことが気になっているのかな
ここは、ボストンという設定だと思いますが、『白鯨』のエイハブ船長がいますし、右上の魚の処理をしている人たちが、大都市のボストンにそぐわない気もします。
ひょとすると、煙突掃除屋さんの向こう側の家も含めて、ニュー・ベッドフォードNew Bedfordの様子も合成されているのかも知れません。
シーン16ウィリアムバーグ(p31〜32)

0)旅人は ボストンが政治経済の中心になる前、1699年から1780年まで、イギリスの植民地政府の首都であったウィリアムバーグにやってきました。
その後、次第に忘れられた街になっていったようですが、大富豪のロックフェラー家の資金援助を得て、歴史地区として18世紀当時のその町並みと生活を再現しています。歴史地区では高い建物を建てたり、車の乗り入れを制限したりと、町並みそのものをオープンミュージアム(生きた博物館)「コロニアル・ウィリアムズバーグ(Colonial Williamsburg)」としています。町並み保存の先行事例として、世界中から注目されています。
1)シーンの中央にまたがってあるのが、総督公邸(The Governor's Palace)です。
2)門の前には大砲が2門置かれています。植民地時代当時のものでしょう。ウィリアムズバーグに実際に残してあるそうですが、写真を見る限りこの位置には設置してありません。今日だけ、特別かも知れません。
3)門の前では、当時の扮装で射撃や音楽が演奏されています。イギリス軍でしょうか?大陸軍でしょうか?
ここのHPでその様子が紹介してあります。(再現のためにとことんやっています)
http://www.hm17thregiment.org/utr2004.htm
http://www.hm17thregiment.org/utr2005.htm
4)星条旗を先頭に太鼓とラッパを持って行進する子どもたちがいます。独立戦争の時の大陸軍のまねをしているんでしょうね。
右の絵は、Currier & Ivesの『76-heroes』という絵です。

4)左下 本の看板を掲げた家があります。作りはあまり本屋さんらしくありませんが、コロニアル・ウィリアムズバーグ内にある建物でしょう。
グロスター公爵通りDuke of Gloucester Streetにあります。
http://travel.webshots.com/photo/1023255714027813012UsUdzujnmD
16)後ろに子どもが二人さらし台に首と手を固定されています。お母さんがそれを見ています。これは、ウィリアムズ・バーグの刑務所にあったもののようです。現在でも観光客に公開されています。当時も、この絵のように広場でさらしていたのでしょうか。
左の写真はグロスター公爵通りDuke of Gloucester Streetのものです。大きな写真は
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17)真ん中下の建物は グロスター公爵通りDuke of Gloucester Streetにある建物のようです。
大きな写真です
http://inlinethumb25.webshots.com/30744/1023256838027813012S600x600Q85.jpg
18)右上 白い家の所に馬車が着いています。
この馬車、シーン12ウエストサイド物語(p23〜24)で、結婚式を挙げていた所にいた馬車のようです。ということは、ここが二人の新居でしょうか。
そうすると、白の服の人が新婦さん。隣の反り返っている人が新郎でしょうか?鞄を持って握手している人はお客さんでしょうか??
左側にいる黒い服の人が御者?そして、赤い服の女性は、結婚式の時には、花を買っていましたが・・・付いてきたのでしょうか??
19)土管で遊ぶ犬がいます。Gene Zion 作 Margaret Bloy Graham 画 の『どろんこハリーHarry the Dirty Dog』の絵本からです。読み聞かせをしていますが、こどもたちに大人気の本の一つです。
ちなみに、英語の書名で検索していたら、・・・ダーティーハリーも出てきました。ああなるほどと。


by forest-door さん
黒いぶちのある白い犬のハリーはおふろが大嫌いで、ブラシをかくして外に逃げ出しておもいっきり遊びまわります。
どろんこになったハリーは体中まっくろでところどころに白い部分がみえていて、いつもとは正反対。家の人たちにハリーだとわかってもらえません。
お風呂嫌いで遊びまわってまっくろのハリーに子供たちは共感するんでしょうね。このハリーのシリーズは「うみべのハリー」や「ハリーのセーター」と続き、ぬいぐるみも出るほど人気者です。
文はジーン・ジオン、絵はマーガレット・ブロイ・グレアム。二人はご夫婦で、マサチューセッツ州在住だそうです。
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20)屋根の上に鳥のとまった家があります。Chowning’s Tavernのようです。tavernとは居酒屋や宿屋を意味しています。街の中にはたくさんのtavernがあるようです。
大きな写真は
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21)馬車が通っています。「コロニアル・ウィリアムズバーグ」には、基本的に車の乗り入れが禁止されていて、送迎バスを使い、園内では乗合馬車が利用されています。
大きな写真は以下をどうぞ
http://inlinethumb56.webshots.com/29815/1023258402027813012S600x600Q85.jpg
22)樽が積んであるところに看板が立っています。何か意味があるのでしょうが・・・不明です。
23)置いてある大砲をのぞき込んでいる男の子と、それを見ている女の子が二人います。さらにそれを見ている水玉のドレスの女性はお母さんでしょうか?この人、前のシーンでピアノを運ぶローレル&ハーディ(あるいポール・リビア)はを見ていた女性、ポール・リビアの家を見ていた女性と同じようです。独立関係のものが好きな人なんでしょうかね。

24)旅人の前で カモに餌をやっているお巡りさんがいます
ロバート・マックロスキーRobert McCloskey (著)の『かもさんおとおりMake Way for Ducklings 』からです。
この物語は、ボストンが舞台なんですけれど?
英語版 の『ウィキペディア(Wikipedia)』にも紹介されています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Make_Way_for_Ducklings
by forest-door さん
かものマラードさんと奥さんはボストンの街のあちこちを探して子供たちを育てるのによさそうな場所に巣をつくります。
公園ではマイケルというおまわりさんとも親しくなり、子供たちを引き連れて歩き出した奥さんたちのために交通整理もしてくれるのです。この交通整理の場面が次のP.34で描かれています。
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アメリカ旅行にとても詳しいHPがあります。その中に
「アメリカ人のふるさとウィリアムズバーグ」という部分があります。とても参考になりました。
http://www.plans.jp/shashinshu/nanbu/004.html
旅の絵本4表へ
シーン17ハロウィーン(p33〜34)
0)旅人は カボチャをたくさん用意してハロウィーンの用意の進む村にやってきました。
特に、どこの村と言うことではないように思います。
元々、ハロウィーン (Halloween)は、ケルト人の祭りが起源のようです。ケルトでは1年の終りは10月31日で、この夜は死者の霊が家族を訪ねたり、精霊や魔女が出てくると信じられていた。これらから身を守る為に仮面を被り、魔除けの焚き火を焚くというわけです。そして、墓でロウソクを炊くのだそうです。これに因み、31日の夜、蕪をくりぬいた中に蝋燭を立てて「ジャック・オー・ランタン」(お化け蕪)を作り、魔女やお化けに仮装した子供達が「トリック・オア・トリート(Trick or treat. お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)」と唱えて近くの家を1軒ずつ訪ねるのだそうです。元々はカブですが、アメリカでは加工しやすいカボチャでランタンを作るようになりました。

1)左下 白と黒のウサギがいます。
これはガース・ウィリアムズの絵本『しろいうさぎとくろいうさぎ』です。白いウサギと黒いウサギの愛のお話が、美しい絵で描かれています。ガースは、シーン3に引用されている『大きな森の小さな家』の挿絵も描いています。
2)玄関付近の壁だけが白く塗られた家があります。なんでこんな色分けにしているのでしょう不思議な家です??あるいは・・・白い壁と黒い屋根で、しろいうさぎとくろいうさぎのイメージを重ねているのかな。
3)家の前では、鞄を持た男性と花柄?の女性が握手をしています。この花柄?の女性は、シーン12の結婚式の前で花束を買っていて、前のシーンで新居に着いた馬車の所に立っていました。そして男性は、同じ前のシーンで青い服を着て白いドレスの女性と握手をしていた男性のようです。
ということで妄想ですが・・・この男性は、不動産やさんではないかと。新婚さんやこの女性に家を紹介して、契約のために来ていた。そしてこの女性は、新婦の友人で近くの別の街にすむことになって、この家を紹介している。この女性は愛を求めているので、隣の男性が愛する人・・・そして、この家はしろいうさぎとくろいうさぎの愛のメッセージを込めた家に住むことになるのかな・・・やっぱり妄想か。
4)トランポリンをしている人が居ます。男女9人がかりで、今まさに落ちてきた男性を受け止めようとしているところのようです。さてこの後は・・・どうなるの
5)隣では子どもが、一緒にやっているつもりでしょう・・腕を下げて落ちてきた男性を柔らかく受け止めている気持ち充分です。
6)ロープを張って旗をつけたポールをたてている男性たちがいます。何かの祭りが始まるようです。一番右でロープを引っ張っている人は、時代がかった服装をしています。
7)ポールをたてる人たちを仰ぎ見る女の人と手をあげて喜ぶ女の子がいます。
8)旗を先頭に行進しているこどもたちが居ます。前のシーンでもほぼ同じ場所で行進していました。持っているものが少しずつ違っています。


9)垣根の向こうの風景が季節感も含めて違うようです。ペンシルヴァニア州チャッズ・フォード出身のアメリカン・リアリズムの代表的画家であり、アメリカの国民的画家アンドリュー・ワイエス(Andrew Wyeth)の「The Mill(粉ひき小屋)」からです。
鳥が飛んでいますが、ワイエスの絵ではカモのようです。
http://www.swoyersart.com/andrew_wyeth/mill.htm
10)小屋の右側に毛皮の帽子をかぶった少年が座っています。おなじくワイエスの「Faraway(夢見るような/遥か彼方に)」からです。
http://www.swoyersart.com/andrew_wyeth/faraway.htm
11)カボチャがたくさん並んでいます。ハロウィーン用でしょう。そして。ワイエスが「カボチャのお化け」「しまりすジョージの住み家」という作品などでかぼちゃを描いているそうです。
12)垣根に寄りかかっているのは、カボチャで作った人形のようです。
13)牛を引っ張っている少年がいます。第1巻でも、子牛を引っ張る少年が出てきましたが、出展不明です。どなたかご存じの方いませんか?
14)自転車を押す男性と話している女性がいます。
15)椅子があり机の上にはジュースやジャム類?、机の下には果物やビン、そしてヤギがいます。
16)家の前に二匹の犬を連れた女性が立っています。犬はコーギーのようです。ということで、この女性は絵本作家、ターシャ・テューダー(Tasha Tudor)ですね。なので、家はターシャの家(コーギー・コテージ)でしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BB%E3%83%86%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC
ちなみに、コーギーはもともと牧牛用の犬で、牛にしっぽを踏まれるといけないので、しっぽは短いか、長いものは子犬の時に断尾してしまうのだそうです。ターシャが描くコーギーもしっぽが描かれていません。安野さんは、ターシャの家を訪れて止まってもいるそうですから、そのことを承知しているはずです。ところが、このコーギーにはしっかりしっぽが描かれています。安野さんのミスとの説もあります。
ただ、実際には牧牛に使っていないコーギーの尻尾を断つことは、動物虐待であるとの考え方もあるそうで、あえて断尾しないこともあるそうです。安野さんの配慮といえるかも知れません。そして、ターシャの描くコーギーに尻尾のあるものもありました。
ターシャ・テューダーの世界
http://www.anzaiazami.com/review/tudor.html
そして、この女性がターシャだとすると14)で自転車を押した男性と話している女性もターシャだろうと思います。その根拠は、背後の椅子は、とてもシンプルなデザインで、ターシャ好みであること。テーブルの周りの品々は、ターシャの庭で行われていたパーティ(NHKでほうそうしていました)にそっくりです。さらに、ターシャの家にはヤギの放牧場があります。ということできっと、こちらもターシャです。

17)子どもが二人、足下にはハロウィーン用に加工されたカボチャがあります。
18)馬が2頭と馬に乗った人がいます。どうも、時代がかったカッコウですし、雰囲気が絵のようです。ただし、出展不明です。心当たりの人はいませんか?
19)柵の所に多様な家畜がいます。授乳する豚の親子、黒牛、ガンジー牛?、子豚たち、羊の親子・・・そして狐??
そして、ジャージー牛2頭の顔が並んでなっています。その結果、角が重なってしまっています。どうもこれは意図的なようです。だまし絵の一種でしょうか。
21)2頭の牛に鋤を引かせて畑を耕している男性がいます。
18)〜21)はいずれも、参考にした絵がありそうな雰囲気です。いずれも出典不明です。
あるいは、次のシーンに続くようにアーミッシュの人たちの生活が描かれているのかも知れません
22)バラ窓のたくさん付いた建物があります。モデル不明
23)庭に4人の女性が座って何かしています。
これは、アメリカの小説家ルイーザ・メイ・オルコット(Louisa May Alcott)が書いた小説『若草物語(Little Women)』からです。
舞台は南北戦争当時のニューイングランド、それぞれに個性を持った4姉妹(信仰深くおだやかな長女メグ、活発で作家志望の次女ジョー、はにかみやで音楽ずきな三女ベス、おしゃまで絵が上手なエーミー)が家庭に起こる楽しい出来事や悩み、事件、そして大きな試練を経て、少女から「Little Women(小さいながらもりっぱな婦人たち)」へと成長してゆく物語です。
作者の自伝的小説で、次女のジョーのモデルです。女性読者は、それぞれに自分を重ねて読むのだそうです。
愛読者の一人であったターシャ・テューダーが、後に挿絵を描いています。(ターシャは自分を誰に重ねていたのでしょうか?長女のメグ?それとも三女のエーミー?)
安野さんは、この表紙絵から4人を描いています。
24)馬車の通行を遮って、カモの行進を守っているお巡りさんがいます。これは、前のシーンの「かもさんおとおり」の続きです。絵本で止めているのは馬車ではなく車ですが。
27)白塗りの2階建ての家があります。この家はJ・F・ケネディの生家です。
実際の家はどうも白塗りではないようです。大金持ちの家だから豪邸だろうと思っていましたが、それほどでもないですね。家の前にはケネディー大統領のレリーフ像が掲げられています。(下の写真の玄関右の植え込みの中に見えています)
シーン18開拓者の村(p35〜36)
0)旅人は 東部の初期開拓者の村と思われる所にやってきました。ここも具体的な場所は不明です。
1)左上 馬に話しかけている男性がいます。馬も仲間のように感じているのですね。
ちなみにこの馬、鐙もつけず鞍もなしの完全な裸馬ですね。どうしたのでしょう?他のシーンではこのような馬は全く出てきませんから、安野さんは意図的にこのように描かれているのだと思います。野生馬ということでしょうか
2)森の木が切られています。木の雰囲気はパインツリー(松の木)の一種のようです。
近くにすっとのびつつある幼木は広葉樹のようです。


3)両側に持ち手のある鋸が材木の上にあります。二人で両端を持って、ひくのでしょう。 TWO-MAN CROSSCUT SAWSというのだそうです。ただ、色々調べてみると、どうも持つところは歯の側ではなくみねの側にあるようなのです。右の写真の用に使います。
安野さんのミスでしょうか?よくわかりません。
開拓時代の道具類についてのHPです(英文)
http://www.frontieramericatrading.com/M_Frontier_tools.htm
4)トランポリンをする人たちがいます。前のシーンの続きです。今度は高く跳ね上げています。隣の子どもも、一緒に跳ね上げた動きをしています。ページをぱらぱら漫画のように動かすと動いて見えます。

5)一つのテーブルを囲んでたくさんの人が食事をしています。牧師と思われる人が祈りを捧げているのでしょうか、インディアン(ネイティブアメリカン)の人が同席しています。近くには赤ん坊をあやしている人がいます。
これは、最初の感謝祭を A. Brownscombeが描いた"The First Thanksgiving at Plymouth" (プリマスの最初の感謝祭)からです。
1620年イギリスからプリマス植民地にやってきた清教徒の人たちは、厳しい冬に多くの犠牲者を出したが、先住民の助けで何とか生き延び、翌1621の秋の収穫を祝い、助けてくれた先住民を招待して感謝祭を行ったという話に基づく絵です。
ゆりかごの赤ちゃんは、植民地での最初の子ども Peregrine White(ペリグラム ホワイト)でしょう。
Pilgrim Hall MuseumのHP(英文)
http://www.pilgrimhall.org/f_thanks.htm
6)左下の建物の陰で、かくれんぼをしている子どもがいます。左の男の子が隠れているのを、建物の左の陰にいる女の子がさがしているようです。
10)隣の丸いものは、他のシーンでも何度か出てきているのですが、何でしょうか?
農場のシーンで出てくるので・・農作業に関係あるものだと思うのですが不明です。

13)井戸があります。シーソー式にすることで、本体の重さを0にするようにして、水の重さだけを引き上げればいいようになっています。
右はCurrier & Ivesによる「The Old Oaken Bucket」という絵です。同じような井戸が描かれています。
14)おじいさんがバケツを持って、牛と犬を引き連れて歩いています。牛も犬もおじいさんに話しかけているようです。とても仲がいいのでしょう。何か、モデルの物語があるのかも知れません。
15)木の上に2つツリーハウスが作られています。何かモデルのお話があるのでしょうか。近くの学校のこどもたちの隠れ家でしょうか。
16)木の上の方には巣箱があります。この巣箱を使っている小鳥も近くにとまっています。
17)木の下では、おばさんと少女が何か作業をしています。トウモロコシを取り外して籠の中に入れているように見えます。トウモロコシは、新大陸生まれの作物ですね。植民者たちは、先住民にその栽培方法を教わって、すくわれました。
18)なぜかこんな所に、ポストと牛乳缶が置いてあります。いったい、どこの家に来た郵便物をここに入れるのでしょう。牛乳缶は9)で搾った牛乳を置いておいて、業者がここへ取りにくることになっているのかな。
19)小学校があります。掲げられた星条旗は、独立当時の旗ですね。13のストライプと、州の数だけの星を円形に配置しています。なぜか黒板が野外に設置してあって、ABCが書いてあります。
右側の壁には巣箱が2つかけられ、バスケットボールのコートが設置してあります。(ただ、バスケットボールの初の試合は1892年ですから、独立直後と思われる学校にバスケットのゴールはふさわしくないのでは)
20)今日は天気も良いし青空教室のようです。先生は鞭を持っています。開拓時代の学校の先生は、鞭でピシリは普通だったようです。
23)隣には、犬がこれもしっかり本を広げて、お勉強態勢に入っています。学校に犬が登場するというのは、アメリカ的だなあと思う反面、犬も人間と一緒に勉強するという発想は、日本的です。
25)髭のおじいさんは校長先生でしょうか、お母さんが子どもを連れてきているようです。子どもも教科書を準備しています。よそから来て、この学校へ入学しようと言うのでしょう。23)の空席は、この子のために用意してあるのでしょう。
2
6)丸太小屋があって、外では男の人が柵のための杭を打ち込んでいます。
この丸太小屋はエイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)大統領の生まれた家です。国民的記念物として、保存されています。リンカーンは大統領選挙でも、自ら斧をふるい、杭を打っているとアピールしていたそうです。

27)大きな葉をつけた畑があります。これはタバコの畑です。タバコは元々アメリカ先住民が、スピリチュアルな儀式に使っていたものです。それをコロンブスがヨーロッパに持ち帰り、世界中に広めてしまいました。
植民地時代の初期、タバコは重要な産品でした。ただ、とても土地の栄養分を使ってしまいます。肥料を施さないまま、連作を続けると土地がやせてしまいます。そこで、当時はどんどん新しい土地を求めて、先住民と対立することになってしまうのですが・・・。
29)旅人の前で男の人が何かを運んでいます。これはトウモロコシでしょうか?だとすると、ツリーハウスの木の下に運んでいるのかな
28)机の上で、タバコの葉を整えています。タバコの葉は一枚一枚ていねいに取り扱います。
29)タバコの葉を積んだ荷車の前を、カモの親子が歩いています。「かもさんおとおり」のシーンからです。
30)カモの親子の後を追いかけているのは、小さな子豚のようです。
31)倉庫の壁に吊されている赤いものはなに?つるし柿な訳はないので・・・タマネギくらいでしょうか。
35)レンガ造りの煙突が外にある小屋ですが、5)の感謝祭の絵の右上隅に見えている小屋とよく似ています。やはり、植民当初の小屋をイメージしているのでしょう。

36)小屋の右端に、クモの巣が張られ、下には豚やニワトリがいます。これはくものシャーロットと子豚のウィルバーとの友情を描いた、E.B. ホワイト(E.B. White)の児童文学『シャーロットのおくりもの』からです。ハムとして食べられてしまう運命にある豚のウィルバーがくものシャーロットが起こした奇跡ですくわれます。そして・・・
この本の絵を描いたのは、ガース・ウィリアムズです。アメリカ編ではシーン3で「大きな森の小さな家」の挿絵、シーン17の絵本『しろいうさぎとくろいうさぎ』の作者でもあります。
このシーン全体を振り返って見ると、初めての感謝祭の絵に込められたメッセージが基本なのだろうと思います。植民地初期の開拓者たちにとって、収穫はまさに命に関わることです。そして、その生活をさせたのは、先住民の協力を得て手に入れることができた、トウモロコシであり、ジャガイモであり、タバコであったわけです。このシーンにはその全てが描かれています。リンカーン大統領は、自らが開拓者としての生活をしていたことを誇っていた人です。その一方で、開拓者は森を切り開き、タバコ畑は先住民の大地を奪ってゆきます。生きてゆくこと、開拓することの反面も「シャーロットのおくりもの」があらわしているようにも思えます。豚はどんなにかわいくても(お話では命が助かりますが)、ハムになり人に食べられる運命ですから。命をいただいて生きているわけで・・・。
そして、シャーロットに助けられたウィルパーは、シャーロットの子どもを助けます。助けられたものが助けかえすという、メッセージがあるように思います。初めての感謝祭では、助けてくれた先住民を招待して共に祝っていますす。
シーン19アーミッシュの村(p37〜38)

0)旅人は アーミッシュ(Amish)の村にやってきました。
アーミッシュはアメリカ合衆国・ペンシルバニア州やオハイオ州に居住するドイツ系住民の人たちで、キリスト教の洗礼派に属する人たちです。原則として、現代の技術による機器を生活に導入することを拒み、車を使わず移動は徒歩や馬車です。や電気製品の使用は原則として避けています。耕作も人力と家畜の力で広大な農地を耕しています。
アーミッシュについては
1)左下 黒服の女性が馬車を使って荷物(トウモロコシの茎?)を運んでいます。荷台には子どもが二人と帽子をかぶったおじいさん。
アーミッシュの人々は子どもの頃は多少色のあるものを着ますが、大人は極めて質素な色合いです。男は、つば広野帽子をかぶりヒゲを蓄えます。
2)豚を追いかけている子どもたちがいます。イギリス編(シーン9)でも同じようなことがありました。何か、元になる話がありそうですが、不明です。
3)嫌がる子牛を強引に引っ張っている、女の人がいます。いったいどうしたのでしょう。
4)小屋の外にもう一つ小さな小屋があります。前のシーンで、クモのシャーロットがクモの巣を張っていた小屋と似ています。何か関係があるのでしょうか。
6)4頭立ての馬車で荷物を運んでいます。この人たちは、少しだけ色目の服を着ていますが、この程度ならOK?
7)森の中でダンスを踊っている男女がいます。
映画『刑事ジョン・ブック 目撃者(Witness)』からだと思われます。1985年公開のアメリカ映画で、ハリソン・フォードの演じる刑事が、犯罪の目撃者になってしまったアーミッシュの少年を保護すべく、アーミッシュの共同体に入ってきます。そして、母親とダンスを踊るシーンがあります。宗教上、ダンスは禁じられているのですが・・。
9)森の外では、こどもたちがダンスをしている二人を見つけて、もううわさ話になっています。ダンス禁止ですから非難されるんでしょうね。
10)7人の子どもが何かして遊んでいるようです。左側の子どもは走り去ろうとしていて、右側の子どもは抱え込むようにして後ろに引っ張っています。何の遊びでしょう?

11)屋根付きの馬車があります。アーミッシュの人たちの愛用車ですが、屋根付きの馬車は 大人にならないとこれは使えないそうです。
13)鍛冶屋では大事な馬車の車輪を修理しています。もちろん、アーミッシュ自前の鍛冶屋を持っています。
14)ヒゲのおじいさんが靴を作っています。それを女の子が見学しています。
15)洗濯物が干してあります。さすがアーミッシュです、色目のものが全くありません。
16)靴屋の前では、折り畳み式のテーブルの上に色々載せて販売しているようです。
実際のアーミッシュの村でもこのような販売があるようです。ビンの中身は、ジュースでしょうかジャムでしょうか。パットにはいているのは、クッキーでしょうか。
17)犬を連れた少女と少年が、クッキー?に興味を見せています。売っているのは女性のようです。
18)黒いテーブルの上には、カボチャでしょうか。足下の箱にはトウモロコシ、桶にはジャガイモ。いずれもアメリカ大陸が原産地の作物です。売っているのは黒い服白いオーガンジーの帽子(アーミッシュの成人女性の典型的服装)の女性です。隣のおじいさんも、つば広の帽子に無地のシャツで豊かなあごヒゲとこれも典型的な服装です。お客さんもアーミッシュの夫婦のようです。実際には買い物客は、共同体以外の人も来るようです。農薬なんかは使っていない、ある意味で最高級品ですから。
19)右側のテーブルには、たくさんのビンが乗っています。やはりジャムでしょうか。これも共同体外の人たちにも人気のものです。
20)おじいさんが女性にビンの飲み物を渡そうとしています。ジュースかな。
21)女の人が話しています。今年のジャムのできについての話でしょうか
22)トウモロコシを担いでいる男性がいます。この人、前のシーンでも同じ位置で担いでいました。
23)持ってきたトウモロコシから、実をはずしているおじいさんがいます。
24)そのトウモロコシの茎や葉を使って、籠を編んでいる人がいます。
籠も共同体のそとの人に販売されます。
25)星条旗を掲げた建物があります。50の星のある現在の国旗です。開拓時代の生活を現在も続けているわけです。
26)糸を紡いでいる女性がいます。ここから手作りなんですね。
27)樽を回転させるタイプのバターチャーンがあります。バターも当然手作りということですね。
19)4人の女性が集まって共同でキルトを作成しています。このキルトは、アーミッシュキルトと固有名詞になるほどのものです。
18)キルトづくりを見ているお母さんの脇には小さな女の子、私もしてみたいと思うんでしょうね。
19)もう一人脇で見ている緑の服の女性は、若いからこの色なのか、アーミッシュの生活が見たくて外部から着た人かも知れません。
20)シカを担ぎ猟犬を従えて帰ってくる狩人がいます。
右の絵はCurrier and Ivesの「Pioneer's Home on the Western Frontier」で、西部の開拓者の生活のようです。安野さんはこの絵をモデルにされているのだろうと思います
22)小屋の壁にホークのようなものが立てかけてありますが、先の所に横木があるようなので・・さらいのようなものでしょうか?
23)乾し草?を、荷馬車に積んでいる男女もアーミッシュの服装です。
カナダと合わせても人口14万人くらいというアーミッシュの人たちですが、ある意味ではアメリカ人の典型なのかも知れません。ヨーロッパに置いて宗教上の差別と迫害を受け、自由の地アメリカに移住し、宗教的繋がりを基礎にして、勤勉な労働と相互扶助によって幾多の困難を乗り切ってきたわけですから。
そして、基本的に自給自足で無ければならなかった、植民地時代や開拓時代の生活を今につたえているわけです。
シーン20メイフラワー(p41〜42)

0)旅人は イギリスからの植民者が作った街にやってきました。港には、メイフラワー号が浮かんでいます。
1)港にはメイフラワー号が浮かんでいます。1620年イギリスから宗教的自由を求めてやってきた清教徒(ピューリタン)が、プリマスにやってきています。彼らはピルグリムファーザーズ (Pilgrim Fathers, Pilgrims、巡礼始祖)と呼ばれて、合衆国の礎を築いた人たちとされています。
2)小舟を出して、上陸しています。当初は、船を宿にして上陸して上陸して植民地建設に取りかかったのです。
3)浜辺には上陸した人たちがいます(12月22日のことでした)。
4)プリマス植民地の姿をピルグリム村として復元されています。
もちろん、入植当初にこのような建物は無かったわけです。
5)村の中にはたくさんの杭が並べられています。隣には槌を持った男が立っています。これで、柵を作ります。
防衛用でもあったのでしょう。
6)海岸では先住民が手を振っています。入植者たちにとって幸いなことに、友好的な先住民ワンパノアグ族がいたことです。
7)先住民から魚をもらっている女性がいます。
予定していた地点より随分北に着いてしまったこともあり、入植当初の状況は厳しく、半年で半数程が病死してしまうほどの状況でしたが、先住民ワンパノアグ族の協力を得て何とか生き延びることができました。
11)先住民に捕まった人がいて、白衣の人と話しています。
捕まっているのは、ジョン・スミスです。そして、白衣の人はポカホンタス(Pocahontas)です。
プリマスに清教徒が入植する13年前の1607年5月13日ジョン・スミスに率いられた百数名の人々が、ヴァージニアの大西洋岸の低湿地に上陸し、英国人最初の植民地を設立します。この年、ジョン・スミスが奥地を調査しているとき土地の先住民の首長ポーハタンに捕らえられ、あわや殺されるところを娘ポカホンタスに助けられます。
※この話が史実であるかどうかは、疑義があるようです。
12)左上 アメリカ最古の植民地ジェイムズタウン(ヴァージニア州)です。それ以前にも入植はありましたが、失敗して全滅しています。(ジェイムズは、当時のイギリス国王の名前です。)
この入植地も、百数名の入植者がその年の秋には50人を切るという壮絶なものでしたが、ポカホンタスの・ポウハタン (Powhatan) 族の協力で、タバコ栽培をサポートされるなどして、何とか持ちこたえることができたのです。
「ジェームスタウン・フェスティバル・パーク」として復元されています。
13)入植者の子どもと先住民の子どもが握手をしています。
ポカホンタスは、植民地に来て遊んでいったそうです。
14)畑があります。植えてあるのは何でしょう
15)大人たちは、木を切り倒しています。
16)浜辺では、先住民がカヌーを浮かべています。
ジェームスタウン・フェスティバル・パークでは、カヌーを作る所を見ることができるようです。
17)旅人の向こう側では、ガラス細工をしている人たちがいます。
ジェームスタウン・フェスティバル・パークにも、ガラス工房が復元されています。
18)右下 薪割りをしている家族がいます。映画『シェーン』のスターレット一家のようです。当然、割った薪を並べている少年はジョーイです。
旅の絵本4表へ
シーン21コロンブス(p41〜42)

0)旅人は コロンブスがアメリカ大陸を発見したときに使ったサンタ・マリア号がやってきたところに来ました。
1)ネイティブアメリカン(アメリカ先住民)の人たちが、サンタ・マリア号に手を振っています。
先住民の人たちは、スペインからの船を見て、何だろうあれは?とおもっているのでしょうか。これから、始まる多くの悲劇は予感できていないようですね。
2)小屋のところで、少年が犬と一緒に旅人を送っています。
この少年は『シェーン』のジョーイです。映画のラストでは「シェーン!カムバーック!」と叫んでいましたが、ここでは去っていくのは旅人ですから「旅人!カムバーック!」ですかね。
シーン1でも指摘しました、安野さんはやはりシェーンと旅人を重ねているように思います。
3)前のシーンでやっていた薪割りが終了しています。
4)茂みの右側にリスが2匹います。
サンタマリア号は、1492年スペインのバロス港から、アジア目指して出発して想定外の新大陸発見になります。
そして、旅人は、コロンブスの航路を逆にたどって、スペインを目指します。
裏扉・あとがき
今回も表扉の裏焼きになりました。
こどもたちに見送られてアメリカの旅に入っていった旅人が、こうしてアメリカから出てゆきます。
長い長いアメリカの旅が終わります。
今回の旅は、開拓者達と出会う旅でした。アメリカの歴史と出会う旅でした。
現代文明の最先端ばかりが目立つアメリカの、大地に根付いた生活の様子をしっかりと押さえた旅でした。
アメリカは若い国家だと言われます。確かに、独立戦争に勝利して独立したのが1783年、以後わずか225年しかありません。
最初の植民地ジェイムズタウンを建設が1607年、以後わずか401年。
しかし、その間に、激動の歴史を紡いでいます。なにより、1607年以前にも、コロンブスの1492年以前にも、人々の生活は有ったわけです。
それらの全てを、網羅することはできないにしても、安野さんは丁寧に書き込んでもらったと思います。
そして、『シェーン』との旅でした。それは、ジョーイの視点でアメリカを見ることにもつながったように思います。
さてそれでは、旅人を追ってスペインの旅に向かいましょう。