シーン7リーベの街(p13〜14)
0)旅人は ユトランド半島の西海岸にあるリーベ(Ribe)にやってきました。リーベはバイキング時代からの古い歴史を持つ街で、8世紀頃にできたデンマークで一番古い街とされています。中世の赤いレンガの建物が500軒残っており、周囲は緑に囲まれていて、最も美しい街とされています。デンマークの首都であった時代もあります。
1)塔があります。リーベ大聖堂の塔です。
2)左上 花の上を天使が赤ちゃんを抱いて飛んでいます。
アンデルセン童話の『天使 The Angel』からです。

「地の上で、いい子が一人死ぬたびに、神さまの天使はきっと大空から下って来て、死んだ子を腕に抱き、大きな白い羽を広げて、子供がこれまで好いていた町をいくつか飛びこえて行く道々、両手いっぱいの花を摘んで行きます。・・・・」
なぜか、天使は裏路地のゴミの中からこちこちに固まった植木鉢の枯れた花を持ってゆくのです。・・・その訳は、お話を読んでみましょう。
アンデルセンらしい美しい話です。
天使は、アンデルセンの分身のように思います。
3)白樺の林があります。
『モミの木』のモミは、屋根裏部屋で、「楽しむときに楽しまなかった」森でのことを思い浮かべます。「もみの木にとっては、その白樺の木は、ほんとうに美しいお姫様のようだったのです。」

4)兵隊が並び、王様が驚き、王女もおどろいています。近くにはバッタがいます。
これは、アンデルセン童話の『高飛び選手The Jumper』からです。
バッタ、のみ、とび人形の中で一番高く飛んだものがお姫様と結婚できるというのですが・・・はたして結末は。
高く飛んだのにもかかわらず認めてもらえず、結婚のかなわなかったものたちに、アンデルセンは自分自身を重ねているのでしょうね。
5)切り絵を作っている男の人と、それを驚いてみている女の子がいます。
アンデルセン童話の『小さいイーダの花Little Ida's Flowers』からです。

男の人は、お話が上手で切り絵の得意な学生さん。学生さんが持っているのは、「お盆の上に白鳥と建物をのせた道化師」と言う切り絵です。アンデルセンは切り絵も得意で、沢山作品が残っています。これもその一つです。切手にもなっています。
イーダの持っている切り紙もアンデルセンの作品です。Devil maskと名付けられています。悪魔の顔というわけですね。それらしい雰囲気です。
学生さんは、アンデルセンの分身でしょう。この作品は、アンデルセンの最初の童話集に収録されています。当時は、評価があまり高くなかったとか。でも、個人的にはなかなか良い話だと思います。
6)イーダちゃんたちを見ている
ネズミがいます。
7)
ネズミを見ているネコがいます。
8)窓の所に、鳥かごがあり、ビンがつるしてあります。
アンデルセン童話の『びんの首 The Bottle Neck』からです。
今は、下半分が割れてしまい、コルク栓をして逆さまに鳥籠に付けられて水入れとして利用されているびんの首が、ワイン瓶として生まれてからの物語です。
アンデルセンの友人であった枢密院顧問官ティレー氏が冗談で「きみ、ぼくらのためにひとつ、びんの物語を書いてくれないか。びんが生まれてから、首だけになっても、まだ小鳥の餌入れとなって、けっこう役立っている時までの話と言ったようなものをね。」こんわなわけで、この童話ができたとアンデルセンによる解説に、書いています。
波瀾万丈のその運命はドラマティックです。そして、すぐゴミになってしまう、日本の瓶と違い繰り返し繰り返し使われる姿に、デンマークの生き方を見るようにもいます。最も、アンデルセンの頃の日本は、世界でも有数の「もったいない」社会。どんなもののも、ゴミにしてしまわない社会だったのですが・・・。一方、デンマークは、缶飲料は無く、瓶やペットボトルはリターナブルでその回収率は99%とか。いつの間に、こんなに差が付いてしまったのでしょうか。
ちなみに、窓の女性は、ワイン瓶の時に婚約の祝いとしてコルク栓を開けられた時の女性。瓶にとっても女性にとっても最高に幸せの時でしたが、瓶も女性もそのことは知りません。
8)左中 バラの所に妖精がいます。アンデルセン童話の『バラの花の妖精 The elf of the rose』からです。
美しいというよりは、不気味なお話です。ホラーといっても良いかもしれません。アンデルセンは緒言の中で「(その)着想はイタリアの民謡から取ってきたものである」と書いています。
愛し合う若い男女が添い遂げられないお話という意味では、「びんの首」と重なる部分があるようにも思います。そして、花の精ということでは、「親指姫」と重なる面もあります。同じページに描かれたのは、そのためでしょう。
9)左下 池の所に、ヒキガエルと女の子とモグラとネズミがいます。
これは、アンデルセン童話の『親指姫 Thumbelina』からです。
ヒキガエルは、「シーン5水車」で、川のそばにクルミのベッドごと親指姫をさらってきます。息子の嫁にしようというわけです。逃げ出した親指姫はコガネムシにさらわれますが、放り出されます。死にそうになっていた親指姫を救ったのが、野ねずみの奥さんです。ところが、野ねずみの奥さんは、お金持ちのモグラとの結婚を勧めます。それが、親指姫の幸せだと信じて・・・。
10)家の外から子どものベッドをのぞき込んでいる男の人がいます。
アンデルセン童話の『眠りの精オール・ルゲイエ Ole-Luk-Oie, the Dream-God 』からです。
話しかけているのは、眠りの精オールおじさん、眠っているのはヤルマールです。オールおじさんは、子どもたちにそっと近づいて、子どもたちの目にシュッと甘いミルクを刺すのです。ほんのちょっぴり。すると子どもはもう目を開けていることができません。そして、お話を聞かせてくれるのです。もちろん、毎夜違った話を。
12)手押しポンプを一生懸命押して、洗濯をしている女性を、ビンを持った男の子が見ています。
これは、アンデルセン童話から「『あれは、だめな女だった』 She Was Good for Nothing 」からです。
洗濯女は、息子に酒ビンを持ってこさせます。冷たい川で冷えた体を温めるためです。でも町長さんは息子に「おまえのお母さんはろくでなしだ」といいます。倒れて死んだ後も「あの女はろくでなしだったから。」というのです。
でも年取ったマーレンおばさんは言います。・・・「私は、何年も前から、それから、あの最後の夜からは、なおさらのこと、ちゃんと知っているんだよ。私は坊やに、はっきり言っておくよ。いいかい、お母さんはね、役に立つ人でした!天国の神様も、きっとそうおっしゃるに違いないさ。世間の人には、かってに言わせておいたらいいよ。あの女はろくでなし、とんでもないとも。」
アンデルセンの母親は、家計を助けるためにあちこちの家で掃除をしたり洗濯を引き受けたりしていたのです。母親はアンデルセンが28歳の時なくなっています。アルコール中毒であったようです。この物語は、アンデルセンの母をモデルにしていると考えられます。そして、坊やはアンデルセン自身の分身でしょう。
12)中央 杖とカンテラを持った人が歩いています。これはリーベ(Ribe)の「夜警」です。
町の夜間警備として1902年まで続けられていましたが、廃止されました。その後1932年に観光目的で再現され、20時になると大聖堂横の旅籠の前に、夜警が現れます。夏には、それでも明るいのですが・・。伝統衣装に身を纏った夜警について、観光客はぞろぞろと町を練り歩きます。夜警のおじさんは「家の人、ぼうや、お嬢さんよ。時間を知りたいかい。もう寝る時間ですよ。神に祈り優しく賢く。灯や火にご注意 時刻は10時だ」と触れてまわるのだそうです。そして、歴史的建造物の前では、観光案内もしてくれるのだそうです。
13)右上 国旗柄のテントの下では、織機がすえられて、何か織物が織られています。
アンデルセン童話の『皇帝の新しい着物(裸の王様)The Emperor’s New Suit 』からです。
織物の進行具合を見に来た役人に、。「自分にふさわしくない仕事をしている人と、バカな人にはとうめいで見えない布なのです。」と説明しています。実は、織っているふりをしているだけで何もないのですが・・・「何も見えない」とは言えないので、見えているふりをしています。何もないのですが、高価な織物はずですから、しっかり警備の兵隊がついています。
19)通路に看板のようなものが2つありますが、これは何?
20)赤の水玉の女性がハンドバックを持って歩いています。なんだか、デンマーク編ではこの柄のドレスを着た人が多いようにおもいますが・・・。
21)国旗柄のテントを張り出した家の手前には、棒きれを持ったネズミが3匹います。
これは、アンデルセン童話の『ソーセージの串で作ったスープ Soup on a Sausage Peg 』からです。
ネズミたちが持っているのは、ソーセージの串です。これで、スープを作ることができたネズミが、王の妃になれるというので、4匹の雌ネズミが立候補します。それぞれソーセージの串を一本ずつ持って、旅立ちますが・・。期日にかえってきたのは、3匹だけです。心配したように、ネコにやられてしまったのか?!
そういえば、6)でイーダちゃんを見ていたネズミは、ネコに狙われていました・・・。あのネズミがかえってこなかったネズミでしょうか。
物語では、ぎりぎりでかえってきます。ただし、彼女は串を持っていませんでした。そして、意外な結末が・・・。
※「ソーセージの串でスープを作る」というのは、デンマークのことわざのようです。アンデルセンはそれを「一粒の種」としてこの話を作ったのです。ちなみにもとのことわざの意味は?物語の中に出てくる言葉を拾うと。『人がもし詩人ならば、ソーセージの串でスープを作ることができる』と2番目のネズミが出てきます。また『・・・はね、人間のことわざなんだよ。色々な意味に取ることがね、めいめい自分の考えているのがいちばん正しい意味だと思っているのさ。まあ、つまり言ってみれば、何でもないということさ!』と串を無くしたネズミが言います。後者の解釈がたぶん一般的なのでしょう。
23)山羊に乗って、カラスの死骸を振り回している男がいます。
アンデルセン童話の『まぬけのハンス (Clumsy Hans)』からです。
お姫さまが「上手にはなしのできる男をおむこさまにする」というおふれに応じて、賢い兄さんたちは出かけます。その後を追って出かけたハンスは、途中で死んだカラスとこわれた木ぐつをひろい、ドブの泥をもってお城に行きました。さて、どうなるのでしょうか。
『ソーセージの串で作ったスープ』の話も『まぬけのハンス』も、課題を乗り越えて「玉の輿」に乗るというパターンです。昔話によくあるパターンです。これらの課題は、子どもから大人になる為に乗り越え無ければならない課題であり、「成長を象徴していると考えられます。ただ、『ソーセージの串で作ったスープ』の場合は、物語に込めたいメッセージが高度になってしまって、設定が複雑になっています。『まぬけのハンス』の方は、デンマークの民話を自由に再話したと、緒言で述べています。昔話の天衣無縫さがあって、その分ストレートだと思います。
24)馬に乗った二人は、ハンスの賢いお兄さんたちでしょう。
25)クリスマスツリーの前に立つ女の子がいます。
これはもう、アンデルセン童話の『マッチ売りの少女 The Little Match Girl 』からです。
暖かさを求めてつけたマッチの灯りの中に、クリスマスツリーの幻があらわれています。
アンデルセンは、外国旅行の途次、フリンク氏から、手紙に同封した3枚の絵を基に童話を書いて欲しいと依頼されます。アンデルセンが選んだのは、マッチを持っている貧しい少女の絵だったというわけです。絵はヨハン・トマス・ルンドビーJohan Thomas Lundbye(デンマーク、画家1818)がカレンダー用に書いた挿絵でした。マッチは、当時は珍しいもので、デンマークにはそのマッチを街で売るこどもたちがいたようです。
ところで、クリスマスツリーは『モミの木』の話も、関係しています。モミの木が、最も輝いていたのは、クリスマスツリーとして飾られ灯りがともされたその時だった訳ですから。
26)p14の左下の建物の窓のいちばん右側 屋根のマークの中に「あ」とあります。スペイン編でも出てきましたが、安野さんの生まれた津和野にある安野光雅美術館のシンボルマークです。
シーン8リーベの街2(p15〜16)
0)旅人は 引き続きリーベの街に滞在中です。この街がお気に入りのようです。
オーフスArhusにガムルビュDen Gamle By(「古い町The_Old_Town」という野外博物館があります。そこにある建物の沢山再現されているので、リーベと言うより、デンマークの古い町並みを再現されているという方が良いようにも思います。
1)左下 荷物を持った男が、家の中をのぞいています。これは・・アンデルセン童話の『小クラウスと大クラウス Little Claus and Big Claus 』からです。
馬を1頭しか持っていない貧しい小クラウスは、4頭持っている大クラウスに、なけなしの一頭を殺されてしまいます。仕方なく皮をはいで町に売りに行きます。男の持っている荷物はその馬の皮です。日が暮れてしまい、百姓屋に宿を頼みますが断られます。仕方なく納屋で寝ていると、窓から中が見えます。おかみさんと、役僧が食事をしています・・・。
2)馬に乗っている男がいます。 これも、『小クラウスと大クラウス』からです。
出かけていたお百姓さんが帰ってきたのです。このお百姓さんは、役僧さんが大嫌い。役僧さんも、そのことを承知していて、いないときにやってきていたのですが。お百姓さんが帰ってきたのです・・さあどうなるでしょう。
4)赤の水玉の服が看板になっているのは、ミシンがあって仕立屋のようです。
デンマーク編と、赤の水玉の服の関係は、謎のままです。
Den Gamle By野外博物館に右の写真のような仕立屋工房の展示がありました。
5)若いカップルが、店に来ていますが・・・。男の人は、後ろを見ています。何を見ているのでしょうか。
6)抜いた歯とペンチが看板の家は歯医者さんでしょう。家のデザインは、リーベのオールドタウンによく見られる木組みの家ですが・・・。アンデルセン童話の『古い家 The Old House』の挿絵の家とよく似ているように思います。
ペーダセン(Wilhelm Pedersen)の描いた絵です。ただ、出窓が出っ張っていないし入り口の階段がないのが、大きなな違いで・・・。
8)前の道では、魔法使いのようなおばあさんと子どもが話しています。これは、アンデルセン童話の『歯いたおばさん Aunty Toothache』からです。
「歯痛おばさん」は物語の中で、学生さん(アンデルセン自身の分身でしょう)の母方のミレおばさん。年は取っても白い歯を持っている人ですが、以前歯痛に苦しんだときのことをもとに、おばさんの友人で醸造家のラスムッセンが付けたあだなです。
ミレおばさんは、学生さんの詩の才能をたたえ、作品をたたえ、書くことを励まし続けてくれます。
ところが、吹雪の夜、ミレおばさんを下宿に泊めたとき・・・・、夢に恐ろしい老婆が現れます。強烈な歯痛と共に。そして、「・・大詩人は大いなる歯痛を持ち、小詩人は小なる歯痛を持つ!」「そうじゃ、もしそなたが詩人たることを断念し、もう2度と詩を、紙・石版・その他どんな物にも書くまいと思うなら、わしはそなたをゆるしてやろう。だが、詩を作ったらまたやってくるぞよ。」しかも、ミレおばさんの中に自分を見るであろうと言い残して去ってゆくのです。
朝になると、ミレおばさんはやっぱり「あなたはわたしの詩人よ」と励まします。
この作品はいったいどうしたというのでしょう。不思議な作品です。アンデルセンの断筆宣言だったのでしょうか。まさか、歯痛が原因ではないのでしょうが、以後作品がないのです。アンデルセンによる解説の中で、「時に、童話『歯痛おばさん』は、わたくしの最後に作ってかきおろしたものなのである。」と書いています。
9)歯医者さんの屋根・パン屋さんの屋根に3人もの煙突掃除人がいます。
一体これは?特にパン屋さんは営業中で、釜に火が入っています??
それにしても、煙突やさんたちは、シルクハットをかぶりスーツを着て仕事をしています。この格好の絵をよく見ますが??いったいどんなわけがあるのでしょう。
煙突掃除人が出てくるアンデルセン童話といえば『羊飼いの娘とエントツ掃除人 The Shepherdess and the Chimneysweep 』ですが・・・。物語のエントツ掃除人は人形ですし、1体だけです。
そもそも、エントツ掃除人を人形にするというのは、どういう意味なのでしょうか。

10)石窯でパンを焼いているパン屋さんがあります。庭のテーブルには、秤が置かれ、生地をのばすための棒もあります。安野さんは、物作りの描写はいつも丁寧です。
11)パン屋さんの看板は、プレッツェルです。安野さんは、パン屋の看板にプレッツェルをよく使われます。
左のDen gamle by(オールドタウン)野外博物館にある、パン屋さんにもプレッツェルの看板が掛かっています。
13)ツバメが飛んでいます。そして、小さな女の子が乗っています。
アンデルセン童話の『親指姫 Thumbelina 』からです。
世話になっているネズミのおばさんに、モグラさんとの結婚を押しつけられていた親指姫は、凍死しそうな所を助けたツバメに救出されます。ツバメと共に、南の地に飛びそこで、花の王子様と出会い、幸せな結婚をすることになります。そして、密かに親指姫に思いを寄せていたツバメは、失恋の痛手を隠して2人の結婚を祝福するのです。ツバメは、アンデルセンの分身ですね。
14)ここまで逃げてきた、脱獄犯が転んで、警官に捕まっています。
この結末、分かりやすいけど、おもしろくないなあ。やっぱり、イタリア編の結末が好きです。
15)倒れた脱獄犯の右側で、バトンのような物を持って待ちかまえている人がいます。
この人は?・・・逮捕している警察官の仲間でしょうか、それとも脱獄犯に何か渡そうと待ちかまえていたのに、果たせなかった人なのでしょうか。新たな謎が(^_^;)
16)逮捕劇の背後の壁に、何か張り紙がしてあります。これは何?
安野さんのこれまでの例からすると、モデルにした家の所にも、何か張り紙があったのでしょう。
建物のモデルは、
ガムルビュ野外博物館にある建物だろうと思います。
17)煙突の上の煙突掃除人の向こう側、緑の扉の左側に張り紙があります、これは何?
18)右上 男の人がひく馬車には、モミの木の小さな木を抱えたおばあさんと、クリスマスツリー用のモミの木が積んであります。『モミの木』関連でしょう。
馬を引いている人の前のベンチの背もたれの中央部分に何か四角の物がついているのですが?これは何でしょう。
写真の建物の前にもベンチがあるようですが・・・。
19)乳母に抱かれた赤ちゃんをあやしている男の子と、それを二階の窓から見ている男の人がいます。これは、アンデルセン童話の『門番のむすこ The Porter's Son 』からです。
赤ちゃんは二階に住む将軍の娘エミーリエちゃん、あやしている男の子は地下に住む門番の息子ゲオルグ、二階から様子を見ているのが将軍です。
ゲオルグは、才能にあふれた子どもですが、エミーリエちゃんとの社会的な立場の違いは圧倒的です。しかし、伯爵のバックアップを受けて留学させてもらい、建築技師・教授・枢密顧問官と出世をし、娘の両親の反対も克服して、エミーリエと結婚を果たし、幸せな家族を築きます。
アンデルセンの童話のほとんどが、失恋や悲劇的な幕切れであるのに対して、この話は完全なハッピーエンドです。ゲオルグの人生こそが、アンデルセンがそうありたかった理想をあらわしているのでしょう
20)広場で雪だるまを作っている子どもたちがいます。アンデルセン童話の『雪だるま The Snow Man 』からです。
この雪だるまは、よりにもよって、ストーブのことを好きになって、恋いこがれます。それには、本人にも意識できない訳があって・・・。
21)隣では、雪を転がして雪玉を作っている子どもたちがいます。日本の雪だるまは、このように大小の雪玉を重ねて作りますが・・・ヨーロッパ(デンマーク?)では、そもそも作り方が違うようです。札幌の雪祭りの雪像のように、しっかりと芯を作って雪を重ねて行くようです。その結果、挿絵のようにスマートな雪だるまになっています。
23)大量の布団を持ち込んでいるHOTELがあります。壁にはエンドウ豆が描かれています。アンデルセン童話の『エンドウ豆の上に寝たお姫様 The Princess on the Pea』からです。

雨とあらしでずぶ濡れになっていた女性が、本物のお姫様であることを証明する方法は・・・20枚も重ねた布団の下に置かれた一粒のエンドウ豆の種。これが気になって寝られない人こそが、妃にふさわしいお姫様というわけです。
この話はアンデルセンが子どもの時に、紡ぎ部屋や、ホップ摘み際に聞かされた話と言うことですから、昔話が基になっているわけです。まあ、昔話によくある荒唐無稽さと言えますが・・・。
アンデルセンの創作童話は、主人公が才能ゆえに評価されるべきであるとの考え方が基底にあるように思います。才能があるのに正当に評価されない場合もありますが、その場合は、その不当さを訴える形になっています。ところがこの話は、まるきり逆です。たかが、豆一粒で寝ることができない能力?ですから。むしろ、できないことが評価の対象になっています。ただ、昔話には良くあるパターンです(末の子どもだったり、まぬけだったり、弱い者が最後に勝利する)。これは、力のない子どもたちに、希望を与える役割を果たしていると思われます。ただ、この話の場合は、アンデルセンの上流社会に対するあこがれが出たように思うのですが。
アンデルセンの持っている二面性を感じます。
24)ホテルの建物は、リーベにある古い旅館「ホテルダクマー」がモデルにされているのでしょう。建てられたのは1580年といいますから、築後400年以上です。今もホテルとレストランとしていて、泊まることができるそうです。名前の由来はチェコ出身でバイキング王の妃となったダクマー妃だそうです。彼女は、23才の若さで病死してしまうのですが、その慈悲深さからリーベの人々に今も愛されているとか。
25)ホテルの右側に描かれた建物も、リーベにある飲食店がモデルだと思います。
26)長靴を拾おうとしている夜警がいます。(リーベはやっぱり夜警の街です)
アンデルセン童話の『幸福の長靴 The Galoshes of Fortune 』からです。

長靴は、「誰でもこれをはくと、そのとたんに、その人の一番望んでいる場所なり、時代なりへ連れて行ってくれる」不思議な靴です。さて、履いた人は幸福になれるでしょうか・・・
物語の舞台はコペンハーゲンですが、夜警だからリーベの街に登場したのでしょう。ちなみに、挿絵はペーダセン(Wilhelm Pedersen)の描いた絵です。こちらは、中尉さんの家の前に座り込んでいる絵です。これでは夜警であることがわかりにくいからでしょう、安野さんはカンテラを持って、通りで長靴を発見したところを描かれています。
27)隣の万年筆を看板にしている家は、何の店でしょう。文房具店でしょうか?あるいは・・・作家の家と言うことでしょうか。
「幸福の長靴」で、4人目に長靴を履くのは、書記さんです。そして、詩人になりたいと思うのです。(この場合の詩人は、ほとんど作家ということです。)ということで、この家は詩人の家では無いかと思います。
28)大量の布団を馬車から降ろしている人たちの、隣には、マッチが消えて薄れてゆくクリスマスツリーを見つめているマッチ売りの少女がいます。前のシーンからの続きですね。
『もみの木』の視点で見ると、華やかで誇らしい時は瞬く間に過ぎてしまい・・・。その先には・・・。
29)シャボン玉をしている子どもと、おばあさん。その右手にはバラの花が咲き乱れています。これは、アンデルセン童話の『小さいみどりたち The Little Green Ones 』からです。
バラの木の小さい兵隊さんたち・・・アブラムシのことです。石けん水は、小さいみどり(アブラムシ)の駆除のために持ってこられましたが。シャボン玉に使う方が、平和的で美しい。そして、シャボン玉が割れると、お話おばさんが立っていたのです。
アンデルセンは、アブラムシをよく観察したのか、生態になかなか詳しいです。(無性生殖で卵でなく子どもをそのまま産んだり、有性生殖で卵を産んだりの事を知っていたようです)
31)屋根の上に、コウノトリの巣があります。巣はあっても親鳥の姿が見えません。
リーベは幸福を運ぶコウノトリがやってくる街としても知られているそうです。「コウノトリが来たら夏の始まりだ!」と感じる存在です。そんなリーベでも環境の変化がはげしく、やってくるのは数羽になってしまったそうです。巣が空になっているのは、そういう意味なのかも知れません。
ただ、クリスマスシーズンですから、単に南に渡って行っていると考えればいいのかも知れません。
32)右隣の屋根の上には、カラスがいます。『幸福の長靴』の中で、書記が詩人になった時に、子どもの時の事を思い出します。「熱くした銅貨を、凍てついた窓ガラスにあってのぞき窓を作って遊んだものだ。そこから外をのぞくと・・・・船頭のいない船が氷に閉ざされていて、カラスが一羽、まるで乗組員みたいに、とまって鳴いていた。・・・」とあります。
33)右上 木の枝に小鳥が2羽とまっています。これも『幸福の長靴』の中で書記が、ヒバリになります、そして捕らえられて小さな鳥かごに入れられますが、隣にはオウムとカナリヤがいます。このヒバリとカナリヤではないかと・・・思います。
リーベの街のシーンでは、アンデルセン童話が立て続けに描かれています。安野さん自身が指摘されていない童話も入れると・・・19〜23話。すごい!確認してみましょう。
1.天使 2.(モミの木) 3.高跳び選手 4.イーダちゃんの花 5.びんの首 6.バラの花の妖精 7.親指姫 8.眠りの精オール・ルゲイエ 9.あれは、だめな女だった 10.裸の王様 11.ソーセージの串で作ったスープ 12.まぬけのハンス 13.マッチ売りの少女 14.小クラウスと大クラウス 15.(古い家) 16.歯いたおばさん 17.(羊飼いの娘とエントツ掃除人 18.門番のむすこ 19.雪だるま 20.エンドウ豆の上に寝たお姫様 21.幸福の長靴 22.小さいみどりたち 23.(コウノトリ)
以上です。アンデルセン童話とリーベの特別の関係ってあったでしょうか?
2)カーネマンを描いている画家がいます。これはもう、安野さん自身でしょう。
3)画家を見ている子どもたちがいます。
4)RESTAURANT(食堂)と書かれた建物は、上の写真のカーネマン像の右奥の建物の上部とそっくりです。
また、Den Gamle By(オールドタウン)野外博物館にある郵便局と似ているようにも思います。
・・・看板に描かれているのはなんでしょうか?
5)p17下 鞄を持った女性が二人、話しています。
6)時計を看板にしている建物は、時計屋さんと言うことでしょう。
この木組みの建物、前のシーンで小クラウスがのぞきこんでいた農家とそっくりです。
7)女性が二人歩いています。
8)手回しオルガン(オルゴール)を回している音楽師がいます。
以前にも触れましたが、『柳の下で』のクヌートは、ヨハンネが婚約者といるところを見て、故郷を目指します。そして、異国の地で故郷デンマークの曲を奏でる手回しオルガンひきにであい、ますます望郷の念にとらわれ、故郷への道をひたすらに進みます。
9)赤い木組みの家があります。時計の家と木組みの様子がよく似ています。木組みは少し違うのですが、Den Gamle By(オールドタウン)野外博物館にある建物に雰囲気の似ている建物がありました。
10)黄色の壁の家に面白い看板が掛かっています。何の看板でしょうか、不明です。
11)前のページに続いて大小のモミの木が運ばれてゆきます。やはり、大小のクリスマスツリー用と考えて良いのでしょう。と言うことで、これも『モミの木』関連です。
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by forest-doorさん
P.16に続いてもみの木を馬車で運んでいます。大人が馬車で大きいもみの木を運び、そのあとを、大人と同じようにしてろばで小さなもみの木を運んでいる子供がいます。お手伝いなのか、ほほえましいですね。
デンマークでは、クリスマスシーズンになると街の広場でクリスマスツリーの露天商が出るそうです。多い時期には一日当たり150万本(!)のクリスマスツリーが売られ、またドイツやフランス、スイスにも輸入されているそうです。
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12)旅人の左前方 カヤを刈っている人たちがいます。茅葺き屋根に使うのでしょう。
13)材木を運ぶ馬車が二台行きます。これも、『モミの木』でしょう。こちらは十分に大きくなって、コウノトリが見てきたように、船のマストに使われるのだとおもいます。
14)中庭で、
石蹴りをして遊んでいるこどもたちがいます。
15)遊んでいるこどもたちを、赤ちゃんを抱いたお母さんが見守っています。
16)中庭から階段で2階に上がることができるようになっています。2階には、洗濯物が干してあります。
縦に連なっているのは何でしょう?スペイン編ではニンニクだったのですが、デンマークでもニンニクを吊しておくのでしょうか?
17)広場に向かって、観光馬車が行きます。写真の馬車は、Den Gamle By(オールドタウン)野外博物館にある馬車です。
18)エプロンをしたおじさんと女の人が話しています。二人の背後には、壺の看板があります。おじさんは焼き物工房の人のようです。
19)左の小屋では、女性が壺を作っています。デンマークの焼き物としては、ロイヤルコペンハーゲン(Royal Copenhagen)が有名ですが、陶磁器メーカーとはいうものの、磁器が中心です。ここの窯は、粘土の色からして、陶器のようです。
20)男性が二人で、板に6個の壺をのせて運んでいます。
21)棚には、整形のできた壺が干してあります。
22)焼成用の釜があります。そのための薪が沢山積んであります。薪の木口のうち4つに顔が描いてあります。薪割り用の斧があります
煙突が、上になるほど大きく描かれています。上から見ての、遠近法が採用されているようです。
23)ネズミとネコ?の後半部があります。前の前のシーンでイーダちゃんを見ていたネズミとそれを見ていたネコではないかと思います。
ネコの向こうに、大きな壺が3つ並んでいます。この壺も、ここで焼かれたのでしょうか。
24)馬車の工房があります。看板は、車輪です。Den Gamle By(オールドタウン)野外博物館にも、同じような看板が掛かっていました。
25)子どもが二人がかりで、車輪を締め付けています。
26)回転形の砥石を使って、刃物を研いでいる男の人を、子どもが興味深そうに見ています。砥石は、足踏み式で回るようにしてあるようです。
回転砥石は、アメリカ編では何度も出てきましたが、何に使うものか、見当が付きませんでした。スペイン編の最後で、斧の近くに置かれていて、砥石であるとことが想像できました。そして、ついに使っているところが描かれました。
27)色々な馬車があります。車輪は、手前の2台はスポークを張ったものです、一方向こう側の一台と修理中の車輪は木製車輪です。

28)テーブルでは木製の車軸を組み立てています。
29)塀の向こうの木材は、馬車を制作するためのもののようです。
30)建物の壁には、車輪や工具がかけてあります。
31)工具のかけてある建物は、テナーの旧修道院付属のパン工房の上部と似ているように思います。
このシーンをテナーの街としましたが、カーマンネンの像以外は、この街と特定できるような建物が見あたりません。テナーというよりは、ユトランド半島(あるいはデンマーク)の古い街を描いてあると考える方が適切かも知れません。
旅の絵本6表へ
シーン10裸の王様(p19〜20)
0)旅人は 首都コペンハーゲンにやってきました。スペイン編では、一度も描かれなかった首都ですが、デンマーク編ではたっぷり描き込まれます。
手前に描かれているのは、コペンハーゲン市庁舎(Town Hall )です。赤レンガ建築で、ところどころに金箔が使ってあります。
1)左手に見える塔は高さ106mで、鐘楼になっています。15分に一度、鐘の音を響かせます。登ることができるようです。
岡山県の倉敷駅のすぐ北側に、コペンハーゲンのチボリ公園と提携した、「倉敷チボリ公園」があります。駅前には、この塔を模した塔が建っています。
2)屋根の中央には、市章が金色に輝き、左右には杖を持った像がずらりと並んでいます。何かいわれのある像だと思うのですが、不明です。衛兵のようなものでしょうか?
3)市庁舎の左にそびえる塔の上に立つのは、『ルアー笛吹きの像』です。バイキングの古楽器を吹いています。
安野さんは、ジーグフリート・ワーグナー作「古楽器の楽隊」の像だと解説に書いておられるのですが・・・ジーグフリート・ワーグナーは、ドイツの作曲作曲家だと思うのですが??
同名の、彫刻家がデンマークにいるのでしょうか??
4)塔の下には、アンデルセン像があります。
像は市庁舎の西側(右側)を通るH.C.アンデルセン通り(H.C. Andersens Boulevard )にあって、チボリ公園を見上げています。実際には市庁舎に向かって右側にあります
5)アンデルセン像の横では、像のまねをしている人がいます。この人、空気椅子状態です。この体勢を続けるのは、かなりつらいだろうと思います。
6)赤いスカートの女性は、感心してみているのか?それとも、いい加減にしなさいと止めようとしてるのか?どちらでしょう。
7)右中 噴水があります。コペンハーゲンにある北欧最大のストロイエのアマー広場にある「コウノトリの泉(噴水)」です。この噴水の所では、コウノトリにあやかって、卒業したばかりの助産師さんが、卒業を祝して踊るのだそうです。
右の写真の左奥にある茶色の建物は、ストロイエにある「ロイヤル・コペンハーゲン陶磁器工房」(The Royal Copenhagen Manufactory)の建物です。絵本では木組みの家として表されています。王室御用達で、日本の有田焼に影響を受けた焼き物を作っていましたが、名称を残すことを条件に民家企業になっています。そのマークはデンマークを囲む3つの海峡を現す3本の波形ラインの上に王室御用達を意味する王冠が輝きます。絵本では、
そしてデンマークの国旗が掲げられ、前を行く王様の行列の王冠が店の飾りのようになっています。
8)「裸の王様」のご一行のパレードがあります。
アンデルセン童話の『皇帝の新しい着物(裸の王様)The Emperor’s New Suit 』からです。
9)右下では ペテン師の二人が、「世にも美しい服ですが、自分の地位にふさわしくない者や、手におえないばか者には見ることできないのです。当然、皆様にはしっかりとその美しさを見ることができるでしょうが・・・。」などと、言いくるめています。
10)左下には、お金を手に入れて、さっさと逃げ出している、ペテン師たちがいます。
12)子どもと並んで帽子を振っている人は、その隣の女性とで家族でしょうが・・・帽子を振りながら、見ているのは王様ではなく、行進の先頭の方向です。やはり、裸の王様を直視するのは、耐えられないのでしょう。あるいは、私は自分の地位にふさわしくない者ということだろうか、これがばれたら大変だと動揺を隠そうとしているのか。
15)子どもを連れた、赤と白の縦縞の女性は、大きな人です。
16)松葉杖を突いた男性に連れられた子どもが、王様を指さして、無邪気に何か叫んでいます。「だけど、なんにも着てやしないじゃないの!」
その子の父親は「こりゃ驚いた、おまえさん、無邪気なものの言葉を聞いてやってくれ。」と言います。こうして、・・・とうとうしまいには「なんにも着ていらっしゃらない!」と皆叫び出すのです。
19)国旗デザインの壁を持つ六(8?)角形の建物は、コペンハーゲンのニュートゥNytorvにあるキオスクです。19世紀からの建物のようです。
国旗の左には、安野美術館のマークが描かれています。
21)お母さんと一緒の女の子も、秘密の暴露をしているのでしょうか
22)背後の警官も、それを止めようとはしていないようです。
23)騒ぎを聞きつけて、駆けつけている子どもたちが6人います。
この6人、3)の『ルアー笛吹きの像』を飛び越しているようにも見えます。もちろん、だまし絵です。
24)衣料品のお店があります。
大きなパンツを持った女性がいます。安野さんは、市場のシーンではよく大きなパンツを持った人を描きますが・・今回は、王様のパンツとの関連でしょう。着替えようとか・・・
27)黄色のテントの左端の所に立っている人は何をしているのでしょう?
28)橋の上で、袋の中に入ろうとしている人がいます。アンデルセン童話の『大クラウスと小クラウス』からです。いつもひどい目に遭ってきた小クラウスの「袋に入って橋から落ちれば、海牛が手に入る」という口車に乗せられて、袋に入っている大クラウスです。

29)橋の手前にある縄を編んだような屋根の建物は、旧証券取引所です。
スロッツホルメンにあります。建築王といわれたクリスチャン4世(Christian IV)の建設です。
30)手前のレンガ造りの建物は、所在がコペンハーゲンではないのですが、フレデリクスボー城だと思います。写真の中央部分が、取り入れられているのだと思います。
ルネッサンス様式の城で、貴族の館だったものを、1560年にフレデリック2世が手に入れ、息子の建築王クリスチャン4世が、60年かけて完成させたとか・・・。ということで、旧証券取引所とはクリスチャン4世つながりというわけです。
31)左 若い男女が手をつないでいます。デートでしょうか。
アンデルセン童話の『柳の木の下で Under The Willow Tree 』のクヌートとヨハンネだと思います。
ここは、コペンハーゲンですから、ヨハンネを追ってコペンハーゲンにやってきたクヌートが、幼なじみとして温かく迎えられた時の事かなと。ただ、恋心を打ち明けるクヌートに、ヨハンネは友達でいましょうと、やんわり拒絶して、フランスに旅立ちます。
手をつないでいる事に注目すると・・・イタリアのミラノの大舞台に、さらに大成功しているヨハンネを発見します。ところが、舞台の後、彼女を追いかけてみると、婚約者と一緒にいるところを見ます。ショックを受け、子どもの頃共に遊んだ、故郷を目指すクヌートが、死の直前に見た幻のシーンということになります。砂糖菓子の新郎新婦に見習って、手を取り合ってキェーエの教会へ向かいます。現実ではありませんが、クヌートにとって一生のうちで一番楽しかった時でした。
32)ポンチョを着た、南米アンデス風のストリートミュージシャンがいます。デンマークとアンデスのつながりがよくわかりませんが、バイキングの古楽器との関連でしょうか。
33)一番左で演奏しているのは、牛の皮を張った太鼓「ボンボ」です。リズム担当です。横笛は、葦でできた「ピファーノ」です。続いて長短の葦を並べた「サンポーニャ」。弦楽器はギターから進化した「チャランゴ」あるいは「マンドリーナ」。そして一番右はタンバリンでしょうか。
44)市庁舎の右側の小さな尖塔の先にのっかって、バランスを取っている人がいます。だまし絵です。
48)街を見渡してみると、家々のほとんどが、シンメトリー(左右対称)になっています。デンマークの人は、シンメトリーがことのほか好きなのでしょう。とりわけ、裸の王様の向こう側の、木組みの家は、木組みや国旗も含めて見事に左右対称になっています。
※左の絵は、北シェラン島にあるフレデリクスボー城に飾られている絵画だそうです。背景に旧証券取引所が建っていますから、コペンハーゲンです。そして前景には、王様の行列が描かれています。たくさんの人々が、見物に集まっています。ただし、王様とおぼしき人は、ちゃんと服を着ています。このような、光景が実際にあったのでしょう。アンデルセンもそのことをふまえて、お話を作り。挿絵画家も挿絵を描いたものと思われます。
シーン11チボリ公園1入り口(p21〜22)
0)旅人は コペンハーゲンにあるチボリ公園(Tivoli)にやってきました。
デンマーク王クリスチャン8世が、ゲオ・カーステンセンに命じて作らせたそうです。世界の遊園地を研究した、カーステンセンは、1843年に国王から約6haの土地を借り受けて、コペンハーゲンに作り上げました。コペンハーゲン駅前にあります。
本家チボリ公園と提携してできた「倉敷チボリ公園」も、倉敷駅の北側にくっついて建設されていて、素敵な歩道橋で繋がっています。
名前の由来は、ローマ郊外で貴族の保養地であったTivoli(ティヴォリ)にちなんだものだそうです。こちらには、温泉もあるようです。
アンデルセンも、元祖チボリ公園によく訪れたようです。「ナイチンゲール」は、ここでの経験が、物語のヒントとなったようです。
2)門の前には、沢山の人がやってきています。子どもはもちろんですが、若い恋人風、親子風、老夫婦風、夫婦風、車椅子の人を連れてきている人など、とても多様です。字債のチボリも、年齢層の広い利用者が訪れるようです。
3)門の所に、垂れ幕が下がっています。「TIVOLI 2005」とあります。2005年は、アンデルセン生誕200年の年です。
4)青いボックスのようなものは何でしょう?色は違いますが写真にもあります。チケットの受け取りをするところでしょうか。警備の人も立っています。
7)座席がトランク形の観覧車?があります。ただ、観覧車だとすると、縦方向に回転していることになります。ところが、そうすると、上部と下部では、トランクがバーに当たってしまいます。かといって、水平方向の回転をしているのだとすると、動力との関係で成立しないようです。だまし絵です。
トランクは、アンデルセン童話の『空飛ぶトランク』からです。
チボリ公園には「The Flying Trunk」というアトラクションがあります。空飛ぶトランクに乗って、動く人形の中を移動してゆくもののようです。また、
「The Blue Sapphire(青色のサファイア)」という、トランク型のような座席を持った観覧車があります。
9)順番待ちをしている人たちは、係員の前に、一列に並んで待っています。ただ、2番目の人は、随分大きそうですが、大丈夫かな。先頭の子どもと話しているようですが、まさか一緒に乗らないですよね。
10)観覧車?の動力は、2頭の牛です。牛が水平方向に作り出した、回転が装置によって、縦方向に変えられています。
整備の人の足下には、大きな油差しが置いてあります。
12)門の向こう側の横木に沿って、一列に並んでいる人たちは、どの乗り物に対して待っているのでしょう。係員の人は、待つように言っていますが。ジェットコースターだとして、どうやって乗り込むのでしょう。
13)ジェットコースターの先頭は、箒に乗った魔法使いのおばあさんです。
その上、レールが切れて、そのまま空にあがってゆくようです。すごい!!まるで、『銀河鉄道の夜』のようです。
チボリ公園には、いくつかのジェットコースターがあります。(写真にも写っています)その他、1914年に建設されたという、
世界最古の木造ジェットコースター「The Roller-Coaster」が現役稼働中です。
14)箒の所にも子どもが乗っかっています。ロープを持っているようですが・・この子どもが押さえているの?
15)先頭と2番目に乗っているのは、モグラとヒキガエル。『親指姫』に振られてしまったモグラとヒキガエルでしょうか。ここへ来て、失恋の痛手も忘れたようで、楽しんでいます。
アンデルセンも、よく来たそうですが、彼もここで失恋の痛手をいやしていたのでしょうか。
16)続いては、子どもたちが乗っていますが、手を挙げていたり、立ち上がっています。シートベルトはしていないし、安全面で大変問題があります(^_^;)
17)次の台車ではもっと大変なことが起こっています。台車をつないでいるロープがほどけたようで、結び直しています。周りの子たちは落ちないように足を押さえていますが・・・あぶないなぁ。
18)その後ろの台車の子たちは、この事態に焦っていますが・・・その後ろのロープが今にも切れそうです。
21)トナカイの後には、サンタクロースが、プレゼントの袋と一緒に乗っています。
22)後ろには、子猫をくわえたネコ・・・クロネコヤマト?
23)カタツムリが、後ろの方にはウサギもいます。
アンデルセン童話の『かけっこThe Racers 』からのようです。競争の結果が、1位ウサギで、2位カタツムリ!?という事態。その訳は・・・
24)ウサギの後ろにはカメ、この組み合わせは「ウサギとカメ」です。
25)車椅子がそのまま台車になっている部分もあります。
26)トナカイに乗っている男の子がいます。
アンデルセン物語の『雪の女王 The Snow Queen』からです。悪魔の鏡が割れて、その破片が目に刺さったカイ少年は、雪の女王のもとにいます。幼なじみの少女ゲルダは、カイをさがして、山賊の小娘のトナカイを借りて、ラップランドに向かっています。
この挿絵のシーンでは、乗っているのは女の子のゲルダですから、その点が違います。挿絵は有りませんが、カイと出会いその記憶を呼び戻すことができた後、雪の女王の所から帰るときに、カイとゲルダがそれぞれトナカイに乗るので、そのときのシーンと考えることもできます。
27)イノシシに乗った子どもがいます。
こちらは、アンデルセン童話の『青銅のイノシシThe Metal Pig』からです。
写真は、フィレンチェの青銅のイノシシです。さわると、幸せになれるのだそうで、鼻の色が変わっています。アンデルセンの時代から、色が変わっていたようです。アンデルセンは、このイノシシ像を見て、想像力を働かして、この物語を書いたわけです。
フィレンチェのイノシシのコピーが、神戸にあるそうです。
28)滑り台があります。長い滑り台を滑り降りると、順番待ちの列に加わるようです。どうも、行列しているところは随分急な坂になっているようです。・・・安野さんそうですよね?
29)黄色の服を着た女の人が、調整しているようです。
30)制服の人は、何をしているのでしょう。
31)子どもが、何か指さしています。行列の中の子が喧嘩でもしているのでしょうか。
32)滑り台の降り口のところで、外に立っている子の位置はどうなっているのでしょうか。どうもあり得そうもありません。だまし絵です。
33)池があって、中国風の建物があります。本物のチボリ公園の景色です。
34)池のボートは「The Dragon Boats(ドラゴンボート)」という名があるようです。
船同士で、ぶつけあったりするのでしょうか?
35)中国風の建物の近くなのに、ベニス風の船があります。本当のチボリ公園にもあるのでしょうか?
36)奥に、中国風の人が、鳥を見ています。アンデルセン童話の『ナイチンゲールThe Nightingale』からです。
皇帝の森には、世にも美しい声でなくナイチンゲールがいましたが、宮廷の人たちはそのことを知りませんでした。本で、そのことを知った皇帝は、ことのほかこの鳥を愛します。ところが、日本からこしらえものの鳥がもたらされます。いつでも、何度でも鳴く機械仕掛けの鳥に心が奪われた皇帝を残して、本物は森に帰ってしまいます。そのあげく、作り物の鳥は壊れてしまいます。心を痛める、皇帝のもとに本物があらわれます。・・・・。
『ぶた飼い王子』の話もそうですが、作り物に心を奪われることを、アンデルセンはよしとしなかったようです。1世紀半たって、美しい曲を奏でる機械が、ちまたにあふれ、心奪われるようになる私たちのことを見通していたのでしょうか。本物より、作り物に心が奪われるあり方を、反省したいものです。
37)親子3人が通る門の脇には、地球儀が飾ってあります。中国だけでなく、他の地域の文化も紹介してあるのでしょうか。
38)馬に乗った人が、次々と相棒を変えてゆきます。アンデルセン童話の『父さんのすることはいつもよし What the Old Man Does is Always Right』からです。
この話は、まるで逆わらしべ長者のようです。市場へ馬を売りに出かけた父さんは、客観的には(金銭的には)より価値の低いものと交換してゆくのです。馬を牛に、牛を羊に、羊をアヒルに、アヒルをめんどりに、めんどりを腐ったリンゴ一袋、といった案配です。わらしべ長者の逆ですが、同じこともあります。世間的な欲で、交換を判断しているのではないと言うことです。ただ、結果が逆なのです。この話を聞いたイギリス人が2人、これでは、この男は家に帰ったら奥さんに怒られるだろう(ぶたれるだろう)と思います。ところが、父さんはそんなこと無いというのです。・・・・はて、その結果は。

奥さんは「父さんのすることは、まちがいない」と抱きつくのだから、驚きです。イギリス人は、「こいつは気に入った!いつも下り坂ときているのに、いつもゆかいだ!」と沢山のお金を置いてゆきます。逆転ホームラン。あれ?結局お金持ちですか。
39)左下 ここにもボートが、池のそばの柳の木の一本に、顔が隠されています。
この絵は、アンデルセン童話の『ソバ The Buckwheat 』からのようです。
節くれ立った柳の古木です。幹の裂け目から草やキイチゴのつるなどが生えているのです。柳の木は、傲慢なソバ畑が雷に打たれるのを目にします。
40)蒸気機関車型のトロリーバスがあります。本物のチボリ公園にも、トロリーバス(The Trolley Bus)があります。また、蒸気機関車型のジェットコースター(The Odin Express)があります。
41)トロリーバスの最後尾には、猿と犬が乗っています。
シーン12チボリ公園2お化け屋敷(p23〜24)
0)旅人は お化け屋敷?にやってきました。
門にはTIVOLIと書いてあるので、チボリ公園のようですが・・・。本当のチボリ公園にもお化け屋敷があるのでしょうか?
4)生きた樹がゲートになっています。そしてゲートには、緑の顔が着いています。目線が斜め上に向かっていますが。何を見ているのでしょうか。
5)ゲートの上には、リスが隠れています。顔が見ているのは、このリスでは無いかと思います。リスに、幹をかじられているのかも。
6)枝に、時計がぶら下がっています。時計を目に見立てると・・怪物の顔があります。隠し絵です。
時計の時刻は・・・2時・・・午前2時・・・丑三つ時です。
7)時計にぶら下がった枝は、微妙なラインで描かれています。時計の先で、うねっているところが鼻に見えます。やはり、時計を目に見立てて、横になった顔があるように思います。
8)門の右には人形劇の小屋がかかっています。テントの3本の支柱が見えていますが・・・なんだか変です。子どもたちの姿が見えるように一番手前の支柱を短く描いてあるのかも知れませんが、どうもだまし絵のようです。人形使いの人たちの立ち位置も不自然です。
そして、この部分はアンデルセン童話の『人形つかい The Puppeteer 』からです。
人形つかいは、人形が人間になって自分の言う通りにしてくれるようになったらと願います。ところが、その願いが半分だけ叶ってしまいます。人間にはなったものの、文句たらたらで、思うように動いてくれないのです・・・。アンデルセンの周囲の人たちが、彼の思い通りに動いてくれないイライラでもあったのでしょうか。
11)垣根の外に、アヒルを連れた人がいます。これは、何の話でしょう?
12)中国風の建物の屋根の一部が見えます。前のページの門の続きでしょうか。
13)左上 コガネムシとカエルが話しています。アンデルセン童話の『コガネムシ The Beetle 』からです。他人に好都合なことも、自分に良いとはかぎらないようです・・・。まあ、人生そんなものです。
14)魔法使いのおばあさんに指示されて、兵隊さんが木に登っています。
アンデルセン童話の『火打箱 The Tinder Box』からです。
たくさんの銅貨・銀貨・金貨をもらう代わりに、巨大な犬の護る火打箱を取りに入った兵隊さんは、火打ち箱を魔法使いのおばあさんに渡さずに・・・・。
3人の兵隊さんは、木に登り、中に入り、大きな犬に向かい合うそれぞれのシーンで、同じ人物です。
巨大な犬が、木の枝であらわされています。見事な隠し絵です。
15)赤い服の女の子が水たまりの上にパンを置いて、踏み台にしようとしています。
アンデルセン童話の『パンを踏んだ娘 The Girl Who Trod on the Loaf』からです。
16)娘が引き吊り込まれた所には、「沼のばあさん」が酒造りをしています。沼のばあさんが出てくる話がもう一つあります。アンデルセン童話の『鬼火が町にと沼のばあさんがそう言ったThe Will-O-The Will-o'-the-Wisps Are in Town 』です。
飛び出した鬼火たちは、町で人間の姿になって大騒ぎをしているというのですが、それはどれでしょう。
17)丘で、女性が手をつないで踊っています。
アンデルセン童話の『妖精の丘 The Elf Mound 」からです。
霧と月の光とで織った長いショールを着た妖精の娘たちがダンスを踊っているのです。お年寄りの妖精の王様は、偉い人を招いています。 幽霊鳥が招待に回ります。人魚の娘さんや墓場の豚や地獄の馬がやってきています。そこへ、鬼火がふたつ、お客様の到着を告げます・・・・。
19)王冠をかぶっているのが、お年寄りの妖精の王様です
隣にいるのは、お着きの人でしょう。
えらいお客さん(ノルウェーのドウレ山の小人の主とその息子)はまだ到着していないようです。
20)頭が燃えているように表されているのが鬼火ということでしょう。
ちなみに、鬼火は、「誰もいないはずの場所で空中に浮かび上がる正体不明の火」の事です。言い換えると「火の玉」ということになります。死体から出た燐が発光しているのだとか、プラズマ発光だとか色々と説が有ります。ともあれ、西洋にも有ると言うことですね。ただ、アンデルセン童話を読んでいると、西洋では鬼火そのものに人格というか意志があるようになっています。
21)くちばしのようなとがった口をしているのが、幽霊鳥ということでしょう
22)足の長い化け物は、地獄の馬ということでしょう。
23)もう一匹が墓場の豚ということでしょか
24)人魚の娘さんもきています。物語では、水を離れるのが難しい、人魚のためには、水を用意してあったようですが、安野さんは省略されたようです。
25)ピアノを弾いているおじいさんと、それを見ている子どもがいます。
アンデルセン童話の『Det gamle Hus古い家 The Old House』の、愛する妻を亡くし、一人静かに古くなった家に住む老人です。向かいに住んでいる少年は、古家を訪れ話し相手になります。
26)中央に階段の有る家があります。
『古い家』があらわされているのだと思います。
27)階段の脇に、鎧兜があります。『古い家』には甲冑は出てこなかったと思いますが、少年が持ち込み、後に古い家の跡地に見つけることになる、錫の兵隊を意味するのかも知れません。
28)茅葺き屋根の家中に子どもが寝ています。これはなんでしょう?

@古い家の向かいに住んでいた少年・・・これではこちらの家の方がもっと古い。
A アンデルセン童話の『 Historien om en Moder ある母親の物語 The Story of a Mother 』に出てくる、坊や
Bアンデルセン童話の『Barnet i Graven 墓の中の子供 The Child in the Grave 』の坊や
Cアンデルセン童話の『 Lille Tuk ツック坊や Little Tuck』のツック坊や
29)白衣の2人と、黒衣の1人 (死に神)がいます。この存在を考えると、28)で寝ている少年は、AかBの幼くして死んでしまう坊やではないかと思います。
30)死に神の所にある木には、ドクロや怖げな顔が3つ隠れています。隠し絵です。
さらに、死に神の右の木の幹に、横顔が隠れています。
31)井戸の所にカエルがいます。
アンデルセン童話の『ヒキガエル』からです。
井の中のヒキガエルが、外に出ます。外の世界は広く。さらにさらに広い世界を目指しますが・・・・。

32)ピアノの所から天使の所まで、車椅子を押す子どもなどたくさんの子どもが描かれています。
この子たちは、お化け屋敷で遊んでいるということでしょうか?
裸の王様のシーンでも同じように、弧を描いて子どもたちが描かれていました。大きくジャンプしている子どもたちの分解写真のようにも見えますが・・・。
この天使ですが・・・
アンデルセン童話の『 雪の女王 The Snow Queen』からではないかと思います。(左の挿絵が雪の女王)
その場合は、天使ではなく、雪の女王ということになります。
美しいけれども、カイの記憶を奪い愛玩動物のように取り込んでしまった女王です。すると、かけてゆく子どもはカイということになるのでしょうか。
ちなみにこのような雪の女王のありようは、グレートマザー(太母)的だといえます。グレートマザーは、育て・支える肯定的な面と誘い込み・呑み込み・とりこむ否定的な面、別の表現にすると生と死の両面をもつ母性の象徴です。
絵本では、両手を広げ子どもを待ち受けています。それは護るためか、取り込むためか。
33)恐竜の骸骨があります。デンマークに、左の写真のようにハクジラの骨があるようです、このイメージから描かれているのではないかと思います。
骨格の背中のラインと隣り合う木の枝のラインが連続しているようです。何か意味があるのかと考えてみましたが、今のところ不明です。
34)墓地があり、墓石がたくさんあります。
アンデルセン童話の『古い墓石 The Old Tombstone 』からです。
誰のものか分からなくなった古い墓石は、尊敬された夫婦の墓。秘められた物語です。
35)墓場に子どもを抱いた女性がいます。
アンデルセン童話の『墓の中の子供 The Child in the Grave 』からです。
亡くなった子どもをあきらめることのできない母親は、死に神と共に墓の底に降りてゆきます。そこで、坊やを抱き、坊やと話し。神様から生きる力を頂いてくるのです。
36)天使の上の木の枝にアシナガバチの巣があります。
37)子どもが二人、木のお化けに食べられそうです。
鋭い歯や、ぎょろりとした目なかなか怖いですが・・・口の中に入っているはずの子どもは、別の場所にいます。
だまし絵ですね。
38)海賊船があります。チボリ公園に実際にあります。絵本ではどくろマークが翻っています。船には船長さんが一人だけ立っています。
倉敷チボリ公園にある姉妹船は、17世紀にデンマーク女王陛下のフリゲート艦として活躍した船を再現したものということで、海賊船ではないようです。チボリ公園の船にもデンマーク国旗は翻っていてもどくろマークは無いようです。
船尾に2005と記されています。アンデルセン生誕200年の年です。
39)船を見上げている人魚姫がいます。アンデルセン童話の『人魚姫』からです。
41)ロープにぶら下がって船から上陸しようとしている海賊がいます・・・・。でも、よく考えると、陸からは随分離れていて、ただ空中でぶらぶらしているだけです。だまし絵です。
この、海賊たちが、町に飛び出した鬼火だという説もあります。
43)走って逃げる女性と男性がいます。男の方は、木の上を飛んで逃げているように見えます。これもだまし絵ですね。
44)逃げている女性の足の先に、何か虫のようなものが描かれているのですが・・・これは何でしょう?
47)夫婦の脇に立っている木には、カラスがとまっています。茅葺き屋根の中の子どもを見ているようです。不吉です。
48)右の枝に、フクロウが隠れています。そして、幹にも坊やを見ているように顔が隠れています。隠し絵です。
50)人魚の外の木の幹に、大きく口を開けた顔が隠れています。隠し絵です
51)茅葺きの家の外の木2本に、幹の中に顔があります。坊やを見るような、下がり眉のお祖父さんのような顔、左を見ている横顔です。隠し絵です
52)大鎌を持った骸骨が二人、入場口の人たちを木の陰から見ています。
53)右側の骸骨が右手を置いている木の枝の中に、葉が目になっていて、細い眉もある女性の横顔があります。隠し絵です。
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