コンパクト解説を遊ぼう」6(デンマーク編)

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シーン13チボリ公園3花火(p25〜26)
0)旅人は 花火の打ち上げられている夜のチボリ公園にやってきました。

1)回転式の遊具があります。二人ずつ乗って、空中を回転するようです。実際のチボリ公園にも写真のような遊具があります。
 左上のカップルは、超重量級。支えのバーがかなりひわっています。
2)回転の為の動力は、水力のようです。なかなか面白い装置です。流れ下る水の勢いを受けて遊具が回転するようになっています。そして、落下する水を水車で受けて軸を回転させます。軸の回転で、下のプールの水を上に持ち上げています。その水がまた、水流となって遊具を回転させています。すごいです、これなら他からのエネルギーなしで動き続けます。これは永久機関です。・・・・残念ながら、この世の中に永久機関は存在し得ません。左の水車を回す為の落差ではとても、右側の装置で下のプールの水を持ち上げることはできません。・・・・壮大なだまし絵です
4)下のプールでは、おもちゃの黄色のアヒルを浮かべて、それをU磁石で吊り上げる遊びをしています。手前の看板の様子からすると、アヒルに違いがあってその組み合わせによって、大小のクマのぬいぐるみが景品としてもらえるようです。実際に、チボリ公園には、裏に数字の書いてある魚のボードを釣竿でつって、点数に応じて景品がもらえるところがあるようです。
8)さらし台で遊んでいる子どもがいます。お母さんが、子どもを指さして何か言っています。
 アメリカ編のシーン16ウィリアムバーグに、ありました。チボリ公園にもあるのでしょうか?
10)花火を見ている王女とお付きの人がいます。花火を見ているようです。
11)鎖を持っている女の子が二人います。
アンデルセンの童話『ちがいがありますThere is a Difference』の挿絵からです。タンポポを使って鎖を作っています。 
タンポポで作った花輪ですが・・・アンデルセン自身が初恋の人リボアから、花輪を案でもらって、特別の好意を感じています。
12)ガチョウの羽のペンに乗って空を飛んでいる人たちがいます。 アンデルセン童話の『塔の番人オーレ Ole, the Tower Keeper』からです。
オーレは、隠者として世間から離れて生活するために、塔の番人をしています。彼は自然科学が好きで、玉石に乗って何百万年という時を遊んでいる内に、大晦日の夜、絵筆や鵞ペンにまたがって詩人やら新聞記者がアマゲル島に飛んでゆくのを見逃してしまったというのです。
13)大きな流れ星があります。ハレー彗星です。
アンデルセン童話の『 彗星 The Comet』からです
病弱で長生きできないだろうとされていた子どもの頃彗星を見た校長先生は、長生きをして二度目のハレー彗星を見ることができます。
アンデルセン自身も30才の頃ハレー彗星を見たようです。
14)トランクに乗って空を飛んでいます。アンデルセン童話の『空飛ぶトランク The Flying Trunk』からです。
 大金持ちの子どもに生まれて、莫大な遺産を相続した息子は・・・・あっという間に財産を使い切ってしまって。金目当ての友だちは離れてゆきます。中に、鞄をくれた友だちがいました。そのトランクは・・・空を飛べるのでした。
トルコにやって来て、お姫様と知り合いになり、結婚できそうになるのですが・・・良いところを見せようとトランクに乗って、花火を見せるあいだに・・・。火の粉がトランクの中に入っていて、朝起きると燃えて亡くなってしまっています。
 絵本では、見ているお姫様が、トルコ風ではなく西欧風に描かれています。
 チボリ公園では、早くから夜に花火を打ち上げるサービスをしていたようです。
15)公園の外の建物が見えています。左から、螺旋状の塔があります。これは、コペンハーゲンにある救世主教会の塔です。
 螺旋状のものは、塔の先端へゆくための回り階段です。
 16)真ん中の塔は、クリスチャンスボー宮殿の尖塔部分です。現在は国会議事堂として利用されているとか。
17)右端のドームは、これもコペンハーゲンのフレデリクス教会(大理石教会)です。ノルウェー王でもあったフレデリクス5世の命で、ノルウェー産の大理石で作られたバロック形式の建物です。
18)イスラム風の建物があります。チボリ公園の中にあるコンサートホールです。
 花火を見るお姫様は西洋風になりましたが、こちらは、空飛ぶトランクの舞台にはぴったりです。

19)コンサートホールの前には不思議な噴水があります。透明な筒の中を気泡が昇ってゆく仕掛けになっている噴水です。

20)噴水の向こう側で、おばあさんと子どもが話しています。これは、アンデルセン童話の『ツック坊や Little Tuck』からです。
 洗濯ばあさんの手桶を持つのを手助けします。すると、その夜洗濯ばあさんは、ツックに夢を見せてくれます。騎士と一緒に馬に乗ったり、船乗りに出会ったりと楽しい夢です。そして、素敵な未来の夢も・・・・でも、未来のことを知ることは許されません。目が覚めると忘れてしまいます。
 それでも、幸せな未来があるのです。
22)衛兵姿の楽隊が行進しています。チボリ公園には、チボリガード(少年少女の器楽隊)があります。選ばれ、厳しい訓練を積んだ少年たちです。衛兵の格好で、楽隊だけではなくプリンセスやプリンスの乗った馬車や水兵姿の行進も続くようです。

 このパレードは、大人に人気のようです。
 右端の3人は、渋い色合いの服です。特に、男性2人は、ワンピース風の服を着ています。お坊さんでしょうか?


シーン14チボリ公園4出口(p27〜28)
0)旅人は チボリ公園の出口にやって来ました。実際には、入り口と出口は共用でしょうけど。
 ともあれ、公園のあちこちで大変な状況です。池には嵐、森には虫歯騒ぎ、原っぱではかじ騒ぎ、けが人まで出ています。

1)森の中に、木々が髪の毛で木の根が腕になっている木の精(?)がいます。これは、トロルだろうという説があります。木の精は、虫歯になったようで、みんなで協力して虫歯を抜いています。
7)池は大嵐です。船の乗客は吹き飛ばされています。女の人はスカートがめくれあがって、中が見えてしまっています。
 風で吹き飛ばされる人といえば・・・アンデルセン童話の『風は物語る The Wind Tells about Valdemar Daae and His Daughters 』で、ワレルマー・ドーの3人の娘の次女ユリにたとえられたヨハンネです。男装して船乗りになりましたが、誰か分からないうちに風によって船から吹き落とされます。
14)人魚が男性を救っています。
 これは、アンデルセン童話の『人魚姫 The Little Mermaid』からです。
 憧れていた王子様が、嵐で海に投げ出されたのを、救い上げます。でも、王子様は人魚姫に助けられたことを知りません。
15)人魚姫の像があります。コペンハーゲン港の岩の上に作られています。

16)女性の像が立っています。この像は、コペンハーゲンのクリスチャンボー宮殿を取り囲む運河(Gammel strand)にある、「カレイ売りの漁婦像fiskerkonen」のようです。
23)テーブルに色々とのっています。
 豚の貯金箱があります。これは、アンデルセン童話の『子豚の貯金箱 The Money Pig』からです。
 豚の貯金箱はよく見かけますが、貯金箱と豚の関係って何でしょう?
24)ティーポットがあります。安野さんは取り上げていませんが、これは、アンデルセン童話の『茶びん The Teapot』からだと思います。
25)ロウソクが2本あります。そして、親子ずれが、ロウソクを買っています。これは、アンデルセン童話の『Lysene ろうそく The Candles 』からです。
 高級品ではない、鯨油ロウソクも貧しい家族をあたたかに照らします。
26)コマがあります。コマといえば・・・コマとマリ(仲よし)ですが・・・。マリがありません。
28)ペンとインク壺があります。これは、アンデルセン童話の『ペンとインク壷 Pen and Inkstand』からです。
 詩は、ペンで書くのか、インクで書くのか・・・なるほど、どちらも言い分があります。まあ、作家に著作権がありますが。
29)リンゴを落として、それを拾っている人と助ける人がいます。全部、リンゴでしょうか?ひょっとして、この中にマリが紛れ込んでいるのではないでしょうか。すると、テーブルのコマと合わせて『仲よし(コマとマリ)The Sweethearts』と考えて良いのではないかと思います。
32)鐘を鳴らしています。『人形姫』からだと思われます。
 人形姫が王子を救い、海岸の砂の上に横たえた時、白い建物の中で鐘が鳴り、大勢の若い娘たちが庭に出てきます。

33)鐘楼の上には風見鶏があります。それに対抗するように庭にはニワトリがいます。これは、アンデルセン童話の『農家のおんどりと風見のおんどり The Farmyard Cock and the Weathercock』からです。
 生きた雄鶏が、風見鶏にライバル意識を燃やすというのも、アンデルセンらしいですね。
34)鐘楼の建物の下は、トイレがあるようです。トイレが表現されたのは、旅の絵本で初めてのことですね、
35)巨大なエンドウ豆があって、5つのエンドウ豆が飛び散っています。エンドウ豆には顔があって、なんだか「もののけ姫」のこだまを思わせます。
 これは、アンデルセン童話の『さやから飛び出た5つのエンドウ豆 Five Peas from a Pod 』からです。
 飛んでいったエンドウ豆の一つは、病気の女の子の窓際に根付きます。そして、彼女に力を与えることになります。

36)馬車の引く消防車が大あわてで駆けつけています。色々な人が一緒に駆けつけています。
37)消防士は、鳶口を持っています。洋の東西を問わず、消防には鳶口が必携のようです。
38)消防士たちの先には、犬小屋が燃えています。そして、仲間の犬も駆けつけるなか、オシッコをかけて自助努力につとめている犬がいます。
 この火災に遭っている建物の様子からは、アンデルセン童話の『たいしたもの」 Something』が想像されます。

マーガレットおばあさんは、浜の氷の上で遊んでいる人たちの向こうに、大嵐が来る前兆を見つけます。氷上の人たちは嵐の前兆に気づいていません。このままでは氷が破壊されて氷上の人たちは皆死んでしまいます。声を限りに叫んでみても、浜の人たちは気づきません。おばあさんは、自分の家に火をかけます。浜の人たちはおばあさんを救おうと、全員が駆け上がってきます。
39)牛を操る女性の噴水があります。これは、コペンハーゲンにあるゲフィオンの泉です。

40)門からタンカに乗せられたけが人が出て行きます。顔が真っ青です。看護婦さんも付き添って、大急ぎです。


シーン15ニューハウン(p29〜30)
0)旅人は コペンハーゲンの港町ニューハウンNyhavn(新しい港町)にやって来ました。アンデルセンは、この場所を愛したようで、童話作家としてデビューした当時と晩年に「ニューハウン67番地」に居を構えたそうです。ここで、『幸福の長靴』や『わが生涯の物語』などが書かれたと言います。
1)左下 人魚が3人泳いでいます。『人魚姫』からです。
 a.嵐の中を救った王子様を捜して、お姉さんたちと一緒にやって来た人魚姫でしょうか。
 b.あるいは、もう薬を飲んで人間となってしまった人魚姫に会いに来るお姉さんたちでしょうか。
 c.もっと進んで、泡と消えてしまいそうな人魚姫を救いに、剣を持ってきたお姉さんたちでしょうか。
2)中央下 魚の先生が生徒たちに、釣り針と餌について講義しています。
3)授業を横目にというか、知らずにというか、釣り糸をたれている人がいます。
この釣り人は、ポパイのようだとの説があります。
4)カエルとイルカがいます。この組み合わせは一体何?不明です。
5)瓶に手紙が入っています。
 アンデルセン童話の『びんの首 The Bottle Neck』からです。
婚約者の航海士は、嵐に遭い最後のメッセージを書きます。「主イエスのみ名の下に!我々は沈む」と、その手紙をあのワイン瓶に詰めて海に投げます。
6)新聞紙で作ったボートに乗せられた錫の兵隊は流されてしまいます。アンデルセン童話の『Den standhaftige Tinsoldat しっかり者の錫の兵隊 The Steadfast Tin Soldier』からです。
 大きなドブネズミが「通行券を見せろ!」と怒鳴っています。そして、錫の兵隊を呑み込む大きな魚が待ちかまえています。この魚が捕まって・・・。
7)左下 建物の壁にはさみが描かれています。これは何のお店でしょうか?床屋さんかも知れませんが・・・切り紙のはさみと考えて、アンデルセンの住居かも知れません。
アンデルセンは、「ニューハウン67番地」のアパートにいました。右の写真のドアの斜め上の窓の下にプレートのある部屋です。壁の色は違いますが、絵本の建物ならはさみの位置に、プレートがあるように思います。
8)男の人と女の人がすれ違っています。女の人は、大きなエプロンをしています。白い帽子がナース帽のように見えます。看護婦さんでしょうか?
9)樽ごとかかえてお酒(ワイン?)を飲んでいる豪傑がいます。その脇では、男の人があきれています。黒い帽子の人も、樽のラッパ飲みを見ているようです。
12)黄色の建物には、ANNO2005と書かれています。他の場面と一緒で、安野さんの署名と、アンデルセンの生誕200年の年をあらわしています。王冠のついたフォルンの絵がありますから、ここは郵便局なのかも知れません。
13)板の上に乗って船にペンキを塗っている人がいます。この板、どうやって水の上に浮いているのでしょう。支えが無いようですが・・
14)緑のベストの人は、ペンキ塗りを見ているのでしょうか?
16)白いテントが並んでいます。上の写真にも有るように、実際のニューハウンにも、こんなテントが並んでいます。テントの下では、色んな人が飲食を楽しんでします。
21)黄色の壁の家には、またANNO2005が描かれています。そして安野美術館のマークも描かれています。
23)煙突掃除の人が、掃除のブラシを担いで歩いています。
24)壁に、NYHAVN17と描いた建物があります。上の写真にも有るように、実際に同じように壁に描いた家があります。17は、17番地ということでしょうか。
25)壁に看板がぶら下がっています。また、ANNO2005と書かれています。
26)荷車を押している男性がいますが、荷車の前の方はどうなっているのでしょうか。
28)船に、青いシートが有るのは、帆を保護しているのでしょうか。左のマストの上に有る、扇のようなものは何でしょう
30)植木鉢が3つ並んでいます。男の人が右手をあげています、何でしょう?
 植木鉢の右側に、ピターラビットの看板?があるようです。(私の持っている本では、PeとRしか見えません。製本によっては、もっと右側まで見ることができてピーターラビットと読めるのではないかと思います。皆さんの絵本では読めますか。
32)煙突の上に、男女がいます。これは、アンデルセン童話の『羊飼いの娘とエントツ掃除人 The Shepherdess and the Chimneysweep』からです。
 望まぬ結婚を押しつけられそうになった羊飼いの娘は、恋しいエントツ掃除人の助けを借りて、外の世界へ逃げようとします。勇気を出して、ここまで来た2人ですが・・・肝心の羊飼いの娘が、広い世界を見て怖じ気づいてしまいます。帰ると言い出します・・・。
33)壁に付いている、看板は女の人が座っているように見えます。どこかで見たとこの有るデザインだと思うのですが・・・思い出せません。
34)煙突の二人の左に、紋章のある建物があります。何の建物でしょう?ロイヤルコペンハーゲンの建物に似ているとも思いますが・・・。

35)その背後の建物は、ローゼンボー離宮(左の写真)だと思われます。後ろの塔は少しデザインが違うようです。
 しかし、左に塔が二つあります。これはローゼンボー離宮塔のデザインだと思います。
 左の写真の背後の右の塔を別角度から見たのが右の写真です。
塔のバックの屋根は続いているようで、段差があります。別の屋根ということでしょうか。
36) また、その隣の壁面は、どうなっているのでしょうか・・・。完全に運河の方を向いているように描かれています。
これも、ローゼンボー離宮に同じような壁面が有るようです。
 安野さんは、ここにローゼンボー離宮の建物を分解して、あちこちに描き直されているようです。

 ニューハウンの衛星写真を見てみると、この街の建物は直角に並んでいるわけではないようです。屋根も結構斜めにありますから・・・そのことがあらわれているのかも知れません。

シーン16アマリエンボー宮殿(p31〜32)
0)旅人は  アマリエンボー宮殿 Amalienborgの脇を通り過ぎています。中庭には一面にが降っているようです。あちこちに足跡が残っています。

 この宮殿は1760年に4つの貴族の住まいとして建てられます。八角形の中庭を囲むように同じような建物が4つ並んでいます。ところが、1794年にクリスチャンボー城が火事になり、ここを王室が買い上げて居城としたわけです。宮殿は、クリスチャン7世王宮殿(レセプション・ルームとして使用)、と現女王夫妻の住居であるクリスチャン9世王宮殿、クリスチャン8世王宮殿、フレデリック8世王宮殿の4つの建物です
 描かれている中心の建物は、東北東に位置する建物です。フレデリック8世王宮殿のようです。
 この宮殿をヒントに『しっかり者の錫の兵隊』『おやゆび姫』の話が生まれたのだそうです。
 左の写真で、噴水の向こう、運河の対岸にある建物は、オペラハウスです。


1)軍楽隊が行進をしています。チボリ公園のチボリガードはこの楽隊をまねているのです。
 絵本の服装は、クマの毛皮の帽子をかぶっていて完全に冬仕立てのようです。
2)広場の中心には、騎馬像があります。これは、この宮殿を造ったデンマーク王でありノルウェー王であるフレデリック五世(Frederik V)の騎馬像です。
3)手前の建物は、左側がクリスチャン8世王宮殿、右側がクリスチャン7世王宮殿です。間の通路の手前には、フレデリクス教会があります。
6)クリスチャン7世王宮殿の屋根の向こうに立っているのは、神父とシスターのようです。隣の女の子はどういう関係でしょうか。
7)左端 見物の人が7人います。内6人はカップルのようです。このシーン全体にカップルが多く描かれています。

8)棒を持った男性がいます。これは一体なんでしょう。まさか・・・ゴルフクラブ
一般車両が乗り入れ可能など、かなり開かれた場所のようですが・・・・。ここでゴルフは??
9)行進とくれば・・・おきまりの・・・子どもがボールを追って飛び出しています。これもおきまりですが、お母さんがあわてて止めに行っています。小さな男の子も見ています。
10)衛兵が立っています。背後の赤いペンシル状のものは、休憩所でしょうか?
 入ったら随分窮屈そうですが。
11)馬車に乗った人がいます。これは何?
12)噴水があります。宮殿と運河の間にあるアメリエハウン公園です。


シーン17造船所(p33〜34)
0)旅人は 造船所にやって来ました。コペンハーゲン王立造船所であろうと思います。写真は、1860年に王立造船所で建造されたフリゲート艦ユラン(The Fregatten Jylland)です。木造船としては世界最大級だそうです。1994年に約50億円かけて完全修復されて、エーベルトフト (Ebeltoft) で博物館になっています。
 1)左上 二人がかりで材木を板に挽いています。他の巻でもやっていましたが、人力で板を作るとのは一苦労です。
2)斧のようなものを振り上げている人がいます。造船で、斧で切ってしまっては意味がありません。全体に木くずが散らばっているし、木材の表面が平らになっているので、これは、槍鉋(やりがんな)かも知れません。ただ、槍鉋は写真のように使うので、違うかも知れません・・・?
9)丸太が10本余り、並べられています。木造船の建造には大量の木材が必要です。その木は、森から切り出すわけですが。森の木は鳥の営巣場所でもあります。
 アンデルセン童話の『風は物語る The Wind Tells about Valdemar Daae and His Daughters 』が思い浮かびます。
 お金持ちのワルレマー・ドーは、大きな船を造ろうとします。みなは、鳥たちがけたたましく泣き叫ぶのを笑っています。けれど、末娘のアンナ・ドロテアだけは、心の中でかわいそうと思っています。そして、コウノトリの巣の中に小さな雛が頭をのぞかせているのを見ると、末娘は、涙を浮かべて命乞いをして、その木を切り倒すのを止めます。
 ワルレマーが大金を投入して建造したのは軍艦でしたが、物語では売れなくて、一度も水の上に浮かぶことが無かったのです。

12)背骨のような骨組みができている船があります。バイキングシップViking Shipsだと思います・

15)帆船ができあがっています。1994年に約50億円かけて完全修復されて、フリゲート艦ユランに似ているように思います。ユランは、現在エーベルトフト (Ebeltoft) で博物館になっている。エーベフルトは、ユトランド半島中部の東海岸にある小さな町です。
16)牛が材木を引っ張っています。
 牛の上に何かありますが、これは一体なんでしょう。牛にたかるアブ??
17)より大きなパーツを整理している人たちがいます。これくらい、大きなパーツだと、相当大きな船ができそうです。
 女性が、見学に来ているようです。
20)巨大な瓶があって、これまた巨大なボトルシップが作られています。
 ボトルシップ作りも、こうやって中に入ることができれば、簡単そうです。
24)ヨット(Sailboat)の模型があります。模型といっても、子どもより大きいので、かなりの物です。ヨットの船底には、つきだした部分があります。キールkeel(竜骨)といいます。この部分があることで、ヨットは風上に向けても進むことができます。
25)子どもが2人いますが、どちらの子も手に何か持っています。何でしょう。
26)母子ずれが、大きなビンをかかえて歩いています。ボトルシップ用でしょうか。
27)2頭立ての馬車が待機しています。18)の予想図のところで説明を受けている人たちの物のようです。
30)ボートを3人でかぶるようにして運んでいる人たちがいます。ボートを運ぶときは、このようにするのでしょうか。上向きより、安定しそうです。
31)通常サイズのボトルシップが並んでいます。これは、売り物でしょうか。
 フリゲート艦ユランでは、工作教室も開かれているようです。そのイメージかも知れません。26)のビンを持った母子は、その教室へ来ているのかも。
33)RESTAURANTと描かれた建物の前では、縁台将棋の雰囲気で、チェスを楽しんでいる人がいて、それを腕を組んだり、腰に手に当てて観戦している男女がいます。
そして、壁をよく見ると2005と書かれています。もちろん、アンデルセン生誕200年の年です


36)大きな錨があります。これは、「ニューハウンの大錨」と呼ばれるモニュメントからでしょう。
37)小屋の所に人魚の像があります。船首像figureheadだと思います。
 西洋の帆船には航海の安全を祈って船首に彫刻を取り付けていました。神や英雄あるいは魔力を持つ動物など色々です。日本でも日本丸には藍青(らんじょう)、海王丸には紺青といずれも手を合わせた女性像が取り付けられています(写真は日本丸の藍青
 さらに、『人魚姫』の人魚が、船を見ているシーンととら重ねることができそうです。
38)小旗が4本有ります。何に使うのでしょうか。後のシーンで船に積んでありますから。船舶関係の何かだとは思います。
39)小屋の中には、船舶に使う小物が並んでいます。
左から、槌のようなもの、双眼鏡?、羅針盤?、不明?、ランプ、ガラス玉、ランプ、時計(あるいは気圧計)、伝声管、木製滑車、舵(ラット)そして屋根の上に浮き輪、前にはロープとランタン(角灯)といったところでしょうか。
 
40)公衆トイレが有ります。こちらは簡易トイレのようです。

42)ソーセージの屋台が出ています。デンマークでの歴史は随分長いようです。
 1910年以来といいますから、およそ100年のファーストフードの文化です。デンマークのほとんど総ての街角に有るそうです。デンマークでは年間1億3000万本のソーセージが売れるそうです。
43)人魚姫の大きな像が彫られています。港に有る像はブロンズ像だと思いますが、こちらは石像というわけです。
そして、本物は15歳の少女をあらわすのにふさわしい大きさですが・・こちらは座っていても立った人間よりも大きい巨大な像です。この大きさなら「がっかり」されないのかも知れませんが・・・。人魚姫は見上げるように大きくするのは感心しません。そもそも、小さいからがっかりするような人は、本当に人魚姫の物語を愛しているのか疑問です。



シーン18クロンボー城(p35〜36)

0)旅人は コペンハーゲンの北にあるヘルシングァーElsinoreのクロンボー城(Kronborg Castle)にやってきました。15世紀に建造されています。その後火災に遭いますが、建築王クリスチャン4世によって修復されたそうです。写真でも分かるように、海に面して城としての防衛デザインが明確になっていると思います。
 2000年に世界遺産に指定されています。
 四角形の城です。北棟は王の住居(絵本では手前)、西棟は王妃の住居(絵本では右側)、東棟は王族の部屋(絵本では左側)ですが南棟は教会(絵本では上側)となっています。
シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の舞台として有名な城で、毎年夏には城の中庭を使ってHAMLET SOMMER演劇が上演されます。 イギリス編でもハムレットは出てきました。ただし、シェイクスピア本人はデンマークを訪れたことは無いそうです。

 この城は、アンデルセン童話の『デンマーク人ホルガー Holger Danske 』の舞台になっています。


1)大砲が並んでいます。『デンマーク人ボルガー』に出てくるように、海に向いて大砲が据え付けられているのです。
 絵本では、一個づつ玉が用意してあります。写真では、それぞれの大砲の左斜め後方に14個が山積みにされています。
2)城の左下 見張り台の所に、王冠をかぶった人と剣を持った若者がいます。これはシェイクスピアの『ハムレット』からです。ハムレットの舞台となっているのが、クロンボー城なのです。そして、若者はハムレット王子、王冠をかむっているのは毒殺された父王の亡霊です。ハムレットは、父の死が陰謀による毒殺であることを知るのです。しかし、そのことを表沙汰にすれば、自身の命がねらわれる可能性が有ります。さあどうするか・・・。
3)場内では、ガイドツアーが行われています。スエーデン国旗を持っている人がガイドさんのようです。
7)右下では、シェイクスピアの『ハムレット』から、父王が毒殺される様子を劇にしているシーンです。劇中劇になっています。
8)劇を見て、新王や王妃が驚いています。お付きの人たちも、警護の兵たちも、動揺しています。
 王妃の左側が、ハムレットでしょうか?
10)馬車には国旗がたなびき、HAMLETと描かれています。
 上でも書きましたが、毎年夏に実際には中庭で、上演されています。

シーン19田舎へ(p37〜38)
0)旅人は 都会や観光地を離れて、なにげ無い田舎へやって来ました。デンマークのどこかということで、特定な地域では無いのだと思います。

1)左下 掘っ立て小屋の屋根にコウノトリが巣を作っています。
 アンデルセン童話の『 風は物語る The Wind Tells about Valdemar Daae and His Daughters』からです。 大金持ちだったワレルマー・ドー氏は、錬金術にはまって全財産を無くし、3人の娘と共に館を出ます。その後も色々あって・・・ここにはヒヤシンスといわれた末娘のアンナ・ドロテアが住んでいます。ひどいあばら屋ですが、コウノトリが巣を作って、補修を続けるので倒れません。若いときに、救ったコウノトリの雛の子孫が感謝を表しているのかも知れません。
 彼女は、ある朝賛美歌を歌いながら、昇り来る太陽の光に包まれて息を引き取ります。
 不幸な死。でも、神・自然の恩寵に包まれた最後ともいえます。
5)屋根の下では、葺き替えに使うカヤを整理しています。このカヤは、テナーのシーンで刈り取っていたカヤではないかと思います。
6)七面鳥が一羽います。アンデルセンに七面鳥が出てくる物語が有ったと思うのですが・・・思い出せずにいます。
9)膝を組んだお祖父さんが散髪を見ています。
 この人、ひょっとして、アンデルセンということでしょうか。

11)柳の下に息を引き取っている男がいます。アンデルセン童話の『柳の木の下で』からです。
 ミラノで愛するヨハンネが婚約者と一緒にいるのを見て、ひたすら懐かしい故郷を目指します。その途中で、故郷の柳の木に似た木の下で、愛するヨハンネと手をつないでキエーエの教会へ向かう夢を見ます。「ああ、今ぼくは一生のうちで一番楽しかった!」とクヌートは言いました。「でも、今のは夢だ。−神さま、どうぞ、もう一度今の夢をみさせてください!」こう言ってふたたび目をとじました。クヌートは眠りました。そして、夢をみました。・・・・そして、柳の木の下で凍死します。
 不幸な死です。でも、幸せな最後であるともいえます。フランダースの犬の最後にも通じるものがあると思います。

12)右上 裸の王様が蚊に追いかけられています。 アンデルセン童話の『悪い王様 The Wicked Prince 』からです。
 世界征服をもくろむ悪い王様は、軍事力で周辺の国々を侵略しまくり、悪事のかげりを尽くします。そして、神をも征服しようとします。そのために空飛ぶ船を開発し強力な武器を用意して、天国の要塞を粉砕しようとまでします。これに対して、天が差し向けたのは蚊の一群。刺されまくった王様は剣を振り回しますが無駄。上等の絨毯を体に巻き付けて防ごうとします。ところが絨毯の内側に入り込んだ蚊に耳の中を刺され、身をもがき絨毯を投げ捨て着物を切り裂いて、裸のままで踊り狂っています。
14)建物の陰から、オオカミが狙っています。
 何か、該当する物語があったでしょうか?

18)男の子たちが3人、馬遊びをしています。棒馬という遊びです。
 ブリューゲルの子どもの遊戯にも描かれています。
 

シーン20リンホルム(p39〜40)

0)旅人は ユトランド半島の北部に位置する、デンマーク第4の都市であるオールボー(Alborg)の郊外にあるヴァイキングの遺跡リンホルム・ホイア にやって来ました。シーン1のスケーエンの近くに戻ってきたようです。
 遺跡には、ヴァイキングの墓がおよそ700基も有ります。そのほとんどは火葬墓。石を船の形に並べた墳形が特徴的です。その他、楕円の形や三角や四角のものもあるようです。

3)農家の脇の基の中に、人の顔があります。本を逆さまにしてみるとよく分かります。だまし絵です。
 人物は、アンデルセンのようです。
4)農家の前で、沢山のニワトリに餌をやっている女性がいます。
 アンデルセン童話に『にわとりばあさんグレーテの一家 Chicken Grethe's Family 』という話があります。
領主グルッペにはマリー・グルッペという女の子がいました。木登りの上手なセレンという男の子を使って木の上の巣から卵やヒナを奪っていました。
 12歳の時に館に泊まった王の弟に目をつけられ・・・17歳の時に結婚しますが、愛を感じることができず、逃げ出します。父親の館からも追い出され、ネレベックの領主に見そめられますが、そこにも愛が無く彼からも逃げ出します。浜で倒れているところをセレンに助けられ夫婦になり、渡し守のおかみさんとして死んでゆきます。そのマリーの孫は・・・それが自分のおばあさんが住んでいた館とは知らずにグルッペの館跡に住んで、ニワトリを飼っているのです。

7)11羽の白鳥がやって来ています。その1羽に女の子が乗っています。
 アンデルセン童話の『De vilde Svaner 野の白鳥 The Wild Swans』からです。
 継母の魔法によって、白鳥にされてしまった11人のお兄さんたちと、末の妹エリサです。兄さんたちは、エリサを海を越えて美しい国に連れて行きます。
 ただ、エリサを一羽の白鳥が運ぶのは無理です。そこで、柳の木の皮とアシで編んだ網にエリサを乗せて運ぶのです。

 一羽の鳥に子どもが乗ってくる話があります。それは、
 アンデルセン童話の『年の話 The Story of the Year 』からです。
こちらはコウノトリが2羽、それぞれにかわいらしい男の子と女の子の姿をしている春を乗せてきます。
 安野さんこちらの挿絵を参考にされたようです。ただし、コウノトリではなく白鳥にしてあります。

シーン21旅立ち(p41〜42)
0)旅人は 再び海岸にやって来ました。ユトランド半島の田舎の海岸ということでしょう。ユトランドの最北端のグレーネン岬に姿を現し、ユトランド半島のどこかの海岸から新たな旅立ちです。次なる国はどこでしょう。謎のままです。
3)庭には、魚が干してあります。シーン2はね灯台の村にも、魚が干してありました。
6)手前の左の木の中に、いくつかの動物が隠れているように見えます。
 ウサギ?逆さまにして子鹿?やバッファロー?もいるような・・・。隠し絵でしょうか。単に、気の迷いかも知れません。
8)緑のスカート女性が、ぶちの犬の相手をしています。この犬に似た犬が・・・デンマーク編で何度か出てきたように思います。
 シーン2はね灯台で コマを回している男の子を見ていました
 しーん3サーカスで トラの折の向こう側に半身だけ見えていました。
 シーン11チボリ公園の入り口で、 右下の所に入場して行く人たちをみていました
 シーン14チボリ公園の出口で 、火事に駆けつける犬がいます
そして、このシーンというわけです。何か意味があるのでしょうか? 
9)女性が、お盆で飲み物を運んでいます。何でしょう?牛乳?それともビール?

13)人魚姫の像があります。コペンハーゲンの人魚姫の像の下も玉石が並んでいます。
 イメージとしたらこんな海岸に像が有るのが適切なのでしょうが、実際にこんな田舎に有ると観光客はやってこないんでしょうね。
18)二人の子どもが旅人を見送っています。
 第一巻でも、男女の子どもが見送っていました。

19)去ってゆく旅人が、オールをこぐ手を止めて手を振っています。これは、初めてです。

「裏扉」
 今回も、裏扉は前扉の鏡像です。
 
沢山のアンデルセン童話に彩られた、デンマーク編でした。
改めて、アンデルセン童話を読み直してゆく旅でもありました。
童話という形式をとっていますが、大人向けのお話もたくさんありました。長く読まれ続けているのが納得できるように思いました。

最後のシーンで、旅人が手を振っていたのが気になります。
次の、国は無いと言うことなのでしょうか。
是非次を期待したいものです。
中国とか、思い切って日本とか。

新しい巻が出るまでは、改めて六つの旅を振り返っておきたいと思います。

上記、文章を書いたのは、2008.8.04のことでした。次回作は、本当に中国編になるようです。まだ、出版になっていませんが、2009年中に出版予定ということです。
今から思うと、上記文章を書いていた時点で、安野さんは中国編の準備に入っておられたと思うのですが、もちろん安野さんからそのような情報をもらっていたわけではありません。
ヨーロッパではなく、中国を予想したのは、これまでの安野さんの作品を見ていくと、中国のスケッチが多いのと、中国の紀行文も多く見られたからです。すでに、安野美術館のHPには、中国編に使われる一枚がUPされています。
出版のその日が待ち遠しいですね。(2009.7.12)

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