高山の木がツイストしているのは何故?

《この木も左回りに少し      ツイストしていました》
この疑問はカテドラルレイクへの向かうトレイルでふとわ
き起こりました。日本の山でも見ることができるのですが、
樹皮のはがれた倒木や立ち枯れの木の中に、幹がらせ
ん状に成長しているものがあります。トレイルの途中でも
同じようにツイストした木を見つけて、以前から思ってい
た疑問を口にしました。インストラクターのジョシーが答
えてくれました。彼女の説明によると、高い山の上では風
が強く木に相当の力が加わります。そこで普通に成長した
のでは耐えられないので、このようにらせん状に成長する
ことで強風に耐えるようになっているのだという解説でした。
なるほど、この樹形は環境に適応した結果だというわけで
す。
ところが、ここでもう一人のインストラクターのシャーリーが
別のアイディアがあると言い出します。彼女も、以前からこ
のねじれの現象について考えていたようです。シャーリー
の発想ではこうなります。木が成長するとき上方への成長
点は木のトップにあります。その成長点は成長しながら、ヒ
マワリのように太陽の方を向くのではないだろうかというので
す。毎日毎日太陽を追いかけながら成長する結果、長い年月の間にらせん状にねじれて成長し
ていくのではないかと言うのです。シャーリーのアイディアは、むしろどのようにねじれを作るのか
というものでした。シャーリー説でツイストが起こり、ジョシー説でそのことが環境に適応したと考え
れば問題ないことになります。相互に矛盾するアイディアではないこともあって、なるほどそう言う
考え方もあるのかとジョシーが受け入れて、ここでの論議は終了しました。ところが、参加者のO
さんと私はこの2説を聞いて疑問が生じていまいした。まず、目の前にあるツイストした木は、上
に向かって右回りにツイストしていたのです。ヒマワリのように太陽を追いながら成長するとすると、
南向きに東から西に首を振るわけですから、螺旋の向きは逆に、すなわち上に向かって左回り
にツイストするはずだからです。ですから螺旋状に成長する原理としては、そのままでは不十分
だという結論です。
ジョシーの説については、高い山でツイス
トしてるものを見ることが多いので、一応
うなずける内容です。ところが、林業関係
の仕事をされている0さんの経験による
と、同じ樹種で同じような環境で成長して
いる木でも、ツイストするものとしないも
のがあると言うのです。
樹種によってツイストするものとしないもの
があるのであれば、その樹種が環境に適
応した結果という考え方もできるでしょう
し、樹種が同じでも環境によってツイスト
するものとしないものがあるというのであれ
ば、環境に応じて特性がでるように遺伝
子が組み込まれていると言えると思います。
《ジョシーさんはいつも少し            考えながら答えてくれます》  
ところが、どうもOさんの経験からするとその様に単純に割り切れないようなのです。Oさんと私の
二人で話して出た一応の推論は、いくつの樹種では、条件がそろえばツイストして成長するよう
に、遺伝子が組み込まれているのではないか。(その条件=因子は分からないのですが、強風
そのもかも知れません)強風などの環境下でツイストした木は生き残りやすい(とすると)ので、高
山ではツイストした木がよく見られるようになるが、ツイストしなくてもまったくだめというわけでもない
ので、ツイストが現れなかったストレートの木も混在することになる。一方強風などの環境がないと
ころでは、そもそも遺伝子が発現しない、あるいは発現してもストレートのものに対して優位に立
てないので見られなくなる・・・。というものでした。この発想で良いのか、後でインストラクターの二
人と論議してみようと言うことになったのですが、Oさんも私も通訳さんがいないと、コミュニケーショ
ンができない事もあり、とうとうチャンスを逸してしまいました。

そこで、この文章を読んでいる皆さんの中に、この答えを知っている人はいませんか?
あるいは独自の説や事実をご存じの方はないでしょうか?是非お聞かせください。
高山の木がツイストしているのは何故?
「私はこう考える!」編へ。
まずはカリフォルニア在住のせーちゃんから素敵なアイディアをいただいています。

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