を遊ぼう」7-4


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場面11桂林
桂林山水甲天下

0)旅人は もこもこと山が盛り上がる所へやって来ました。広西チワン族自治区の東北部に位置する桂林です。まさに山水画そのままの不思議な風景です。古来より文人を魅了し、「桂林山水甲天下(桂林の風景は天下一)」と称えられました。《世界遺産に申請中/桂林》
 「そびえる山々は碧玉のかんざしのよう」というこの不思議な風景の元は、石灰岩を基調とっする地質です。日本の石灰岩台地と異なり、ここの石灰岩台地は、桁違いの大きさです。20〜30kmにも及ぶ広大な広がりを持ち、1000〜5000mの厚みを持つというのです。しかもこれが安定陸塊の南中国において、平らに展開しているのです。それを炭酸ガスがとけこんだ雨水が浸食して、この不思議な風景ができあがったというわけです。

1)青く塗られた岩山が描かれています。桂林であることを承知してもこの青い岩山はいささか唐突なイメージです。
 これに、『もこもこもこ』( 作: 谷川 俊太郎/絵: 元永 定正)の雰囲気を感じます。谷川さんの不思議でワクワクする言葉に、元永さんの楽しい絵が加わって、こどもたちに大人気の絵本です。安野さんも「もこもこもこ」を意識されたのではないかと思うのですが。

2)右下 駱駝がいて不思議な一角は、張擇端の「清明上河図」からの模写です。
 虹橋の場面に続いて、入張擇端之堂という篆刻印が描かれています。
模写といっても全くそのままではなく、右端の門を消すなど部分的な描き変えをされています。

3)3頭の駱駝がいます。「清明上河図」は、宋代の開封の様子を描いておりその、史料的価値の高い絵です。駱駝の存在などにより、宋代の開封が西域シルクロードの商人が行き来する街であったことを、はっきりと意識づける場面です。

4)積み上げた荷物の前で、相談している人たちがいます。清明上河図では、その背後には帳簿付けをしている人がいます。

5)一輪の荷車には、相当な荷物が積んであります。2頭の馬で引いてきたようです。
6)入張擇端之堂の印左に「清明上河図模写」と書かれた板を背負った人がいます。清明上河図にも文字の書かれた板を背負った人がいますが、ここは安野さん内容を書き換えています。

7)馬に乗った人と荷物を背負った人の右に、駱駝の一行を見ている人がいます。開封の人にとっても、駱駝はやっぱり珍しいことなのでしょう。

8)棒を2本持った人が、建物の陰になっている人と何か話しています。どんなことを話しているのでしょう?

9)旅人の向こうの船は、観光船のようです。左の写真は、観光船が途中の休憩所に停まって、観光客が上陸しているところです。
 周囲に比べて、この船や船頭さんは異様に大きくていささかバランスを壊しているように思えるのですが・・・?
 桂林は世界的な観光地で、沢山の観光船が行き来していますから、場面の最初にあげた写真のような大きな観光船のイメージで描かれているのではないかと思います。

10)旅人の手前の筏のような物には、椅子やテーブルが用意されています。岸からロープが伸びて、つながれています。これは、何のためでしょう。観光船の休憩所?釣り人のための物?つながれている船は、陸との行き来に使うのでしょう。

11)一番手前の船には、酒甕(紹興酒?)が積み込まれています。

13)岸には釣り人がいます。子どももいます。
14)背後でしゃがんでいる人は、田植えの終わった田んぼの世話をしているのだろうと思います。植え直しか?他の草取りか。
 
15)牛2頭を使って田植えの準備(代掻き)をしています。この作業をしっかりしておかないと、上手く田植えができません。
16)畦では、子どもがお父さんに話しかけています。

17)背後に描かれてい建物の様子が、上の写真の休憩所の建物に似ているように思います。

18)代掻きの済んだ田んぼには、天秤棒で苗を運んでいる人がいます。

19)お堂の右では、四つ手網漁をしている人たちがいます。場面3の蓮池の場面に次いで、2度目です。

(※右の絵は、張擇端の「清明上河図」ではないのですが、台北の故宮博物館にある、「清院本清明上河図」からです。)

場面11に描かれたのは・・・(トータル)  ※精確さに自信なし!?
36人( 1098人)
犬や猫などペット  0匹( 18匹)
自転車   0台(29台)牛や馬  11頭( 49頭)
自転車タクシー  0台( 6台) 0羽( 72羽)
荷車  1台( 28台)車椅子 0台( 2台)
   4艘( 57艘)洗濯物干し 0カ所( 15カ所)


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場面12烏鎮

0)旅人は 烏鎮(うーちん)へやって来ました。
  烏鎮は、杭州市と上海市の真ん中あたりにある、古鎮です。豊かな水に恵まれ、交通手段としての水路が張り巡らされ、早くから街が開けました。2000年くらい前にはもう街があったのではないかと思われます。「烏鎮」として記録に残るのは、唐の時代872年といいますから、千数百年の歴史を持つ古い街です。近代化に立ち後れたことが幸いして、運河の上に乗り出すように建てられた水閣の古い町並みが昔のまま残りました。中国の最後の水を枕にする人家(「中国最后的枕水人家」)、烏鎮
 烏鎮には水路からの賊を防ぐために柵(水門)で囲っている地域が、東柵・西柵・北柵・南柵とあるようです。そして、良く残された水路周辺を「景区」に指定し、昔の面影を壊さないように整備したのです。昔からの住民は暮らしを続けて、水郷の生活を見ることのできる観光地としたのです。まず、2000年にオープンしたのが「烏鎮東柵景区」です。数時間で全体を見ることができる良い感じの場所です。
さらに、2007年に完成した『烏鎮西柵景区』は、リゾート滞在型の地区として、元の住民はいったん退去し、建物の外見を古いままに維持しつつ、内部の設備は近代的な基準に耐える物にしたようです。東に比べて、3倍も広くより静かでよりおしゃれで洗練されたテーマパークのようになっているようです。
 「烏鎮東柵景区」「烏鎮西柵景区」共に、エリア内に入場するのには入場料が必要です。東で100元、西で120元、共通券で150元だそうです。現在1元が13円余りですから、中国の物価を考えに入れると、それなりに高額だと思いますが、外国人だけでなく中国各地から沢山の観光客がおしかけている人気の観光地のようです。

1)右下 売店があります。食べ物店だと思います。「烏鎮東柵景区」「烏鎮西柵景区」にも、こんなお店がたくさんあります。
  店の軒下には、例によって赤い提灯が下がっています。それと、白い札が下がっています。お店の宣伝が書いてあるのでしょう。子ども連れのお母さんが買いに来ています。
  ちなみに、この烏鎮の食べ物やさんの雰囲気が、『千と千尋の神隠し』の冒頭近くで千尋のお父さんとお母さんが豚になってしまうシーンのモデルになったようです。そういえば、廃止されたテーマパークの跡地という設定だったと思います。

2)赤い三角の旗を持っている人がいます。ガイドさんのようです。
 観光客は、杖をついたおじいさんやナップサックを背負った若者に車椅子の人と、多様な構成です。

3)階段状の施設があります。日本では雁木と呼ばれる、港湾施設です。
名前の由来は、空を飛ぶ雁(がん)の列のようなぎざぎざの形や模様からです。このような形にするのは、岸壁と違って、潮の満ち干や河川の流量変化による水面の上下に係わらず昇降や荷役が出来るためです。浮き桟橋ができる、近代以前の船着場で多く見られます。
 烏鎮の東柵の入口(東の端)にある財神が祭られ、船が方向を換える水湾の「財神湾」に雁木があります(絵地図の一番手前のあたりに描かれています。先頭の写真の右に雁木が続いています※左の写真)。安野さんは、このあたりを参考にしてこの場面の手前側を描かれているように思います。
 また、西柵にも渡し場や霊水居埠頭に雁木が美しく残っていて、現役で利用されつつ観光資源となっています。
『崖の上のポニョ』で一躍有名になってしまった、鞆の浦の港には、現役の雁木が残っています。現在、そのような歴史的な価値のある景観を残す場所を架橋のため、埋め立ててしまう計画があり、景観論争になっています。ここ烏鎮のように、歴史的な景観を上手に残して観光資源とする方法もあろうかと思うのですが。

4)大きな顔を掲げているのは、人相見ということだろうと思います。、中国編は、何故か占い師が何度も出てきます。この人で3人目ですね。
人相についてのHPです
http://ninso.aalip.jp/nins/index.htm#人相の名称一覧表

5)人相見に皆さん興味があるようで、7人も群がっているようです。占いは女性が好きなのか、ほとんど女性のようです。

6)人相見の絵の張ってある家は、烏鎮東柵の財神湾にある建物のようです(※上記写真参照/上の絵地図では、電話のマークのある建物です)古い薬局の「香山堂薬店」です。

7)建物の屋根に、「北」という文字が隠れています。たまたま?でしょうか??

8)写真では、香山堂薬局の向こう側には建物の屋根が見えません・・・でも旅の絵本では大きな屋根やうだつが描かれています・・・この建物は?
 絵地図を見てみると、方向が違うのですが、上の方(西)に同じような曲線の壁や赤い色の建具が見えます。この建物は、「江南百床館」です。色々なベッド(なかなか豪華なものです)を陳列した建物です。

9)柳があります。絵地図にも描かれていますが、烏鎮の運河沿いには柳の木が多いようです。

10)屋根の向こうに「東」と書かれた塔のようなものが見えます。絵地図には描かれていません。
 修真観という道教のお寺にある舞台「古戯台」の背後にあります。背後といっても、水路をはさんでさらに向こうにあります。建物の名称は不明です。別の面にも東が書かれているように見えます。東柵の意味で全て東と書いてあるのかも知れないと考えていましたが・・・・実際の建物には「東」ではなく「更」と描かれています。安野さんの勘違いでしょうか、あるいはわざと書き直されたのかも知れません。
 建物は、避難場所や空襲などのときの警戒警報を発するためのものだそうです。よく見ると、コンクリート製の建物のようです。だから、絵地図には描かれていなかったのです。そして、「更」の意味は・・・時計が普及しなかったころの時報を告げる建物だったのだろうと思われます。
右の写真は、水路沿いに東から西方向を見たものです。手前の建物も「江南百床館」ではなく、この方向からの風景の合成の可能性も大です。

11)自転車が2台あって、おじいさん達が椅子に座ってまったりしています。実際の東柵にも、こんな風におじいさん達が、良い感じでのんびりしているようです。

12)「豆汁」の看板を掲げた店があります。豆汁は、豆乳のことかと思いました・・・・事実日本語としては「水に浸した大豆をひきつぶして乳状にしたもの。豆腐などの原料。まめあぶら。」ということですから、当たらずとも遠からずだとおもいます。
 しかし、中国での豆汁(とうじゅう、中国語: 豆汁儿(douzh?r)は、 緑豆を煮てから、すりおろして作った豆乳を乳酸発酵させます。(実際には、春雨をつくるときの緑豆の残り汁を発酵させるようです)かなり酸味効いていて、慣れないとかなり飲みにくいようです。それでも植物性タンパクを発酵させた食べ物ということで、栄養があり、健康食品のようです。これが飲めれば「北京人のなかまいり」ということらしいのですが、多分烏鎮でも食べられているのでしょう。
 朝食のひとつとして、焦圏や辣絲などとともに食べられることが多いようです。写真のドーナツのような揚げ物が「焦圏」で、サクサクした食感の焦圏を豆汁につけていただきます。辣絲は、写真では小皿に盛られている漬け物のようなものです。

13)豆汁のお客さんは親子のようです。お店の人は、写真のような皿に豆汁をついでいます。

14)「財神茶館」の看板を掲げた建物があります。左の写真の店に「財神茶館」の看板が掲げられています。これは、絵地図にもある「財神堂」にちなむものです。財神様は格子にさえぎられていて中が見えにくく、観光客は前を通り過ぎているようでした。そもそも財神というのは、お金の神様・商業の神様のようです。かつて、商都として栄えた烏鎮にふさわしい地名であり、お堂ですね。格子の中をのぞいてみると、財神様は昔の大きなお金を重ねて持っておられました。
 烏鎮の人はお茶を飲むのが好きだったようで、最盛期には烏鎮に六十数件の茶館があったようです。主な利用者は、鎮の周辺からやってくる商人で、ここで情報交換したり、事務処理をしたりしていたようです。今では、文字通りの喫茶店として、観光客が古鎮の雰囲気を楽しむ場所となっています。
 旅の絵本でも、お客さんが椅子に座って行き交う人たちを見ています。

12)空竹(中国ゴマ)を売っているおじさんと、空竹を遊んでいるこどもたちがいます。空竹は場面6にも出てきたので、2度目の登場です
(※写真のおじさんは、実演販売です)

13)竿ばかりで商品を量り売りしている店があります。
売り物は何でしょうか?お客さんの所に何か書かれているように思うのですが、読み取れていません。
 トップの写真や地図にあるように、実際の財神湾の所にも、このような感じの建物があります。現地では、ここも茶館になっていました。
 竿ばかりは、子どもの頃は八百屋さんなどでよく見ましたが、このところとんと目にしなくなりました。中国ではまだ見ることができるのでしょうか。

14)お店の手前側に、Tシャツなどがハンガーに吊してあります。売り物でしょうか?お店の種類からしてどうも売り物ではなさそうです。やはり洗濯物だと思います。
烏鎮の東柵地区は、住民の生活がそれまで通り行われているので、運河で洗濯している人もいれば、洗濯物を干すなど日常生活をそのまま見ることができるようです。観光コースのど真ん中で、本物の洗濯物が堂々と干されているというわけです。

15)手こぎの観光船があります。7人のお客さんを乗せて、財神湾の埠頭に向かっています。旗を振って案内している人のところの観光客が新しいお客さんになるのでしょうか。
 『北京バイオリン』お父さんは、こんな船頭さんの仕事をしていました。撮影は、ここ烏鎮で行われたようです。

16)船の向こうの建物は、先頭の写真に写っている建物です。絵地図にも描かれています。
 この建物は、民間の家で部屋を広く使うために、木の柱や石の柱を川の中に差し込んで、それに横の梁をつけてその上に建物を建てているのです。このような建物を、「水閣」といいます。
 この建て方だと、川の上に寝ていることになるわけで→中国の最後の水を枕にする人家(「中国最后的枕水人家」)ということになるわけです。
大部分の水閣は南向きだそうです。ここの建物も右が東になっていますから、ちゃんと南向きになっています。冬には南から暖かい陽ざしを浴びることができ、夏には川からの涼しい風を受けることができ、窓からは美しい水辺の風景が楽しめるというわけです。しかも、部屋の中にある移動板を開けると、川の水を利用することができるという、生活の知恵の詰まった建物なのです。

17)家の間から、水辺に下りて、掃除をしている人がいます。
 絵地図からも分かるように、運河沿いにはびっしりと家が建ち並び。その外側に街路が設けられています。その道から運河に出られるように、建物の間にこのような通路が作られています。
ところで、旅の絵本の絵では、安野さんは例によって遊んでいます。先頭の写真と、この掃除をしている通路は矛盾しないようですが・・・・。実は、実際の烏鎮の建物のこの部分は、隙間無く建っているのです。(右の写真を確認してください)安野さんらしい遊びですが・・。これって、よほど詳しく烏鎮を調べないと気がつかないですよね。安野さん一人で楽しんでいます。

18)建物の2階に、人影が二人見えます。

19)船で大量の布を運んで来て、荷揚げしています。

20)藍染めの布が、干してあります。烏鎮は、藍染めが有名です。東柵景区には「宏源泰染坊」という工房があります。西柵にも藍染めの工房があります。烏鎮での藍染めの歴史は3000年にもなるそうです。なんと、日本ではまだ縄文時代から・・・!

21)藍染めの作業をしています。左から、白い布を藍染め液の中につけています。中、つけた布を搾っています。右、搾った布を運んでいます。
実は、藍染め液につけただけでは、藍の色は充分にでません。というより、ほとんど色が付いていません。これを広げて空気さらして酸化させると発色します。さらに染液につけて搾って、空気にさらす・・・・・以下これを繰り返すことで、しっかりと藍色に染めることができます。      
 私の町は、備後絣の産地でしたから、昔は、町のあちこちに藍の香りが漂い、乾燥場があったものです。もっとも、絣の場合には、糸の段階で染めるので、烏鎮のように布を干すということはありません。

22)子犬が藍染めの作業を見ています。

23)運河の向こうの建物の前では、老人達がまったりしています。
 モデルになった建物は不明ですが・・・・。
 13)の竿ばかりではかり売りしていた店は、財神湾に実際ある建物は左の写真のようになっていて、安野さんの絵とはいささか状況が違います。
 そして、よく見るとこの建物の様子が、ここの場所でおじいさん達のバックにある建物とよく似ています。
 ということで、安野さんは、この建物の様子をここに分けて描かれたのでは無いかと思うのです。

24)はたきを持った、靴売りのおじいさんがいます。
25)テーブルに飲み物などを並べている人がいます。

26)お堂のようなものが建っていて、回りには石が立っていて、中に四角のもがあるのは、井戸だと思います。
 中に井戸のある、お堂が烏鎮にあるのだと思うのですが、不明です。

27)木陰でビリヤードを楽しんでいる人たちがいます。中国編で野外のビリヤードが出てくるのは、これで3度目です。

28)白い旗を掲げた行列が来ます。葬式の行列のようです。
 清明節には、墓参りが年中行事ですが・・・
 行列は、楽隊付で何ともにぎにぎしいものです。左の写真は、烏鎮での葬儀の様子です。行列ではありませんが、やはり楽器の演奏があっています。花輪を出すのは、日本と似ていますが、赤い色が使われているのが、祝いの花輪のように見えてしまいます。
 行列の楽器は、ラッパに、太鼓に、シンバルと一層にぎやかです。
 
29)楽隊の後に続いているのは、お坊さんのようです。

30)お坊さんの後に、何か手に持った人が続きます。持っているものは何でしょう?
31)花をアーチ状にした物を持った人が続きます。
32)黒服の8人で棺をかかえています。

33)後に嘆き悲しむ、白装束の女が9人います。「泣き女」だと安野さんが書いています。
 「泣き女」は、葬儀の際に大声をあげて慟哭することで悲しみを表すわけですが、その役を果たす人を金を出して雇うというわけです。これに応える職業が泣き女というわけです。中国や朝鮮半島をはじめとして世界各地で見られる職業で、ヨーロッパにもあるし日本にもあったようです。料金に応じて泣き方も変わるとか・・・。

34)何故か、泣き女に犬がまとわりついています。
35)白い旗の所で、家の中から行列を見ている人がいます。
36)何か文字を書いてある札がぶら下がっています。何が書いてあるのでしょうか?

37)ラッパの人の所にも何か書いてある札が下がっています。これも読めません??

38)シンバルの人の所には、店ののれんのような物が下がっています。
 「・?興老酒」と読めます。多分「紹興老酒」でしょう。だとすると、例の甕を並べておいて欲しかったですね。

39)アーチの人の所にも、家の中から行列を見ている人がいます。
40)自転車の所にも、洗濯物が干してあります。
41)赤い「対聯(ついれん)」の右にかまどがあって、鍋がかかっています。
42)椅子の横の路地に杖をついた老人が2人、行列を見ています。

43)椅子に座った店主がのんびりと行列を見ています。お店に並んでいるのは、中国凧のようです

場面12に描かれたのは・・・(トータル)  ※精確さに自信なし!?
107人( 1115人)
犬や猫などペット  2匹( 20匹)
自転車   0台(29台)牛や馬  0頭( 49頭)
自転車タクシー  0台( 6台) 0羽( 72羽)
荷車  0台( 28台)車椅子 1台( 3台)
   3艘( 60艘)洗濯物干し 2カ所( 17カ所)


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場面13春節
山下公園での龍舞


0)旅人は 春節の祭りを行っている所へやって来ました。
 中国の正月は、正式には新暦の1月ですが、実際には旧正月の方が春節としてより盛大に祝われます。
 春節といえば、きらびやかな龍が、玉を追い求めて舞い踊る「龍舞」が欠かせないようです。

1)龍がもつれて操作をする人たちが倒れてしまう事故が起こっています。
 安野さんは現実にはこんなことは無いと書かれていますが、右の動画を見ていると、もつれてしまったり演じる人が倒れてしまったりということがあっても不思議ではないように思えます。(動画では、実際にわざと倒れ込んで演じている場面もあります)

2)右端 旅人の上の警察官が2人あわてて駆けつけています。警官は腕章を着けています。
3)5人の警察官は、観客が近づかないように、外向きに警備しています。
4)親子連れが3組います。お父さんと女の子、お母さんと女の子、お父さんに連れられた男の子は事故を指さしています。

5)決定的瞬間を写真に撮ろうと、カメラを構えている人がいます。
6)龍の下敷きになってしまっている人がいます。実際には、龍は空洞なので重さはそんなに無いので、こんな風につぶされてしまうことはないと思うのですが・・・。
7)跳ねとばされて、運河に落ちた人を助け起こしています。
8)頭の方の人たちは、踏ん張っていますが、一人尻餅をついてしまっている人がいます。

9)玉乗り獅子舞は、混乱に巻き込まれることなくちゃんと乗っています。中には、2人の人が入っているはずです。

10)棒を持った警官がいます。警棒にしては長すぎます。演技者が取り落とした棒をとったのでしょうか?

11)橋のところで、事故現場に近づかないように手を広げて、止めている警官が2人います。
12)こちら側の他の警官は、観客の方を見ている人も龍舞の方を見ている人も、余り緊張感なく見ています。
13)リュックを背負った人は、望遠レンズをつけたカメラで撮影しているようです。それとも、望遠鏡を身ながら、指さしているのでしょうか?

14)後ろの2人は、双眼鏡で見ているようです。
15)ポーチをかけて、白シャツの女性は両手を広げていますが、事故現場に行かないように止めているような緊迫感がありません。何をしているのでしょう?
 龍舞や獅子舞について解説しているのでしょうか。
 向かい合う人の中、オレンジのシャツを着ている人は、子どもを肩車しているようです

16)赤い服の女の子が白い服のお母さんの手を引っ張りながら、獅子舞の方を一生懸命指さしています。
17)黄色の服の子どもは、龍舞の方へ飛びだそうとしてます、保護者がしっかりと抱きとめています。
18)白ヒゲのおじいさんが、杖に顎を置いて龍舞を見ています。
19)赤い服の女の子は、お母さんを振り仰いで、何か話しかけています。

0)竹馬の棒を持って、立っているピエロがいます。脇に抱えたピエロもいます。これから乗ろうというのでしょう。
21)竹馬に乗って長い服で足下を隠して、大きな扇を持っているピエロがいます。
 このような、形の竹馬は、スペイン編でも出てきました。世界中にこのようなパフォーマンスをする人がいるんですね。

22)人を肩車して、玉乗りしている人がいます。

23)アーチ状の橋の上では、色んな人が龍舞の事故を見ています。そのうちの一人は、欄干から片足乗り出してしまっています。

24)竹馬に乗ったピエロを見ている人もいます。
25)灰色の服を着て、階段を登っている人は何か抱きかかえているようです。花束?

26)柳の木の上に登って龍舞を見ている子どもは、下の男の人に怒られています。

27)船頭さんがお客の呼び込みをしています。「船からの龍舞見物も良いもんですよなんて言っているのでしょうか?」
28)テントの所には、何かぶら下げた男性がいます。何でしょう?
29)テントの下は、食べ物屋さんのようです。
0)何か積み重ねて運んでいる人がいます。小さな蒸籠ではないかと思います。

21)テーブルの上に何か白くて丸い物を並べている料理人がいます。「餃子」でしょうか。(餃子は春節のお祝いに食べられるようです)

22)白い物を伸ばしているのは?・・・・「拉麺(ラーメン)」でしょうか?あるいは「麦芽飴」づくり?
 絵柄的には伸ばして伸ばして作る麺であるラーメンかなと思います。ただ、お祭りに拉麺を食べる風習があるのかな?

23)ワンピース風の衣装ではなくズボンをはいて竹馬をしています。

24)竹馬を見上げて驚いている人が4人います。橋側の女性は右手に何か持っていますが、なんでしょう?

25)屋根の隅棟部に鳥の像が並んでいます。
 中国の建物に、このように像が並んでいるのをよく見ましたが、鳥の例を思い出せません。どこかに、このように鳥が並んでいる屋根がある寺などがあるのでしょう。
 棟にも、独特のデザインの瓦が並んでいます。江南の歴史的な建造物にありそうです。
開封にある、「大相国寺」の可能性が高いのではと思っています。決定打が無いのですが。

26)境内に狛犬(獅子)像があります。これも、この建物を特定するのに役立つかも。
 大相国寺には、大きな狛犬があります。

27)運河沿いがオープンカフェ状態になっています。
 飲み物を飲みながら、運河向こうの様子を楽しんでいます。縦縞のシャツの人は、龍舞の事故を指さして話しています。
28)給仕をしている女性が運んでいるのは、オレンジジュースでしょうか。

29)歩きながら運河向こうを見ている人たちがいます。
30)運河に観光船が止まって、龍舞・獅子舞を見ています。
 お客さんは13人?船首の所に座り込んでいるのは船員さんでしょう。船尾の船頭さんは、龍舞の方に気持ちが行ってしまっていて、竿に力が入っていません。

31)船の向こうに龍の口を支えている人との間に、何かいます?ちょうど製本上見にくくなっていてはっきりしませんが・・・犬のようです。
32)門のところに4人の人。
33)塀に梯子を架けて運河向こうを見ている子どもや肩車をしてもらって見ている子どもがいます。
34)塀の屋根の上に登って、龍舞を見ている子どもがいます。

場面13に描かれたのは・・・(トータル)  ※精確さに自信なし!?
160人( 1275人)
犬や猫などペット  2匹( 22匹)
自転車   0台(29台)牛や馬   0頭( 49頭)
自転車タクシー  0台( 6台)  0羽( 72羽)
荷車  0台( 28台)車椅子   0台( 3台)
   3艘( 63艘)洗濯物干し  0カ所( 17カ所)


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場面14結婚式

0)旅人は 少数民族の結婚式が行われている村にやって来ました。安野さんは、旅の絵本の各巻に必ず結婚式の場面を描かれてきました。これまでで一番大きな結婚式は、スペイン編の結婚式でしたが、中国編の結婚式はスペイン編を上回りました。7巻までで一番大きく描かれた結婚式の場面です。

中国の少数民族は多く、ここに描かれた民族が特定できていません。どなたか、見当のついた人はご連絡ください。
 タイ族?、白(ぺー)族?、ミャオ族?
→どうも、トン族だと思われます。
トン族の集落には、「鼓楼」と呼ばれる建物があり、村のシンボルになっています。最上階には太鼓などの鳴り物が置いてあって、外敵が来たときにそれをたたいて村人に侵入を知らせるためのものだったとのこと。また、収穫祭などもこの鼓楼で行われます。日常的には人々の集まる憩いの場所にもなっているようです。」
実は、トン族の鼓楼として紹介される建物は、もっと細かく屋根を積み重ねたようになっているものが多く、自信が有りませんでした。しかし、貴州省銅仁市トン族自治県玉屏(ぎょくびょうにある鼓楼が安野さんの表現された建物に非常に近いようです。この鐘鼓楼がモデルではないかと思われます。玉屏は街中の鼓楼ですから、もっと山の中の鼓楼にもこのようなデザインのものがあって、それをモデルにされているのかも知れません。
 
1)右上 旅人の向こうでは、牛を使って畑を耕しています。
2)畑の脇では、2人の人が杖や鍬をついて話し込んでいます。
  話題は、作柄のことでしょうか、今日の婚礼のことでしょうか

3)運河の船に家畜を積み込んでいます。牛が2頭に豚が2頭、さらに1頭乗せようとしています。
 積んである袋は飼料でしょうか?

4)逃げ出した豚がいます。男の人と女の人があわてて追いかけています。
トン族の婚礼の席では豚の丸焼きのような料理が出るようですから。この豚もそのことを察知しているのでは無いでしょうか。
張擇端の「清明上河図」にも豚が描かれています。開封の街には、豚も連れてこられていたのです。

5)豚の行く手には、両手を広げた男が待ちかまえています。
  これまでの旅の絵本でも、こんな風に立っていた人がいたと思うのですが、どの編か思い出せずにいます。

6)子どもが豚の逃走劇を驚いてみています。
7)家の壁にたくさん吊してある黄色の物はトウモロコシでしょう。
8)トウモロコシの下にはドラム缶が3本並んでいます。何が入っているのでしょうか?

9)子どもが2人追いかけっこをしています。豚のまねかな。
10)畑に3種類の作物が植え分けてあるようですが、何でしょう?

11)右端の建物壁は、網の目状になっています。家畜小屋かな?

12)右下 何か細長い物を束ねた物があって、荷車に積んでいます。
  女の人が抱えて持ってきていますから・・・あるいは逆に荷車で運んできた物をここに積んでいるのかも知れません。
  細長い物は何でしょう?茅ではないかと思うのですが

13)ここにも、トウモロコシが干してあります。
14)そして、洗濯物も干してあります。
15)しゃがんだ女の人の回りに雌鶏が3羽雄鶏が1羽います。エサをやっているのかな。

16)左ページ上部 3層(4層?)の建物があります。
 鼓楼で、集落のシンボル的な建物であり、集会所の役目を果たしている建物です。
以前(20年くらい前?)映画だったかドキュメンタリーだったかで、こんな建物のある少数民族の生活が紹介されていた記憶があるのですが、それが何族だったかよく覚えていませんが、山の中の集落にありました。多分トン族だったのだろうと思っています。
ちなみにトン族の伝統的集落には、鼓楼と共に屋根付きの橋である風雨橋があって、ここも村人が集う場所になっているようです。二つの建物は、宗教的に関連した役割を果たしていて、本来セットである物のようです。

峨々たる山中のかなり厳しい地形の中に作られる集落ですが、共同体としてこのようなしっかりした建造物を作り維持してきていること自体が素晴らしいと思います。
HP「中国トン族の世界」には、「■鼓楼から噴出した吉祥水は鼓楼周辺に満ちる。この様は鼓楼内部や鼓楼坪と呼ばれる広場の舗装文様に描かれる。幾重もの波紋文様で覆われている。村中から風雨橋に至る通路も波紋で舗装されている。村口に架かる風雨橋は鼓楼に湧いた吉祥水の流失を防ぐダムである。吉祥水が風雨橋で堰き止められることによって村に福気が充満する。トン族の村は吉祥が一杯詰まった「壺」ないし「葫蘆」として造営されているのだ。」と解説がされていました。
※参考
「中国トン族の世界」・・トン族の生活を紹介する多くの写真と、解説が素晴らしいです。また、トン布の制作の様子も紹介してあります。
http://www.fgo.jp/~dong/index.htm
「中国・三江・合善heshan集落におけるトン族の住み方」・・・建築学からの研究報告です
http://leo.nit.ac.jp/~ito/study/china/333dong.pdf

17)新郎新婦が、民族衣装を着て座っています。
 トン族の民族衣装は、藍染めが多用されています。つやを出す為に布をたたいたり撥水効果の為に卵を塗ったりするそうです。
※《参考》
HP「トン族の民族衣装」・・・多様な民族衣装を写真で紹介されています。
http://www.geocities.jp/ikokunotabibito/minzokuishou/ton/index.html

背後に白い大きな幕が張られています。これは何でしょう?映画の映写会でも予定されているのでしょうか?それとも、日本の披露宴で言えば、金屏風のような物でしょうか?

18)テーブルに着いている人たちが親族ということでしょうか・・・花婿側と花嫁側に別れて両家ご対面という雰囲気です。
 立っている人は、新郎のお父さん?あるいは、仲人役の人?または、来賓代表?・・・いずれにしてもご挨拶の最中のようです。
 挨拶が余り長いと嫌われますから、短めにどうぞ。

宮本神酒男さんという方が、トン族の結婚式の様子を写真で紹介されています。
「トン族 通りゃんせ結婚式」
http://mikiomiyamoto.bake-neko.net/tongwedding01.htm
 
19)新婦側に立っている3人は、テーブルについていないようです。どういう人なのでしょう。民族衣装の2人は給仕役で控えているのでしょうか?男の人も?

20)椅子に座っているおじいさんは、新郎新婦とはどういう関係でしょうか?

21)おじいさんの後ろの入口には対聯が掲げられています。漢族でなく、独自の文字を持っていても、こういう文化は当然のように取り入れられていると言うことでしょうか?

22)この建物の近く、20)のおじいさんが座っているあたりだけ、地面の色が異なっています。何か意味があるのでしょうか?

23)テーブルの上には大皿に盛られた食事と飲み物が並び、花が飾られています。
24)左の建物の前のテーブルの上にも鉢植えか、盛り花か黄色の花が大量に飾られています。

25)結婚を祝って民族衣装を着た女性たちが9人踊っています。
 両手に持っているのは何でしょう?ボンボンのようにも見えますが?衣装は藍色が目立ちます。トン族は藍染めの盛んな民族のようです。

26)踊りのための音楽は、生演奏です。楽器は、横笛琵琶胡弓、そしてアコーデオン(小型手風琴)といった所でしょうか。

27)立って、楽しんでいる人や座って楽しんでいる人がいます。基本的に、女性は民族衣装を着ています。やはり、婚礼の時は、女性は民族衣装なんですね。
 こうして、民族文化が護られてゆくというわけです。

28)踊りの右にも、杖を持ったおじいさんが椅子に座って見ています。そばの女性は、介助の人でしょうか。おじいさんは踊りを指さして何か言っています。踊りの内容の解説でしょうか。

29)女性2人と子どもが踊りを見ています。
30)男性2人が、踊りには背を向けて式の方を見ています。どういう関係でしょうか。

31)式の右側の建物の中には、大きなかまどがしつらえてあり、3つの焚き口があります。全てに赤々と火燃えていて、調理の真っ最中です。まだまだ暖かい料理が提供されるようです。

32)かまどに架けられた大鍋は、揚げ物でしょうか、煮物でしょうか?右側は、蒸籠(せいろ)のようですから、蒸し物を作っているのでしょう。

33)建物の奥では、女性が2人下ごしらえをしています。
34)男の人が、籠を持って歩いています。中身は何?

35)ニワトリが5羽(メス2羽にオス3羽)います。オスが多いというのは珍しいですね。オスは卵が取れないから、普通はメスの方を多く飼うと思うのですが。

36)手前にもテーブルがあって、沢山の食事が用意されています。大きな皿に横たわっているのは、ひょっとして子豚の丸焼きのような物でしょうか?
左の写真は、ミャオ族の結婚式のために用意された豚です。
「トン族 通りゃんせ結婚式」の写真の中にも、やはり豚を担いでいる様子が紹介されています。
ということで、

37)こちらのテーブル席には椅子が用意されていません。立食パーティーのようになっています。てんでに、相手を見つけて話し込んでいます。
38)木の下で2人並んでテーブルの方を見ているのは子どもでしょうか。子どもは、テーブルの食事には手を出せないことになっているのかも。

39)甕が11個も並んでいます。男の人がその一つを傾けています。甕の中身はお酒ではないでしょうか。これまでの絵本の流れからすると、花嫁が生まれたときにお父さんが買ってきて、この日のために土の中に埋めて保管していた紹興酒の古酒ではないかと。

40)ロープが張られて、赤い旗が並んでいます。お祝いを盛り上げる飾り付けでしょうが、どんな旗なんでしょうか。中華人民共和国の国旗「五星紅旗(ごせいこうき)」でしょうか。単に赤い紙かな。

場面14に描かれたのは・・・(トータル)  ※精確さに自信なし!?
83人( 1358人)
犬や猫などペット  0匹( 22匹)
自転車   0台(29台)牛や馬   6頭( 55頭)
自転車タクシー  0台( 6台)  9羽( 81羽)
荷車  1台( 29台)車椅子   0台( 3台)
   2艘( 65艘)洗濯物干し  1カ所( 18カ所)

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