を遊ぼう」8−4(日本編)

トップページへ  を遊ぼうTOP

旅の絵本8一覧表へ
前のシーンへ

場面11 牧場

0)旅人は、牧場にやってきました。安野さんがモデルにされた牧場の推定は出来ていませんが、北海道ではないしょうか。

1)木造の厩舎が有ります
2)牧草をためておく小屋とレンガ造りのサイロがあります。
近年では、牧草ロールの使用が一般的となり、サイロの姿が見られなくなってきています。

3)洗濯物が干してあります。何故かブルー系
4)七面鳥が4羽います。
5)フォルスタイン種の乳牛が21頭います。
6)乳を搾っている女性がいます。
このように、草原で乳を搾ることはまず無いでしょう。
バケツが描かれていないから、ただ世話しているだけかな?
7)世話をしている男性がいます。

8)井戸があります。つるべすらない井戸です。ロープにつけたバケツを投げ込んで引き上げるタイプのようです。
これを使っての水くみは大変だ!!

9)井戸から飼い葉桶に水を運んでいる男女がいます。
 電力や機械力を使わない牧畜は、大変だなあと思います。
安野さんは、大変でも必要ならそのような生活に戻ってでも、安全を保ちたいとの思いなのでしょう。

10)林の中にシカがいます。
大きなシカです。場面3の合掌造りのシーンにも出てきました。
立派なつのです。エゾシカではないでしょうか。
あるいはあるいは、森の中のシカはもののけ姫のシシ神のように・・・犯してはいけない自然の象徴?
となると、場面3のシカもそうかも知れません。場面3では、イノシシも出てきますし、それを鉄砲で撃つ人も出てきますし。

11)犬がいます。大きな犬です。牧羊犬でしょうか。
あるいはあるいは、12)のシカがももののけ姫のシシ神のイメージを隠しているのなら、山犬の神であるモロの君 だと・・・・
多分、単なる妄想です(汗)

12)子牛の所のところにいる子どもが手を振っています。
旅人に?犬に?シカに?・・・多分シカになんでしょうね。

(13)柵で囲まれた通路を馬に引かせた荷車で牛乳缶を運んでいます。
それにしても、この通路馬車が通るぎりぎりの幅しかありません。ちょっと狭すぎるように思います。・・・すれ違いは無理。

(14)通路の先を旅人が悠然と去ってゆきます。

(15)旅人のすぐ後ろの柵の構造が少し違います、出入り口のようです。

16)池のそばには、アヒルと子どもが
どうも、「かもさんおとおり(ロバート・マックロスキー作 )」からのようです。
旅の絵本にへの登場はアメリカ編(シーン16/17/18)につづいて2度目です。安野さんも大好きなんですね。
あるいは、あくまでアヒルであると考えると、イタリア編(シーン6)でこのパターンがありました。
この時は、「みにくいアヒルの子」でしたが・・・。
そういえば・・・前から5羽目が少しだけスケールが大き目かもしれません。

(17)ヒツジが3匹います。
(18)豚が9匹います。
(19)杖を持った男性がいます。左の肩に何かあります。鳥(ふくろう?たか?)でしょうか。
この男性、何か特別な存在だと思います。だれがモデルでしょう??

何か、隠された意味があるのでしょうか??

(20)子豚を追いかける男女の子どもがいます。
このパターンもイギリス編(シーン9)とアメリカ編(シーン19)に出てきました。何か、ありそうです。
マザーグースかも知れません。(未確認)
五匹の子豚?かも???

(21)近くの小屋(豚舎かな)の屋根の上に小鳥が3羽とまっています。

旅の絵本8一覧表へ

場面12 盆踊り

0)旅人は 盆踊りが盛大に行われているところにやってきました。
当然、夜です。盆踊りは夜であることが基本です。地域によっては、朝まで徹夜で踊り続ける所も・・・
平安時代、空也上人によって始められた念仏踊りが、盂蘭盆の行事と結びつき、精霊を迎える、死者を供養するための行事として定着していったとのことです。
立秋を過ぎてから行われるので、俳句の季語では「秋」になるそうです。

1)中央には櫓が設けられ、お囃子がいます。太鼓、三味線、横笛そしてラッパ?でしょうか。
音頭取りが描かれていないのが不思議です。

2)櫓には登るための階段がつけられていますが、最上部へはどうやって上がるのだろう??

3)踊り場の上にはたくさんの提灯が掛けられています。
提灯には、文字が書かれています。
 稲荷、初陣(津和野の銘酒?)、大谷(金物屋さん?)、さのや、わたや、よしのや、…文字の判読が難しくて詳細不明ですが、どうも津和野ネタを、たくさん潜り込ましてあるように思います。

4)輪の中心部には、浴衣を着た人達がそろっています。やはり気合いの入った人は中心部へ行くし、衣装もちゃんとすると言うことか
5)犬が3匹います。内2匹は一緒に飛び跳ねています。
6)車椅子の人も2人着ています。
7)乳母車を押してきている人もいます。
  ・・・そういえばこのごろ、このタイプの乳母車が減ったように思います。
8)杖をついた随分腰の曲がった老人もいます。

9)右手からラッパや太鼓を先頭に踊り手が踊りながらやってきています。
 後ろの二人が持っている白い物は、団扇でしょうか
 それにしても、この一団楽器の様子があまりにも盆踊りの常識を超えてませんか

10)目を左に転じると大学の旗を先頭に、学生の一団が踊りながら入って来ています。
 この大学は、どこの大学でしょう?大学の大の字が特殊です。校旗や校章を色々当たってみましたが、該当する物が見つかりません。山口大学や島根大学はシンボルマークを新しく替えているので、あるいは変更以前のデザインの可能性があります。お心当たりの方いらっしゃいませんか??
 旗の前で一人だけ服装の違うのは誰でしょう? 応援団長のような人?それともOB?

11)提灯の下から左下に直線的に踊っている人達がいます。
この一団、中央の輪とは別個ですし、これから合流しようとの雰囲気もありません。

12)大学の旗の上あたりで団扇を2枚持った一や子どもが別個に踊っているようです。
 現在の盆踊りでは、広場で踊る場合は、絵のように櫓を組んで、全体で何重かの円で踊ることが基本形ですが
かって(大きな照明や拡声器などなかったころ)には、この部分に描かれているように、てんでに踊っていた地方が結構あるようです。
参照:盆踊りの世界
「私の幼いときは、もちろん旅の方がいらっしゃるはずもなく、近くの人が物陰からわいてくるように集まってきて、踊るのでした。そのころは、街灯などはなく、家々のランプの灯りや、神社の提灯にぼっと灯が入っているだけの中で、好き好きに勝手に音頭をとり、おのおのに輪をつくったようでした。」
(郡上八幡まちづくり誌編集委員会編「郡上八幡の本」はる書房より引用。)

13)屋台が出ています。
 一番右は、かき氷屋さんのようです。氷をてんこ盛りにしています。お店の一が2人にお客さんが4人
14)真ん中の店は?何か飲みものでしょうか。お店の人が1人お客さんが6人
15)左の店は???お客さんが2人

16)川を挟んで、エリアが区切られていますが、川沿いに見物客が並んでいます。
 左端の人達は、両手を挙げて声援しています。
17)木を挟んで、次の木までの所にいる人達は両手を挙げている人と挙げていない人が半々くらい。
18)次の木までの間では、さらに静か、椅子に座っている人もいます。
19)橋から右には、赤ちゃんを抱いた人が浴衣を着た人と並んでいます。その右の二人は学生のカップル?
20)カップルで話しながら歩いている人もいます。

21)川の手前の人達は、完全に見る人達
 浴衣を着た二人も、屋根の上の干し場?で見ている家族も、男女も

22)旅人も、踊りの輪には入らず、川越しに見ています。
 ただ、馬を下りていて、通り過ぎる姿勢ではありません。
 この後、旅人は全てのシーンで馬を下りています。通り過ぎてゆくのが基本であった旅人が日本編では場面場面への関わり合う度合いが深くなったのかなと思います。

23)大きな屋根はお寺のようです。
29)そして、墓場では肝試し大会です。墓場は塀で囲まれていて門があるようです。
 門には提灯があってその紋は・・・・安野美術館のマーク
 あるいは、◆を四つ組み合わせた津和野踊りで使われている紋?

30)門の手前で怖がっている子どもたちがいます。
31)門を入って左側の茂みには、モンスターの隠し絵

32)近くの柳の木の陰に隠れている人がいます。
33)門を入ってすぐの人は女性(お母さん?)
 そこへ逃げ帰っているのは子どもでしょうか
34)その子を、竿の先につけたひらひらで脅している人がいます。
35)提灯を持って墓場に入って行く子ども
36)提灯のお化けを竿につけて、脅している人と驚いている人
37)柳の木の下に、ぶら下がった白い幽霊
38)走って逃げている人、腰を抜かしている人、なぜか墓石に扮していた人も逃げ出しています。
 墓場の奥で何が起こっているのか
39)墓場の中へ逃げている子どももいます。
40)塀の外から竿にぶら下げた物で脅してる人が2人、脅されている人が1人
 塀は、そこそこの高さがあるようですが、脅している人は、中のターゲットの様子が確認できるのかな??


ところで、安野さんはどこの盆踊りをモデルにされているのでしょうか。津和野には、全国的にも有名な津和野踊りがあるのですが・・・・津和野踊りは県の無形文化財に指定されています。念仏踊りを源流としていてい、踊り手の装束も、黒の覆面、白鉢巻にうちわを挿し、白振袖、黒股引、白足袋に雪駄と独特なもの。ですから、旅の絵本の雰囲気と異なるようです。
と考えていましたが、安野さんがあえてこの特徴的な衣装を外して後は津和野の盆踊りのイメージで描かれた可能性もあります。

※盆踊りについての考察と資料を見ることが出来ます
盆踊りの世界
http://www.bonodori.net/index.htm



旅の絵本8一覧表へ


場面13 パレード
0)旅人は パレードが行われている町にやってきました。
安野さん、日本編にもパレードを入れてきました。
架空の町ですが、ここにも津和野ネタがしこまれいます。

1)パレードの先頭は、造花?を持った先生の後に続く子どもたち(小学生?幼稚園の子?)

2)何も描かれていない横断幕が行きます。
安野さんは、本を買った人の名前なり好きなことなりを自由にかいてもらうために開けておいたといっておられます。
何を書こうか・・・なかなか決心がつきません。

3)太鼓が3人、その後に提灯を持った子どもたちが21人つづきます。提灯行列・・・・
4)笛を吹いたり逆立ちしたり、アクロバティックな2人が続きます。
5)3人の人が入った獅子舞
 夏なのに!!(いや秋かな)と、思いましたが・・・そもそも獅子舞は正月だけの物ではなさそうです。
そして、獅子の中に何人入るかで小獅子(1人)中獅子(2人?)大獅子(3人以上?)と呼び分けられるらしいです。
ですから、これは大獅子ということですかね。そもそも中国あるいはインドのもので、日本に伝わってきて、さらに多様に変化発展していった物のようです。
獅子=ライオン

6)色とりどりの風船をつけたこれも白い横断幕
7)燕尾服の男性と派手な女性は、ダンサー?かな。髪型がすごい!!

8)指揮者の後に、ブラスバンド舞台が27人賑やかに続きます。

9)うどんとそばののれんが掛かった店があります。
10)店の前には見物人が並んでいます。赤い鞄を持った隣の男性は肩を組んでいます。
11)帽子の男性は、ネクタイをしているのかな
12)荷車?を置いて見ているのははんてんを着たお兄さん?
13)前垂れをした店主?が立っている店は、八百屋さんでしょうか
14)店の前の人は、棒のような物を持っていますが、杖?

15)大谷金物店には、金槌や鋸にスコップ鍋などが並んでいます。
 このお店、津和野の本通りに実在します。店名は縦長の看板ですが。

16)金物店前の2人はカップルかな、お店の夫婦?

17)種と苗を扱う店、白い着物?を着た店主が立っています。
 このお店も津和野の本通りにあります。俵種苗店です。
津和野の伝統的な町家の佇まいを伝えているというのでl、登録有形文化財(建造物)に指定されています。

18)種苗店の前には、親子に、岡持を持った出前持ちに、和服の二人連れがいます。
19)奴凧やらお菓子のような物が並んでいる店は、駄菓子屋さんでしょうか
店の前に立っているのは店主と買いに来ていた子どもかな

20)2階から除いている人がいる家は、サインポールが立っているので床屋さんのようです。
 散髪されていた人と理容師さんがそのまま出てきて、パレードを見物しています。
 中欧編でも、散髪の途中でマラソン大会を見に出て来た人がいました。

21)散髪途中の人の隣の子どもたち4人と大人は、笛を吹きながらアクロバティックなことをしている二人に釘付けです。
22)荷車があります。後ろの男性が引いてきたのかな
23)犬がいます。この犬、他のシーンにもいたように思います・
24)逆立ちしている人を一生懸命見ている4人のむこうにいる人は、竹馬を持っているようです。
25)床屋の屋根にはネコが上がっています。

26)右上 パレードの最後尾を見ている人達
 子どもが並んでいます。二人は、耳を押さえています。よほど大きな音がしているのでしょうが、そこまでしなくても(笑)。

27)たくさん風船を持っている人がいます。売り物でしょう
  見ている二人は、風船が買いたいのかな

28)天秤棒を前に置いているおじさんは、金魚屋さんでしょうか?
29)隣のニッカボッカをはいている男性は、とび職のひとたち
30)飛び跳ねて、ブラスバンドを歓迎している子どもたちがいます。
31)子どもたちの4人向こうには、キリスト教のシスターが2人
32)車椅子の人と付き添いの人。
33)黒袴の2人は弓を持っているようです。弓道の練習のようです。
34)板前さん風の人達の間に、岡持を持っている人がいます。やっぱり、出前なのか。
35)赤いスカートの女性はたすきをしているように見えますが?この意味は?
36)子連れのお母さんが女の子に話しかけています。腕組みした男の人はお父さんでしょうか。
37)和服の男性と隣の女性の関係は?親子??
38)両手を腰に当てた女性はどうしたのでしょう
39)横断幕の向こうにセーラー服の女学生が2人。夏服のようです。

40)建物の2階の窓からパレードを見ている人がいます。
この住宅、津和野の財間家住宅(1階に平格子や出格子を設ける。津和野の代表的な町家建築として文化財指定)ではないかと

41)家の角に用水桶が設置してあります。
42)割烹着を着た女性の隣は、警察官でしょうか?足もとにある鍋のような物は何でしょう??

43)自転車に乗っている人の手前、髪を後ろで束ねた女性2人の次にいる男性が手に持っているのは何でしょう?
44)獅子舞を指さして見ています。その横にはネクタイを下男性が。
45)逆立ちをしているのを身を乗り出して見ている人達がいます。
46)子どもを2人連れたお父さんの横では、自転車から降りてパレードを見ている人がいます。
47)旅人は、馬を木につないで提灯をかざしてパレードを見ていま。
 随分積極的な見物です。

48)子どもに手を引かれている男性や、羽織袴で両手を挙げて声援してる人がいます。
49)屋根の上の物干し場からパレードを見ている家族がいます。
50)右下 パレードの反対側の窓から女性?が見えます。
  風呂上がりでしょうか。

旅の絵本8一覧表へ


場面14 花嫁行列
0)旅人は 花嫁行列が行われている所にやってきました。
昭和の初期までは、花嫁行列があったようですが・・・
今でも、神社境内などで花嫁行列をしている所があります
車社会では、なかなか見ることが出来なくなりました。
写真は、湯河原町で行われた行事(でも花嫁さんは本物)

1)朱の傘を差しか掛けられているのは本日の主役の花嫁さんです。
清浄潔白を意味する白無垢に新郎以外に顔をさらさないために綿帽子を被っています。
傘を咲きかける人、馬を引く人、後ろを固める人・・・3人がかり、さすが主役です。

2)前を行く紋付き袴の男性が新郎でしょうか
3)その前に提灯持ち。
提灯描かれた紋は、安野美術館のシンボルマークのようです。
4)さらにその前に2頭の馬。露払い的な意味合いでしょうか
5)後ろからは、荷物をたくさん載せた馬車が続きます。
この形は、大名行列をまねたのでしょうか。

6)左上 特徴的な大きな門のある建物があります。どこにある建物がモデルなのでしょうか?特定できていません。

7)門の前には、女性が一人立っています。
8)葉が真っ黄色になっているのは、銀杏の木でしょうか。
9)田んぼの中に、長い杖?を持って立っている人がいます。これはどういう人?

10)右上 稲木に刈り取った稲が掛けてあります。
 地方によって呼び方が変わるようですが、私の地方では、はぜがけと言います。
今では、コンバインの普及に伴って、このような風景も減ってしまいました。
稲を刈る→稲を天日干しする→脱穀する
という作業手順は日数も要しますし、けっこう重労働だからです。
現在でも天日干しをしている田があるのは、
@ コンバインが入れられないような小さな田
A コンバインを購入するほどの耕作面積がない
B 天日干しの方が上質でうまい米がとれる
といったような理由によると思われます。

11)手前の田んぼでは、稲刈りをしている人達が、手を止めて花嫁行列見ています。
12)田んぼには、案山子が立っていますが、傘の上にカラスが止まっています。

13)赤いポストのある家の前に、自転車の荷台にたくさん荷物を積んだ人がいます。
14)買い物籠を持った人が歩いています。

15)猿回しが行われています。
サルは2匹で、チャンバラを見せているようです。
猿回しが持っているのは、太鼓でしょうか。そして、三輪車など小道具もしっかり用意してあります。
旅の絵本で、猿回しが取り上げ得られるのはこれで3度目だと思います。
日本の猿回しは、中国から伝わった物のようです。
色々あって、日本では一旦は途絶えてしまいましたが、山口県の周防の猿回しが復活。現在にいたっています。

16)見物している人は、大人も子どももいて見えているだけで33人、それに新たに駆けつけている子どももいます。

17)「ゆ」の大きなのれんの掛かったお風呂屋さんがあります。煙突には「菊の湯」と書かれています。
津和野には、現在菊の湯はないようです。どこの菊の湯がモデルでしょうか、山中温泉に似たような建物がありますが・・・安野さんが選ばれるにしては、新しいし。

18)銭湯の前屋台を引く人がいます。
石焼き芋屋さんのようです。

19)「薪炭」の看板の上がった店があります。薪や炭を商っている店です。
今では、薪炭を中心に扱う店はほとんどありませんが、石炭石油が広まる前はどんな町にも、薪炭を主に扱う店があったものです。今では、ガスやさんやなどが薪炭をあつかったり、DIYの店にあったりしますね。

20)店の前には、店主が腕組みして立っています。
21)店の前を犬と人が引いて人が後ろから押しているリヤカーがあります。
荷物は、炭俵のようです。

22)銘菓と看板を掲げた和菓子屋さんがあります。
この店は、津和野の本町にある竹風軒がモデルのようです。
創業明治18年で、現存する津和野最古の源氏巻老舗店です
和菓子屋さんのモデルが津和野にありましたから、銭湯も薪炭店も津和野に以前あったものがモデルの可能性があるのかと思います。

23)和菓子屋の前に自転車が止めてあります。配達用でしょうか。
24)親子ずれの女性が歩いています
25)旅人が町の中を歩いています。馬はどこへいるのでしょう?
あるいは馬上で馬が屋根に隠れているだけかも。ただし、これまで馬上の旅人は場面左から右という暗黙の進行方向に向かっていました。馬上だとすると進行方向が逆になります。
 
26)屋根の上に櫓の乗った建物があります。何かモデルがありそうですが、不明。

安野さんは、これまでの旅の絵本1の中欧編〜7の中国編まで、必ず結婚式を入れておられました。日本編ではそれが、花嫁行列ということになったのだと思います。

旅の絵本8一覧表へ

場面15 収穫の秋
0)旅人は 秋真っ盛り。実りの秋・収穫の秋の現場にやってきました。

1)左上 ススキの尾花白く輝いています。
2)栗畑では、栗が実り、落ちたイガグリから栗を収穫しています。
3)栗畑の脇にお地蔵さんが立っています。

4)お地蔵さんの横に、槍を持った栗と臼とハチがいます。
この組み合わせは、主役のサルとカニがいませんが・・・「さるかに合戦」です。

猿かに合戦(楠山正雄/青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000329/files/18334_11947.html

※ウィキペディアより「さるかに合戦」

)大きな束を背負っている男性が2人います。
 背負っているのはだと思います。ススキの原があるので、ススキを刈り取ってきているのだと。
茅葺き屋根の材料でしょうか。

6)柿の木が赤く実っています。
 さるかに合戦のあらそいのスタートはおむすびと柿の種の交換でした。
余談ですが、甘い柿の種を植えても、ほとんど渋柿になります。実生では、先祖返りをしてしまうからです。ですから、柿は(というかほとんどの果樹は)種からではなく、挿し木あるいは接ぎ木で増やします。植物版のクローンです。

7)柿の木の所にもサルも柿もいませんが、馬がつながれています。
この馬は、旅人の乗ってきた馬のようです。

8)脱穀した藁を積み上げて、藁山(積み藁)にしています。
 藁も大事な資源です。このようにちゃんと保管して、縄や莚や畳の材料とかに使いました。 
 今では、コンバインで刈り取りながら脱穀そして、切り刻んで田んぼに撒いています。

実はこの作業を、東北地方で風の強いところで行っている「杭がけ(棒がけ)」で、稲を干しているのかと勘違いしていました。木を縦横に組んで干す「はせがけ」では倒れてしまうほど強い風が吹くようなところで採用されるようです。乾いた風が吹き付けるので重なっていても、じゅうぶん乾かすことができます。1週間から10日おきに2回ほど稲たばのかけかえをするようです。


9)なんと、旅人が 藁積みを手伝っています
 見るだけの旅をすることの多かった旅人ですが、日本に来て体験型の旅の要素を取り入れたようです。

10)手前では、「はせがけ(はぜがけ)」で稲を干しています。
 はせ木の建て方ですが、私の地方では、前のシーンで紹介した写真のように、まず3本の棒の先を縛って3角形に開いてから、その上に横木をのせます。安野さんの絵では、垂直に木を打ち込んでおいて、斜めに支え木をとりつけるやり方のようです。伝統的な農作業も、地域地域で異なるようです。

11)はせ木の上にカラスがとまっています

12)手前の田んぼでは、天日干しの済んだ稲を、千歯扱きで脱穀しています。
 脱穀した藁は、今では切って田に戻しますが、8)のように、保管して使っていました。
※千歯こき (せんばこき)
「江戸時代中期以降に広まった脱穀[だっこく]器のひとつです。竹の歯を10本ぐらいくしの歯のように並べたもので、後には歯数も増し、鉄製になりました。歯の部分に稲穂をかけて引き、籾[もみ]をはずします。」

大正時代に足踏み式脱穀機が表れてから、次第に衰退。それでも昭和の半ばまで使っているところが有ったそうです。
私は、実物が農家にあるのを何度か見ましたが、実際の農作業で使っているところを見たことがありません。
安野さんの少年時代ならまだつかっていたのかも。

13)場面5では軒下に保管してあった唐箕(とうみ)で、脱穀した稲をから、籾殻や藁屑を風によって選別しています。

14)土臼(どうす)で、4人がかりで籾すりをしています。
脱穀(だっこく)がすんだもみをじゅうぶん乾燥(かんそう)させた後,つぎはもみ(稲粒)から,外側についているもみがらを取り除いて,玄米(げんまい)にする作業をします。この作業を「もみすり」といいます。
戦前の昭和10〜15年頃、ゴムローラーの間を通してもみすりをする動力籾擦機が一般的になったようです。
私は、土臼の使用を見たことがありません。安野さんの子どもの頃はまだ使っていたとおもいます。

※土臼(どうす) /唐臼(からうす)・籾磨臼(もみすりうす)とも
江戸時代に中国から唐箕(とうみ)などといっしょに伝わったといわれている米の精米道具です。
上下二つの円筒形からなり,臼(うす)は竹籠(たけかご)や桶(おけ)の胴(どう)に塩や石灰をまぜた土を入れて固く詰め,すり面にカシの木の歯を何枚も打ち込み,上下の臼(うす)が触れ合う面には放射状に溝(みぞ)が彫られていました。上からもみを入れて臼(うす)をれを二人で押し引きして回転させると,もみがらがむけ,横から,玄米(げんまい)ともみがらが出てきました。上臼には引き綱(つな)がついており,ふつう二人が「とまり棒(ぼう)」にとまって回転させました。木で作られたものを木臼(きうす)といいました。

17)下半分の所では、農作物が異様に大きいなどスケールがゆがんでいます。
これはまるで、安野さんの『野の花と小人たち』の世界のようです。
ただ、厳密には野の花と小人たちのように、単純に人がスケールダウンしているのではないということです。
石垣の向こうにいる人達に比べて小さく描かれていないのです。栗林のところの人達よりむしろ大きいくらいです。
ですから、ここの農作物が大きくなっているといえます。

18)巨大な大根を収穫しています。
 これでは「おおきなかぶ」のように助けが必要です。

19)自分の体より大きな大根を女性が並べています。

20)建物の大きさが、人間に比べても小さくなっています。特に材木が立てかけられている小屋は、中に入ることが出来るのだろうか。

21)大きい方(といってもこぶりですが)の小屋の右側に大量の材木が積んであります。はぜ木ようでしょうか。

21)大根を天秤で運んでいる男性がいます。この大根はそれほど巨大ではないようです。
22)青い実はなんでしょう。巨大なブルーベリー??
にしては、実の付き方がちがうようです・・・

23)木に登ったりブランコをしたりしている小さな子たちがいます。この子達はホントに小さく描かれています。



次のシーンへ

旅の絵本8一覧表へ

   を遊ぼうTOP